📣 放課後等デイサービスは 2027年4月 開所予定です(現在、指定申請の準備を進めています)
お問い合わせ・見学予約
🌱 のびのび発達ラボ|こどもの発達と学びの情報室(記事一覧へ
ホームのびのび発達ラボ > 📖 用語・基礎知識 > 二次障害とは?——国の手引は、これを早期支援の理由として挙げています
📖 用語・基礎知識

二次障害とは?——国の手引は、これを早期支援の理由として挙げています

最終更新:2026年9月5日
二次障害——もともとの特性そのものではなく、そのあとに重なって生じる困りごとを指して使われる言葉です。

この言葉自体は法令にありません(e-Gov法令検索で全法令を横断して調べても該当なし。2026年9月5日確認)。
国の手引が使っているのは「二次的な障害」という言い方です。

そして、その手引には、こう書かれています——

🔴🔴「近年、早期発見、早期相談、早期療育の必要性が強く指摘されるようになったのは、前述の一次的な障害に加えて、二次的な障害を最小限にとどめられる点にある。」

——早く支援につながることの理由として、国の手引がこれを挙げています。

「一次的」と「二次的」の分け方

手引は、肢体不自由の章で、この構造をいちばんはっきり説明しています。

手引より
肢体不自由がもたらす困難さ(一次的な障害)の他に、たとえば「見えにくさや言語の表出に配慮されずに学習してしまうことで、ものを正しく捉えられずにものと名称が結び付きにくかったり、伝えたいことがうまく伝わらず、表出することに対して消極的になったりして言葉の獲得や理解に遅れが生じたりする」——こうした様々な問題(二次的な障害)が存在することとなる。
🔴 例文の中の一語に注目してください
「見えにくさや言語の表出に配慮されずに学習してしまうことで」

——配慮されなかったことが、二次的な障害が生じる経路として書かれています。

これは本人の問題としてではなく、本人と環境のあいだで起きることとして記述されている、ということです。

同じ向きは、法律にもあります。発達障害者支援法 第2条第2項は「発達障害者」を「発達障害及び社会的障壁により日常生活又は社会生活に制限を受けるもの」と定義し、第3項は社会的障壁を「事物、制度、慣行観念その他一切のもの」としています(→発達障害とは?)。

🔴 手引は、四つの章で書いています

「障害のある子供の教育支援の手引」は、障害種ごとに章を立てています。そのうち四つの章に、二次的な障害の記述があります。現れ方が少しずつ違うので、そのまま並べます。

手引が書いている経路と現れ方
自閉症「自閉症の特性により、二次的な障害として、情緒障害と同様に情緒不安や不登校、ひきこもり、自尊感情や自己肯定感の低下等の状態が起きやすいことから、それらの予防に努める
注意欠陥多動性障害🔴「周囲の大人から行動を強く規制されたり、注意や叱責を受けたりする場面が増える可能性が高い」→「『自分はどうせ、何をやっても叱られる』『やりたいことは大人に禁止されてばかりだ』といった自己肯定感の低い投げやりな気持ちや無力感」→「反抗などの素行の問題あるいは不安やうつ症状を伴う二次的な障害」
学習障害🔴「本人は努力していても周囲にはそれが認められにくい場合もあることから、その結果として、不登校や心身症などの二次的な障害を起こす場合がある」/「学習に対する不全感や対人関係及び生活面でのストレス等によって……不安やうつ症状等を伴う二次的な障害につながるケースもある」
知的障害🔴「知的機能の発達の遅れが軽度な場合は、就学時健康診断などでも『知的障害はない』と判断される場合が多く見られ、小学校入学後に授業についていけずに自己肯定感が低下し、二次的な障害が生じることもある」
🔴 四つに共通しているもの
経路はそれぞれ違いますが、四つとも同じ地点を通っています——

自尊感情・自己肯定感の低下

そして、そこに至る道は叱責の積み重ね(ADHD)、努力が認められないこと(学習障害)、気づかれないまま授業についていけないこと(知的障害・軽度)——と書かれています。

——どれも、周囲との関わりの中で起きています。

手引が挙げている、防ぎ方

手引は、章ごとに具体的な対応も書いています。

① 叱責より、望ましい行動を示す(ADHDの章)

手引より
「そのためには、注意や叱責をするよりも、望ましい行動を具体的に示したり行動の良い面を見つけたらすぐに褒めたりすることが効果的である。」

——「すぐに」と書かれています(→ほめ方について)。

② 早く気づく(ADHDの章)

「注意欠陥多動性障害のある子供の気になる行動は、この障害の特性によるものだということにできるだけ早期に気付き、本人の自己肯定感が低下することなどのないような対応をすることが重要である。」

