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📖 用語・基礎知識

構造化とは?——国のガイドラインが、平易に定義しています

最終更新:2026年9月6日
構造化——説明が難しくなりがちなことばです。

ところが、こども家庭庁のガイドラインにとても平易な定義があります。

児童発達支援ガイドライン(自己評価表の注記)より:「『本人にわかりやすく構造化された環境』とは、こども本人がこの部屋で何をするのかがわかりやすいよう、机や本棚の配置などを工夫することです。

——🔴「この部屋で何をするのかがわかりやすい」
これが、国の文書による構造化の説明です。

🔴 国の文書に、くり返し出てきます

第5群のほかの用語と違い、「構造化」は国の文書に何度も出てきます

調べたもの「構造化」の出現
こども家庭庁 児童発達支援ガイドライン🔴8か所
こども家庭庁 放課後等デイサービスガイドライン🔴8か所
文部科学省「障害のある子供の教育支援の手引」🔴14か所
e-Gov法令検索(全法令を横断)該当する法令はありますが、幹線道路の整備や鉱山保安など別の文脈です
🔴 だから、この記事は書けます
第5群のほかの用語(ABA・トークンエコノミー・課題分析・プロンプト・シェイピングなど)は国の文書に定義がありませんでした。

構造化だけは、定義があります。しかも平易な言い方で。

支援内容と、環境の義務

児童発達支援ガイドライン(環境)
「事業所等は、こうした人、物、場等の環境が相互に関連しあい、こどもの生活が豊かなものとなるよう、次の事項に留意しつつ、計画的に環境を整え、工夫して、こどもに対し支援を行わなければならない。」

そこに挙げられているもの——
こどもによる選択ができるよう配慮すること
・生活する空間は温かで、親しみやすく、くつろげる場となるようにすること
🔴・時間や空間を本人にわかりやすく構造化すること
🔴・不安な気持ちを落ち着かせる環境を整えること
🔴 「時間や空間を」——時間が先です
構造化は、部屋の配置だけの話ではありません。
ガイドラインの書き方は「時間や空間を」で、時間が先に置かれています。

——次に何があるかが分かることも、構造化に含まれるということです。

本人支援の「健康・生活」領域にも、項目があります——「・構造化等による生活環境の調整——生活の中で、様々な遊びを通した学びが促進されるよう環境を整える。また、障害の特性に配慮し、時間や空間を本人に分かりやすく構造化する。」

🔴🔴 保護者が「なっているか」と問える項目です

ガイドラインには事業所の自己評価表保護者等からの評価表が付いています。構造化は、その両方に入っています。

両方の評価表にある項目
「生活空間は、こどもにわかりやすく構造化された環境になっているか」

——🔴保護者が答える側の質問としても入っています。
見学のときに見てよい、尋ねてよいことです。

そして、指定基準省令 第26条は、事業所に対して自己評価と保護者評価を受けたうえで改善を図ることおおむね一年に一回以上、その内容を保護者に示すとともにインターネットの利用その他の方法により公表することを義務づけています。

  1. この部屋で何をするのかが、子どもから見てわかるか——注記の言い方そのものです
  2. 時間の見通しは、どう示されていますか——ガイドラインは「時間や空間を」と時間を先に書いています
  3. 落ち着ける場所はありますか——「不安な気持ちを落ち着かせる環境」が挙げられています
  4. 子どもが選べる場面はありますか——「こどもによる選択ができるよう配慮すること」が最初に挙げられています
  5. 自己評価と保護者評価の結果は、どこで見られますか——省令は公表を義務づけています

学会の側の記述

米国言語聴覚協会(ASHA)は「活動スケジュールと視覚的支援」として、近いことを書いています。

ASHA「Autism」より
「活動スケジュールと視覚的支援は、物、写真、絵、書かれた言葉など、手がかりやプロンプトとして働くものを含む。これらは、一連の課題や活動をやりとげること課題に注意を向けることある課題から別の課題へ移ることさまざまな場面で情動の調整を保つことを助ける。」

🔴 四つ目に「情動の調整」が入っています(→視覚支援とは?)。

ASHAはまた、専門的な支援を検討しうる状況として「日課の変化への対応や、活動から活動への移行の困難」を挙げています。移ることの難しさは、支援を検討する項目として書かれています(→切り替えが難しいとき)。

🔴 名前ではなく、中身で
ASHAは、支援の選択肢について「多くの選択肢は複数の分類にまたがりうる」「一部のアプローチやプログラムは、追加の研修や認定を必要とすることがある」としています。

——プログラムの名前より、環境の実際を見るほうが確かめやすいかもしれません(→TEACCHとは?)。

学校の側では

文部科学省の手引にも14か所出てきます。そのうち、教室の場面に関わるものを挙げます。

また、こども家庭庁のガイドラインは障害特性に応じた配慮として予定等の見通しを持てるようにすることを挙げています。

学校に伝えるとき
配慮の提供は、法律上本人・保護者の側から言い出したときに始まります(障害者差別解消法 第7条第2項・第8条第2項=「その旨の意思の表明があった場合において」)。

お願いできることを、ガイドラインの言葉で整理すると——
時間(見通し、順番、区切り)
空間(座席、しきり、落ち着ける場所)
選べること(やり方、順番、場所)
(→環境調整とは?合理的配慮とは?

