🔴 費用——両方とも無償化の対象です
いちばん心配されるのは費用だと思います。先にお答えします。
こども家庭庁の資料より
幼稚園、保育所、認定こども園等と、上記サービス(児童発達支援等)の両方を利用する場合は、両方とも無償化の対象となります。そして
無償化にあたり、新たな手続きは必要ありません。
「園を無償にしたから、児童発達支援は自己負担」ということはありません。どちらか選ばせるしくみにはなっていません。
| 扱い |
| 幼稚園・保育所・認定こども園 | 幼児教育・保育の無償化の対象 |
| 児童発達支援 | 就学前の障害児の発達支援の無償化の対象 |
| 両方を使う場合 | 両方とも無償化の対象 |
| 利用者負担以外の費用 | 医療費、食費など実費で負担しているものは引き続き支払い |
無償化の対象になる期間や、東京都の0〜2歳の事業については児童発達支援の利用料と無償化にまとめています。
併用は、制度の「前提」になっています
併用が例外的に認められている、という話ではありません。児童福祉法の条文そのものが、園に通っている子を想定しています。
児童福祉法 第6条の2の2第5項(保育所等訪問支援)
この法律で、保育所等訪問支援とは、
保育所その他の児童が集団生活を営む施設として内閣府令で定めるものに通う障害児…につき、当該施設を訪問し、
当該施設における障害児以外の児童との集団生活への適応のための専門的な支援その他の便宜を供与することをいう。
「保育所その他の児童が集団生活を営む施設に通う障害児」——つまり園に通っていることを前提にしたサービスが、法律に置かれているということです。
さらに、児童発達支援そのものの目的にも、集団生活が入っています。
児童福祉法 第6条の2の2第2項(児童発達支援)
…障害児につき、児童発達支援センターその他の内閣府令で定める施設に通わせ、
日常生活における基本的な動作及び知識技能の習得並びに集団生活への適応のための支援その他の内閣府令で定める便宜を供与し…
「集団生活への適応のための支援」が、法律上の目的に明記されています。園での集団生活と切り離された制度ではなく、そこにつながることが目的に書かれているのです。
組み合わせ方は3つあります
「併用」というと園と事業所に通う形だけを思い浮かべますが、法律上は3つの形があります。
| 形 | どういうことか | 根拠 |
| ①園+児童発達支援に通う | 園を休んだ日や、園のあとに事業所へ通う。いちばん多い形 | 法第6条の2の2第2項 |
| ②保育所等訪問支援を使う | 専門スタッフが園を訪問し、園での集団生活への適応を支援する。子どもが移動しない | 同第5項 |
| ③外出が著しく困難な場合 | 居宅訪問型児童発達支援——重度の障害の状態等で通所が著しく困難なとき、自宅を訪問 | 同第4項 |
②はあまり知られていません
保育所等訪問支援は、
お子さんが園から出る必要がありません。専門スタッフが園に行き、
その園での過ごし方について、園の先生と一緒に考えます。
「園を休ませてまで通わせるのは難しい」というご家庭にとって、現実的な選択肢になります。詳しくは
保育所等訪問支援とは?をご覧ください。
①〜③はいずれも障害児通所支援として、同じ通所受給者証で利用します(法第6条の2の2第1項)。
通い方は「月に何回」で決まります
併用するときに気になるのが「週に何回通えるのか」です。
市町村は通所給付決定を行うとき、障害児通所支援の種類ごとに、月を単位として支給量を定めなければならないとされています(法第21条の5の7第7項)。その単位は1月間です(児童福祉法施行規則第18条の16)。
| 内容 |
| 決まり方 | 「週に◯回」ではなく「月に◯回」で決まります |
| だからできること | 行事のある週は減らし、別の週に振り替える——月の中で調整できます |
| 種類ごと | 児童発達支援と保育所等訪問支援は別々に支給量が定められます |
園の行事や長期休みに合わせて通い方を変えたい場合、この「月単位」というしくみが効いてきます。
支給量が足りない・多すぎると感じたときは、更新を待たずに変更の申請ができます(→受給者証の更新)。
園に伝えるかどうか
「園に言わずに通いたい」というご相談もあります。
| 形 | 園への連絡 |
| 園を休んで、または降園後に事業所へ通う | 制度上、園に知らせる義務はありません |
