窓口で「セルフプランでもいいですよ」と言われる場面は、多くのご家庭が通ります。この記事は、そこで何を確かめて、どう決めるかにしぼって書きます。
先に挙げた記事も、いずれも結論を断定していません。地域によって相談支援事業所の空き状況が違い、ご家庭によって使うサービスの数や見通しが違うためです。
そのかわりこの記事は、判断のための材料と、迷ったときに窓口で確かめる手順を並べます。
「計画はどうしますか」という一言の背景には、児童福祉法 第21条の5の7という条文があります。受給者証の要否を決める場面(通所支給要否決定)について定めた条文で、そのうち第4項と第5項が、計画案の出し方を決めています。
市町村は、通所支給要否決定を行うに当たつて必要と認められる場合として内閣府令で定める場合には、内閣府令で定めるところにより、申請に係る障害児の保護者に対し、指定障害児相談支援事業者が作成する障害児支援利用計画案の提出を求めるものとする。
前項の規定により障害児支援利用計画案の提出を求められた障害児の保護者は、内閣府令で定める場合には、同項の障害児支援利用計画案に代えて内閣府令で定める障害児支援利用計画案を提出することができる。
条文の作りとしては、第4項が原則、第5項が例外です。窓口では第5項の例外にあたるかどうかが、実質的に聞かれています。
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 第4項(原則) | 市町村は、指定障害児相談支援事業者が作った計画案の提出を求める |
| 第5項(例外) | 保護者は、内閣府令で定める場合に限り、自分で作った計画案をこれに代えて出せる(=セルフプラン) |
※ 第4項の「必要と認められる場合」は、施行規則 第18条の12が「障害児の保護者が(受給者証の)申請をした場合」と定めています。つまり実務上は、申請したほぼ全員が対象になる形です。原則が原則として広く効いていることが、条文から読み取れます。
では、いつ第5項の例外(セルフプラン)が使えるのか。これを定めているのが児童福祉法施行規則 第18条の14です。
法第二十一条の五の七第五項に規定する内閣府令で定める場合は、身近な地域に指定障害児相談支援事業者がない場合又は障害児の保護者が……障害児支援利用計画案の提出を希望する場合とする。
ここに書かれている条件は二つで、「又は」でつながっています。どちらか一方に当てはまれば、セルフプランを選べるという作りです。
二つ目の「希望する場合」は、地域に事業者がいるかどうかを問いません。条文の文言だけを見れば、保護者が希望すればセルフプランを選べるという広い作りになっています。
そして、セルフプランの計画案そのものについても、施行規則 第18条の15が定義しています——「指定障害児相談支援事業者以外の者が作成する障害児支援利用計画案」。作成者が誰かだけが、二つの計画案を分けています。
※ 東京都北区の案内ページも、同じ考え方を平易な言葉で書いています——「本人が希望する場合は事業者が作成するサービス等利用計画(障害児支援利用計画)の代わりに、利用者本人やその家族及び支援者等が作成することもできます(セルフプラン)」。あわせて、「セルフプラン作成者に対して報酬は支払われません」とも明記されています(相談支援事業者に依頼した場合は区が報酬を支払う一方、セルフプランは無償で作る形になる、という違いです)。
施行規則の一つ目の条件——「身近な地域に指定障害児相談支援事業者がない場合」——にあたる場面として、窓口で「空いていない」と案内されることがあります。相談支援専門員という仕事の中身は相談支援専門員とは?に譲り、ここでは空きがないと言われた場面でできることだけを書きます。
「身近な地域」の具体的な距離や範囲について、条文そのものには数字がありません。自治体ごとの運用になっている可能性がありますが、この記事では確認できませんでした。お住まいの窓口に直接お尋ねください。
ここまでの条文をもとに、判断の材料になりそうな場面を四つ並べます。「この場合はこちらを選ぶべき」という意味ではありません。それぞれの制度が条文上どんな役割を持っているかを、場面に当てはめただけです。
| 場面 | 条文上、関係してくること |
|---|---|
| 使うサービスが複数あり、 組み合わせの調整が要る | 相談支援は、支給決定後の事業者との連絡調整が援助の内容に含まれます(→障害児支援利用計画とは?) |
| 支給量を増やす・ 種類を増やす見通しがある | 相談支援は、必要と認められる場合に申請の勧奨を行うことが運営基準に定められています(後述) |
| 身近に事業者がいない、 または空きがない | 施行規則の例外条件の一つに直接あたります。セルフプランを選べる場面として、条文が明記しています |
| 使うサービスが一つで、 組み合わせの調整が要らない | 施行規則のもう一つの条件「保護者が希望する場合」に当てはまり、セルフプランを選ぶご家庭が多い場面です |
※ 表の右側は、あくまで各制度が条文上できること・想定されている場面です。実際にどちらを選ぶかは、地域の相談支援事業所の状況とご家庭の事情によって変わります。
相談支援に依頼した場合、見直し(継続障害児支援利用援助)の間隔は、施行規則が区分ごとに定めています。
市町村が、障害児の状況等を勘案し、次の区分に応じて期間を定めることとされています。
原則は六月間ですが、環境が大きく変わる場面では一月間まで短くなる区分があります。この区分ごとの見直しは、指定障害児相談支援の事業の人員及び運営に関する基準 第15条が、相談支援専門員の業務としてこう定めています。
相談支援専門員は、モニタリングに当たっては、障害児及びその家族、福祉サービス等の事業を行う者等との連絡を継続的に行うこととし、内閣府令で定める期間ごとに障害児の居宅を訪問し、障害児等に面接するほか、その結果を記録しなければならない。
セルフプランには、この間隔を定めた条文がありません。モニタリングとは?で書いたとおり、事業所側の個別支援計画は省令で「少なくとも六月に一回以上」の見直しが決まっています。セルフプランのご家庭も、同じ六か月を目安にして振り返ると決めておくと、区切りを見失いにくくなります。
※ 退所直後や、環境が大きく変わった直後など、相談支援側では一月ごとの見直しになりうる区分があります。同じような場面にあるときは、セルフプランでも六か月を待たずに振り返る、あるいは相談支援への切り替えを窓口で相談する、という選択肢があります。
「いま選んだら、ずっとこのままなのか」という不安について、条文を確かめました。一度選んだら変えられない、という規定は見当たりません。第21条の5の7は、通所支給要否決定のたびに計画案の提出を求める作りになっており、支給決定の変更や更新の場面でも、同じ第4項・第5項が働きます。
切り替えそのものを専用に定めた条文(様式・届出の名前など)は、この記事では確認できませんでした。実務としては、通常の申請・変更申請と同じ窓口で扱われると考えられますが、断定はできません。お住まいの市町村に直接お尋ねください。
※ 藤沢市のページは、18歳以上の計画相談とは別に「障がい児通所支援のセルフプランについては、こども家庭センターにお問い合わせください」と、子ども向けの窓口を分けて案内しています。窓口の名前は自治体によって違うので、まず「障害児の受給者証の窓口」を確かめるのが確実です。
これらは推測で埋めず、確認できなかったこととして残しています。
※上記の出典は2026年9月8日に閲覧して内容を確認しました。各団体の記載は更新される場合があります。最新の情報は各サイトでご確認ください。
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