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📖 用語・基礎知識

学習支援員とは?——法令にある名前は「特別支援教育支援員」です

最終更新:2026年9月4日
学習支援員——学校でよく耳にする呼び名です。

ところが、この名前は法令には出てきません。e-Gov法令検索で全法令を横断して調べても、該当する条文はありません(2026年9月4日確認)。

省令に置かれている職の名前は、こちらです——

学校教育法施行規則 第65条の6:特別支援教育支援員は、教育上特別の支援を必要とする児童の学習上又は生活上必要な支援に従事する。」

——「学習上又は生活上」。授業の中だけ、とは書かれていません。

呼び名がいくつもある理由

「学習支援員」「学校生活支援員」「介助員」「補助員」——自治体や学校によって、いろいろな呼び名が使われています。どれも法令用語ではありません。

🔴 確かめた結果
e-Gov法令検索の全法令横断検索(2026年9月4日)——

「学習支援員」=該当なし
「特別支援教育支援員」=1件学校教育法施行規則 第65条の6)

つまり、省令上の名前は一つだけです。現場の呼び名がどれであっても、根拠として指せる条文は第65条の6ということになります。

呼び名がばらつくのは、配置の仕方が自治体ごとに決められているためでもあります。そのため人数・勤務の形・どの子につくか・どこまでを担うかは、地域と学校によって異なります。

省令が置いている職を、並べてみます

学校教育法施行規則は、第65条の2から順に、教員以外の職を一文ずつ定義しています。並べると役割の違いが見えます。

職名(省令の条)省令の条文(そのまま)
医療的ケア看護職員
(第65条の2)
小学校における日常生活及び社会生活を営むために恒常的に医療的ケアを受けることが不可欠である児童の療養上の世話又は診療の補助に従事する
スクールカウンセラー
(第65条の3)
小学校における児童の心理に関する支援に従事する
スクールソーシャルワーカー
(第65条の4)
小学校における児童の福祉に関する支援に従事する
情報通信技術支援員
(第65条の5)
教育活動その他の学校運営における情報通信技術の活用に関する支援に従事する
特別支援教育支援員
(第65条の6)
教育上特別の支援を必要とする児童の学習上又は生活上必要な支援に従事する
🔴 「ICT支援員」は、子どもにつく人ではありません
第65条の5の情報通信技術支援員は、条文上「教育活動その他の学校運営における情報通信技術の活用に関する支援」に従事する職です。

——主語が「学校運営」であり、特定の子どもの学習を支える職としては書かれていません。

タブレットを使った学び方の相談は、担任・特別支援教育コーディネーター・特別支援教育支援員の側の話になります(→ICTを活用した学びの支援とは?)。

🔴🔴 条文の言い回しが、もう一つの条文とそろっています

第65条の6の対象は「教育上特別の支援を必要とする児童」です。この言い回しは、偶然ではありません。

学校教育法 第81条第1項
「幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校及び中等教育学校においては、次項各号のいずれかに該当する幼児、児童及び生徒その他教育上特別の支援を必要とする幼児、児童及び生徒に対し、文部科学大臣の定めるところにより、障害による学習上又は生活上の困難を克服するための教育を行うものとする。」

🔴「教育上特別の支援を必要とする」——そして「学習上又は生活上」。第81条第1項と第65条の6は、同じ言葉づかいでつながっています

ここから読めること
第81条第1項の対象は「次項各号のいずれかに該当する幼児児童生徒その他教育上特別の支援を必要とする幼児、児童及び生徒」です。

つまり特別支援学級に在籍していなくても、通級を受けていなくても、診断がなくても、この項の対象になり得ます。

特別支援教育支援員の条文も、同じ範囲を対象にしています。在籍する学級で支援員の対象が決まる、とは条文に書かれていません。

配置をお願いしたいとき

配置の判断は学校と教育委員会が行いますので、結果を約束できる手続きはありません。ただし、話の始め方には法律上の入口があります。

障害者差別解消法 第7条第2項・第8条第2項
「……その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない」

この義務は、条文上「その旨の意思の表明があった場合において」始まります。

🔴言わなければ、始まりません。そして「負担が過重でないとき」という留保も、同じ条文に書かれています(→合理的配慮とは?)。

公立学校の場合は第7条第2項(行政機関等)、私立学校の場合は第8条第2項(事業者)が適用されます。事業者の合理的配慮は、令和6年4月1日から義務になりました。

伝えるときに整理しておくと通りやすいこと

  1. どの場面で困っているか——教科、時間帯、場所を具体的に(「算数の文章題」「給食の配膳」「移動教室」など)
  2. そのとき何が起きているか——できごとを、解釈をつけずに
  3. すでに家庭や園でうまくいっている方法——視覚支援など、再現できる形で
  4. してほしいこと——人の配置に限らず、環境や手順の変更でも解決するかもしれません
  5. いつ見直すか——「一学期のあいだ試して、面談で見直す」と期限を添える
🔴 「人をつける」以外の道も一緒に
こども家庭庁の児童発達支援ガイドラインは、環境について「時間や空間を本人にわかりやすく構造化すること」を支援する側が行うこととして挙げています。