| 保育所等訪問支援を使う | 園の同意と協力が必要です。園を訪問するサービスなので |
ただし、児童発達支援でできるようになったことを園でも使えるようにするには、園と事業所が同じ方向を向いていることが効きます。
言語聴覚士の場合、これは法律にも書かれています。言語聴覚士法第43条第3項は「福祉に関する業務を行う者その他の関係者との連携を保たなければならない」と定めています(→言語聴覚士(ST)とは?)。
伝えるかどうかはご家庭の判断ですが、伝えたほうが支援はつながりやすくなります。何をどう伝えるか迷う場合は、見学や面談の際にご相談ください。
始めるための手続き
園に通っているかどうかで、手続きが変わることはありません。通所受給者証の申請から始まります。
- 区市町村の窓口に相談・申請する——障害児通所支援は市町村が窓口です(こども家庭庁)。窓口は東京23区の申請窓口 一覧・比較にまとめています。
- 調査・意向の聴取——園に通っていること、園での様子も伝えてください。支給量を決める材料になります。
- 障害児支援利用計画案——相談支援事業者が作成します。保護者が作る「セルフプラン」も選べます。
- 支給決定・受給者証の交付——種類ごとの支給量と有効期間が記載されます。
- 事業所と契約——受給者証を提示して利用を始めます(法第21条の5の7第10項)。
受給者証そのものについては受給者証とは?をご覧ください。
※支給量の決め方や、園との併用に関する運用は区市町村によって異なります。必ずお住まいの区市町村の窓口でご確認ください。本記事は一般的な情報提供です。
出典
※上記の出典は2026年9月4日に閲覧して内容を確認しました。各団体の記載は更新される場合があります。最新の情報は各サイトでご確認ください。
よくあるご質問
園と児童発達支援、両方とも無償になりますか?
なります。こども家庭庁は「幼稚園、保育所、認定こども園等と上記サービスの両方を利用する場合は、両方とも無償化の対象となります」と明記しています。ただし利用者負担以外の費用(医療費・食費など実費で負担しているもの)は引き続きお支払いになります。
併用するのに、特別な手続きは要りますか?
併用のための特別な手続きはありません。通所受給者証の申請から始まります。また無償化についても、こども家庭庁は「無償化にあたり、新たな手続きは必要ありません」としています(※東京都の0〜2歳の無償化は区によって手続きが違います)。
園に知らせないと使えませんか?
園を休んで、または降園後に事業所へ通う形であれば、制度上、園に知らせる義務はありません。ただし保育所等訪問支援は園を訪問するサービスなので、園の同意と協力が必要です。支援をつなげるという意味では、伝えたほうが効果は出やすくなります。
週に何回まで通えますか?
「週に◯回」ではなく「月に◯回」で決まります。市町村は種類ごとに、月を単位として支給量を定めます(児童福祉法第21条の5の7第7項、施行規則第18条の16)。そのため行事のある週は減らして別の週に振り替えるといった調整が、月の中でできます。
園を休ませてまで通わせるのが難しいのですが
保育所等訪問支援という選択肢があります。児童福祉法第6条の2の2第5項が定めるサービスで、専門スタッフが園を訪問し、その園での集団生活への適応を支援します。お子さんが園から出る必要がありません。
児童発達支援は、園と何が違うのですか?
児童福祉法第6条の2の2第2項は、児童発達支援の目的を「日常生活における基本的な動作及び知識技能の習得並びに集団生活への適応のための支援」と定めています。集団生活への適応が法律上の目的に入っており、園での生活と切り離されたものではなく、そこにつながることが目的に書かれています。
この記事について:本記事は、子育て・発達に関する一般的な情報の提供を目的としています。内容は学会・職能団体・国の機関が公開している情報にもとづいてまとめていますが、お子さまの発達には個人差があり、すべてのお子さまに当てはまるものではありません。診断や治療に関する判断は、医師などの専門機関にご相談ください。
制度のこと、見学のときに一緒に確認できます
のびのび発達ラボを運営する児童発達支援てらぴぁぽけっと早稲田教室(東京都新宿区・早稲田駅徒歩1分)では、受給者証の申請や利用料のしくみについても、見学・ご相談の際にご案内しています。手続きが不安な段階からお声がけいただけます。見学・ご相談は、診断の有無に関わらず承ります。