🔴 WHOが示している数字と、その範囲
WHOは2019年4月24日に『5歳未満の子どもの身体活動、座位行動および睡眠に関するガイドライン』を公表しました。画面を見て過ごす時間について、次のように述べています。
| 年齢 | WHOの記載 |
| 1歳未満 | 画面を見る時間は推奨されない |
| 1歳 | 座って画面を見る時間(テレビや動画の視聴、コンピュータゲームなど)は推奨されない |
| 2歳 | 1時間を超えないこと。少ないほうがよい |
| 3〜4歳 | 1時間を超えないこと。少ないほうがよい |
またWHOは、座って過ごす時間には読み聞かせやお話をするなど、養育者との関わりのある活動を勧めるとしています。
この表を、そのまま学齢期に当てはめないでください
このガイドラインの対象は5歳未満です。小学生・中学生について「何時間まで」という数字は、ここには書かれていません。
この記事では、
確認できていない数字を書きません。「小学生は◯時間まで」と書けば読みやすくなりますが、
その根拠を示せないものは書かない——という方針です。
数字の代わりに使えるものは、次の節にあります。
※WHOのガイドラインの正式名称は「WHO guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under 5 years of age」(2019年)です。
🔴 ルールは「一緒に作るもの」と書かれています
こども家庭庁の放課後等デイサービスガイドラインは、四つの基本活動の一つ「こどもが主体的に参画できる活動」について、こう書いています。
原文
「こどもとともに活動を企画したり過ごし方のルールをつくったりするなど、こどもが主体的に参画できる機会を設け、こどもが意見を表明しやすい環境づくりを行いながら、こどもとともに活動を組み立てていく取組を行っていく」そして、こうした取組は
「こどもにとって自分自身が権利の主体であることを実感する」ことにつながる、と続けています。
同じガイドラインは、遊びや余暇について「こどもが望む遊びや体験、余暇等を自分で選択しながら取り組むことができるよう」と書き、環境の要件としても「こどもによる選択ができるよう配慮すること」を挙げています。
大人が決めて渡すルールは、この書き方に合いません
国の文書が示しているのは
「一緒に作る」「意見を言える形にする」という方向です。
守られないルールの多くは、
本人が作るときにいなかったルールです。
——もちろん、家庭には家庭の事情があります。何をどこまで一緒に決めるかは、ご家庭で決めることです。
「やめられない」は、切り替えの問題でもあります
ASHAは、専門的な支援を検討しうる困難として「日課の変化への対応、および、ある活動から次の活動へ移ることの困難」を挙げています。
ゲームや動画は、終わりの区切りが分かりにくい形になっていることがあります。動画は次が自動で始まり、ゲームは切りのいいところが外から見えません。
| 起きていること | 手を打つところ |
| 終わりが見えない | 回数・面・話数で区切る——「あと1本」「このステージまで」。時間より確実です |
| 次が自動で始まる | 自動再生を切る。1本ごとに区切りが入ります |
| 途中で止められる形になっている | セーブできる区切りを一緒に確かめる。途中で切られるのは大人でもつらいことです |
| そのあとの予定がない | 次にすることを先に見せる。終わりだけを伝えると、失うことだけが残ります |
切り替えそのものの工夫は、こちらにまとめています(→切り替えが苦手)。
ルールを決めるときの、進め方
- 今の実態を、一緒に数える——決める前に、いま何時間・何回なのかを、本人と一緒に見ます。責めずに、数えるだけ。
- 本人の希望を先に聞く——「どれくらいならいいと思う?」。ガイドラインは「こどもが意見を表明しやすい環境づくり」を挙げています。
- 時間ではなく、区切りで決める——「1時間」より「あと2本」「このステージまで」。数えられる形にします。
- 終わったあとにすることを、一緒に決める——「終わり」だけのルールは守りにくくなります。
- 守れなかったときにどうするかも、先に決める——その場で決めると、取り上げる形になりがちです。
- 書いて貼る——口約束は、双方の記憶が食い違います。紙にして見える場所に。