人の配置は、選択肢の一つです。座席・手順の示し方・課題の量・道具で解決することもあります。

複数の案を一緒に出すと、「配置は難しいが、これならできる」という返事が返ってきやすくなります。

支援員がいる/いないで、学校の責任は変わりません

文部科学省の通知(令和4年4月27日)は、≪改善が必要な具体的な事例≫の一つとして、次を挙げています。

通知より
「交流及び共同学習において、通常の学級の担任のみに指導が委ねられ、必要な体制が整えられていないことにより、通常の学級及び特別支援学級の児童生徒双方にとって十分な学びが得られていない。」

国の通知が問題としているのは「体制が整えられていないこと」です。そして、そのしわ寄せが双方の子どもに及ぶ、という書き方をしています。

また学校教育法 第81条第1項の語尾は「行うものとする」です。支援員が配置されているかどうかにかかわらず、学校が行うものとして条文に書かれています

この記事で書かないこと

資格要件・研修・雇用の形は書きません。学校教育法施行規則 第65条の6は従事する内容を一文で定めているだけで、資格について定めていないためです。実際の要件は自治体が定めます。

配置の基準・人数・申請の様式も書きません。確認できた一次情報に、全国共通の基準がないためです。

「支援員がつけば何がよくなるか」も書きません。効果について確認できた一次情報がないためです。効果がないという意味ではなく、ここでは判断しないという意味です。

書けるのは、省令にどんな職が置かれているか条文が何をする人と定めているか、そして相談の入口が法律上どこにあるかまでです。

どこに相談すればいいか

相談先何のため
担任・特別支援教育コーディネーター困っている場面の共有、配慮の相談。まずここが入口です
市区町村教育委員会配置の仕組み、呼び名、申し出の手順。自治体ごとに異なります
スクールカウンセラー/スクールソーシャルワーカー施行規則 第65条の3・第65条の4。心理/福祉の側からの支援
特別支援学校(センター的機能)学校教育法 第74条。学校からの要請という形で助言・援助を受けられます
通っている児童発達支援・放課後等デイサービス園や学校への伝え方、移行支援としての情報共有
発達障害者支援センター学校との調整に関する相談

※本記事は一般的な情報提供です。呼び名・配置の仕組み・申し出の手順は自治体により大きく異なります。療育は医療ではありません。

出典

※上記の出典は2026年9月4日に閲覧して内容を確認しました。各団体の記載は更新される場合があります。最新の情報は各サイトでご確認ください。

よくあるご質問

「学習支援員」は法律上の職ですか?
いいえ。e-Gov法令検索で全法令を横断して調べても該当がありません(2026年9月4日確認)。省令に置かれている職の名前は「特別支援教育支援員」(学校教育法施行規則 第65条の6)です。
特別支援教育支援員は、何をする人ですか?
省令の条文は一文です——「教育上特別の支援を必要とする児童の学習上又は生活上必要な支援に従事する。」「学習上又は生活上」とされており、授業の中だけに限られてはいません。
ICT支援員に、うちの子の学び方を相談できますか?
省令上の情報通信技術支援員(第65条の5)は「教育活動その他の学校運営における情報通信技術の活用に関する支援」に従事する職です。個々の子どもの学習を支える職としては書かれていません。学び方の相談は、担任・特別支援教育コーディネーター・特別支援教育支援員が窓口になります。
診断がないと、支援員はつきませんか?
条文にそのような要件はありません。第65条の6の対象は「教育上特別の支援を必要とする児童」で、学校教育法 第81条第1項の「その他教育上特別の支援を必要とする幼児、児童及び生徒」と同じ言い回しです。ただし配置の判断は学校と教育委員会が行います。
配置をお願いするには、どうすればよいですか?
まずは担任・特別支援教育コーディネーターにご相談ください。障害者差別解消法の合理的配慮は「その旨の意思の表明があった場合において」始まると条文にあります。困っている場面を具体的に伝えることが出発点です。
お願いすれば、必ず配置されますか?
お約束はできません。合理的配慮の条文にも「その実施に伴う負担が過重でないときは」という留保があります。人の配置以外の案(座席・手順の示し方・課題の量・道具など)も一緒に出しておくと、話が進みやすくなります。
資格はどのようなものですか?
この記事では書きません。学校教育法施行規則 第65条の6は従事する内容を定めているだけで、資格を定めていないためです。実際の要件は自治体が定めています。お住まいの教育委員会にご確認ください。
支援員がつけば、うまくいくのでしょうか?
この記事では効果を書きません。確認できた一次情報にその記述がないためです。効果がないという意味ではなく、ここでは判断しないという意味です。
支援員がいないので、学校は対応できないと言われました
学校教育法 第81条第1項は、教育上特別の支援を必要とする幼児児童生徒に対し障害による学習上又は生活上の困難を克服するための教育を「行うものとする」としています。また国の通知は「担任のみに指導が委ねられ、必要な体制が整えられていない」状態を改善が必要な事例として挙げています。体制の相談は教育委員会が窓口です。
この記事について:本記事は、子育て・発達に関する一般的な情報の提供を目的としています。内容は学会・職能団体・国の機関が公開している情報にもとづいてまとめていますが、お子さまの発達には個人差があり、すべてのお子さまに当てはまるものではありません。診断や治療に関する判断は、医師などの専門機関にご相談ください。

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