ポイントのまとめ
無理に座らせずに進めるには、①家庭で「怖がる場面と子どものサイン」を記録し、②その記録を療育の事業所に渡して児童発達支援計画のどこで扱うかを確かめ、③家庭と事業所で声かけと環境をそろえます。進め方の細目は事業所に確認してください。
出典:[1](18、19、20、24頁)。
ガイドライン18頁の「健康・生活」には、「睡眠、食事、排泄等の基本的な生活習慣を形成し、健康状態の維持・改善に必要な生活リズムを身につけられるよう支援する」とあります。19頁には「生活の場面における環境の工夫を行いながら、こどもの状態に応じて適切な時期に適切な支援をする」と書かれています。排泄は、基本的な生活習慣・基本的技能の例として挙げられています。出典:[1](18、19頁)。
20頁には「感覚の特性(感覚の過敏や鈍麻)を踏まえ、感覚の偏りに対する環境調整等の支援を行う」とあります。24頁には、発達障害のあるこどもに対して「予定等の見通しをわかりやすくすることや、感覚の特性(感覚の過敏や鈍麻)に留意し、安心できる環境づくりが必要である」と書かれ、「具体的又は視覚的な手段を用いながら、活動や場面の理解を促すこと」にも触れています。
同じ24頁に、精神的に強い不安や緊張を示すこどもには「安心感のある肯定的な関わりを大切にするとともに、少人数でゆったりと落ち着いた受容的な環境を用意することが必要である」とあります。トイレを怖がる理由が感覚なのか、予定が見えないことなのか、不安なのか、ほかにあるのかは、家庭と事業所で観察を持ち寄って整理してください。出典:[1](20、24頁)。
9頁には、「こどもの特性に合わない環境や不適切な働きかけにより二次障害が生じる場合があることを理解した上で支援を提供する」と書かれています。15頁には、こどもが安心感と信頼感を持って活動できるよう「こどもの主体としての思いや願いを受け止めること」とあります。9頁には、目の動きや顔の向き、声の出し方といった細やかな変化や行動から、思いや願いを丁寧にくみ取ることが重要であるとも書かれています。出典:[1](9、15頁)。
一方、15頁には「苦手なことにも挑戦できる支援を行うこと」ともあります。トイレで何を、どの段階まで行うかは、今回引いた記述には書かれていません。お子さんの様子を見ながら事業所に確認してください。
トイレの練習を何回行うか、何か月続けるか、嫌がったときにどこで切り上げるか、補助具を使うかどうか。これらの細目は、今回引いた公式資料には載っていません。言い切らずに、事業所に確認してください。からだの調子の心配(いつもと違う様子など)は、18頁の「平常とは異なった状態を速やかに見つけ出し、必要な対応をすることが重要である」を根拠に、事業所へも早めに伝えてください。出典:[1](18頁)。
ガイドラインは、言葉だけでなく目の動き・顔の向き・声の出し方といった変化から思いや願いをくみ取ることを求めています(9頁)。家庭でも、次の表を使って短いメモを残すと、事業所との話し合いの材料になります。書く欄は空欄のままでかまいません。
表:トイレを怖がる場面の記録
| 記録する項目 | 書き方の例 | 事業所に聞く・伝えるとき |
|---|---|---|
| 日付・時間帯 | _月_日 朝/帰宅後/就寝前 | 時間帯で様子が違うか |
| 場所 | 自宅/園/療育先/外出先 | 場所ごとの違い |
| 怖がった場面 | ドアの前で止まる/便座を見て泣く/流す音で耳をふさぐ | 何に反応したか |
| 子どものサイン | 目をそらす/後ずさり/声のトーン | サインが出る直前の様子 |
| 直前の出来事 | 急に誘った/予定を知らせていなかった | 見通しの伝え方 |
| 家庭でしたこと | 声かけ__/絵や写真を見せた__/やめた__ | 家庭と同じ関わりにそろえる |
| その後の様子 | 落ち着くまでの時間/気持ちが戻った行動 | 切り上げ方の相談 |
表の「流す音」「便座」は例です。お子さんが実際に反応したものを書いてください。怖がる場面は、体がこわばった場所と直前の出来事を書き留めてください。出典:[1](9頁)。
事業所では児童発達支援計画を作成します。計画は、こどもや保護者の意思の尊重の観点を踏まえて作成するものとされています(34頁)。次の順に確かめると、話が整理できます。出典:[1](34頁)。
出典:[1](18、19、20、24、27、34、35、36頁)。
