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児童発達支援を2か所以上で使えるか——受給者証の「支給量」を、事業所どうしで分け合うしくみです

最終更新:2026年10月6日
2か所以上の事業所を組み合わせて使うことはできます。

しくみの芯は「支給量」です。市区町村は受給者証に、サービスの種類ごとに、1か月に使える量を書きます(児童福祉法 第21条の5の7)。事業所はそれぞれ、契約した量を受給者証に書き込み、その合計が支給量を超えてはならないと省令が定めています(指定基準 第13条)。

つまり、かけもちは「特別な許可」ではなく、1か月分の枠を事業所どうしで分け合うということです。このページでは、枠の分け方、お金の上限の扱い、事業所どうしの連携まで、条文とガイドラインに沿って整理します。

結論:枠の中なら、何か所でも組み合わせられる

受給者証に書かれる量は、事業所ごとではなく、サービスの種類ごとに決まります。児童福祉法 第21条の5の7第7項は、市町村が通所給付決定をするときに「障害児通所支援の種類ごとに月を単位として……支給量……を定めなければならない」としています。

何が決まっているかどこに書いてあるか
市区町村が、種類ごと・1か月単位で支給量を決める児童福祉法 第21条の5の7第7項
支給量や有効期間を書いた受給者証が交付される同 第21条の5の7第9項
事業所は、契約した量(契約支給量)を受給者証に書き込む指定基準 第13条第1項
契約支給量の合計は、支給量を超えてはならない同 第13条第2項
事業所は契約したら、その内容を市町村に報告する同 第13条第3項
たとえば、支給量が「月23日」なら
A事業所と月15日、B事業所と月8日の契約を結ぶ、という組み合わせになります。受給者証には、それぞれの事業所が契約した日数を書き込みます。

どちらかを増やしたいときは、もう一方を減らすか、支給量そのものを増やすかのどちらかです。支給量を増やすには、市区町村への変更の申請という手続きがあります(児童福祉法 第21条の5の8)。日数は例として挙げたもので、実際の支給量は市区町村がお子さんごとに決めます。

この決まりは、放課後等デイサービスにも同じように当てはまります。指定基準 第71条が、第13条を放課後等デイサービスの事業に準用しているためです。

児童発達支援と、ほかの種類を組み合わせるとき

支給量は「種類ごと」なので、児童発達支援と、たとえば保育所等訪問支援は、それぞれ別の量として決まります。同じ「月23日」の枠を分け合うのは、同じ種類のサービスを2か所以上で使うときです。

どの種類をどれだけ使うかは、障害児支援利用計画にまとめます。児童福祉法 第6条の2の2第7項は、この計画(の案)に「利用する障害児通所支援の種類及び内容」を定めるとしています。2か所以上を組み合わせたいときは、計画を作る段階で伝えておくのが近道です。

お金の上限は、2か所でも「月にひとつ」

利用者負担には、世帯の所得に応じた月ごとの上限額があります(くわしくは児童発達支援の利用料はいくら?)。2か所以上を使うと、「それぞれの事業所で上限まで払うのか」が気になるところです。

指定基準 第24条は、同じ月にほかの事業所のサービスも受けた場合について定めています。保護者から依頼があったとき、事業所は

  1. 自分の事業所とほかの事業所の負担額の合計(通所利用者負担額合計額)を算定し
  2. その合計額を市町村に報告し
  3. 保護者と、ほかの事業所に通知する

としています。2か所以上を使う月は、負担額をまとめて管理する役目を、どこか1か所に頼むというのが条文の形です。どの事業所に頼むか、届け出の方法はどうするかは、受給者証の窓口(市区町村)か、相談支援専門員に確かめてください。

「依頼があったとき」と書かれています
第24条の文言は「当該障害児の通所給付決定保護者から依頼があったときは」です。保護者の側から頼むことが、条文の入口になっています。2か所目の契約をするときに「上限額の管理はどちらにお願いすればよいですか」と聞いておくと、確実です。

事業所どうしは、情報を共有するのか

2か所で支援の方針がばらばらだと、お子さんが戸惑います。国のガイドラインは、この点をはっきり書いています。

ガイドライン書かれていること(要旨)
放課後等デイサービスガイドライン
第5章5
複数の事業所を併せて利用するこどもについて、保護者の同意を得た上で、日常生活動作の状況や留意事項、相互の支援内容や計画の内容などを事業所間で情報共有することが必要とされている
児童発達支援ガイドライン
第4章
セルフプランで複数の事業所等から継続的に支援を受けている場合、事業所間の見立てや支援内容のばらつきでこどもに過度なストレスを与えることのないよう留意する、とされている

