どこに書かれているか
「レスパイト」は制度の名前ではありません。実際に使うときは、いくつかのサービスのどれかを選ぶことになります。
| 言葉/しくみ | 位置づけ |
| レスパイト | 法律用語ではない。国のガイドラインの家族支援の支援内容に登場する |
| 短期入所(ショートステイ) | 障害者総合支援法 第5条第8項。泊まりを伴う |
| 日中一時支援 | 市町村の地域生活支援事業。実施の有無・条件は市町村により異なります |
| 居宅介護(ホームヘルプ) | 障害者総合支援法。自宅に来てもらう |
| 延長支援 | 通所支援の中の取り扱い。ガイドラインが家族支援の支援内容に挙げている |
言い方のコツ
窓口で
「レスパイトを使いたい」と言っても、制度名ではないため話が進みにくいことがあります。
伝わりやすいのは、こちらです——
「休息の時間を作りたいのですが、使えるサービスはありますか」そのうえで、短期入所・日中一時支援・居宅介護・延長支援のうち
何が使えるかを一緒に見てもらう形になります。
🔴 ガイドラインが書いていること
こども家庭庁の児童発達支援ガイドラインは、家族支援を支援の四つの柱の一つとしています(→家族支援とは?)。
支援内容として挙げられているもの(抜粋)
・家族の子育てに関する困りごとに対する相談援助🔴
・家族のレスパイトの時間の確保や就労等による預かりニーズに対応するための延長支援・心理的カウンセリングの実施・保護者同士の交流の機会の提供・きょうだい同士の交流の機会の提供やきょうだいに対する相談援助
そして、配慮すべき内容としてこうも書かれています。
- 「乳幼児期は、親が障害のあるこどもを育てる初期の不安な時期であり、孤立感を感じやすい時期でもある」
- 「『家族支援』は、大きなストレスや負担にさらされている母親が中心となる場合が多いが、父親やきょうだい、さらには祖父母など、家族全体を支援していく観点が必要である」
「限界まで我慢してから」ではありません
ガイドラインは、家族支援を
「こどもと家族を早期から支援することで、孤立感を軽減できるようトータルに支援していく」ものとしています。
早期から——と書かれています。
倒れてから使うものとしては、書かれていません。
短期入所の条文にも、同じ向きがあります
障害者総合支援法 第5条第8項
短期入所とは、
「居宅においてその介護を行う者の疾病その他の理由により」短期間の入所を必要とする障害者等につき……
——
介護する側の事情が、条文の入口に書かれています。
そして
「その他の理由」であり、病気に限られていません。
制度は、家族が休むことを想定して作られている——条文とガイドラインの両方から、そう読めます(→短期入所とは?)。
使う前に整理しておくとよいこと
- 何のための時間か——通院、休息、きょうだいとの時間、仕事。理由は「その他」でかまいません
- どのくらいの長さが必要か——数時間か、泊まりか
- いつ必要か——決まった曜日か、突発的か
- 本人が過ごせる条件——睡眠、食事、感覚、伝える手段
- いま使っているもの——通所支援の延長で足りるかもしれません
そのうえで、市町村の障害福祉の窓口か相談支援専門員に相談します。相談支援専門員は、児童福祉法上関係者との連絡調整と申請の勧奨を行う立場です。
突発的に必要になったときのために
必要になってから探すと、間に合わないことがあります。・
事前に登録だけしておく(できる制度かは自治体により異なります)
・
一度、短い時間で試しておく・
引き継ぎ資料を作っておく——このあたりは、余裕のあるときにしかできない準備です。
この記事で書かないこと
利用できる日数・時間・費用は書きません。短期入所は支給決定によって決まり、日中一時支援は市町村の地域生活支援事業として実施の有無から条件まで市町村ごとに異なるためです。
また「どのくらい休むべきか」も書きません。確認できた一次情報にそうした目安がないためです。
書けるのは、休むことが支援内容として国の文書に載っていることと、そのための制度が用意されていることまでです。
どこに相談すればいいか
| 相談先 | 何のため |
| 区市町村の障害福祉の窓口 | 短期入所・日中一時支援・居宅介護。自治体差が大きい領域です |
| 相談支援専門員 | 組み合わせの設計、事業所との連絡調整 |
| 利用している事業所 | 延長支援の相談 |
| 医療機関 | 眠れない、気持ちが落ち込むなど、ご自身の体調に出ているとき |
| 親の会・ペアレントメンター | 同じ立場の人とつながる |
※本記事は一般的な情報提供です。実施状況・条件・費用は自治体により大きく異なります。療育は医療ではありません。
出典
※上記の出典は2026年9月4日に閲覧して内容を確認しました。各団体の記載は更新される場合があります。最新の情報は各サイトでご確認ください。
よくあるご質問
きょうだいのことも考えたいのですが
国のガイドラインは、家族支援の支援内容に「きょうだい同士の交流の機会の提供やきょうだいに対する相談援助」を明記しています。レスパイトの時間をきょうだいとの時間に充てることも、条文上「その他の理由」に含まれうる使い方です。
レスパイトは制度の名前ですか?
法律用語ではありません。ただし、こども家庭庁の児童発達支援ガイドラインは家族支援の支援内容に「家族のレスパイトの時間の確保」を明記しています。
窓口では何と言えばいいですか?
「休息の時間を作りたいのですが、使えるサービスはありますか」が伝わりやすい言い方です。そのうえで短期入所・日中一時支援・居宅介護・延長支援のうち何が使えるかを見てもらう形になります。
理由を聞かれたら、何と答えればいいですか?
短期入所の条文は「介護を行う者の疾病その他の理由により」としており、病気に限られていません。通院・休息・きょうだいとの時間・就労など、事情をそのままお伝えください。
限界になる前に使ってもいいのでしょうか?
国のガイドラインは家族支援について「こどもと家族を早期から支援することで、孤立感を軽減できるようトータルに支援していく」としています。倒れてから使うものとしては書かれていません。
何日くらい使えますか?
この記事では書きません。短期入所は支給決定によって決まり、日中一時支援は市町村の地域生活支援事業として実施の有無から条件まで異なるためです。お住まいの市町村の窓口でご確認ください。
突発的に必要になったときに間に合いますか?
必要になってから探すと間に合わないことがあります。余裕のあるうちに、一度短い時間で試しておく/引き継ぎ資料を作っておくという備え方があります。
この記事について:本記事は、子育て・発達に関する一般的な情報の提供を目的としています。内容は学会・職能団体・国の機関が公開している情報にもとづいてまとめていますが、お子さまの発達には個人差があり、すべてのお子さまに当てはまるものではありません。診断や治療に関する判断は、医師などの専門機関にご相談ください。
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