ポイントのまとめ
「改善が必要」とある項目は、国のガイドラインでいう「課題や改善すべき点」に当たる事柄と読んでください。保護者は、(1)どの項目か、(2)何が課題か、(3)いつ何を変えるのか、(4)保護者アンケートの結果とどうつながるか、の順に事業所へ質問してみてください。
基準省令の第26条は、児童発達支援を行う事業者に、質の評価を行い、常にその改善を図るよう定めています。第6項では、従業者による評価を受けた上で自ら評価(自己評価)を行い、あわせて保護者による評価(保護者評価)を受けて改善を図るよう書かれています。出典:基準省令第26条第5項・第6項。
公表については第7項があり、おおむね一年に一回以上、自己評価及び保護者評価並びに改善の内容を、保護者に示すとともに、インターネットの利用その他の方法により公表しなければならないとされています。出典:基準省令第26条第7項。
ガイドラインは、自己評価を全職員による共通理解の下で事業所全体として行う必要があると書いています。また、「事業所における自己評価総括表(公表)」(別紙3)及び「保護者からの事業所評価の集計結果(公表)」(別紙4)を含む「事業所における自己評価結果(公表)」(別紙5)を用いて、概ね1年に1回以上、保護者に示すとともに、ホームページや会報等で公表しなければならないとしています。出典:ガイドライン42頁・43頁。
保護者に示す方法については、園だよりなど事業所で発行している通信に載せたり、送迎のときに保護者の目につきやすい場所に掲示したりする方法が考えられると例が挙がっています。見つからないときは、「自己評価の結果は、どこで見られますか。通信ですか、ホームページですか、掲示ですか」と事業所に聞いてみましょう。
新宿区の公式ページのうち今回確認した「障害者福祉の手引」「受付時間」「サービス等利用計画・障害児支援利用計画について」には、各事業所の自己評価の見方や掲載場所を案内する記述を見つけられませんでした。掲載場所や様式は、通っている事業所に確認してください。
ガイドラインは、自己評価の結果から、さらに強化・充実を図るべき点(事業所等の強み)と、課題や改善すべき点(事業所等の弱み)を職員全員の共通理解の下で分析し、課題や改善すべき点と考えられる事項について、速やかにその改善を図る必要があると書いています。出典:ガイドライン43頁。
ガイドラインの言葉で言えば、「改善が必要」とある項目は「課題や改善すべき点」に当たる事柄を指している、と読んでください。ガイドライン別添2は、「はい」「いいえ」の集計結果を公表することが趣旨ではなく、自己評価の機会を通じて事業所の質の向上を図る点が重要だという趣旨で書かれています。「いいえ」が付いたことだけで判断せず、中身と改善の見通しを聞くことが、保護者にできる確認です。出典:ガイドライン63頁(別添2)。
従業者向けの評価表について、別添2は、「はい」「いいえ」などにチェックするだけでなく、「課題は何か」「工夫している点は何か」等についても記入するとしています。事業所の表に「工夫している点」と「課題や改善すべき点」の欄があれば、両方を読みます。出典:ガイドライン63頁(別添2)。
別添2は、事業所全体の自己評価について、管理者等一部の者で行うのではなく、ミーティング等の機会を通じて従業者同士で意見交換を行いながら行うとしています。また、事業所の弱みについては、改善に向けて現状の見直しや理念や方針の再確認を含めた整理を行うと書いています。「課題の欄は、職員みなさんで話し合って書いたものですか」「方針の見直しまで検討しましたか」と聞いてみましょう。出典:ガイドライン63頁(別添2)。
別紙3の総括表にも、事業所の弱みについて、「事業所として考えている課題の要因等」と「改善に向けて必要な取組や工夫が必要な点等」の欄があります。要因と取組が書かれているかを見ると、改善の方向が分かります。出典:ガイドライン70頁(別紙3)。
別紙5の表の欄は、チェック項目、はい、いいえ、工夫している点、課題や改善すべき点の並びです。事業所が使っている表の形がこれと違う場合は、どの欄に課題が書かれているかを事業所に聞きます。出典:ガイドライン73頁(別紙5)。
| 見る場所 | ガイドラインの言葉 | 保護者が確かめること |
|---|---|---|
| 「いいえ」が付いた項目 | チェック項目(別紙5) | 項目の番号と文言を、そのままメモする |
| 工夫している点 | 別紙5の欄 | 同じ項目で、すでに行っている取組があるか |
| 課題や改善すべき点 | 弱み(課題や改善すべき点) | 何を課題と考えているか。原因を書いているか |
| 改善の内容 | 条文:改善の内容を保護者に示す | いつ、誰が、何を変えるか。次の公表で分かるか |
| 保護者アンケート | 別紙4の「ご意見を踏まえた対応」 | 自分のお子さんの困りごとと関係するか |
別紙5の表の項目には番号が付いています。保護者が日々の様子と結び付けやすい項目から読んでみましょう。出典:ガイドライン73頁〜75頁(別紙5)。
たとえば次のような項目が、別紙5の文言として載っています。
| 別紙5の項目(原文の趣旨) | お子さんの日々と結び付ける見方 |
|---|---|
