相談で聞かれる項目は、思いつきで並んでいるわけではありません。専門職が評価のときに集めることになっている情報と重なっています。
米国言語聴覚学会(ASHA)は、包括的な評価に含まれる生育歴の聴取として、次の項目を挙げています。
| ASHAが挙げている項目 | 相談で聞かれる形 |
|---|---|
| 出生・医療・発達の経過 | 妊娠中や出産のとき、これまでの病気、首すわりや歩き始めの時期 |
| ご家族の経過 | 家族の中に、認知・発話・言語・読み・学習の困りごとがあったか |
| ご家族が何を心配しているか | いちばん気になっていること |
| 本人から見た得意・苦手 | その子自身が何を得意/苦手と感じているか |
| 使っている言語 | 家庭で使う言語、いつから触れているか、どんな場面で使うか |
| ことばの覚え方 | ご家族から見て、どうことばを覚えてきたか |
母子健康手帳の記録を見ながら整理しておくと、当日そのまま話せます。
| 項目 | なぜ聞かれるか |
|---|---|
| 妊娠中・出産時に言われたこと 早産・低出生体重・入院など | ASHAは「出生・医療・発達の経過」を聴取項目に挙げています |
| 首すわり・おすわり・歩き始めの時期 | 運動の発達は、ことばの育ちと関連が報告されています |
| 初めてのことば(初語)の時期 | 「初語と語のつながりの獲得が遅かった」という経過は、意味の領域の特徴として挙げられています |
| 健診(1歳6か月・3歳児)で言われたこと 「様子を見ましょう」も含めて | 母子保健法第12条により市町村の義務として行われる健診です。そこでの記録は共有される前提の情報です |
| これまでの病気・入院・アレルギー 🔴 耳の病気(中耳炎など)は特に | くり返す中耳炎にともなう伝音性の難聴は、ASHAが聴覚情報処理に関連しうる要因として挙げています |
| これまでの相談歴 いつ・どこで・何と言われたか | 同じ検査をくり返さずに済みます |
| 項目 | 書き方のコツ |
|---|---|
| いちばん気になっていること | 1つに絞れなくてかまいません。優先順位をつけておくと話しやすくなります |
| 気になる様子の具体例 | いつ・どんな場面で・どれくらいの頻度か。動画があれば見せられるように |
| 話せることばの数 | 数えて、日付を書いてください。ASHAは語彙が増える速さも見るとしています |
| 「わかっているか」の根拠 | 🔴 身ぶりを外して通じたか。後ろから名前を呼ぶ、物を見せずに指示を出す——試したことをメモ |
| ことば以外で伝えているか | 指さし、手を引く、見せる、渡す。身ぶりが出ているかは、それだけで見どころです |
| 好きな遊び・得意なこと | 困りごとだけでなくできることも評価の材料です |
| 食事・睡眠・トイレ | 偏食・寝つき・おむつなど |
| 園での様子 | 先生から聞いていることがあれば。家庭と園で違うことがあります |
| 項目 | なぜ聞かれるか |
|---|---|
| 家族構成・主に関わる人 | 送迎できる曜日にも関わります |
| 家庭で使っている言語 | ASHAが聴取項目に挙げています。複数の言語がある場合は、いつから触れているか・どんな場面で使うかまで |
| ご家族の経過 | ASHAは「家族の中に認知・発話・言語・読み・学習の困りごとがあったか」を挙げています |
| 今後の希望 | 何を目指すかで、支援の組み立てが変わります |
聞かれるだけの場ではありません。こちらから確認してよいことを挙げます。
| 聞きたいこと | 根拠・補足 |
|---|---|
| 療育は必要ですか | 評価の結果には「支援は必要ない」という結論もあります |
| 受給者証は必要ですか。どこで申請しますか | 児童発達支援に必要なのは通所受給者証で、窓口は市町村です(→受給者証とは?) |
| 手帳は必要ですか | 手帳がなくても受給者証は交付されえます。別の制度です(→療育手帳と受給者証の違い) |
| 費用はどれくらいですか | 負担上限月額は0円/4,600円/37,200円。東京都では0〜2歳も実質0円(→利用料と無償化) |
| 園と両立できますか | 併用でき、両方とも無償化の対象です(→併用) |
| 言語聴覚士に相談できますか | ことばの検査・評価は言語聴覚士(ST)の領域です |
| いつ、何をもって見直しますか | 🔴 「様子を見ましょう」と言われたときは、これを聞いてください。ASHAは6か月ごとの見直しを求めています |
| 相談先 | 何のため |
|---|---|
| 区市町村の発達相談窓口・保健センター | 無料。診断の有無にかかわらず相談できます。必要に応じて専門機関につないでもらえます |
| 児童発達支援事業所 | 見学・相談。事業所によっては評価・相談のみも受けています |
| 耳鼻咽喉科 | 聞こえの確認。ことばの相談の順番として先に来ます |
| 小児科・児童精神科 | 医学的な診断が必要な場合 |
東京23区の窓口は東京23区の申請窓口 一覧・比較にまとめています。
就学の相談は窓口が変わり、区市町村の教育委員会になります(→就学相談とは?)。
※本記事は一般的な情報提供です。相談で聞かれる内容や必要な持ち物は、相談先によって異なります。診断は医師が行います。療育は医療ではありません。
※上記の出典は2026年9月4日に閲覧して内容を確認しました。各団体の記載は更新される場合があります。最新の情報は各サイトでご確認ください。
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