表:事業所への質問メモ
| 質問 | 聞く目的 | 回答メモ |
|---|---|---|
| 計画のどこにトイレの目標があるか | 目標の有無と位置の確認 | ____ |
| いつ・どこで・誰が・どのように・どのくらいか | 支援の具体化の確認 | ____ |
| 怖がる理由をどう見立てているか | 感覚・見通し・不安の整理 | ____ |
| 環境の工夫として何を変えるか | 家庭に取り入れられる点の確認 | ____ |
| 嫌がったときの対応は何か | 家庭と事業所の対応をそろえる | ____ |
| 次の見直しはいつか | 変化があったときの連絡時期 | ____ |
回答が「その都度判断する」といった内容のときは、判断の目安(子どものどんなサインのときに切り上げるか)を聞き、メモ欄に書いておくと、次の面談で比べられます。
伝える内容は、記録表から短く選びます。次は文の例です。__のところは、お子さんの実際の様子に置き換えてください。
例1(最初の連絡):「家のトイレで、__(ドアの前/便座/流す音)のときに固まってしまいます。無理に座らせない進め方について、療育での様子と計画の内容を教えてください。」
例2(家庭の対応を伝える):「家では__と声をかけると落ち着くことが多いです。療育でも同じ声かけにそろえたいので、事業所での声かけを教えてください。」
例3(見直しの相談):「__の様子が変わったので、次のモニタリングを待たずに、計画の見直しが必要かご相談したいです。」
例3は、36頁の「こどもの状態や家庭状況等に変化があった場合には、6か月を待たずしてモニタリングを行う必要がある」を根拠にしています。出典:[1](36頁)。
ガイドライン38頁には、事業所等と地域の保育所等の併行利用をしている場合は「当該保育所等と支援内容等を共有するなど連携して支援に当たる」と書かれています。複数の事業所を併せて利用する場合は、「保護者の同意を得た上で、他の事業所との間で、こどもの日常生活動作の状況や留意事項」などの情報共有を図ることが必要とされています(38、39頁)。
園・療育・家庭でのトイレの様子を並べて確認してください。どこまで共有してよいか、誰に伝えるかは、保護者が同意する前に確かめてください。共有してほしい内容(例:怖がる場面、効いた声かけ)を、記録表から選んで伝えます。出典:[1](38、39頁)。
保育所・幼稚園・子ども園に通うお子さんには、保育所等訪問支援があります。新宿区の手引には「保育所等を訪問し、集団生活への適応のための専門的な支援などを行います」とあり、対象者は「保育所、幼稚園、子ども園等に在籍している障害児であって、当該施設において専門的な支援が必要と認められる障害児」と書かれています。子ども総合センター「あいあい」のページには、訪問支援員が保育所等を訪問し、お子さんへの専門的な支援や訪問先のスタッフへの関わり方の工夫などの助言を行うと書かれています。利用の条件や手続は、区に確認してください。出典:[2]、[4]。
表:新宿区の相談先
| 窓口 | 電話 | 公式に書かれている内容 |
|---|---|---|
| 新宿区 障害者福祉課 支援係(区役所2階) | 03-5273-4583 | 障害児通所サービスを利用したいときの手続き、相談の窓口 |
| 子ども総合センター 児童発達支援センター「あいあい」(発達相談・サービス利用相談専用) | 03-6273-8701 | 言葉や生活面などの発達の不安について、専門スタッフが電話で相談を受けつけ |
| 牛込保健センター(弁天町50) | 03-3260-6231 | 各種健康相談 |
| 四谷保健センター(四谷三栄町10-16) | 03-3351-5161 | 各種健康相談 |
| 東新宿保健センター(新宿7-26-4) | 03-3200-1026 | 各種健康相談 |
| 落合保健センター(下落合4-6-7) | 03-3952-7161 | 各種健康相談 |
表の窓口名・電話・所在地の出典:[2]、[3]、[4]、[6]。
「あいあい」の電話番号は発達相談・サービス利用相談専用です。「あいあい」の電話相談は、月~金は8時30分~18時、土は8時30分~17時と書かれています。電話での発達相談の内容によって、後日来所での相談・サービス利用相談等の案内があり、来所での相談は予約制と書かれています。出典:[4]。