- 見直す日を決める——一度決めたら終わりではなく、期限つきにします。守れていたら、緩める話もできます。
取り上げる、について
取り上げるべきかどうかを、この記事では断定しません。判断の根拠になる一次情報を確認できていないためです。
そのうえで一つだけ。ASHAは支援を検討する目安に
「苦痛や不快をもたらす」を挙げています。
取り上げるたびに大荒れになる状態が毎日続いているなら、
取り上げ方ではなく、終わり方の設計を見直すほうが、家庭の負担は軽くなることがあります。
よい付き合い方が育つこともあります
放課後等デイサービスガイドラインは、遊びや体験について「遊び自体の中にこどもの発達を促す重要な要素が含まれている」と書き、「挑戦や失敗を含め」自由な遊びを行うこと、「体験したことや、興味を持ったことに取り組めることは、新たにやってみたいと感じる機会につながる」としています。
- 興味の入口になる——生き物、歴史、乗り物、プログラミング(→プログラミング)
- 共通の話題になる——同年代とのやりとりのきっかけになることがあります
- やりとりの練習の場になる——順番、勝ち負け、誘い方(→順番が待てない)
- 使う力そのものが育つ——操作、読み、計画
やめさせることだけを目標にしない——という視点も、あわせて持っておく価値があります。
どこに相談すればいいか
| 相談先 | 何のため |
| 区市町村の発達相談窓口 | 無料。診断の有無にかかわらず |
| 放課後等デイサービス | 学齢期の支援。過ごし方のルールづくりも支援の中に位置づけられています |
| 小児科・児童精神科 | 睡眠に影響が出ている、学校に行けなくなっている、家族への暴力があるとき |
| 学校(担任) | 学校での様子と家庭での様子を突き合わせたいとき |
※本記事は一般的な情報提供です。睡眠・食事・登校に影響が出ている場合は医療機関にご相談ください。診断は医師が行います。療育は医療ではありません。
出典
※上記の出典は2026年9月4日に閲覧して内容を確認しました。各団体の記載は更新される場合があります。最新の情報は各サイトでご確認ください。
よくあるご質問
1日何時間までなら大丈夫ですか?
学齢期についての数字は、この記事では書きません。WHOが画面を見る時間の推奨を示しているのは5歳未満までで、小学生以降の推奨値はそのガイドラインに含まれていないためです。根拠を示せない数字は書かない、という方針です。
WHOは、何と言っていますか?
5歳未満について、1歳未満と1歳は画面を見る時間を推奨しない、2歳と3〜4歳は1時間を超えないこと・少ないほうがよいとしています(2019年)。あわせて、座って過ごす時間には読み聞かせやお話などの関わりを勧めています。
ルールは、親が決めていいですか?
こども家庭庁の放課後等デイサービスガイドラインは「こどもとともに……過ごし方のルールをつくったりする」「こどもが意見を表明しやすい環境づくり」という方向を示しています。何をどこまで一緒に決めるかは、ご家庭でご判断いただくことです。
「あと1回」が終わりません
回数・面・話数で区切る、自動再生を切る、終わったあとにすることを先に見せる——このあたりが実際的です。ASHAは活動から活動へ移ることの困難を挙げており、切り替えそのものの問題である場合があります。
取り上げてもいいですか?
是非は断定しません。判断の根拠になる一次情報を確認できていないためです。ただし、取り上げるたびに大荒れになる状態が毎日続いているなら、取り上げ方ではなく、終わり方の設計を見直すほうが負担が軽くなることがあります。
ゲームは、やめさせたほうがいいですか?
国のガイドラインは、遊びについて「遊び自体の中にこどもの発達を促す重要な要素が含まれている」と書き、「こどもが望む遊びや体験、余暇等を自分で選択しながら取り組む」ことを支援の形としています。睡眠・食事・登校に影響が出ている場合は、医療機関にご相談ください。
この記事について:本記事は、子育て・発達に関する一般的な情報の提供を目的としています。内容は学会・職能団体・国の機関が公開している情報にもとづいてまとめていますが、お子さまの発達には個人差があり、すべてのお子さまに当てはまるものではありません。診断や治療に関する判断は、医師などの専門機関にご相談ください。
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