🔴 差別解消法は、環境に関することを二つの条文に分けています。第5条が不特定多数に向けた環境の整備(努力義務)第7条第2項・第8条第2項がその人に向けた合理的配慮(義務)です。設備が整っていないことは、個別の配慮をしない理由としては条文上つながりません。

この記事で書かないこと

🔴具体的な配置図や、道具の名前は書きません。ガイドラインが挙げているのは「机や本棚の配置などを工夫すること」までで、どう置くのが良いかは書かれていないためです。

🔴効果も書きません。効果がないという意味ではなく、ここでは判断しないという意味です。

特定のプログラムの手順も書きません。ASHAは「一部のアプローチやプログラムは、追加の研修や認定を必要とすることがある」としています。

書けるのは、国のガイドラインと省令、ASHAが実際に何と書いているかまでです。

どこに相談すればいいか

相談先何のため
通っている・見学する児童発達支援・放課後等デイサービス🔴「生活空間は、こどもにわかりやすく構造化された環境になっているか」は保護者評価表の項目です
園・学校(担任・特別支援教育コーディネーター)時間・空間・選べること。合理的配慮は「意思の表明があった場合」に始まります
保育所等訪問支援専門職が園・学校を訪問する制度。児発GLは地域支援に「支援方法や環境調整等に関する相談援助」を挙げています
作業療法士言語聴覚士感覚・伝える手段の側から
市区町村教育委員会学校との調整
発達障害者支援センター関係機関との連絡調整

※本記事は一般的な情報提供です。実際にどこまでできるかは、園・学校・事業所とのご相談になります。療育は医療ではありません。

出典

※上記の出典は2026年9月6日に閲覧して内容を確認しました。各団体の記載は更新される場合があります。最新の情報は各サイトでご確認ください。

よくあるご質問

構造化とは、どういう意味ですか?
こども家庭庁のガイドラインの注記に平易な説明があります——「『本人にわかりやすく構造化された環境』とは、こども本人がこの部屋で何をするのかがわかりやすいよう、机や本棚の配置などを工夫することです」
部屋の配置だけの話ですか?
いいえ。ガイドラインの書き方は時間や空間を本人にわかりやすく構造化すること」で、時間が先に置かれています。次に何があるかが分かることも含まれます。
見学のとき、どこを見ればよいですか?
ガイドラインの保護者等からの評価表に、そのままの項目があります——「生活空間は、こどもにわかりやすく構造化された環境になっているか」
事業所の評価は見られますか?
指定基準省令 第26条は、自己評価と保護者評価を受けたうえでおおむね一年に一回以上、その内容を保護者に示すとともにインターネットの利用その他の方法により公表することを義務づけています。
学校にもお願いできますか?
合理的配慮は「その旨の意思の表明があった場合において」始まります。お願いできることを整理すると時間(見通し・順番・区切り)/空間(座席・しきり・落ち着ける場所)/選べることです。
「設備がないので」と言われました
障害者差別解消法は二つを別の条文で定めています。第5条が不特定多数に向けた環境の整備(努力義務)第7条第2項・第8条第2項がその人に向けた合理的配慮(義務)です。設備が整っていないことは、個別の配慮をしない理由としては条文上つながりません。
どう配置するのがよいですか?
この記事では書きません。ガイドラインが挙げているのは「机や本棚の配置などを工夫すること」までで、どう置くのが良いかまでは書かれていないためです。
視覚的な手がかりは、何に役立ちますか?
ASHAは四つ挙げています——一連の課題や活動をやりとげること/課題に注意を向けること/ある課題から別の課題へ移ること/さまざまな場面で情動の調整を保つこと
この記事について:本記事は、子育て・発達に関する一般的な情報の提供を目的としています。内容は学会・職能団体・国の機関が公開している情報にもとづいてまとめていますが、お子さまの発達には個人差があり、すべてのお子さまに当てはまるものではありません。診断や治療に関する判断は、医師などの専門機関にご相談ください。

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