指差しにも「種類」がある
指差しは、おおよそ次のような順で育つと言われています。
- ほしいものの指差し(要求)——「あれ取って」「あっち行きたい」。自分の要求を伝える指差し。
- 見つけたものの指差し(叙述・共感)——「ワンワンいた!見て!」。相手と気持ちを共有する指差し。
- 聞かれて答える指差し(応答)——「ワンワンはどれ?」に指で答える。1歳半健診で確認されることが多い形です。
特に「見て!」の指差しは、相手と同じものに注意を向けて楽しさを分かち合う力(共同注意)の表れとされ、ことばやコミュニケーションの育ちと深く関わると考えられています。
家庭でできる関わりの工夫
- 大人が指差しのモデルをたくさん見せる——散歩や絵本で「あ!ワンワン!」と大人が指差して見せます。指差しは教え込むものではなく、まねから育つと言われています。
- 目が合った瞬間・見ているものに反応する——お子さまが何かをじっと見ていたら「〇〇見てるんだね!」と気づきを返します。「見ると共有できる」経験の積み重ねが土台になります。
- 手の届かない場所に好きなものを置いてみる——「伝えないと手に入らない」場面が、要求の指差しやことばを引き出すきっかけになることがあります(イライラさせすぎない範囲で)。
POINT
指差しの代わりに大人の手を引っぱって連れて行く(クレーンと呼ばれることがあります)姿が続く場合は、伝え方の育ちを専門家と一緒に見ていくのがおすすめです。
相談を考えたいサイン
- 1歳半ごろになっても指差しがほとんど見られない
- 指差しの代わりに、大人の手を引っぱって要求することが多い
- 視線が合いにくい・「見て!」と共有しにくい感じがある
- ことばの理解や単語の出方にも心配がある
指差しがない=障害ということではありませんが、指差しはことばの土台に関わるサインとして重視されています。1歳半健診で相談するほか、保健センターや児童発達支援事業所にも相談できます。
参考(公的情報)
よくあるご質問
指差しをしないまま、ことばが出はじめました。問題ないですか?
ことばが出ていても、「見て!」の共有ややりとりの育ちが気になる場合は相談する価値があります。ことばの数だけでなく、コミュニケーション全体を見ることが大切とされています。
クレーン現象があると自閉症なのでしょうか?
手を引いて要求する姿は、ことばや指差しが育つ途中の子にも見られ、それだけで診断につながるものではありません。ほかの様子と合わせた全体の見立てが必要ですので、気になる場合は専門機関にご相談ください。
指差しの練習はできますか?
「指差しの形」を直接練習するのではなく、大人がモデルを見せる・共有の楽しさを積むなど、土台から育てる関わりが基本とされています。教室でも遊びの中でこの土台づくりを行っています。
この記事について:本記事は、子育て・発達に関する一般的な情報の提供を目的としています。内容は一般に知られている知見や国・自治体の公的情報に基づいてまとめていますが、お子さまの発達には個人差があり、すべてのお子さまに当てはまるものではありません。診断や治療に関する判断は、医師などの専門機関にご相談ください。制度の内容・手続きはお住まいの自治体や時期により異なる場合があります。最新の情報は各自治体の窓口・公式サイトでご確認ください。
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