🔴 法律が定める業務
発達障害者支援法第14条第1項は、都道府県が発達障害者支援センターとして、社会福祉法人その他の法人であって業務を適正かつ確実に行うことができると認めて指定した者に、業務を行わせることができる(自ら行うこともできる)としています。
業務として条文が挙げているのは、次のようなものです。
| 業務 | 使う側から見ると |
| 発達障害の早期発見、早期の発達支援等に資するよう、発達障害者及びその家族その他の関係者に対し、専門的に、その相談に応じ、又は助言を行うこと | 🔴家族も相談できます。「その他の関係者」には園・学校の先生も含まれます |
| 発達障害者に対し、専門的な発達支援を行うこと | 支援そのものを受けられる場合があります |
| 医療、保健、福祉、教育、労働等に関する業務を行う関係機関及び民間団体並びにこれに従事する者に対し、発達障害についての情報の提供及び研修を行うこと | 園や学校の先生への研修も業務です |
| これらの機関等との連絡調整を行うこと | つないでもらえます |
読みどころ
①
「家族その他の関係者」が相談の対象に明記されています。本人を連れて行かなくても相談できる、ということです。
②
「専門的に」という語が入っています。一般的な窓口とは役割が分けられています。
③
関係機関への研修と連絡調整も業務です。「園の先生に理解してもらえない」という場面で、
間に入ってもらえる可能性があります。
※上の表は条文の要点を示したものです。正確な条文は出典をご確認ください。
区市町村の窓口との違い
| 発達障害者支援センター | 区市町村の発達相談窓口 |
| 設置する主体 | 都道府県・指定都市(法第14条/第14条の2) | 区市町村 |
| 対象 | 発達障害者(年齢で区切られていません) | 自治体により異なる(乳幼児中心のことが多い) |
| 役割 | 専門的な相談・助言、関係機関への研修・連絡調整 | 身近な相談、制度の入口 |
| 数 | 都道府県・指定都市に置かれるため、数は限られます | 身近にあります |
使い分けの目安
まず区市町村の窓口へ。身近で、無料で、診断がなくても使えます。
センターが向いている場面——
・
大人になってからの相談(年齢で切られません)
・
園・学校との間に入ってほしい・
専門的な助言がほしい・
地域の資源が分からないなお発達障害者支援法第3条第3項は、国及び地方公共団体について
「関係機関及び民間団体相互の有機的連携の下に必要な相談体制の整備を行う」ものとしています。
たらい回しではなく、つなぐことが前提の設計です。
年齢で切られない、ということ
法第2条第2項は「発達障害児」を「発達障害者のうち十八歳未満のもの」と定義しています。つまり発達障害者は年齢を含む上位の概念で、センターの相談対象はそちらです。
- 就学前——早期発見・早期の発達支援に関する相談
- 学齢期——学校との連携、学びの場
- 思春期・青年期——進路、対人関係
- 成人期——就労(法第10条は就労の支援を定めています)、地域生活(第11条)
先の見通しが立ちにくいとき
「この先どうなるのか」は、小さいお子さまのご家族がいちばん抱えやすい不安だと思います。
センターは
年齢で切られないため、
先の段階の話を聞ける場でもあります。
この記事では
将来の見通しを断定的には書きません(個人差が大きく、一次情報の範囲を超えるため)。そのぶん、
実際に先の段階を見ている場に尋ねるほうが確かです。
都道府県だけでなく、市町村にも定めがあります
発達障害者支援法は、市町村についても複数の条文を置いています。センターだけが相談先ではない、ということです。
| 条 | 市町村について定めていること |
| 第5条第3項 | 児童に発達障害の疑いがある場合には、「継続的な相談、情報の提供及び助言を行うよう努める」とともに、必要に応じ、早期に医学的又は心理学的判定を受けられるようセンター等を紹介し、又は助言を行う |
| 第5条第4項 | 🔴 措置を講じるに当たっては「当該措置の対象となる児童及び保護者の意思を尊重するとともに、必要な配慮をしなければならない」 |