区の窓口時間は、午前8時30分から午後5時です。火曜日は一部の窓口で午後7時までと書かれています。お休みは土曜日・日曜日・祝日・12月29日から1月3日で、電話受付時間についても窓口受付時間と同様と書かれています。保健センターは、午前8時30分から午後5時で、土曜日・日曜日、祝日、12月29日から1月3日がお休みと書かれています。保健センターは、原則的に担当地域の皆さんの業務を取り扱っていると書かれています。出典:[5]、[6]。
障害児の相談先としては、手引に「新宿区又は特定相談支援事業所、障害児相談支援事業所に相談します」と書かれています。電話で、どの窓口が今回の相談にあたるかを最初に確認してください。出典:[2]。
同じような立場の保護者に話を聞きたいときは、あいあいのペアレントメンター「あいあいおしゃべりROOM」があります。費用は無料、場所は子ども総合センターで、お申込みはお電話であいあいまで、申込時間は月~金の9:00~17:00までと書かれています。日程の調整をさせていただく場合があると書かれています。出典:[4]。
新宿区の案内では、障害児通所支援を利用するには障害児支援利用計画の作成が必要と書かれています。この計画は、相談支援専門員が作成するほか、保護者などが作成した「セルフプラン」を提出することもできると書かれています。利用開始後も、一定期間ごとに計画を見直すこと(モニタリング)が義務付けられていると書かれています。出典:[7]。
手引には、相談支援事業所は、サービスの利用が適切かどうか定期的に見直しをし、必要に応じて計画内容の変更等を行うと書かれています。トイレの件で事業所の支援内容を変えたいときは、相談支援専門員がいる場合は、まず相談支援専門員にも状況を伝えてください。セルフプランの場合の連絡先は、区に確認してください。出典:[2]。
利用の流れの最後に、事業所を選んで契約を結ぶ段階があります。手引には「サービスを利用する事業所を選択して、サービス利用に関する契約を結び、受給者証を提示してサービスを利用します」とあります。事業所を変えたい、追加したいとき、日数や支給内容がどうなるかは、公式資料で確かめられた範囲に書かれていないため、新宿区 障害者福祉課 支援係に確認してください。出典:[2]。
行く回数や進め方は、今回引いた公式資料には定められていません。ガイドラインは、排泄を含む基本的技能について「こどもの状態に応じて適切な時期に適切な支援をする」と書いています(19頁)。事業所の児童発達支援計画で、いつ・どこで・誰が・どのように・どのくらい支援するかを確認してください(35頁)。
ガイドライン27頁に、家族支援として「家族の子育てに関する困りごとに対する相談援助」が挙げられています。35頁には、計画を示しながら説明を行い、同意を得ることが必要と書かれています。まず事業所の対応を聞き、家庭の記録を渡して話し合ってください。
20頁に感覚の特性への環境調整、24頁に見通しの伝え方や安心できる環境づくりが書かれています。理由の見立ては事業所に確認してください。家庭の記録表(怖がった場面・直前の出来事)が見立ての材料になります。
障害児通所サービスの手続きは、新宿区 障害者福祉課 支援係(区役所2階、電話03-5273-4583)です。発達の不安の電話相談は、あいあいの発達相談・サービス利用相談専用(03-6273-8701)です。どちらに先に連絡するか迷う場合は、区に確認してください。
ガイドライン38頁に、保育所等との併行利用の場合は支援内容等を共有するなど連携して支援に当たると書かれています。保育所等訪問支援を利用できるかどうかは、区に確認してください。
ガイドラインの頁と新宿区の記載は、次の公式資料で確かめられます。確認日2026-10-13。
[1]:こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」(令和6年7月)。
[2]:新宿区「障害者福祉の手引」。
[3]:新宿区「障害児通所サービスの申請手続」。
[4]:新宿区「子ども総合センター 児童発達支援センター 愛称あいあい」。
[5]:新宿区「受付時間」。
[6]:新宿区「保健センターのご案内」。
[7]:新宿区「サービス等利用計画・障害児支援利用計画について」。
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