「わかっている」の中身を分けて見る
「うちの子、ことばはわかっています」と感じる場面でも、実は次のような手がかりで動いている場合があります。
- 状況の手がかり——ごはんの時間にエプロンを出されたから、食事だとわかった(ことばだけの理解ではない)
- 身ぶり・視線の手がかり——大人がゴミ箱を指差しながら「ポイして」と言ったから動けた
- 毎日の習慣——お風呂の前はいつも着替えを持つ、という流れで動いている
ことばだけでどこまで伝わるかは、状況の手がかりを除いて確かめないと見えにくいものです。言語聴覚士の評価では、この「理解の段階」をていねいに確かめます。
伝わりやすくする関わりの工夫
- 短く・区切って・順番に——「おもちゃ片づけて手を洗ってごはんだよ」を一度に言わず、「おもちゃ、ないないしようね」→できたら「つぎ、お手て洗おうね」。
- 見えるものと一緒に伝える——実物・写真・身ぶりを添えると、ことばと意味が結びつきやすくなります。
- 伝わったかを行動で確認する——「わかった?」の返事ではなく、実際に動けたかで確認します。
- できたら、すかさず認める——「片づけできたね!」の積み重ねが、「聞くといいことがある」という聞く構えを育てます。
POINT
指示が通らないとき、「聞いていない」「わざと」ではなく、「理解の段階と合っていないのかも」という視点に立つと、関わりが変わります。
相談を考えたいサイン
- 身ぶりや状況の手がかりがないと、ことばだけでは伝わりにくい
- 年齢のわりに、理解できることばが少ない気がする
- 「ちょうだい」「おいで」など簡単なことばへの反応も心配
- 聞こえの心配がある
理解の育ちは、話すことばの育ちの土台です。「話さない」より「伝わりにくい」が気になるときこそ、早めの相談がすすめられています。
よくあるご質問
理解がゆっくりかどうか、家庭で確かめる方法はありますか?
指差しや身ぶりを添えずに、ことばだけで「〇〇持ってきて」と伝えてみると、ことばだけの理解の様子が見えやすくなります。ただし正確な評価には専門的な確認が必要ですので、気になる場合はご相談ください。
話すのは達者ですが、指示が通りません。理解の問題でしょうか?
話す力と理解の力に差があるお子さまもいますし、注意の向き方が関わる場合もあります。どこでつまずいているかの見立てが大切ですので、様子を詳しくお聞かせください。
絵カードを使うと、ことばを話さなくなりませんか?
写真や絵カードなどの視覚的な支えは、ことばの発達を妨げるのではなく、意味の理解を助けてことばにつながる土台になると考えられています。
この記事について:本記事は、子育て・発達に関する一般的な情報の提供を目的としています。内容は一般に知られている知見や国・自治体の公的情報に基づいてまとめていますが、お子さまの発達には個人差があり、すべてのお子さまに当てはまるものではありません。診断や治療に関する判断は、医師などの専門機関にご相談ください。制度の内容・手続きはお住まいの自治体や時期により異なる場合があります。最新の情報は各自治体の窓口・公式サイトでご確認ください。
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