発表会の練習は、本番の数週間前から園の一日に組み込まれます。ホールや遊戯室に集まる時間が増え、いつもの自由遊びの時間が削られ、同じ曲・同じ動きの繰り返しが入ります。遠足は練習こそありませんが、「来週バスに乗る」「お弁当を持っていく」という予告そのものが、見通しの立ちにくいお子さんには数日前から負荷になります。その時期に、家のほうで次のようなことが起きることがあります。
練習の期間は、いつもより音が多く、予定が読めず、待つ時間が長い日々が続きます。園で持ちこたえていた分が、安心できる家で出ている——という順番で起きていることがよくあります。
家で崩れるのは、家が安全だからです。保護者の関わり方が原因ではないことのほうが多く、家庭の対応を変えても本番が終わるまで戻らないことがあります。まず、ご自身を責めないでください。
「どうして行きたくないの」と聞いても、「わかんない」しか返ってこないことがあります。これは隠しているのではなく、自分の中で何が起きているかを言葉にする力が、まだ育っている途中だからです。聞き出すより、いつ崩れるかを外側から見るほうが早く手がかりが出ます。
※ 一週間だけ、カレンダーの端に「◎ふつう/△しんどそう/×崩れた」と書き足してみてください。園に相談するとき、この一枚がそのまま材料になります。→ 登園しぶり
「発表会が苦手」を分けると、だいたい次の六つのどれか、あるいはいくつかの組み合わせに落ち着きます。分ければ、一つずつ園に頼めます。
※ はじめにお断りしておきます。「発表会」「お遊戯会」「遠足」を名指しで扱った国の文書は、確認できた範囲では見当たりません。以下は、幼稚園教育要領・保育所保育指針・児童発達支援ガイドラインが行事や日常の場面全般について書いていることを、この二つの場面に当てはめて整理したものです。根拠のある部分と、そうでない部分を分けて書きます。
舞台は、普段の保育室と違って一段高く、正面に大勢の大人が座り、照明が当たり、逃げ場が見えない場所です。「見られる」ことそのものが負荷になるお子さんもいれば、舞台の高さや暗さが怖いお子さんもいます。これは度胸の問題ではなく、場所と状況の問題です。だから、場所と状況を変えれば通ることがあります。
発表会の会場は、ピアノやCDの音がスピーカーを通して大きくなり、マイクの音が反響し、曲の終わりに数百人分の拍手が一斉に起きます。音の苦手さは、こども家庭庁の児童発達支援ガイドライン(令和6年7月)が定める本人支援の五領域のうち「運動・感覚」の中に、はっきり位置づけられています。支援内容には「感覚の特性(感覚の過敏や鈍麻)を踏まえ、感覚の偏りに対する環境調整等の支援を行う」と書かれています。
つまり国のガイドラインは、本人を慣れさせるのではなく環境の側を調整することを支援内容として挙げています。内閣府の「合理的配慮サーチ」も、発達障害の合理的配慮の提供の例として「感覚過敏があるときには、それを和らげるための対処(例えば聴覚過敏に耳栓使用)を行えるようにする」を挙げています。耳栓やイヤーマフは、国が例として書いている配慮です。→ 感覚過敏とは?
