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📖 用語・基礎知識

5領域とは?——国のガイドラインは「網羅されていないと総合的な支援とは言えない」と書いています

最終更新:2026年9月6日
見学に行くと「5領域に対応しています」と説明されることがあります。

5領域は、事業所が自分で決めた枠組みではありません。こども家庭庁の児童発達支援ガイドライン放課後等デイサービスガイドライン(令和6年7月)が定めているものです。

そしてガイドラインには、こう書かれています——「本人支援の5領域の視点が網羅されていない状況で支援を提供することは、総合的な支援としては相応しいとは言えない」

5領域は「本人支援」の中の枠組みです

まず全体の位置づけです。ガイドラインは、支援を四つに分けています。

支援の柱内容
本人支援ここが5領域。こども本人への発達支援
家族支援家族(きょうだいを含む)への支援(→家族支援とは?
移行支援保育所等・学校など、次の場へつなぐ支援(→移行支援とは?
地域支援・地域連携関係機関と連携した支援

ガイドラインは、この四つを「総合的に提供していくもの」としています。5領域は、そのうちの一本の中の話だということです。

支援の四つの柱(本人支援・家族支援・移行支援・地域支援/地域連携)と、本人支援の5領域(健康・生活/運動・感覚/認知・行動/言語・コミュニケーション/人間関係・社会性)を示した図こども家庭庁 児童発達支援ガイドライン本人支援家族支援移行支援地域支援・地域連携「本人支援」は、5つの領域でできています1. 健康・生活睡眠・食事・排泄/基本的生活スキル2. 運動・感覚姿勢と運動・動作/感覚の特性への対応3. 認知・行動認知の特性の理解/行動障害への予防と対応4. 言語・コミュニケーション言語の形成と活用/伝える手段5. 人間関係・社会性アタッチメント/仲間づくりと集団への参加「5領域の視点が網羅されていない状況で支援を提供することは、総合的な支援としては相応しいとは言えない」(ガイドライン)
こども家庭庁 児童発達支援ガイドライン(令和6年7月)にもとづく。支援の四つの柱と、本人支援の5領域。

5つの領域と、そのねらい

ガイドラインが挙げる5領域と、各領域の「ねらい」です。

領域ねらい(ガイドラインの記載)
健康・生活健康状態の維持・改善/生活習慣や生活リズムの形成/基本的生活スキルの獲得
運動・感覚姿勢と運動・動作の基本的技能の向上/姿勢保持と運動・動作の補助的手段の活用/身体の移動能力の向上/保有する感覚の活用/感覚の補助及び代行手段の活用/感覚の特性への対応
認知・行動認知の特性についての理解と対応/対象や外部環境の適切な認知と適切な行動の習得/行動障害への予防及び対応
言語・コミュニケーションコミュニケーションの基礎的能力の向上/言語の受容と表出/言語の形成と活用/人との相互作用によるコミュニケーション能力の獲得/コミュニケーション手段の選択と活用/状況に応じたコミュニケーション/読み書き能力の向上
人間関係・社会性アタッチメント(愛着)の形成と安定/遊びを通じた社会性の発達/自己の理解と行動の調整/仲間づくりと集団への参加
読みどころを三つ
「感覚の特性への対応」が「運動・感覚」に入っています。感覚過敏・感覚鈍麻は、支援の領域として名前がついています(→感覚過敏・感覚鈍麻)。

「読み書き能力の向上」が「言語・コミュニケーション」に入っています。就学前でも、読み書きは支援の対象として書かれています(→読み書きが苦手)。

「アタッチメント(愛着)の形成と安定」が「人間関係・社会性」の筆頭です。技能より先に、安心が置かれています(→愛着とは?)。

🔴 「総合的な支援」と「重点を置いた支援」

ガイドラインは、支援の提供のしかたを二つに分けて説明しています。

区分ガイドラインの記載
総合的な支援5領域の視点等を踏まえたアセスメントを行った上で、生活や遊び等の中で、5領域の視点を網羅した個々のこどもに応じたオーダーメイドの支援
特定の領域に重点を置いた支援5領域を網羅した支援を行うことに加えて、理学療法士等の専門性にもとづくアセスメントを行い、特定(又は複数)の領域に重点を置いた支援を計画的・個別集中的に行うもの。一対一だけでなく、配慮された小集団も含まれる
そのうえで、こう書かれています
「本人支援の5領域の視点を網羅したアセスメントが行われないことや、5領域のうち特定の領域のみの支援のみを行うなど、本人支援の5領域の視点が網羅されていない状況で支援を提供することは、総合的な支援としては相応しいとは言えないものである」

