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受給者証とは?——法律が定める「通所受給者証」のしくみ

最終更新:2026年9月4日
通所受給者証(つうしょじゅきゅうしゃしょう)は、児童発達支援や放課後等デイサービスを使うために必要な証明書です。

「手帳が必要ですか」とよく聞かれますが、必要なのはこちらです手帳がなくても、市町村が支援の必要を認めれば交付されます。

この記事では、児童福祉法と同施行規則の条文から、誰が交付するのか、何が書かれているのか、どう取るのかを整理します。

交付するのは市町村です

児童福祉法 第21条の5の7第9項
市町村は、通所給付決定をしたときは、当該通所給付決定保護者に対し、内閣府令で定めるところにより、支給量、通所給付決定の有効期間その他の内閣府令で定める事項を記載した通所受給者証(以下「通所受給者証」という。)を交付しなければならない
誰が
保護者への支給決定・受給者証の交付市町村
事業者の指定都道府県知事(指定都市・中核市の場合あり)
混同しやすいところです
受給者証は市町村事業所の指定は都道府県。保護者が申請するのは市町村です。

こども家庭庁も、障害児通所支援については市町村に支給申請を行うと説明しています。

東京23区の窓口は東京23区の申請窓口 一覧・比較にまとめています。区によっては窓口が1か所ではありません。

受給者証に書かれていること——7項目

記載事項は児童福祉法施行規則 第18条の18が定めています。

記載事項見るとわかること
第1号保護者の氏名、居住地及び生年月日——
第2号障害児の氏名及び生年月日——
第3号交付の年月日及び通所受給者証番号事業所に伝える番号です
第4号障害児通所支援の種類及び支給量何を、月に何回使えるか
第5号通所給付決定の有効期間いつまで使えるか。更新の時期
第6号障害児通所支援負担上限月額等に関する事項ひと月にいくらまで払うか
第7号その他必要な事項自治体により、無償化の対象である旨などが記載されます
この3つは、必ず見てください
第4号(種類と支給量)/第5号(有効期間)/第6号(負担上限月額)

手続きの話は、ほぼこの3つに集約されます。「月に何回」「いつまで」「いくらまで」——手元の受給者証に書いてあります。

支給量は1月間を単位として定められます(施行規則第18条の16)。「週に◯回」ではなく「月に◯回」である理由です。

🔴 手帳とは別の制度です

いちばん多い誤解がここです。

<b>通所受給者証</b><b>療育手帳</b>(東京都は「愛の手帳」)
何のためサービスを使うため知的障害があることを証明し、手当や制度を活用するため
根拠児童福祉法自治体の要綱(東京都は東京都愛の手帳交付要綱)
交付市町村18歳未満は児童相談所/18歳以上は東京都心身障害者福祉センター等
対象障害児(手帳がなくても交付されうる知的障害と判定された方
手帳がなくても利用できます
児童発達支援に必要なのは通所受給者証です。手帳がなくても、市町村が支援の必要を認めれば交付されます。

逆に、手帳を持っていても受給者証がなければサービスは使えません。2つは別々に申請します。

詳しくは療育手帳(愛の手帳)と受給者証の違いをご覧ください。

申請から利用開始までの流れ

こども家庭庁は、障害児を対象とするサービスが契約方式であると説明しています。市町村に申請し、支給決定を受けたのち、利用する施設と契約を結ぶという順番です。

  1. 相談・申請——区市町村の窓口へ。診断や手帳がなくても相談できます。準備は発達相談で聞かれることにまとめています。
  2. 調査・意向の聴取——お子さんの心身の状況、置かれている環境、利用に関する意向その他の事情が勘案されます(法第6条の2の2第7項)。
  3. 障害児支援利用計画案——指定障害児相談支援事業者が作成します。保護者が作るセルフプランも選べます(施行規則第18条の15は「指定障害児相談支援事業者以外の者が作成する計画案」を定めています)。
  4. 支給決定——市町村が種類ごとに、月を単位として支給量を定めます(法第21条の5の7第7項)。
  5. 受給者証の交付——支給量・有効期間・負担上限月額等が記載されます(同第9項、施行規則第18条の18)。
  6. 事業所と契約し、利用開始——利用の際は受給者証を提示します(同第10項)。施行規則第18条の19は「その都度」提示しなければならないとしています。

※申請から交付までにかかる期間は、区市町村や時期によって異なります。利用したい時期が決まっている場合は、早めに動き始めることをお勧めします。

🔴 受給者証が届く前に利用した分について

「受給者証が届くまで待つしかない」とあきらめる前に、知っておいていただきたい規定があります。

児童福祉法 第21条の5の4第1項第1号
市町村は、通所給付決定保護者が申請をした日から、当該通所給付決定の効力が生じた日の前日までの間に、緊急その他やむを得ない理由により指定通所支援を受けたとき、必要があると認めるときは、特例障害児通所給付費を支給することができる。

