法律が定める児童発達支援
児童福祉法 第6条の2の2第2項
この法律で、児童発達支援とは、
障害児につき、
児童発達支援センターその他の内閣府令で定める施設に通わせ、
日常生活における基本的な動作及び知識技能の習得並びに集団生活への適応のための支援その他の内閣府令で定める便宜を供与し、又はこれに併せて児童発達支援センターにおいて
治療(肢体不自由のある児童に対して行われるものに限る)を行うことをいう。
3つに分けて読むと、輪郭がはっきりします。
| 条文の部分 | 意味 |
| 障害児につき | 対象——障害のある児童。診断名や手帳の有無だけで決まるものではありません(後述) |
| 施設に通わせ | 形——通所して受けるサービスです |
①日常生活における基本的な動作の習得 ②知識技能の習得 ③集団生活への適応のための支援 | 目的——この3つが法律に書かれています |
🔴 3つ目に注目してください
「集団生活への適応のための支援」が、法律上の目的に明記されています。
児童発達支援は、事業所の中だけで完結するものとして設計されていません。
園や、その先の集団の場につながることが目的に入っています。
だから園との併用は例外ではなく、前提です(→
児童発達支援と保育園・幼稚園の併用)。
障害児通所支援は4種類あります
児童発達支援は、障害児通所支援という4つのサービスのひとつです(児童福祉法第6条の2の2第1項)。
| サービス | どういうものか | 条文 |
| 児童発達支援 | 施設に通う。基本的な動作・知識技能の習得と集団生活への適応 | 第2項 |
| 放課後等デイサービス | 学校に就学している障害児が、授業の終了後又は休業日に通う。生活能力の向上と社会との交流の促進 | 第3項 |
| 居宅訪問型児童発達支援 | 重度の障害の状態等で外出が著しく困難な場合に、自宅を訪問 | 第4項 |
| 保育所等訪問支援 | 園などに通う障害児についてその施設を訪問し、障害児以外の児童との集団生活への適応を専門的に支援 | 第5項 |
この4つは同じ通所受給者証で利用します。居宅訪問型児童発達支援はあまり知られていませんが、通所が著しく困難なご家庭にとっては重要な選択肢です。
対象——「障害児」の範囲
条文は対象を「障害児」としています。
実際の運用では、手帳がなくても、市町村が支援の必要を認めれば通所受給者証が交付されます。判断は市町村が行い、医師の意見書や発達の検査結果などが 材料になります。
こども家庭庁は、障害児を対象とするサービスが契約方式であり、障害児通所支援の場合は市町村に支給申請を行い、支給決定を受けたのち利用する施設と契約を結ぶと説明しています。
診断がなくても相談できます
「診断がついていないと申し込めないのでは」と考える方が多いのですが、
まず区市町村の窓口に相談するところから始まります。必要な書類や判断の材料は、そこで案内されます。
窓口は東京23区の申請窓口 一覧・比較にまとめています。
費用のしくみ
家庭が払うのは、世帯の状況に応じて定められた負担上限月額までです。その額が費用の10%を超えるときは、10%が上限になります(児童福祉法第21条の5の3第2項第2号)。
| 区分 | 負担上限月額 |
| 生活保護受給世帯/市町村民税非課税世帯 | 0円 |
| 市町村民税課税世帯で所得割28万円未満(収入おおむね890万円以下) | 4,600円 |
| 上記以外 | 37,200円 |
さらに3歳になった年度が終わった翌日から小学校入学前までは無償化の対象です(児童福祉法施行令第24条第3号)。こども家庭庁はこれを「満3歳になって初めての4月1日から3年間」とも説明しています。
東京都にはさらに0〜2歳を世帯収入に関わらず実質0円にする事業があり、国の制度と切れ目なくつながります。
詳しくは児童発達支援の利用料と無償化をご覧ください。
※食費など、利用者負担以外の実費は引き続きお支払いになります(児童福祉法第21条の5の3第1項が定める「通所特定費用」は給付の対象外です)。
利用までの流れ
- 区市町村の窓口に相談・申請——障害児通所支援は市町村が窓口です。
- 調査・意向の聴取——お子さんの状況とご家庭の希望を伝えます。
