ポイントのまとめ
区の資料は、発達障害について「脳機能の発達に関係する障害で、家庭環境や親の育て方が原因となるものではありません」と書いています。学校については「子どもの学習や友達関係などでの困り感を把握し、どんな支援が必要かを検討し、提案していきます」と書いています。家庭から場面と様子をメモして学校に伝える方法は、このページの整理で、区の手順ではありません。
出典:[1](PDF2ページ目・紙面1ページ、PDF1ページ目・紙面3ページ)。
新宿区教育委員会が発行する「ともに」の「なるほど特別支援教育 その3」です。PDFは2ページで、1ページ目に紙面の3・4ページ、2ページ目に紙面の1・2ページが載っています。紙面には「2021.3」と印刷されています。この資料の中で、発行の目的は次のように書かれています。
個に応じたきめ細かな教育を推進しており、区の特別支援教育の理解啓発を目的に「ともに」を発行しています。
出典:[1](PDF1ページ目・紙面4ページ「はじめに」)。
同じ「はじめに」には、次のようにも書かれています。
子どもの成長を支え可能性を伸ばすために、特別支援教育についてともに考えていただくきっかけになれば幸いです。
出典:[1](PDF1ページ目・紙面4ページ「はじめに」)。
申込みの方法や対象になる条件、日程などは、この資料には書かれていません。そうした点は、後の「資料に書かれていないこと」の節で整理します。
紙面1ページの「発達障害とは」の説明は、次のとおりです。以下は資料の原文です。
脳機能の発達に関係する障害で、家庭環境や親の育て方が原因となるものではありません。
障害の種類や程度、年齢や性格などにより個人差があり、個に応じた対応が必要です。
発達障害はしばしば複数の種類が重なり合って現れます。また、紹介した代表的な3つだけでなく、発達性協調運動障害や高次脳機能障害、チック障害などもあります。
出典:[1](PDF2ページ目・紙面1ページ)。
読み方の注意点です。資料の説明は「学校など日常生活を送る上で見られる様子(例)」として書かれており、お子さんの様子をこの3つの名前のどれかに分けて決める方法は、資料に書かれていません。診断や検査をどこで受けられるか、受ける必要があるかどうかは、資料に書かれていません。医療機関や区に確認してください。
資料の紙面1ページには、自閉症スペクトラム(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)の3つについて、「学校など日常生活を送る上で見られる様子(例)」が書かれています。原文を表にしました。
| 名前 | 資料の原文 |
|---|---|
| 自閉症スペクトラム(ASD) | 人とコミュニケーションをとるのが苦手、変化に対応できずパニックになる、集団でのルールや動きに合わせにくい、感覚の過敏さ・鈍感さなど |
| 注意欠陥多動性障害(ADHD) | 落ち着きがない、うっかりミスが多い、かっとなりやすい、特定のことに注意を止めておくことが難しく、一つのことに取り組んでもすぐに飽きてしまうなど |
| 学習障害(LD) | 知的発達の遅れや勉強不足が原因ではなく、「読む」「書く」「計算する」「推論する」などが部分的に苦手 |
出典:[1](PDF2ページ目・紙面1ページ)。
たとえば学習障害(LD)の原文は「知的発達の遅れや勉強不足が原因ではなく」と、先に原因を否定しています。読み書きや計算でつまずく様子を見たとき、「練習が足りない」「やる気がない」と読む前に、部分的な苦手がないかを、学校に聞いてみる手がかりにできます(このページの読み方です)。
紙面2ページには「このお話は1つの事例です」という注意書きつきで、5年1組の班の話合いの場面が載っています。場面の設定は次のとおりです。
5年1組では総合的な学習の時間に、「よりよい新宿のまちづくり」について班ごとに新聞にしてまとめ、内容を発表することになりました。
出典:[1](PDF2ページ目・紙面2ページ)。
登場する子どもたちの様子は、資料では次のように書かれています。
| 登場する子 | 資料の原文 |
|---|---|
| 班長 | 責任感と思いやりがある。意見を一つにまとめようとするけれどうまくいかずに悩む。 |
| Bさん | 思いつきの発言が多く悪気はないのによく友達とトラブルになってしまう。 |
| 内気な子 | 内気な性格 いろいろな意見に耳を傾けられるけれど自分の考えを伝えるのは苦手 |
| 正義感が強い子 | 正義感が強く 思ったことははっきり言う。マイペースなBさんに振り回されていると思ってしまう。 |
出典:[1](PDF2ページ目・紙面2ページ)。
資料では、発達に特性のある子はBさんとして描かれています。ただし、資料はBさんの診断名を書いていません。この点も、読むときに気をつけたいところです。
資料の中で、先生は次のように、Bさんの様子を読んでいます。
Bさんは、話合いの進め方が具体的にイメージできないのかもしれないな
出典:[1](PDF2ページ目・紙面2ページ)。
