有効期間は「1〜12か月の範囲で市町村が定める」
まず前提です。児童福祉法 第21条の5の7第8項は、「通所給付決定は、内閣府令で定める期間(通所給付決定の有効期間)内に限り、その効力を有する」と定めています。
その「内閣府令で定める期間」の中身が、次の条文です。
児童福祉法施行規則 第18条の17
第1項 通所給付決定を行つた日から
当該日が属する月の末日までの期間と、
1月間から12月間までの範囲内で月を単位として市町村が定める期間を合算して得た期間とする。
第2項 通所給付決定を行つた日が
月の初日である場合は、1月間から12月間までの範囲内で月を単位として市町村が定める期間を有効期間とする。
| 内容 |
| 長さ | 最長でも12か月。1か月から12か月の範囲で、市町村が月単位で決めます |
| 端数 | 決定日が月の途中なら、その月の末日までの分が上乗せされます |
| 月の初日に決定 | 端数はつかず、市町村が定めた月数がそのまま有効期間になります |
だから「1年ごと」とは限りません
多くの自治体が1年を選んでいるため「1年ごとの更新」と説明されますが、
法令上は1か月から12か月まで幅があります。
短く設定されることもあります。
思い込まず、受給者証に書かれた日付を見てください。
受給者証に書かれていること
児童福祉法施行規則 第18条の18は、通所受給者証に記載する事項を7つ定めています。
| 号 | 記載事項 |
| 第1号 | 通所給付決定保護者の氏名、居住地及び生年月日 |
| 第2号 | 当該通所給付決定に係る障害児の氏名及び生年月日 |
| 第3号 | 交付の年月日及び通所受給者証番号 |
| 第4号 | 障害児通所支援の種類及び支給量 |
| 第5号 | 通所給付決定の有効期間 |
| 第6号 | 障害児通所支援負担上限月額等に関する事項 |
| 第7号 | その他必要な事項 |
有効期間は、受給者証に書いてあります(第5号)。更新の時期を知りたいときは、まずここを見てください。
なお支給量(第4号)は、施行規則第18条の16により「1月間」を単位として定められます。「月に何回まで」という形になるのはこのためです。
🔴 更新を待たずに、届け出る義務がある変更があります
ここは見落とされやすい点です。有効期間の途中でも、届け出なければならない変更があります。
児童福祉法施行規則(変更の届出)
通所給付決定保護者は、
通所給付決定の有効期間内において、①保護者に関する事項、②障害児に関する事項、または
③障害児通所支援負担上限月額等の算定のために必要な事項に変更があつたときは、所定の事項を記載した
届出書に通所受給者証を添えて市町村に提出しなければならない。
「〜しなければならない」と書かれています。任意ではありません。
| 変わったこと | なぜ届出が要るか |
| 引っ越し(居住地) | 第1号の「居住地」にあたります。区をまたぐ場合は特に早めに |
| 氏名 | 第1号・第2号にあたります |
| 世帯の状況・収入 | 負担上限月額の算定に必要な事項です。区分が変われば上限額が変わります |
| 連絡先 | 届出書の記載事項に含まれています |
届出を受けた市町村は、負担上限月額等を変更する必要があると認めるときは受給者証の提出を求め、必要な事項を記載して返還します。
放っておくと損をすることがあります
収入が下がったのに届け出ていなければ、
本来より高い上限額のままになります。逆に上がったのに届け出ていなければ、あとで差額を求められることもあります。
更新の時期を待つ必要はありません。変わったら届け出てください。
利用のたびに、受給者証を提示します
児童福祉法 第21条の5の7第10項は、指定通所支援を受けようとする保護者は指定障害児通所支援事業者に通所受給者証を提示して受けるものとする、と定めています(ただし緊急の場合その他やむを得ない事由があるときはこの限りでない)。
施行規則第18条の19はさらに具体的で、「その都度」提示しなければならないとしています。
実際の運用は事業所によって異なりますが(毎回持参を求める、年度初めに確認する など)、法令上は利用のたびに提示するものだということは知っておいてください。更新後は、新しい受給者証を事業所に見せる必要があります。
モニタリングの頻度も、法令で決まっています