- 障害児支援利用計画案——指定障害児相談支援事業者が作成します。保護者が作るセルフプランも選べます。
- 支給決定・受給者証の交付——市町村が種類ごとに、月を単位として支給量を定め(法第21条の5の7第7項)、支給量・有効期間・負担上限月額を記載した通所受給者証を交付します(同第9項)。
- 事業所と契約し、利用開始——利用の際は受給者証を提示します(同第10項)。
受給者証については受給者証とは?、更新は受給者証の更新にまとめています。
就学したあとのこと
小学校に上がると、放課後の時間は放課後等デイサービスになります。
児童福祉法 第6条の2の2第3項(放課後等デイサービス)
学校教育法第1条に規定する学校(幼稚園及び大学を除く)又は専修学校等に
就学している障害児につき、
授業の終了後又は休業日に施設に通わせ、
生活能力の向上のために必要な支援、社会との交流の促進その他の便宜を供与することをいう。
児童発達支援とは目的の書き方が違います。児童発達支援が「基本的な動作・知識技能の習得と集団生活への適応」であるのに対し、放課後等デイサービスは「生活能力の向上」と「社会との交流の促進」です。
就学前から利用していた場合も、入学のタイミングで受給者証の内容を切り替える手続きが必要です。
※てらぴぁぽけっと早稲田教室の放課後等デイサービスは、2027年4月の開所を予定しています(現在、指定申請の準備を進めています)。現時点で利用契約を受け付けるものではありません。
出典
※上記の出典は2026年9月4日に閲覧して内容を確認しました。各団体の記載は更新される場合があります。最新の情報は各サイトでご確認ください。
よくあるご質問
児童発達支援は何をするところですか?
児童福祉法第6条の2の2第2項は、目的を「日常生活における基本的な動作及び知識技能の習得並びに集団生活への適応のための支援」と定めています。「集団生活への適応」が法律に明記されており、事業所の中だけで完結するものではなく、園やその先の集団につながることが目的に入っています。
診断や手帳がないと利用できませんか?
手帳がなくても、市町村が支援の必要を認めれば通所受給者証が交付されます。まずは区市町村の窓口にご相談ください。必要な書類や判断の材料はそこで案内されます。
何歳まで使えますか?
児童発達支援は就学前のサービスです。小学校に上がると、児童福祉法第6条の2の2第3項が定める放課後等デイサービス(学校に就学している障害児が、授業の終了後又は休業日に利用)になります。入学のタイミングで受給者証の内容を切り替える手続きが必要です。
園に通いながら使えますか?
使えます。こども家庭庁は幼稚園・保育所・認定こども園等と両方を利用する場合も両方とも無償化の対象としています。また児童福祉法第6条の2の2第5項の保育所等訪問支援は、園に通う障害児を対象に園を訪問するサービスで、併用が制度の前提になっています。
通所が難しい場合はどうすればいいですか?
児童福祉法第6条の2の2第4項の居宅訪問型児童発達支援があります。重度の障害の状態等で通所するために外出することが著しく困難な障害児について、自宅を訪問して支援を行うサービスです。
費用はいくらかかりますか?
世帯の状況に応じた負担上限月額まで(0円/4,600円/37,200円)で、その額が費用の10%を超えるときは10%が上限です。さらに3歳になった年度が終わった翌日から小学校入学前までは無償化の対象で、東京都では0〜2歳も実質0円です。食費などの実費は別途かかります。
この記事について:本記事は、子育て・発達に関する一般的な情報の提供を目的としています。内容は学会・職能団体・国の機関が公開している情報にもとづいてまとめていますが、お子さまの発達には個人差があり、すべてのお子さまに当てはまるものではありません。診断や治療に関する判断は、医師などの専門機関にご相談ください。
制度のこと、見学のときに一緒に確認できます
のびのび発達ラボを運営する児童発達支援てらぴぁぽけっと早稲田教室(東京都新宿区・早稲田駅徒歩1分)では、受給者証の申請や利用料のしくみについても、見学・ご相談の際にご案内しています。手続きが不安な段階からお声がけいただけます。見学・ご相談は、診断の有無に関わらず承ります。