ここは、このページが「読み方」として注目した場面です(このページの整理)。資料では、思いつきの発言が多いBさんの様子について、先生が「話合いの進め方が具体的にイメージできないのかもしれない」と考えた、と書かれています。そのうえで、先生は何をしたかが次の原文です。
先生は子どもたちと相談して、話合いの具体的なルールを作ることにしました。
出典:[1](PDF2ページ目・紙面2ページ)。
資料の絵には、ルールが4つ書かれています。
出典:[1](PDF2ページ目・紙面2ページ)。
結果は、次のように書かれています。
みんながルールを理解したら、だんだん話合いがまとまるようになりました。
出典:[1](PDF2ページ目・紙面2ページ)。
図の①〜④は、資料の紙面3ページの次の原文をもとにしています。
子どもの学習や友達関係などでの困り感を把握し、どんな支援が必要かを検討し、提案していきます。
そのあとも、よりよい学校生活の実現に向けて、定期的に支援の成果や改善点などについて話合いをしていきます。
出典:[1](PDF1ページ目・紙面3ページ)。一番下の点線の箱は、このページの整理です。資料にはありません。
紙面3ページの見出しは「学校の先生たちは子どもたちの困り感を発見・改善するために知恵を出し合っています」です。この下に、役割ごとの説明が並んでいます。原文を表にしました。
| 役割 | 資料の原文 |
|---|---|
| 担任 | 子ども一人ひとりに目を配り、子どもたちにとってわかりやすい授業になるよう工夫したり、環境を整えたりしています。 |
| 養護教諭 | 健康診断や保健指導を行うとともに、学校全体の子どもたちの心身の健康状態を把握し、相談にのるなどしています。 |
| 特別支援教育コーディネーター | 支援を必要としている子どもの情報を収集し、校内の先生や外部の専門家の先生などと連携しながら、支援方針を考える準備を整えます。また、子どもの成長や指導の成果などの確認を行います。 |
| まなびの教室の先生 | 専門の知識をいかして、個別の課題に応じた指導をしたり、担任の先生などに提案したりします。指導の成果を確認していきながら担任の先生たちと次のステップを考えていきます。 |
表の下には「※外部の専門家の先生を交えて話合いをすることもあります」という注記もあります。
出典:[1](PDF1ページ目・紙面3ページ)。
紙面2ページの下の段には、まなびの教室と特別支援教育推進員の説明が載っています。
| 支援 | 資料の原文 |
|---|---|
| まなびの教室 | 子どもの状態や発達段階などに応じた指導目標について、保護者・担任と共通理解を図り設定します。週に数時間、専用の教室で専門的な指導を受けることで、学習上・生活上の困っていることを改善していきます。 |
| 特別支援教育推進員 | 子どもの実態に合わせて担任の説明や取り組み方を分かりやすい形(文字や絵等)で伝えたり、集中を促したりするなど、みんなと一緒に活動できるための手助けをします。 |
出典:[1](PDF2ページ目・紙面2ページ)。
この表から読めるのは、まなびの教室では指導目標を「保護者・担任と共通理解を図り設定」するという点です。保護者も目標づくりの相手として書かれています。一方で、どんな子が通えるのか、どう申し込むのか、週に何時間なのかといった具体的な条件は、資料に書かれていません(「週に数時間」とだけあります)。個別の事情は、学校や区に確認してください。
紙面4ページには、保護者の体験談が載っています。どちらも、そのご家庭の経験です。ほかのご家庭にそのまま当てはまるとは限りません。ここでは、困りごとの「読み方」に関わる部分だけを取り上げます。
小1から週1で通級(通級指導学級の略、現まなびの教室)に通い始めた。
出典:[1](PDF1ページ目・紙面4ページ)。
通級の先生の言葉は「この子は出来ないのではなく、運転の仕方が分からないだけです」と紹介されています。5年1組の事例で先生が「話合いの進め方が具体的にイメージできないのかもしれないな」と読んだ場面と、どちらも「できない」ではなく、やり方の分かりにくさに目を向けている、と読めます(このページの読み方です)。
息子がディスレクシア(発達性読み書き障害※2)であるとわかったのは、小学校2年生の頃です。
出典:[1](PDF1ページ目・紙面4ページ)。
体験談には、「問題を飛ばして解いているから、何か目の機能に問題があるのではないか」と言われたのがきっかけだった、と書かれています。最初は「おっちょこちょいな子だから」と考えていたとも書かれています。このご家庭は、次のように振り返っています。
早めに原因を知り学校に協力を求めたことは、息子の学習と自己肯定感に大きなプラスとなりました。
出典:[1](PDF1ページ目・紙面4ページ)。
ここからは、資料の考え方をもとにした、このページの整理です。区が勧めている手順ではありません。資料の事例では、先生はBさんの性格ではなく、話合いの進め方に注目しました。家庭でも、困りごとを場面で切り分けて書いておく方法があります(このページの整理です)。