家では言えるセリフが、舞台の練習では出ない。これは「覚えていない」のではなく、人前で声を出すことそのものが難しい状態であることが少なくありません。園でほとんど声が出ないお子さんの場合、場面緘黙という言葉が当てはまることもあります。セリフは、劇の中の一つの役割にすぎません。声を出さない役、動きだけの役、ナレーションを先生と一緒に言う役、録音した声を流すなど、役割の側を変える道があります。
お遊戯会の衣装は、普段着ない素材(ビニール、光る布、フェルト)で、首元や頭に何かが触れ続けます。触覚の苦手があるお子さんにとって、衣装は舞台に上がる前の最初の壁になります。衣装が原因で舞台に上がれないのに、「舞台が怖い」と誤解されていることがあります。
発表会で本人が舞台にいる時間は、多くても十分程度です。残りは控え室で待つ時間です。狭い部屋に大勢が詰め込まれ、静かにするよう言われ、出番が近づくと先生の声が大きくなる。舞台よりも、この待ち時間のほうが苦手、というお子さんは少なくありません。この場合、舞台の練習を頑張らせても改善しません。待ち方のほうを変える必要があります。
登園の時間が違う、保護者が園にいる、いつもの保育室に入らない、終わったら親と一緒に帰る。当日は朝から最後まで「いつもと違う」が続きます。児童発達支援ガイドラインは、発達障害のあるこどもへの配慮として「予定等の見通しをわかりやすくすることや、感覚の特性(感覚の過敏や鈍麻)に留意し、安心できる環境づくりが必要である。また、具体的又は視覚的な手段を用いながら、活動や場面の理解を促すこと」と書いています。先に見せることは、国のガイドラインに書かれている支援の形です。
遠足の心配は、発表会とはまったく別の場所にあります。こちらも分けます。
遠足のバスは、降りたくても降りられない乗り物です。エンジンの振動、座席の匂い、車内の音、隣との距離の近さ、そして「あとどれくらい」が分からないこと。普段の電車やバスで途中下車の道を作っているご家庭ほど、「降りられない」ことの重さがよく分かると思います。外出の記事では、乗り物の時間帯・車両・途中で降りてよいことを書きました。遠足のバスは、そのうち「途中で降りる」が使えない場面です。だからこそ、座席の位置、乗る順番、持ち物、隣に誰がいるかを先に決めておく意味があります。
遠足のお弁当は、家では食べるものでも、外の風の中、地面のシートの上、周りが騒がしい中で、弁当箱という別の容器から食べることになります。偏食のあるお子さんにとっては、中身よりも「状況」が壁になることがあります。園によっては「おにぎりだけ」「食べ慣れたものだけ」と伝えれば、それで足ります。遠足の日に新しいものを試す必要はありません。→ 偏食とは?
公園や施設のトイレは、暗い・匂う・音が響く・自動で水が流れる・ハンドドライヤーが鳴る、という場所です。園のトイレでは行けるのに、外では入れないお子さんは珍しくありません。行き先のトイレの様子(和式か洋式か、自動水洗か、ドライヤーがあるか)は、園が下見をしていれば分かることです。先生に「下見のときトイレを見てきてもらえますか」と頼んでよいことです。
遠足は、一日じゅう列で移動し、決められた相手と手をつなぎ、立ち止まって待つことの連続です。手をつなぐこと自体が触覚として苦手なお子さん、列の中で自分の位置を調整し続けることが負担なお子さんがいます。→ 集団に入れない
行き先が広くて人が多く、動物の匂いや鳴き声、水族館の暗さがある。行き先そのものの刺激が大きい場合は、行き先の写真を先に見ること、途中で休める場所を先生と決めておくことで、負荷を減らせます。
| 心配の正体 | まず何を頼むか(一つずつ) |
|---|---|
| バス | 前のほうの席・窓側・先生の隣にしてもらう。乗る順番を最初か最後にしてもらう。イヤーマフや小さな持ち物(タオル・お気に入りの物)の持ち込みを認めてもらう。酔いやすい場合は事前に園と共有 根拠=内閣府 合理的配慮サーチ(発達障害)「聴覚過敏に耳栓使用」/基本方針の合理的配慮の例「障害の特性に応じた休憩時間の調整…などのルール・慣行の柔軟な変更」 |
| お弁当 | 中身は食べ慣れたものだけでよいか確認する。食べる場所を端や日陰にしてもらう。食べられなくても叱らず、持ち帰りでよいことを確認する |
| トイレ | 下見のときトイレの様子を見てきてもらう。出発前に園で済ませる。先生に付き添ってもらう。必要なら着替えを一式持たせてよいか確認する |
| 集団で歩く | 手をつなぐ相手を先生か相性のよい子にしてもらう。列の位置を先頭か最後尾にしてもらう。立ち止まって待つ場所を先に決めてもらう |
| 行き先 | 行き先の写真やパンフレットを先にもらう。途中で休める場所(ベンチ・木陰・バスの中)を決めてもらう。保護者の同行や現地での合流ができるか尋ねる |
「見学だけでいいですか」「途中で抜けてもいいですか」と言うのは、わがままでも、園に迷惑をかけることでもありません。園が保育・教育の拠り所にしている文書に、その根拠があります。