③ 通常の学級で支援と環境調整を行う(学習障害の章)

「このような状態を防ぐためにも、通常の学級における各教科等の指導と通級による指導との関連を図り、日頃から教師間の連携に努めるとともに、通常の学級における必要な支援と環境調整を行うことが重要である。」
——通級だけで完結させない、という書き方です。

④ 助けの求め方を身につける(ADHDの章)

🔴🔴 手引より
「このような状態を未然に防ぐためにも、対人関係に関する技能を習得するなかで、自分の特性に気付き、自分を認め、生活する上で必要な支援を求めることができるようにすることが大切である。」

——目標が「困りごとを減らすこと」ではなく「支援を求めることができるようになること」と書かれています。

🔴 国のガイドラインが書いている「土台」

こども家庭庁の放課後等デイサービスガイドラインには、自己肯定感を行動の調整の土台として位置づける一文があります。

放課後等デイサービスガイドライン「自己の理解と行動の調整」
「自分のできることや苦手なことなど、自分の行動の特徴を理解し、自己を肯定的に捉えられる機会を通じて、気持ちや情動を調整し、状況に応じた行動ができるように支援する。」

——順番が書かれています。
自己肯定感がで、気持ちの調整と状況に応じた行動があとです。

同じガイドラインは、発達過程を四つの区分で記述しています。そのうち二つに、周囲の評価との関係が書かれています。

時期ガイドラインの記述
おおむね6歳〜8歳
(小学校低学年)
「大人に見守られることで、努力し、課題を達成し、自信を深めていくことができる。その後の時期と比べると、大人の評価に依存した時期である。
おおむね9歳〜10歳
(小学校中学年)
「同年代の集団や仲間を好み、大人に頼らずに活動しようとする。他者の視線や評価に一層敏感になる」/「『9、10歳の節』と呼ばれる大きな変化を伴っており、特有の内面的な葛藤がもたらされる。この時期に自己の多様な可能性を確信することは、発達上重要なことである。
🔴 だから、時期によって効き方が変わります
低学年は大人の評価に依存した時期だとガイドラインは書いています。
——このとき、大人がどう返すかが、そのまま届きます。

中学年は他者の視線や評価に一層敏感になる時期。
——このとき必要なのは「自己の多様な可能性を確信する」ことだと書かれています。

年齢で、支え方の重心が変わると国の文書が書いています。

こども家庭庁の児童発達支援ガイドラインは、アタッチメント(愛着)について、大人の役割を「安心の基地」と表現しています(→愛着(アタッチメント)とは?)。

家庭でできることと、してもらえること

手引とガイドラインの記述から、家庭の側でできること環境の側に相談できることが分かれます。

家庭で園・学校・事業所に相談できること
できた「あと」ではなく、途中を見て伝える——手引は「行動の良い面を見つけたらすぐに褒める」としています叱責の場面が増えていないかを共有する——手引は「注意や叱責を受けたりする場面が増える可能性が高い」と書いています
時間と労力を記録する——「宿題に何分かかったか」「終わったあとどうなっていたか」量と時間の調整を相談する——ガイドラインは環境を「時間や空間を本人にわかりやすく構造化する」ものとしています
できていることを言葉にしておく——ガイドラインは「自己を肯定的に捉えられる機会を通じて」と書いています配慮を申し出る——合理的配慮は「意思の表明があった場合において」始まります
助けの求め方を一緒に決めておく——「分からないときは○○と言う」などその求め方が通じるように頼む——手引は「必要な支援を求めることができるようにする」ことを大切としています
🔴 ここは、はっきりお伝えします
眠れない・食べられない・気持ちが落ち込んでいる・体の不調が続いている——こうしたことがあるときは、医療機関にご相談ください。

手引も「不安やうつ症状」「心身症」という言葉をそのまま使っています。

療育は医療ではありません。支援の調整と、体と心の不調の診療は、別のものです。

この記事で書かないこと

診断名の説明(不安症・うつ病など)は書きません。診断は医師が行うものであり、この記事の範囲を超えるためです。

「どうなったら受診すべきか」の線も書きません。確認できた一次情報にその線がないためです。気になることがあれば、迷っている段階で相談していただいて大丈夫です

「こうすれば二次障害を防げる」とも書きません。手引が挙げているのは予防に努めること具体的な対応の例までであり、結果を保証する記述はありません。

チェックリストも載せません。一覧を先に読むと、日々の様子が項目の当てはめとして見えてしまうためです。

書けるのは、国の手引とガイドラインが何と書いているかまでです。それでも、書かれていることは思ったより具体的でした。

どこに相談すればいいか

相談先何のため
小児科・児童精神科など🔴眠れない・食べられない・気持ちが落ち込む・体の不調が続くとき。療育は医療ではありません
園・学校(担任・特別支援教育コーディネーター)叱責の場面、量と時間の調整、助けの求め方。合理的配慮は「意思の表明があった場合」に始まります
スクールカウンセラー学校教育法施行規則 第65条の3(児童の心理に関する支援に従事する)
通っている児童発達支援・放課後等デイサービス計画の見直し。省令は少なくとも六月に一回以上の見直しを定めています(→モニタリングとは?
発達障害者支援センター発達障害者支援法 第14条。年齢で切られず、家族その他の関係者も相談できます
親の会・ペアレントメンター同じ立場の人とつながる