| 項目2:利用定員やこどもの状態等に対して、職員の配置数は適切であるか | 送迎や活動の場面で、職員の目が届いていると感じるか。感じない場面を日付つきでメモする |
| 項目7:保護者向け評価表により意向等を把握する機会を設けており、その内容を業務改善につなげているか | 前回のアンケートで自分が書いた意見が、その後どう扱われたかを聞く |
| 項目9:第三者による外部評価を行い、評価結果を業務改善につなげているか | 外部評価を受けているか。受けていなければ、今後の予定を聞く |
| 項目22:日々の支援に関して記録をとることを徹底し、支援の検証・改善につなげているか | 連絡帳や面談で、記録をもとにした説明があるか |
| 項目23:定期的にモニタリングを行い、児童発達支援計画の見直しの必要性を判断し、適切な見直しを行っているか | 計画の見直しの時期と、見直しに保護者の意見が入る場面を聞く |
| 項目33:日頃からこどもの状況を保護者と伝え合い、こどもの発達の状況や課題について共通理解を持っているか | 家庭の様子と事業所の様子の食い違いを、連絡帳や送迎時に伝え合えているか |
| 項目40:相談や申入れがあった場合に迅速かつ適切に対応しているか | 相談の窓口が誰か、伝えた後の返事がいつ来たかを記録する |
| 項目41:活動概要や行事予定、連絡体制等の情報をこどもや保護者に対して発信しているか | 通信やホームページなど、情報が届く方法がそろっているか |
右の列は、保護者が自分の記録を作るための見方の例です。項目ごとにどう評価するのが正しいかは、公式資料に書かれていません。判断に迷う点は、事業所に説明を求めてください。
出典:[2]。
自己評価の質問は、批判として聞くのではなく、確認として順に聞くと話が進みます。次の順番を、連絡帳・面談・電話のどれでも使えるようにまとめました。
改善の取組の知らせ方は、ガイドラインに書かれています。ガイドラインは、こどもや保護者の意向等を踏まえて行うこととした業務改善の取組は、こども及び保護者に周知していくことが必要だと書いています。また、条文は、自己評価と保護者評価に加えて、改善の内容も保護者に示すと定めています。出典:ガイドライン44頁、基準省令第26条第7項。
次の文を例として使ってください。名前や日付は、ご家庭に合わせて入れ替えてください。
| 場面 | 伝える文の例 |
|---|---|
| 最初の連絡 | 「公表されている自己評価表を拝見しました。項目○番に『改善が必要』とあり、内容を教えていただきたく連絡しました。」 |
| 課題の中身を聞く | 「課題や改善すべき点の欄に書かれている点は、具体的にどのような場面のことでしょうか。」 |
| 改善の予定を聞く | 「改善に向けて、いつ頃、どなたが、何を変える予定でしょうか。次の公表でも確認できますか。」 |
| 子どもへの影響を聞く | 「この項目は、うちの子の通所にどのように関わりますか。家庭で気をつける点はありますか。」 |
| アンケートとの関係 | 「保護者アンケートに書いた意見は、この改善にどう生かされていますか。」 |
| 記録を残す | 「お話の内容をメモにまとめました。誤りがあれば教えてください。」 |
ガイドライン別添2は、保護者評価を客観的視点による評価として自己評価の際に活用するべきデータと位置づけ、回答率の向上に努めることが望ましいと書いています。また、事業所の提供している支援等が利用者側から見てニーズに応じたものになっているのかという視点も考慮して自己評価等を行うことが重要だとしています。出典:ガイドライン63頁(別添2)。
別紙4の表には、「はい」「いいえ」「わからない」と「ご意見」のほかに「ご意見を踏まえた対応」の欄があります。自分が書いた意見が、この欄にどう反映されたかを読むと、事業所が意見をどう受け止めたかが分かります。出典:ガイドライン71頁(別紙4)。
ガイドラインは、アンケート調査等を実施して、支援を利用するこどもや保護者の意向や満足度を把握することも重要だと書いています。出典:ガイドライン44頁。
別紙5の項目7には、保護者向け評価表により保護者等の意向等を把握する機会を設けており、その内容を業務改善につなげているかが載っています。アンケートに答えた後の変化は、この項目と合わせて事業所に聞いてみましょう。出典:ガイドライン73頁(別紙5項目7)。
出典:[2]。
基準省令第50条は、事業者に、家族からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講じるよう定め、苦情を受け付けた場合には内容等を記録するよう定めています。まず事業所の苦情の窓口と担当者名を確認します。出典:基準省令第50条第1項・第2項。
同じ条の第3項には、事業者が、苦情に関して都道府県知事等が行う調査に協力するとともに、指導又は助言を受けた場合は必要な改善を行うよう書かれています。新宿区の事業所の場合に、どの行政機関が相談を受けるかは、この条文からは分かりません。区の窓口に確認してください。出典:基準省令第50条第3項。