行事の指導に当たっては、幼稚園生活の自然の流れの中で生活に変化や潤いを与え、幼児が主体的に楽しく活動できるようにすること。なお、それぞれの行事についてはその教育的価値を十分検討し、適切なものを精選し、幼児の負担にならないようにすること。
幼稚園教育要領は、行事について「幼児が主体的に楽しく活動できるように」「幼児の負担にならないように」と書いています。行事は、幼児のためにあるもので、幼児が行事のために我慢するものではない、という順番です。さらに同じ要領の第1章 第5「特別な配慮を必要とする幼児への指導」は、障害のある幼児などへの指導について「個々の幼児の障害の状態などに応じた指導内容や指導方法の工夫を組織的かつ計画的に行うものとする」と定め、個別の教育支援計画・個別の指導計画の作成と活用に努めるとしています。発表会の役割や参加のしかたを個別に工夫することは、この「指導方法の工夫」の中に入ります。
また、発表会が主に対応する領域「表現」のねらいは「感じたことや考えたことを自分なりに表現して楽しむ」で、内容の取扱いには「幼児の自己表現は素朴な形で行われることが多いので、教師はそのような表現を受容し、幼児自身の表現しようとする意欲を受け止めて」とあります。舞台の真ん中で大きな声でセリフを言うことだけが「表現」ではない、と読める文言です。
保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号)には、確認できた範囲では「行事」の負担について直接書いた箇所はありませんでした。その代わり、次の二つが根拠になります。
第1章 3(2)キ 障害のある子どもの保育については、一人一人の子どもの発達過程や障害の状態を把握し、適切な環境の下で、障害のある子どもが他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう、指導計画の中に位置付けること。また、子どもの状況に応じた保育を実施する観点から、家庭や関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成するなど適切な対応を図ること。
第4章 1(1)ア 保護者に対する子育て支援を行う際には、各地域や家庭の実態等を踏まえるとともに、保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に、保護者の自己決定を尊重すること。
「適切な環境の下で」「子どもの状況に応じた保育」「保護者の自己決定を尊重」——発表会や遠足の参加のしかたを保護者と園で相談して決めることは、この指針の書きぶりそのものです。第1章 1(3)の保育の方法にも、「子どもが安心感と信頼感をもって活動できるよう、子どもの主体としての思いや願いを受け止めること」とあります。
※ 認定こども園には「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」がありますが、この記事では原文を確認していないため引用していません。お子さんがこども園に通っている場合は、園に「要領のどこに行事の考え方が書いてありますか」と尋ねると、園のほうから示してもらえます。
園の文書に加えて、法律があります。障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号。障害者差別解消法)です。内閣府のページによると、この法律は令和3年5月に改正され(令和3年法律第56号)、改正法は令和6年4月1日に施行されました。それまで努力義務だった事業者の合理的配慮の提供が、義務になりました。
事業者は、その事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない。
第7条第2項は「行政機関等」(地方公共団体を含む)について、同じ文言で定めています。公立の園は第7条、私立の園は第8条です。どちらも「しなければならない」です。
こども家庭庁も、令和6年12月5日付の事務連絡「保育所等における障害のあるこどもの受入れについて」で、この法律に基づく対応の徹底を各自治体に求めています。同じ事務連絡には、保育所等における障害のあるこどもの受入れ数は約9万人で、10年前と比較して約2倍とあります。園にとって、配慮の相談はもう珍しいことではありません。
「うちはまだ診断がついていないから」と迷われるかもしれません。第2条第1号は、障害者を「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」と定めています。内閣府の基本方針(令和5年3月14日閣議決定)は、対象となる障害者の該当性は「個別に判断されることとなり、いわゆる障害者手帳の所持者に限られない」としています。困っている状態があることを伝えれば、この法律の話ができます。→ 合理的配慮とは?
