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発達相談で聞かれること——なぜそれを聞かれるのかも、あわせて

最終更新:2026年9月4日
初めての発達相談は、緊張するものです。「聞きたいことがあったのに、その場で思い出せなかった」という声もよく聞きます。

このページは、聞かれることが多い項目をまとめたメモです。ただ並べるのではなく、なぜそれを聞かれるのかもあわせて書きました。

理由がわかると、何を答えればよいかが決めやすくなります。書き込んで、当日お持ちください。

聞かれることには、根拠があります

相談で聞かれる項目は、思いつきで並んでいるわけではありません。専門職が評価のときに集めることになっている情報と重なっています。

米国言語聴覚学会(ASHA)は、包括的な評価に含まれる生育歴の聴取として、次の項目を挙げています。

ASHAが挙げている項目相談で聞かれる形
出生・医療・発達の経過妊娠中や出産のとき、これまでの病気、首すわりや歩き始めの時期
ご家族の経過家族の中に、認知・発話・言語・読み・学習の困りごとがあったか
ご家族が何を心配しているかいちばん気になっていること
本人から見た得意・苦手その子自身が何を得意/苦手と感じているか
使っている言語家庭で使う言語、いつから触れているか、どんな場面で使うか
ことばの覚え方ご家族から見て、どうことばを覚えてきたか
だから「うまく説明できない」で困る必要はありません
ご家族が何を心配しているか、そのものが評価に含まれる項目です。整理して話す必要はありません。気になっていることを、そのままお伝えください。

ただし日付つきのメモがあると、話がまったく変わります。

1. これまでの育ち(生育歴)

母子健康手帳の記録を見ながら整理しておくと、当日そのまま話せます。

項目なぜ聞かれるか
妊娠中・出産時に言われたこと
早産・低出生体重・入院など
ASHAは「出生・医療・発達の経過」を聴取項目に挙げています
首すわり・おすわり・歩き始めの時期運動の発達は、ことばの育ちと関連が報告されています
初めてのことば(初語)の時期「初語と語のつながりの獲得が遅かった」という経過は、意味の領域の特徴として挙げられています
健診(1歳6か月・3歳児)で言われたこと
「様子を見ましょう」も含めて
母子保健法第12条により市町村の義務として行われる健診です。そこでの記録は共有される前提の情報です
これまでの病気・入院・アレルギー
🔴 耳の病気(中耳炎など)は特に
くり返す中耳炎にともなう伝音性の難聴は、ASHAが聴覚情報処理に関連しうる要因として挙げています
これまでの相談歴
いつ・どこで・何と言われたか
同じ検査をくり返さずに済みます
🔴 耳の記録は、忘れずに
ASHAは、ことばのスクリーニングに聴力の低下を除外するための聞こえの確認を含めています。聞こえていなければ、ことばは入っていきません。

中耳炎をくり返した時期があれば、それだけでも重要な情報です。

2. いまの様子

項目書き方のコツ
いちばん気になっていること1つに絞れなくてかまいません。優先順位をつけておくと話しやすくなります
気になる様子の具体例いつ・どんな場面で・どれくらいの頻度か。動画があれば見せられるように
話せることばの数数えて、日付を書いてください。ASHAは語彙が増える速さも見るとしています
「わかっているか」の根拠🔴 身ぶりを外して通じたか。後ろから名前を呼ぶ、物を見せずに指示を出す——試したことをメモ
ことば以外で伝えているか指さし、手を引く、見せる、渡す。身ぶりが出ているかは、それだけで見どころです
好きな遊び・得意なこと困りごとだけでなくできることも評価の材料です
食事・睡眠・トイレ偏食・寝つき・おむつなど
園での様子先生から聞いていることがあれば。家庭と園で違うことがあります
いちばん役に立つのは「日付つきの数字」
「なんとなく遅い気がする」ではなく「2歳0か月で30語、2歳6か月で45語」

この形で言えると、専門職はそこから見立てを始められます。詳しくはことばが出ない・遅い気がするときをご覧ください。

3. 家族のこと・希望

項目なぜ聞かれるか
家族構成・主に関わる人送迎できる曜日にも関わります
家庭で使っている言語ASHAが聴取項目に挙げています。複数の言語がある場合は、いつから触れているか・どんな場面で使うかまで
ご家族の経過ASHAは「家族の中に認知・発話・言語・読み・学習の困りごとがあったか」を挙げています
今後の希望何を目指すかで、支援の組み立てが変わります
🔴 多言語は「原因」ではありません
ASHAは、複数の言語を使っていることが聴覚情報処理の障害の原因ではないと明記しています。また、包括的な評価の結果として「文化的・言語的な違いだけで、それ以上の評価も支援も必要ない」という結論もありうる、としています。