※本記事は一般的な情報提供です。診断・治療に関する判断は医師などの専門機関にご相談ください。療育は医療ではありません。

出典

※上記の出典は2026年9月5日に閲覧して内容を確認しました。各団体の記載は更新される場合があります。最新の情報は各サイトでご確認ください。

よくあるご質問

「二次障害」は法律用語ですか?
いいえ。e-Gov法令検索で全法令を横断して調べても該当がありません(2026年9月5日確認)。国の手引が使っているのは「二次的な障害」という言い方です。
なぜ早く相談したほうがよいと言われるのですか?
国の手引が、その理由をはっきり書いています——「近年、早期発見、早期相談、早期療育の必要性が強く指摘されるようになったのは、前述の一次的な障害に加えて、二次的な障害を最小限にとどめられる点にある。」
どんな形で現れるのですか?
手引は障害種ごとに書いています——情緒不安・不登校・ひきこもり・自尊感情や自己肯定感の低下(自閉症の章)、反抗などの素行の問題・不安やうつ症状(ADHDの章)、不登校・心身症・不安やうつ症状等(学習障害の章)。四つの章に共通しているのは「自尊感情・自己肯定感の低下」です。
親の関わり方が原因なのでしょうか?
手引が書いている経路は、本人の外側にあるものです——「見えにくさや言語の表出に配慮されずに学習してしまうことで」(肢体不自由の章)、「注意や叱責を受けたりする場面が増える可能性が高い」(ADHDの章)、「本人は努力していても周囲にはそれが認められにくい」(学習障害の章)。本人と環境のあいだで起きることとして記述されています。
叱ることが多くなってしまっています
手引は「もちろん、危険な行為は制止する必要はあるが」と断ったうえで、「注意や叱責をするよりも、望ましい行動を具体的に示したり、行動の良い面を見つけたらすぐに褒めたりすることが効果的である」としています。
年齢によって、支え方は変わりますか?
こども家庭庁の放課後等デイサービスガイドラインは、おおむね6歳〜8歳を「大人の評価に依存した時期」おおむね9歳〜10歳を「他者の視線や評価に一層敏感になる」時期とし、後者について「この時期に自己の多様な可能性を確信することは、発達上重要なことである」としています。
自己肯定感は、そんなに大事なのですか?
国のガイドラインは、順番として書いています——「自分の行動の特徴を理解し、自己を肯定的に捉えられる機会を通じて、気持ちや情動を調整し、状況に応じた行動ができるように支援する」自己肯定が先で、行動の調整があとです。
目標は、困った行動を減らすことですか?
手引が予防として挙げているのは、別のことです——「自分の特性に気付き、自分を認め、生活する上で必要な支援を求めることができるようにすることが大切である」「支援を求めることができるようになること」が目標として書かれています。
医療機関に行ったほうがよいでしょうか?
眠れない・食べられない・気持ちが落ち込んでいる・体の不調が続いている——こうしたことがあるときは、医療機関にご相談ください。手引も「不安やうつ症状」「心身症」という言葉をそのまま使っています。迷っている段階で相談していただいて大丈夫です。
すでに始まっている気がします
国の手引は、通常の学級での支援と環境調整、叱責より望ましい行動を示すこと、助けの求め方を身につけることを挙げています。通所支援を利用している場合、省令は少なくとも六月に一回以上の計画の見直しを定めています。見直しの相談は、いつでも申し出ることができます。
この記事について:本記事は、子育て・発達に関する一般的な情報の提供を目的としています。内容は学会・職能団体・国の機関が公開している情報にもとづいてまとめていますが、お子さまの発達には個人差があり、すべてのお子さまに当てはまるものではありません。診断や治療に関する判断は、医師などの専門機関にご相談ください。

お子さまのこと、専門スタッフに相談してみませんか

のびのび発達ラボを運営する児童発達支援てらぴぁぽけっと早稲田教室(東京都新宿区・早稲田駅徒歩1分)には、言語聴覚士・公認心理師・精神保健福祉士・保育士など多職種の専門スタッフが在籍しています。見学・ご相談は、診断の有無に関わらず承ります。