配慮が動き出す引き金は、条文の「意思の表明」です。基本方針は、この意思の表明について「障害の特性等により本人の意思表明が困難な場合には、障害者の家族、介助者等、コミュニケーションを支援する者が、本人を補佐して行う意思の表明も含む」と書いています。園児が自分で先生に交渉することは想定されていません。保護者が伝えることが、制度上の正規の入口です。
「それは難しいです」と言われることもあります。基本方針は、園が過重な負担にあたると判断した場合、「障害者に丁寧にその理由を説明するものとし、理解を得るよう努めることが望ましい」としています。「過重な負担」は、その場の気分で決めるものではなく、「個別の事案ごとに、以下の要素等を考慮し、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断する」とされています。
そして基本方針は、「代替措置の選択も含め、双方の建設的対話による相互理解を通じて、必要かつ合理的な範囲で柔軟に対応がなされる必要がある」と書いています。断られて終わりではなく、別の案を一緒に探すところまでが、この法律の想定する場面です。「舞台は無理でも、客席の端で衣装を着て見る」「セリフは無理でも、幕を開ける係をする」——そういう案を出し合う場だと思って臨んでよいということです。
※ 基本方針は、合理的配慮が「事務・事業の目的・内容・機能の本質的な変更には及ばない」ことにも留意が必要としています。発表会や遠足そのものを別の行事に作り替えることは含まれませんが、参加のしかたを変えることは本質的な変更にはあたらないと考えるのが自然です。
これは制度の話ではなく、段取りの話です。役割と配置が決まる前に伝えたほうが、園は圧倒的に動きやすくなります。劇の配役、立ち位置、バスの座席表は、いったん全体の表になってしまうと一箇所だけ変えにくくなるからです。
発表会の時期は園によって違います。秋の園もあれば、冬や年度末の園もあります。遠足も春の園、秋の園、両方ある園があります。まず、年度初めに配られた年間行事予定を出して、日付を確かめてください。おたよりや連絡アプリにも載っています。日付が分かれば、「練習はいつから始まりますか」「配役はいつ決まりますか」と園に聞けます。配役が決まる前・座席が決まる前が、動きどきです。
| 場所 | 最初に話す相手 |
|---|---|
| 保育園・幼稚園・認定こども園 | まず担任。担任が「園として決めます」と答えたら、主任または園長に同席をお願いする。役割の変更、控え室の分け方、バスの座席、保護者の同行の可否は、担任だけでは決められないことがあります |
| 児童発達支援を併行利用している場合 | 児童発達支援管理責任者に伝える。こども家庭庁の児童発達支援ガイドラインは「移行支援」の支援内容として「併行利用先とのこどもの状態や支援内容の共有(例:得意不得意やその背景、声掛けのタイミングやコミュニケーション手段の共有)」を挙げています。園への伝達を事業所側から行う道があります |
| 保育所等訪問支援を使っている場合 | 訪問支援員に「発表会の練習の日に来てもらえますか」と頼む。練習の場面を実際に見た人が園と話すと、具体案が出やすくなります |
面談で口頭だけで伝えると、その場にいなかった先生には伝わりません。発表会当日は控え室の担当、遠足当日はバスの担当と、担任以外の先生が本人のそばにいる時間が長くなります。紙で渡すと職員間で回覧され、当日の担当まで届きます。
※ A4一枚で十分です。長くする必要はありません。むしろ短いほうが当日の先生に伝わります。→ 相談の前に用意しておくメモ/面談で聞かれること
基本方針は、合理的配慮の例として「振り仮名や写真、イラストなど分かりやすい表現を使って説明をする」「障害の特性に応じた休憩時間の調整や必要なデジタル機器の使用の許可などのルール・慣行の柔軟な変更」を挙げています。発表会の場面に当てはめると、頼めることは次のようになります。全部を頼む必要はありません。苦手の正体に合わせて、一つか二つ選んでください。
| 苦手の正体 | 頼めることの例 |
|---|---|
| ① 舞台に立つこと | 舞台の端や幕の近くに立ち位置をもらう。先生が舞台上で隣にいる。舞台には上がらず客席の前列で衣装を着て参加する。練習のときに舞台に上がって照明を点けてもらい、先に体験する |