——つまり「うちは◯◯だけをやります」は、総合的な支援としては認められていないということです。

重点を置くことは「網羅したうえで、加えて」行うもの、という順序で書かれています。

計画には、どう書かれるのか

5領域は、個別支援計画(児童発達支援計画)とつながっています。

ガイドラインの記載
「児童発達支援計画においては、『本人支援』について5つの欄を設けて、個々に異なる支援目標や支援内容を設定する必要はないが、各領域との関連性については必ず記載することとしている

——5つに分けて書く必要はない。けれど、どの領域と関係するかは必ず書く。

面談で計画を見せてもらうとき、「この目標は、どの領域と関係していますか」と尋ねると、支援の意図が見えやすくなります(→個別支援計画とは?)。

またガイドラインは、各領域の支援内容について「お互いに関連して成り立っており、重なる部分もある」としています。きれいに5つに分かれるものではない、という前提です。

見学のときに使える聞き方

※ガイドラインは事業所の支援の指針であり、この記事は保護者向けにその内容を紹介するものです。事業所ごとの運用は各事業所にご確認ください。

どこで確かめられるか

確かめ先何のため
こども家庭庁のページガイドラインの本文(下の出典から読めます)
利用する事業所アセスメントの方法、計画の書かれ方
区市町村の障害児支援の窓口制度と事業所選びの相談
相談支援専門員障害児支援利用計画を作る立場から

※本記事は一般的な情報提供です。制度の運用は自治体・事業所により異なります。療育は医療ではありません。

出典

※上記の出典は2026年9月6日に閲覧して内容を確認しました。各団体の記載は更新される場合があります。最新の情報は各サイトでご確認ください。

よくあるご質問

5領域は、誰が決めたものですか?
こども家庭庁の児童発達支援ガイドラインおよび放課後等デイサービスガイドライン(令和6年7月)が定めています。事業所が独自に決めた枠組みではありません。
5領域には何がありますか?
健康・生活/運動・感覚/認知・行動/言語・コミュニケーション/人間関係・社会性の5つです。これらは「本人支援」の中の枠組みで、ほかに家族支援・移行支援・地域支援/地域連携があります。
特定の領域だけをやる事業所でもいいのですか?
ガイドラインは「5領域のうち特定の領域のみの支援のみを行う」ことを、総合的な支援としては相応しいとは言えないとしています。重点を置く支援は、5領域を網羅したうえで「加えて」行うものとして書かれています。
計画書に5領域が書かれていません
ガイドラインは「5つの欄を設けて、個々に異なる支援目標や支援内容を設定する必要はない」としつつ、「各領域との関連性については必ず記載することとしている」としています。面談で「この目標はどの領域と関係していますか」と尋ねてみてください。
感覚の困りごとは、どの領域ですか?
「運動・感覚」です。ねらいに「感覚の特性への対応」が明記され、支援内容には「感覚の特性(感覚の過敏や鈍麻)を踏まえ、感覚の偏りに対する環境調整等の支援を行う」とあります。
読み書きは、就学前でも支援の対象になりますか?
ガイドラインの「言語・コミュニケーション」領域のねらいに「読み書き能力の向上」が含まれ、支援内容に「発達障害のあるこどもなど、障害の特性に応じた読み書き能力の向上のための支援を行う」とあります。
この記事について:本記事は、子育て・発達に関する一般的な情報の提供を目的としています。内容は学会・職能団体・国の機関が公開している情報にもとづいてまとめていますが、お子さまの発達には個人差があり、すべてのお子さまに当てはまるものではありません。診断や治療に関する判断は、医師などの専門機関にご相談ください。

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