区の手引は、相談及び申請窓口として、身体・知的の障害者・障害児の方は新宿区 障害者福祉課 支援係(区役所2階)、電話03-5273-4583、精神障害者・障害児の方は各保健センター、障害者福祉課支援係(難病の方も同じ)と載せています。お子さんに当てはまる窓口は、区に確認してください。区役所の窓口時間は、午前8時30分から午後5時(火曜日は一部の窓口で午後7時まで)、お休みは土曜日・日曜日・祝日・12月29日から1月3日と区の公式ページにあります。電話受付時間も窓口受付時間と同様と注記されています。火曜日の午後7時までの窓口に障害者福祉課 支援係が含まれるかは、公式ページから確認できないため、区に確認してください。出典:区の手引39頁、区「受付時間」。
区の窓口が事業所の自己評価についてどこまで対応するかは、公式ページから確認できません。電話では、次のように伝える例です。「通っている児童発達支援事業所の自己評価表について、事業所に質問したが分からない点がある。相談できる窓口を教えてほしい」。区の「サービス等利用計画・障害児支援利用計画について」のページには、「本ページに関するお問い合わせ」として新宿区基幹相談支援センターの電話 03-5273-4302 が載っています。
区の手引は、サービス利用の流れの中で、事業所を選択して契約を結び、受給者証を提示してサービスを利用すると説明しています。契約や利用開始の後に、事業所の自己評価で気になる点が出たときは、お子さんの個別の計画と合わせて確かめます。出典:区の手引39頁。
手引は、相談支援事業所がサービスの利用が適切かどうか定期的に見直しし、必要に応じて計画内容の変更等を行うと書いています。区のページにも、サービス利用開始後も一定期間ごとに計画の見直しをすること(モニタリング)が義務付けられていると載っています。自己評価の項目で気になる点は、この見直しの機会に相談支援事業所へ伝える方法もあります。出典:区の手引39頁、区「サービス等利用計画・障害児支援利用計画について」。
セルフプランを選んでいる場合に、誰に伝えるかは区のページから分かりません。区に確認してください。
ガイドラインは、事業所等による自己評価のほか、可能な限り、第三者による外部評価を導入して、事業運営の一層の改善を図ることが必要だと書いています。別紙5にも、第三者による外部評価を行い、評価結果を業務改善につなげているかという項目9があります。出典:ガイドライン43頁、73頁(別紙5項目9)。
外部評価を受けているかどうかや、結果をどこで見られるかは、事業所に聞いてください。
出典:[2]。
質問の記録を1枚にまとめると、次の面談や区への相談のときに使えます。下の表を紙に写して使ってください。
| 確認日 | 項目の番号と文言 | 課題の内容 | 改善の予定(いつ・誰が・何を) | 伝えた相手 | 次の確認日 |
|---|---|---|---|---|---|
| _月_日 | 項目_番 | ____ | ____ | ____ | _月_日 |
| _月_日 | 項目_番 | ____ | ____ | ____ | _月_日 |
| _月_日 | 項目_番 | ____ | ____ | ____ | _月_日 |
公式資料からは、そう判断することはできません。ガイドライン別添2は、「はい」「いいえ」の集計結果を公表することが趣旨ではなく、自己評価の機会を通じて質の向上を図る点が重要だと書いています。「いいえ」の項目は、課題や改善すべき点の欄とあわせて、改善の内容を事業所に聞いてください。
基準省令第26条第7項は、保護者に示すとともに、インターネットの利用その他の方法で公表するよう定めています。ガイドラインは、通信への掲載や、保護者の目につきやすい場所への掲示を例に挙げています。通っている事業所の掲載場所は、事業所に確認してください。
ガイドラインは、課題や改善すべき点と考えられる事項について、速やかにその改善を図る必要があると書いています。具体的な時期は公式資料に書かれていません。事業所に、いつ、誰が、何を変えるのかを聞いてください。
ガイドラインは、保護者評価を自己評価の際に活用するべきデータとしています。別紙4には「ご意見を踏まえた対応」の欄があり、保護者の意向を踏まえて行う業務改善の取組は保護者に周知していくことが必要だと書かれています。自分の意見がどう扱われたかは、事業所に聞いてください。
基準省令第50条は、事業者に苦情を受け付ける窓口の設置などを定めています。まず事業所の苦情の窓口に伝えます。それでも分からないときは、区の手引に載っている相談窓口(前の節を参照)のうち当てはまるところに、相談できる窓口を確認してください。区がどこまで対応するかは公式ページから確認できないため、区に確認してください。
条文・ガイドライン・区の案内は次の公式資料で確かめられます。確認日2026-10-13。
[1]:e-Gov法令検索「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準」第26条・第50条。
[2]:こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」42頁・43頁・44頁・63頁・70頁・71頁・73頁〜75頁。
[3]:新宿区「障害者福祉の手引」39頁。
[4]:新宿区「サービス等利用計画・障害児支援利用計画について」。
[5]:新宿区「受付時間」。
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