| ② 音 | イヤーマフ・耳栓の使用を認めてもらう。スピーカーから離れた立ち位置にしてもらう。拍手の直前に先生が耳をふさぐ合図を出す。リハーサルで音量を確かめる 根拠=内閣府 合理的配慮サーチ(発達障害)「聴覚過敏に耳栓使用」/児童発達支援ガイドライン「運動・感覚」=感覚の偏りに対する環境調整 |
| ③ セリフ | 声を出さない役に替えてもらう。先生と一緒に言う。録音した声を流す。セリフの代わりに動きや小道具で表す。数人で同じセリフを言う役にしてもらう |
| ④ 衣装 | 首元や頭の飾りを外す。衣装の下に着慣れた肌着を着る。衣装を数日前に家に持ち帰り、家で着てみる。どうしても着られなければ、色だけ合わせた普段着で出る |
| ⑤ 待つ時間 | 控え室を別にする、または保護者と一緒に待って出番の直前に合流する。待つ間に持てるもの(タオル・小さな物・絵本)を認めてもらう。出番を最初か最後にしてもらう |
| ⑥ 見通し | プログラムを先にもらう。会場の写真、立ち位置の写真、衣装の写真を先にもらう。当日の流れを絵や写真の順番で家で確認する 根拠=児童発達支援ガイドライン「予定等の見通しをわかりやすくすること」「具体的又は視覚的な手段を用いながら、活動や場面の理解を促すこと」/基本方針の合理的配慮の例「写真、イラストなど分かりやすい表現を使って説明」 |
| 当日に崩れたとき | 舞台袖か保護者席へ、声をかけずに連れてきてもらう。途中退場してよいことを、事前に園と確認しておく。「途中まで出た」を園も家も「出た」と数える |
幼稚園教育要領は行事を「幼児の負担にならないように」と定め、保育所保育指針は「子どもの状況に応じた保育」「保護者の自己決定を尊重」と定め、障害者差別解消法は「性別、年齢及び障害の状態に応じて」必要かつ合理的な配慮を「しなければならない」と定めています。三つの文書のどれも、「全員が同じ形で出る」とは書いていません。見学だけ、途中退場、別の役——どれも園に頼んでよい参加の形です。
園に頼むことと並行して、家でできる準備は「先に見せる」の一つに尽きます。児童発達支援ガイドラインが「予定等の見通しをわかりやすくすること」「具体的又は視覚的な手段を用いながら、活動や場面の理解を促すこと」と書いているのは、この準備のことです。→ 視覚支援とは?
※ 乗り物の練習を家でしたい場合は、外出の記事に、時間帯・車両・途中で降りてよいことをまとめてあります。遠足のバスと違って、普段の外出は「途中で降りる」が使えます。まず降りられる乗り物で経験を積んでから、でかまいません。
発表会や遠足が終わった翌日から数日は、反動が出ることがあります。当日は持ちこたえたのに、翌朝に崩れる。これは当日の緊張がほどけた分が出ているだけで、後退ではありません。当日を「出た/出なかった」で数えず、「控え室までは行けた」「バスには乗れた」「お弁当は開けた」と、できたところまでを数えてください。それが次の行事の出発点になります。
見学だけになった、途中で帰った、という日もあります。それはその子にとっての「参加」がその形だったということで、失敗ではありません。園と家庭が事前に「途中退場してよい」と決めてあれば、なおさらです。
この3行は、次の行事の前に園へ渡す紙の下書きになります。また、児童発達支援を利用している場合は、個別支援計画のモニタリングで事業所に伝える材料にもなります。
発表会のきょうだいの出番を見に行けなかった、遠足の日にきょうだいの予定を動かした、ということが起きます。きょうだいには「今日はあなたの番だったのに」と一言だけ、事実として伝えてください。埋め合わせは、後日の短い時間で足ります。→ きょうだい児支援
園と話しても案が出ない、断られた理由の説明がない、というときは、園の外に相談先があります。
※ どの窓口でも、園に渡した紙とカレンダーの記録(◎△×)があると、話が具体的に進みます。
※上記の出典は2026年9月7日に閲覧して内容を確認しました。各団体の記載は更新される場合があります。最新の情報は各サイトでご確認ください。
のびのび発達ラボを運営する児童発達支援てらぴぁぽけっと早稲田教室(東京都新宿区・早稲田駅徒歩1分)には、言語聴覚士・公認心理師・精神保健福祉士・保育士など多職種の専門スタッフが在籍しています。見学・ご相談は、診断の有無に関わらず承ります。