| 第6条第1項 | 発達障害児が早期の発達支援を受けられるよう、保護者の相談に応じ、センター等を紹介し、又は助言を行い、その他適切な措置を講じる |
| 第7条 | 保育——他の児童と共に生活することを通じて健全な発達が図られるよう適切な配慮をする |
| 第9条 | 放課後児童健全育成事業(学童)の利用の機会の確保を図るため適切な配慮をする |
第5条第4項が効きます
「児童及び保護者の意思を尊重するとともに、必要な配慮をしなければならない」——早期発見の取り組みは、
本人と保護者の意思を尊重して行うものだと条文に書かれています。
健診や相談の場で急かされていると感じたとき、頭の片隅に置いておける一文です。
使うときに
- お住まいの都道府県・指定都市のセンターを調べる——名称は自治体により異なります
- 予約の要否を確認する——多くは予約制です
- 本人が行けなくても相談できます——条文は「家族その他の関係者」を対象に含めています
- 持っていくものを整理する——困っていること、これまでの経過、園・学校での様子
- 何を相談したいかを一つに絞る——「いちばん困っていることは何か」
準備用のメモはこちらが使えます(→発達相談で聞かれることメモ)。
※センターの名称・所在地・受付方法・対応内容は自治体により異なります。詳しくはお住まいの都道府県・指定都市にご確認ください。
ほかの相談先との関係
| 場 | 根拠・役割 |
| 区市町村の発達相談窓口 | 身近な相談。無料。診断の有無にかかわらず |
| 発達障害者支援センター | 発達障害者支援法第14条。専門的な相談、関係機関への研修・連絡調整 |
| 医療機関 | 診断は医師が行います |
| 相談支援専門員 | サービスの組み合わせを設計(児童福祉法) |
| 教育委員会の教育相談 | 就学・通級(→就学相談) |
| 親の会・ペアレントメンター | 同じ立場のつながり |
※本記事は一般的な情報提供です。診断は医師が行います。制度の運用は自治体により異なります。療育は医療ではありません。
出典
※上記の出典は2026年9月4日に閲覧して内容を確認しました。各団体の記載は更新される場合があります。最新の情報は各サイトでご確認ください。
よくあるご質問
発達障害者支援センターは、誰が設置するのですか?
発達障害者支援法第14条にもとづき、都道府県・指定都市が指定する法人等に業務を行わせるか、自ら行うものとされています。区市町村の窓口とは層が違います。
子どもだけの窓口ですか?
いいえ。対象は「発達障害者」で、法第2条第2項が「発達障害児」を「発達障害者のうち十八歳未満のもの」と定義していることからも分かるとおり、年齢で区切られていません。
本人を連れて行かないと相談できませんか?
条文は相談の対象に「発達障害者及びその家族その他の関係者」を挙げています。ご家族だけでの相談も想定されています。
園や学校との間に入ってもらえますか?
条文は業務に関係機関及び民間団体並びにこれに従事する者に対する情報の提供及び研修とこれらの機関等との連絡調整を挙げています。可能かどうかは各センターにご確認ください。
区市町村の窓口と、どちらに行けばいいですか?
まず区市町村の窓口が身近です(無料・診断不要)。大人になってからの相談/園・学校との調整/専門的な助言が必要な場面ではセンターが向いていることがあります。
診断はしてもらえますか?
診断は医師が行います。センターは相談・助言・発達支援・連絡調整を行う場です。
この記事について:本記事は、子育て・発達に関する一般的な情報の提供を目的としています。内容は学会・職能団体・国の機関が公開している情報にもとづいてまとめていますが、お子さまの発達には個人差があり、すべてのお子さまに当てはまるものではありません。診断や治療に関する判断は、医師などの専門機関にご相談ください。
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のびのび発達ラボを運営する児童発達支援てらぴぁぽけっと早稲田教室(東京都新宿区・早稲田駅徒歩1分)には、言語聴覚士・公認心理師・精神保健福祉士・保育士など多職種の専門スタッフが在籍しています。見学・ご相談は、診断の有無に関わらず承ります。