| 項目 | 書くこと | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 場面 | いつ・どこで・何をしていたか | グループ活動で意見を出し合う時間/朝の支度 |
| 様子 | 見えた事実だけ(良し悪しの判断は入れない) | 順番を待たずに話し始める/黙って下を向く |
| 直前の出来事 | 様子の直前に何があったか | やり方の説明が長かった/予定が急に変わった |
| 本人の言葉 | 本人が口にしたこと | 「友達の反応の理由が分からない」 |
| うまくいった時 | 落ち着いて取り組めた時の状況 | 手順が紙に書いてあった/順番が決まっていた |
| 伝えたい相手 | 担任、特別支援教育コーディネーターなど | まず担任に、必要なら学校に相談先を聞く |
この表のポイントは、「様子」の欄に評価を入れないことです。「落ち着きがない」と書くより、「配られたプリントを見ずに話し始めた」のように、見えた事実を書きます。資料の3つの特性の表には、「学校など日常生活を送る上で見られる様子(例)」が書かれています。
学校へ連絡するときの言い方の一例です(このページの整理で、区が勧める方法ではありません)。文例を3つ挙げます。そのまま使わず、お子さんの状況に合わせて直してください。
以下は、このページが作った例です。実在のご家庭の話ではなく、お子さんに当てはまるかどうかを決めるものでもありません。
班活動で、思いついたことをすぐ話して友達とぶつかる、と先生から聞いたとします。資料の事例のように、話合いの進め方が見えていたかという視点で、順番や聞く時間の決まりごとがあったかを振り返ると、学校に聞きたいことが見えてきます。
資料の内気な子は「いろいろな意見に耳を傾けられるけれど自分の考えを伝えるのは苦手」と書かれています。黙っている様子を「意見がない」と読むのではなく、「伝える順番が回ってこない」「伝え方が分からない」といった場面の問題がないかを、担任と一緒に見ることができます。ルールのあとの場面に「私の意見もみんなが聞いてくれたから、安心して参加できたわ」という吹き出しがある点も、読むときの手がかりになります。
資料の学習障害(LD)の説明は「知的発達の遅れや勉強不足が原因ではなく、『読む』『書く』『計算する』『推論する』などが部分的に苦手」です。保護者の体験談のように、読み書きの困りが気になったときに、担任の先生の気づきがきっかけになった家庭があります。気になる様子が続くときは、いつから、どんな場面でかをメモして、担任や学校に相談するところから始められます。検査を受けるかどうか、どこで受けるかなどは、資料に書かれていないため、学校や区に確認してください。
この資料は読み物なので、制度の細かい点は載っていません。次のような点は、資料からは分かりません。言い切らず、確認してください。
確認先は、資料の末尾に載っている、新宿区教育委員会事務局 教育支援課 特別支援教育係です。資料にはTEL 03-3232-3074と書かれています。
新宿区教育委員会事務局 教育支援課 特別支援教育係 TEL:03-3232-3074
出典:[1](PDF1ページ目・紙面4ページ)。
「新宿区立〇〇小学校(中学校)に通う(通う予定の)子どもの保護者です。資料『ともに なるほど特別支援教育 その3』を読みました。〇〇について、現在の取り扱いを教えてください。」
資料には、発達障害は「脳機能の発達に関係する障害で、家庭環境や親の育て方が原因となるものではありません」と書かれています。出典:[1](PDF2ページ目・紙面1ページ)。
資料には「紹介した代表的な3つだけでなく、発達性協調運動障害や高次脳機能障害、チック障害などもあります」と書かれています。出典:[1](PDF2ページ目・紙面1ページ)。
資料の紙面3ページには、担任、養護教諭、特別支援教育コーディネーター、まなびの教室の先生の役割が書かれています。学校の先生たちが「知恵を出し合っています」という見出しです。個別のお子さんの場合に誰が窓口になるかは、資料に書かれていないため、学校に確認してください。出典:[1](PDF1ページ目・紙面3ページ)。
資料には、「子どもの状態や発達段階などに応じた指導目標について、保護者・担任と共通理解を図り設定します」「週に数時間、専用の教室で専門的な指導を受けることで、学習上・生活上の困っていることを改善していきます」と書かれています。通える条件や申込みの方法は、資料に書かれていないため、学校や区に確認してください。出典:[1](PDF2ページ目・紙面2ページ)。
資料の末尾には、新宿区教育委員会事務局 教育支援課 特別支援教育係のTEL 03-3232-3074が書かれています。資料は2021年3月の印刷なので、現在の取り扱いは、問い合わせて確認してください。出典:[1](PDF1ページ目・紙面4ページ)。
確認日:2026-10-13。
通級による指導とは?——対象8区分・授業時数・自立活動という中身
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