🔴 法律が定める4つの業務
公認心理師法(平成27年法律第68号)第2条は、公認心理師を「保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者」と定義し、四つを挙げています。
| 号 | 条文 | 子どもの支援の場面では |
| 第1号 | 「心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し、その結果を分析すること」 | 行動や様子を見て、見立てをする(→アセスメント) |
| 第2号 | 「心理に関する支援を要する者に対し、その心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと」 | 本人への関わり |
| 第3号 | 🔴「心理に関する支援を要する者の関係者に対し、その相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと」 | 保護者・きょうだい・園や学校の先生への支援 |
| 第4号 | 「心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと」 | 研修、保護者向けの講座など |
第3号が意味すること
「関係者」への支援が、本人への支援と並んで業務に書かれています。——つまり
保護者が相談することは、「ついでに聞いてもらう」ことではありません。法律上、業務の一つです。
国のガイドラインも
家族支援を支援の柱の一つとし、支援内容に
「心理的カウンセリングの実施」を挙げています(→
家族支援とは?)。
🔴 主治医がいるときは、指示を受けます
公認心理師法 第42条第2項
「公認心理師は、その業務を行うに当たって心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治の医師があるときは、その指示を受けなければならない」
これは、ほかの職種と比べると特徴がはっきりします。
| 職種 | 医師の指示との関係(法律上) |
| 公認心理師 | 主治の医師があるときは、その指示を受けなければならない(法第42条第2項) |
| 言語聴覚士 | 定義(法第2条)に医師の指示は入っていない。嚥下訓練・人工内耳の調整等に限って指示を受ける(法第42条) |
| 作業療法士・理学療法士 | 定義そのものに「医師の指示の下に」が入っている(法第2条第3項・第4項) |
だから、こう読めます
主治医がいなければ、公認心理師への相談は始められます。主治医がいる場合は、その指示のもとで行われる——という関係です。
職種ごとの違いはこちらにまとめています(→
ST・OT・PTの違い)。
また第42条第1項は、公認心理師について「保健医療、福祉、教育等が密接な連携の下で総合的かつ適切に提供されるよう、これらを提供する者その他の関係者等との連携を保たなければならない」と定めています。
名称独占の資格です
第44条
第1項 公認心理師でない者は、公認心理師という名称を使用してはならない。第2項 前項に規定するもののほか、公認心理師でない者は、その名称中に心理師という文字を用いてはならない。
「心理師」という語そのものが保護されています。違反には罰則の定めがあります。
「臨床心理士」とは別の資格です
公認心理師は公認心理師法にもとづく
国家資格です。
臨床心理士は、民間の団体が認定する資格で、根拠になる法律は別です。
この記事では
臨床心理士の要件や両者の優劣は書きません。確認できた一次情報の範囲を超えるためです。
——ただ
別のものであることは、条文(「心理
師」の保護)からも分かります。
第43条は資質向上の責務も定めています——「業務の内容の変化に適応するため、第2条各号に掲げる行為に関する知識及び技能の向上に努めなければならない」。
子どもの支援の場で、どう関わるか
児童発達支援・放課後等デイサービスでは、公認心理師が機能訓練担当職員などとして配置されることがあります(配置は事業所により異なります)。
- 見立て(アセスメント)——行動の背景を心理の面から整理する(第1号)
- 本人への関わり——気持ちの整理、対人面の練習など(第2号)
- 保護者への相談・助言——業務として法律に書かれています(第3号)
- 職員への助言——「関係者」には支援者も含まれます(第3号)
- 園・学校との連携——第42条第1項の連携義務
聞いてよいこと
「心理の専門職の方に、保護者として相談することはできますか」——法第2条第3号がある以上、これは自然な質問です。
ただし、
どの職種が何人配置されているかは事業所によって違います。見学のときに
「どの職種の方が、何人いらっしゃいますか」と尋ねておくとよいと思います。
どこで会えるか
| 場 | 備考 |
| 医療機関 | 小児科、児童精神科など |
| 児童発達支援/放課後等デイサービス | 配置は事業所により異なります |
| 学校 | スクールカウンセラーとして配置されることがあります |
| 区市町村の発達相談・教育相談 | 自治体により体制が異なります |
| 発達障害者支援センター | 発達障害者支援法第14条にもとづき都道府県等が指定 |
※本記事は一般的な情報提供です。診断は医師が行います。配置状況は事業所・自治体により異なります。療育は医療ではありません。
出典
※上記の出典は2026年9月4日に閲覧して内容を確認しました。各団体の記載は更新される場合があります。最新の情報は各サイトでご確認ください。
よくあるご質問
公認心理師は何をする人ですか?
公認心理師法第2条が四つの業務を定めています——①心理状態の観察と分析 ②本人への相談・助言・指導 ③関係者への相談・助言・指導 ④心の健康に関する知識の普及です。
保護者が相談してもいいのですか?
はい。法第2条第3号は「関係者に対し、その相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと」を業務として挙げています。家族への支援は、法律上の業務です。
主治医がいないと相談できませんか?
法第42条第2項は「主治の医師があるときは、その指示を受けなければならない」と定めています。主治医がいる場合の定めであり、いない場合に相談できないという定めではありません。
臨床心理士とは違うのですか?
別の資格です。公認心理師は公認心理師法にもとづく国家資格、臨床心理士は民間の団体が認定する資格で、根拠になる法律が異なります。この記事では両者の優劣や臨床心理士の要件は書きません(一次情報の範囲を超えるため)。
「心理師」と名乗れる人は限られるのですか?
はい。法第44条第2項は「公認心理師でない者は、その名称中に心理師という文字を用いてはならない」と定めています。違反には罰則の定めがあります。
うちの事業所に公認心理師はいますか?
配置は事業所により異なります。見学や面談のときに「どの職種の方が、何人いらっしゃいますか」と尋ねてみてください。
この記事について:本記事は、子育て・発達に関する一般的な情報の提供を目的としています。内容は学会・職能団体・国の機関が公開している情報にもとづいてまとめていますが、お子さまの発達には個人差があり、すべてのお子さまに当てはまるものではありません。診断や治療に関する判断は、医師などの専門機関にご相談ください。
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のびのび発達ラボを運営する児童発達支援てらぴぁぽけっと早稲田教室(東京都新宿区・早稲田駅徒歩1分)には、言語聴覚士・公認心理師・精神保健福祉士・保育士など多職種の専門スタッフが在籍しています。見学・ご相談は、診断の有無に関わらず承ります。