何をする人か——法律が定める二つの援助
児童福祉法第6条の2の2第6項は、障害児相談支援=障害児支援利用援助+継続障害児支援利用援助と定めています。相談支援専門員は、この二つを担う立場です。
| 条文が定めている内容 |
障害児支援利用援助 (第7項) | ①心身の状況、置かれている環境、本人・保護者の利用に関する意向その他の事情を勘案して障害児支援利用計画案を作成 ②支給決定が行われた後に、指定事業者その他の者との連絡調整その他の便宜を供与 ③種類・内容・これを担当する者等を記載した障害児支援利用計画を作成 |
継続障害児支援利用援助 (第8項) | ①有効期間内に、計画が適切かどうかを内閣府令で定める期間ごとに利用状況を検証 ②事情を勘案して見直し ③その結果にもとづき——計画の変更と関係者との連絡調整、または🔴「申請の勧奨」 |
🔴 「申請の勧奨」とは
新たな支給決定や、支給決定の変更が必要だと認められる場合に、
保護者に対して申請を勧めることです。
——つまり
「回数を増やす手続きをしましょう」と向こうから言ってもらえるしくみが、法律に書かれています。
「増やしたいけれど、どう言えばいいか分からない」というときは、
相談支援専門員に相談するのが筋道です。
事業所の担当者とは、役割が違います
| 相談支援専門員 | 児童発達支援管理責任者 |
| 所属 | 障害児相談支援事業所 | 利用する事業所 |
| 作る計画 | 障害児支援利用計画 | 個別支援計画(児童発達支援計画) |
| 見るもの | サービス全体の組み合わせ | その事業所の支援 |
| 根拠 | 児童福祉法 第6条の2の2第6〜8項 | 指定基準省令 第27条 |
| できること | 事業者との連絡調整、申請の勧奨 | 支援内容の見直し、相談及び援助 |
どちらに話すか、の目安
相談支援専門員に——回数を増やしたい/別のサービスも使いたい/事業所を変えたい/全体がうまくかみ合っていない
児発管に——その事業所での目標を変えたい/支援の中身について/日々の様子について
迷ったら、
どちらに話しても構いません。省令は、事業所が作った個別支援計画を
相談支援事業者にも交付しなければならないとしており(第27条第7項)、情報は共有される形になっています。
費用と、依頼のしかた
- 自己負担はありません。詳しくは市町村の窓口でご確認ください
- 依頼は市町村の窓口から——受給者証の申請とあわせて相談するのが一般的です
- 相談支援事業所は選べます——空き状況は地域によって異なります
- 依頼しない形もあります——保護者が自分で計画を作る(→セルフプランとは?)
空きがないと言われたとき
地域によっては、相談支援事業所に空きがないことがあります。
その場合
セルフプランを案内されることがありますが、条文上、
継続障害児支援利用援助(定期的な見直し・連絡調整・申請の勧奨)は相談支援の内容として書かれているものです。
市町村の窓口で
「空きが出たら依頼できますか」と確かめておく価値があります。
相談するときに、伝えるとよいこと
条文が「勘案する」としているのは心身の状況・置かれている環境・利用に関する意向その他の事情です。そのまま、伝える材料になります。
- どうなったらいいか——望む生活。ここが計画の出発点になります
- いま困っていること——場面ごとに具体的に
- いま使っているもの——園、医療、他のサービス、家族の支え
- 使える時間と体力——送迎、きょうだいの都合、就労の状況
- 本人が何と言っているか
- 変えたいこと——回数、曜日、事業所
家族の状況も「事情」に含まれます。無理のない形にするために伝えてよい情報です(→家族支援とは?)。
ほかの「相談できる場所」との違い
「相談支援」と名のつくものは複数あり、混同されやすい部分です。
| 場 | 何をするところか | 根拠 |
| 相談支援専門員 | 障害児支援利用計画を作り、サービスの組み合わせを設計・調整する | 児童福祉法 第6条の2の2第6〜8項 |
| 区市町村の発達相談窓口 | 無料の相談。診断の有無にかかわらず。制度の入口 | 自治体の事業(名称は自治体により異なる) |
| 発達障害者支援センター | 発達障害に関する専門的な相談 | 発達障害者支援法 第14条(都道府県等が指定) |
| こども家庭センター・児童相談所 | 子ども家庭全般。虐待・家庭の課題を含む | 児童福祉法 |
| 児発管 | その事業所での支援についての相談及び援助 | 指定基準省令 第28条・第29条 |
入口はどこでもかまいません
「まずどこに行けばいいか」で止まってしまうのが、いちばんもったいない状態です。
区市町村の発達相談窓口は
無料で、診断がなくても使えます。そこから必要な先につないでもらう——という進み方で構いません。
なお、発達障害者支援法第3条第3項は、国及び地方公共団体について
「関係機関及び民間団体相互の有機的連携の下に必要な相談体制の整備を行う」ものとしています。
つないでもらうことは、制度の想定内です。
資格について
相談支援専門員になるには、一定の実務経験と都道府県が行う研修の修了が求められます。
細かい要件を書かない理由
実務経験の範囲や年数、研修の区分は
告示や通知の層で定められ、
改正されることがあります。確認できた一次情報の範囲を超えて数字を書くと、古い情報を残すことになります。
要件は
都道府県の障害福祉担当課の案内をご確認ください。
どこに相談すればいいか
※本記事は一般的な情報提供です。制度の運用は自治体により異なります。療育は医療ではありません。
出典
※上記の出典は2026年9月4日に閲覧して内容を確認しました。各団体の記載は更新される場合があります。最新の情報は各サイトでご確認ください。
よくあるご質問
相談支援専門員は、何をしてくれますか?
児童福祉法は、障害児支援利用計画(案)の作成、事業者その他の者との連絡調整、定期的な見直し、そして「申請の勧奨」を障害児相談支援の内容として定めています。
「申請の勧奨」とは何ですか?
新たな支給決定や変更が必要と認められる場合に、保護者に申請を勧めることです。「回数を増やしたい」というときの筋道になります。
児発管とは何が違いますか?
相談支援専門員はサービス全体の組み合わせを、児発管はその事業所での支援を見ます。根拠になる条文も別です(法律/省令)。
費用はかかりますか?
自己負担はありません。詳しくは市町村の窓口でご確認ください。
空きがないと言われました
地域によって状況が異なります。セルフプランを案内されることがありますが、定期的な見直し・連絡調整・申請の勧奨は相談支援の内容として条文に書かれているものです。「空きが出たら依頼できますか」と窓口で確かめておく価値があります。
何を伝えればいいですか?
条文が勘案するとしているのは心身の状況・置かれている環境・利用に関する意向その他の事情です。どうなったらいいか/困っていること/いま使っているもの/使える時間と体力/本人の言葉——このあたりが材料になります。
この記事について:本記事は、子育て・発達に関する一般的な情報の提供を目的としています。内容は学会・職能団体・国の機関が公開している情報にもとづいてまとめていますが、お子さまの発達には個人差があり、すべてのお子さまに当てはまるものではありません。診断や治療に関する判断は、医師などの専門機関にご相談ください。
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のびのび発達ラボを運営する児童発達支援てらぴぁぽけっと早稲田教室(東京都新宿区・早稲田駅徒歩1分)には、言語聴覚士・公認心理師・精神保健福祉士・保育士など多職種の専門スタッフが在籍しています。見学・ご相談は、診断の有無に関わらず承ります。