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📖 用語・基礎知識

医療的ケア児とは?——法律は「居住する地域にかかわらず等しく」と定めています

最終更新:2026年9月4日
医療的ケア児ということばには、法律の定義があります。

2021年にできた医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律(医療的ケア児支援法)です。

この法律の基本理念には、言われてみれば当然だけれど、書かれていることに意味がある一文があります——「その居住する地域にかかわらず等しく適切な支援を受けられるようにすることを旨としなければならない」

🔴 定義——条文をそのまま読む

第2条第1項(医療的ケア)
「この法律において『医療的ケア』とは、人工呼吸器による呼吸管理、喀痰(かくたん)吸引その他の医療行為をいう」
第2条第2項(医療的ケア児)
「この法律において『医療的ケア児』とは、日常生活及び社会生活を営むために恒常的に医療的ケアを受けることが不可欠である児童(十八歳未満の者及び十八歳以上の者であって高等学校等に在籍するものをいう)をいう」

🔴 基本理念(第3条)——5つ

内容(条文の要点)
第1項「医療的ケア児の日常生活及び社会生活を社会全体で支えることを旨として」
第2項「医療的ケア児が医療的ケア児でない児童と共に教育を受けられるよう最大限に配慮しつつ適切に教育に係る支援が行われる等、年齢・必要とする医療的ケアの種類・生活の実態に応じて、関係機関・民間団体の緊密な連携の下に切れ目なく行われなければならない
第3項「医療的ケア児が十八歳に達し、又は高等学校等を卒業した後も適切な保健医療サービス及び福祉サービスを受けながら日常生活及び社会生活を営むことができるようにすることにも配慮して」
第4項🔴「医療的ケア児及びその保護者の意思を最大限に尊重しなければならない」
第5項🔴「その居住する地域にかかわらず等しく適切な支援を受けられるようにすることを旨としなければならない」
第4項と第5項が効きます
第4項——「意思を最大限に尊重」。「最大限に」という強い書き方は、法律の中でも目立ちます。

第5項——「居住する地域にかかわらず等しく」。住む場所で受けられる支援が変わってしまう状況を、法律が問題として認識しているということです。

自治体との話し合いで、この二つは根拠として挙げられる条文です。

🔴 園・学校の設置者にも責務があります

対象内容
第6条第1項保育所の設置者/認定こども園の設置者/家庭的保育事業等を営む者基本理念にのっとり、在籍・利用している医療的ケア児に対し「適切な支援を行う責務を有する」
第6条第2項放課後児童健全育成事業(学童)を行う者利用している医療的ケア児に対し「適切な支援を行う責務を有する」
第7条学校の設置者(幼稚園・小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校)在籍する医療的ケア児に対し「適切な支援を行う責務を有する」

「努めるものとする」ではなく「責務を有する」と書かれています。

また第9条は、国及び地方公共団体について保育を行う体制の拡充が図られるよう必要な措置を講ずるものとしています。

相談するときの言い方
「医療的ケア児支援法の第6条(学校なら第7条)で、適切な支援を行う責務が定められていると理解しています。どのような形が可能か、一緒に考えていただけますか」

——条文を挙げることは、対立ではありません。同じ土台の上で話すための材料です。

使えるサービス

児童福祉法にもとづく障害児通所支援は4種類あり、医療的ケア児も対象になりえます(利用には受給者証が必要です→受給者証とは?)。

サービス備考
児童発達支援就学前
放課後等デイサービス就学後
居宅訪問型児童発達支援🔴外出することが著しく困難な障害児につき、居宅を訪問して行う(児童福祉法第6条の2の2第4項)
保育所等訪問支援専門職が園・学校を訪問

指定基準省令は、医療的ケアを行う場合の看護職員の配置についても定めを置いています(連携により置かないことができる場合の定めもあります)。

国のガイドラインも、医療的ケアが必要なこどもへの配慮として「医師の指示に基づき、適切にケアを提供する体制をあらかじめ整えた上で、心身や健康の状態、病気の状態等を十分に考慮し、活動と休息のバランスを取りながら、様々な活動が展開できるようにする」としています。

どこに相談すればいいか

相談先何のため
主治医・かかりつけの医療機関医療的な判断は医師が行います
医療的ケア児支援センター同法にもとづき都道府県が設置・指定するもの
区市町村の障害児支援の窓口受給者証、サービス、園の受け入れ
相談支援専門員サービス全体の組み立て
教育委員会就学、学校での体制(→就学相談

※本記事は一般的な情報提供です。医療的ケアの実施方法・可否の判断は医師が行います。制度の運用は自治体により異なります。療育は医療ではありません。

出典

※上記の出典は2026年9月4日に閲覧して内容を確認しました。各団体の記載は更新される場合があります。最新の情報は各サイトでご確認ください。

よくあるご質問

医療的ケア児の定義は?
医療的ケア児支援法第2条第2項は「日常生活及び社会生活を営むために恒常的に医療的ケアを受けることが不可欠である児童」としています(18歳未満および高等学校等に在籍する18歳以上)。
「医療的ケア」には何が含まれますか?
同法第2条第1項は「人工呼吸器による呼吸管理、喀痰吸引その他の医療行為」としています。
園や学校に受け入れの義務はありますか?
同法第6条は保育所・認定こども園等の設置者について、第7条は学校の設置者について、在籍・利用する医療的ケア児に対し「適切な支援を行う責務を有する」と定めています。具体的にどうするかは、話し合いになります。
住んでいる自治体で対応が違います
同法第3条第5項は「その居住する地域にかかわらず等しく適切な支援を受けられるようにすることを旨としなければならない」としています。自治体との話し合いで挙げられる条文です。
親の意向は聞いてもらえますか?
同法第3条第4項は「医療的ケア児及びその保護者の意思を最大限に尊重しなければならない」と定めています。
外出が難しい場合、通所以外の方法はありますか?
児童福祉法第6条の2の2第4項の居宅訪問型児童発達支援は、外出することが著しく困難な障害児について、居宅を訪問して行うものと定められています。利用の可否は市町村の判断になります。窓口にご相談ください。
この記事について:本記事は、子育て・発達に関する一般的な情報の提供を目的としています。内容は学会・職能団体・国の機関が公開している情報にもとづいてまとめていますが、お子さまの発達には個人差があり、すべてのお子さまに当てはまるものではありません。診断や治療に関する判断は、医師などの専門機関にご相談ください。

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