セルフプランのときは「コア連携事業所」

児童発達支援ガイドラインは、相談支援専門員の計画に代えてセルフプランで利用し、複数の事業所から継続的に支援を受けているこどもについて、「市町村が選定するコア連携事業所」を中心として事業所間で連携する、としています。コア連携事業所は、ガイドラインの言葉で「こどもの支援について適切なコーディネートを進める中核となる事業所等」です。

相談支援専門員がいれば、事業所どうしのつなぎ役は計画を作る人が担います(児童福祉法 第6条の2の2第8項の継続障害児支援利用援助=モニタリング)。セルフプランではその役がいないため、コア連携事業所という形で中心を決める、という整理です。セルフプランで2か所以上を使っている場合は、コア連携事業所がどこになっているかを市区町村に聞いてみてください。

どちらを選ぶかの材料はセルフプランか相談支援かにまとめています。

2か所目を決める前に、確かめておくこと

  1. 受給者証の支給量と、いまの事業所の契約支給量を見る。残りの枠がどれだけあるかが分かります
  2. 残りが足りなければ、いまの事業所の日数を減らすか、支給量の変更を申請するかを考える(支給量を増やしたいとき)
  3. 相談支援専門員がいれば、計画の見直しとして相談する。セルフプランなら市区町村の窓口へ
  4. 2か所目と契約するときに、上限額の管理をどちらに頼むかを決める(指定基準 第24条)
  5. 両方の事業所に、もう一方の曜日・時間と、支援で大事にしていることを伝える。情報を事業所どうしで共有してよいかの同意も、このときに確かめる

同じ日に2か所を使えるかなど、日ごとの細かな扱いは、市区町村の運用で確かめてください。このページは、法令と国のガイドラインに書かれていることを整理したものです。

2か所にするかどうか、考えるときの目安

組み合わせには、よい面と気をつける面があります。どちらが合うかは、お子さんと家庭の事情で変わります。

組み合わせのよい面気をつける面
それぞれの得意な支援(たとえば個別と集団)を両方受けられる方針が違うと、お子さんが戸惑うことがある
1か所の空きが少なくても、通える日数を確保しやすい送迎や連絡のやりとりが2倍になる
相談できる専門職が増える上限額の管理や契約の手続きが増える

「気をつける面」の多くは、事業所どうしの情報共有と上限額の管理の依頼で小さくできます。ガイドラインが情報共有を「必要」と書いているのは、そのためです。

出典

※上記の出典は2026年10月6日に閲覧して内容を確認しました。各団体の記載は更新される場合があります。最新の情報は各サイトでご確認ください。

よくあるご質問

児童発達支援を2か所で使うことはできますか?
できます。市区町村は受給者証に、サービスの種類ごと・1か月単位の支給量を定めます(児童福祉法第21条の5の7第7項)。各事業所は契約した量を受給者証に記載し、その合計が支給量を超えてはならないとされています(指定基準第13条)。この範囲であれば、2か所以上を組み合わせて使えます。
2か所使うと、利用料の上限も2倍になりますか?
上限額は月ごとに決まっています。同じ月にほかの事業所も利用した場合、保護者から依頼があれば、事業所は負担額の合計を算定して市町村に報告し、保護者とほかの事業所に通知することになっています(指定基準第24条)。どの事業所に頼むかは、市区町村の窓口か相談支援専門員に確かめてください。
1か所目の日数を減らさずに、2か所目を増やせますか?
支給量に残りがあれば可能です。残りが足りない場合は、市区町村に通所給付決定の変更(支給量の変更)を申請する手続きがあります(児童福祉法第21条の5の8)。
放課後等デイサービスでも同じですか?
同じです。指定基準第71条が、契約支給量の決まり(第13条)や負担額の合計の管理(第24条)を放課後等デイサービスに準用しています。
セルフプランで2か所使っています。誰が全体を見てくれますか?
児童発達支援ガイドラインは、セルフプランで複数の事業所から継続的に支援を受けている場合、市町村が選定するコア連携事業所を中心に事業所間で連携する、としています。どこがコア連携事業所になっているかは、市区町村に確かめてください。
この記事について:本記事は、子育て・発達に関する一般的な情報の提供を目的としています。内容は学会・職能団体・国の機関が公開している情報にもとづいてまとめていますが、お子さまの発達には個人差があり、すべてのお子さまに当てはまるものではありません。診断や治療に関する判断は、医師などの専門機関にご相談ください。

制度のこと、見学のときに一緒に確認できます

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