だからこそ正確に伝えることに意味があります。隠す必要はありません。

確認したいことリスト——尋ねてよいことです

聞かれるだけの場ではありません。こちらから確認してよいことを挙げます。

聞きたいこと根拠・補足
療育は必要ですか評価の結果には「支援は必要ない」という結論もあります
受給者証は必要ですか。どこで申請しますか児童発達支援に必要なのは通所受給者証で、窓口は市町村です(→受給者証とは?
手帳は必要ですか手帳がなくても受給者証は交付されえます。別の制度です(→療育手帳と受給者証の違い
費用はどれくらいですか負担上限月額は0円/4,600円/37,200円。東京都では0〜2歳も実質0円(→利用料と無償化
園と両立できますか併用でき、両方とも無償化の対象です(→併用
言語聴覚士に相談できますかことばの検査・評価は言語聴覚士(ST)の領域です
いつ、何をもって見直しますか🔴 「様子を見ましょう」と言われたときは、これを聞いてください。ASHAは6か月ごとの見直しを求めています
いちばん大事な一言
「様子を見ましょう」と言われたら、「いつ、何をもって見直しますか」と確認してください。

ASHAは、ことばの目安について定期的に(たとえば6か月ごとに)見直すことが不可欠としています。「様子を見る」は、何もせずに待つことではありません。

持っていくとよいもの

全部そろわなくてかまいません
そろえてから行く必要はありません。母子健康手帳と、気になっていることのメモだけでも十分に話は進みます。

足りないものは、その場で案内されます。

どこに相談すればいいか

相談先何のため
区市町村の発達相談窓口・保健センター無料。診断の有無にかかわらず相談できます。必要に応じて専門機関につないでもらえます
児童発達支援事業所見学・相談。事業所によっては評価・相談のみも受けています
耳鼻咽喉科聞こえの確認。ことばの相談の順番として先に来ます
小児科・児童精神科医学的な診断が必要な場合

東京23区の窓口は東京23区の申請窓口 一覧・比較にまとめています。

就学の相談は窓口が変わり、区市町村の教育委員会になります(→就学相談とは?)。

※本記事は一般的な情報提供です。相談で聞かれる内容や必要な持ち物は、相談先によって異なります。診断は医師が行います。療育は医療ではありません。

出典

※上記の出典は2026年9月4日に閲覧して内容を確認しました。各団体の記載は更新される場合があります。最新の情報は各サイトでご確認ください。

よくあるご質問

うまく説明できる自信がありません
整理して話す必要はありません。ASHAは、包括的な評価の生育歴の聴取項目に「ご家族が何を心配しているか」そのものを挙げています。気になっていることを、そのままお伝えください。ただし日付つきのメモがあると、話がまったく変わります。
何を持っていけばいいですか?
母子健康手帳と、気になっていることのメモがあれば十分です。そろえてから行く必要はありません。ことばの記録(話せることばと日付)、これまでの検査結果、気になる場面の動画があれば、なお役に立ちます。
「様子を見ましょう」と言われたら、どうすればいいですか?
「いつ、何をもって見直しますか」と確認してください。ASHAは、ことばの目安について定期的に(たとえば6か月ごとに)見直すことが不可欠としています。「様子を見る」は、何もせずに待つことではありません。
家庭で複数の言語を使っています。不利になりませんか?
なりません。ASHAは使用言語を生育歴の聴取項目に含めており、いつから触れているか・どんな場面で使うかまで確認するとしています。また複数の言語を使っていることが障害の原因ではないと明記しています。正確に伝えることに意味があります。
中耳炎をくり返していました。関係ありますか?
重要な情報です。ASHAはくり返す中耳炎にともなう伝音性の難聴を関連しうる要因として挙げており、ことばのスクリーニングにも聴力の低下を除外するための確認を含めています。母子健康手帳の記録とあわせてお伝えください。
相談したら、必ず何かに通うことになりますか?
なりません。ASHAは、包括的な評価の結果として「文化的・言語的な違いだけで、それ以上の評価も支援も必要ない」という結論もありうると明記しています。調べた結果「心配はいりません」となることも、大事な結果です。
この記事について:本記事は、子育て・発達に関する一般的な情報の提供を目的としています。内容は学会・職能団体・国の機関が公開している情報にもとづいてまとめていますが、お子さまの発達には個人差があり、すべてのお子さまに当てはまるものではありません。診断や治療に関する判断は、医師などの専門機関にご相談ください。

制度のこと、見学のときに一緒に確認できます

のびのび発達ラボを運営する児童発達支援てらぴぁぽけっと早稲田教室(東京都新宿区・早稲田駅徒歩1分)では、受給者証の申請や利用料のしくみについても、見学・ご相談の際にご案内しています。手続きが不安な段階からお声がけいただけます。見学・ご相談は、診断の有無に関わらず承ります。