申請さえしていれば、決定が下りるまでの間に利用した分も給付の対象になりえます。まず申請する——これがいちばん大事な動きです。

同項第2号は、都道府県の条例で定める基準を満たす事業所による基準該当通所支援を受けたときも対象になりうるとしています。

※支給されるかどうかは市町村の判断です。まずは区市町村の窓口にご相談ください。

費用のしくみ

家庭が払うのは、世帯の状況に応じて定められた負担上限月額までです。その額が費用の10%を超えるときは、10%が上限になります(児童福祉法第21条の5の3第2項第2号)。

区分負担上限月額
生活保護受給世帯/市町村民税非課税世帯0円
市町村民税課税世帯で所得割28万円未満(収入おおむね890万円以下)4,600円
上記以外37,200円

こども家庭庁は「ひと月に利用したサービス量にかかわらず、それ以上の負担は生じません」と説明しています。

さらに3歳になった年度が終わった翌日から小学校入学前までは無償化の対象で(児童福祉法施行令第24条第3号)、東京都には0〜2歳を実質0円にする事業もあります。

詳しくは児童発達支援の利用料と無償化をご覧ください。

※食費など、利用者負担以外の実費は給付の対象外です(法第21条の5の3第1項の「通所特定費用」)。

交付されたあとに必要なこと

場面必要なこと根拠
利用するとき事業所に受給者証を提示する。施行規則は「その都度」としています法第21条の5の7第10項/施行規則第18条の19
引っ越し・氏名の変更届出書に受給者証を添えて市町村に提出しなければならない施行規則(変更の届出)
世帯の状況・収入の変化同上。負担上限月額の算定に必要な事項にあたります同上
有効期間が近づいたら更新の手続き。有効期間は1月間から12月間までの範囲内で市町村が定める期間施行規則第18条の17
収入が下がったら、更新を待たずに届け出てください
負担上限月額の算定に必要な事項が変わったときの届出は義務です。届け出なければ、高い上限額のままになります。

更新については受給者証の更新にまとめています。

出典

※上記の出典は2026年9月4日に閲覧して内容を確認しました。各団体の記載は更新される場合があります。最新の情報は各サイトでご確認ください。

よくあるご質問

受給者証は誰が出すのですか?
市町村です。児童福祉法第21条の5の7第9項は、市町村が通所給付決定をしたときは通所受給者証を交付しなければならないと定めています。なお事業所の指定は都道府県知事で、これとは別の手続きです。
手帳がないと取れませんか?
取れます。手帳がなくても、市町村が支援の必要を認めれば交付されます。受給者証は児童福祉法にもとづく制度、療育手帳(東京都は「愛の手帳」)は自治体の要綱にもとづく別の制度です。
受給者証には何が書いてありますか?
施行規則第18条の18が7項目を定めています。とくに大事なのは第4号(障害児通所支援の種類及び支給量)/第5号(有効期間)/第6号(負担上限月額等)です。「月に何回」「いつまで」「いくらまで」が、手元の受給者証に書いてあります。
なぜ「週に何回」ではなく「月に何回」なのですか?
支給量の単位が1月間と定められているためです(施行規則第18条の16)。そのため、行事のある週は減らして別の週に振り替えるといった調整が、月の中でできます。
受給者証が届く前に使いたいのですが
児童福祉法第21条の5の4第1項第1号は、申請日から決定の効力が生じた日の前日までの間に、緊急その他やむを得ない理由により利用したとき、市町村が必要と認めれば特例障害児通所給付費を支給できると定めています。まず申請してください。
計画は自分で作れますか?
作れます。施行規則第18条の15は「指定障害児相談支援事業者以外の者が作成する障害児支援利用計画案」を定めており、保護者が作成するセルフプランがこれにあたります。どちらを選ぶかは、窓口でご相談ください。
この記事について:本記事は、子育て・発達に関する一般的な情報の提供を目的としています。内容は学会・職能団体・国の機関が公開している情報にもとづいてまとめていますが、お子さまの発達には個人差があり、すべてのお子さまに当てはまるものではありません。診断や治療に関する判断は、医師などの専門機関にご相談ください。

制度のこと、見学のときに一緒に確認できます

のびのび発達ラボを運営する児童発達支援てらぴぁぽけっと早稲田教室(東京都新宿区・早稲田駅徒歩1分)では、受給者証の申請や利用料のしくみについても、見学・ご相談の際にご案内しています。手続きが不安な段階からお声がけいただけます。見学・ご相談は、診断の有無に関わらず承ります。