受給者証を持って利用していると、相談支援専門員から定期的に連絡が来ます。これは継続障害児支援利用援助(モニタリング)と呼ばれるもので、その期間は児童福祉法施行規則 第1条の2の7に定められています。
| 区分 | 期間 |
| 第1号(第2号・第3号以外の人) | 6月間 |
| 第2号 障害児入所施設からの退所等に伴い、一定期間、集中的に支援を行うことが必要な人/同居している家族等の障害・疾病等のため、事業者との連絡調整を行うことが困難な人 | 1月間 |
| 第3号 通所給付決定または変更により、障害児通所支援の種類・内容・量に著しく変動があった人 | 1月間 |
第3号については、「利用開始日から起算して3月を経過するまでの間に限る」という但し書きがあります。つまり使い始めた直後で内容が大きく変わったときは、3か月間は毎月見直す、という設計です。
条文は、これらの期間を勘案して市町村が必要と認める期間とする、という形になっています。実際の頻度は市町村が決めますが、原則は6か月ごとと読めます。
更新とモニタリングは別のものです
更新=有効期間が切れる前に、あらためて支給決定を受ける手続き
モニタリング=有効期間の途中で、計画が適切かを検証すること
モニタリングの結果、支給量を増やす・減らす必要があれば、
更新を待たずに変更の申請ができます。
期限が切れてしまったら
法第21条の5の7第8項は「有効期間内に限り、その効力を有する」と定めています。切れれば、給付は受けられません。
ただし、あきらめる前に知っておいていただきたい規定があります。
児童福祉法 第21条の5の4第1項第1号
市町村は、
申請をした日から、通所給付決定の効力が生じた日の前日までの間に、緊急その他やむを得ない理由により指定通所支援を受けたとき、必要があると認めるときは
特例障害児通所給付費を支給することができる。
申請さえしていれば、決定が下りるまでの間に利用した分も給付の対象になりうる、ということです。まず申請する——これが期限まわりでいちばん大事な動きです。
支給されるかどうかは市町村の判断です。まずは区市町村の窓口にご相談ください。
更新の時期に、あわせて考えたいこと
- 受給者証の有効期間を確認する——第5号として記載されています。カレンダーに2か月前の印をつけておくと安心です。
- 支給量が足りているかを見直す——月に何回使えるか(第4号)。増やしたい・減らしたい場合は更新のタイミングが考えやすい時期です。
- 世帯の状況が変わっていないか確認する——変わっていれば、更新を待たずに届出が必要です。
- 就学のタイミングを確認する——小学校に上がると児童発達支援から放課後等デイサービスに変わり、受給者証の内容を切り替える手続きが必要になります。
- 相談支援専門員に相談する——モニタリングの機会があれば、そこで更新の話もできます。
各区の申請窓口は東京23区の申請窓口 一覧・比較に、利用料と無償化のしくみは児童発達支援の利用料と無償化にまとめています。
※更新の具体的な手続き・提出書類・受付時期は、区市町村によって異なります。必ずお住まいの区市町村の窓口でご確認ください。本記事は一般的な情報提供です。
出典
※上記の出典は2026年9月4日に閲覧して内容を確認しました。各団体の記載は更新される場合があります。最新の情報は各サイトでご確認ください。
よくあるご質問
受給者証の有効期間は1年ですか?
1年とは限りません。児童福祉法施行規則第18条の17は、有効期間を「1月間から12月間までの範囲内で月を単位として市町村が定める期間」(決定日が月の途中ならその月の末日までの分を加算)と定めています。最長12か月で、実際の長さは市町村が決めます。受給者証の記載をご確認ください。
いつ更新の手続きをすればいいですか?
受給者証に有効期間が記載されています(施行規則第18条の18第5号)。具体的な受付時期は区市町村によって異なるため、期限の2か月前を目安に窓口へお問い合わせいただくことをお勧めします。
引っ越したのですが、更新まで待っていいですか?
待たないでください。施行規則は、有効期間内に居住地などが変わったときは「届出書に通所受給者証を添えて市町村に提出しなければならない」と定めています。義務です。区をまたぐ引っ越しの場合はとくに早めにご相談ください。
収入が変わりました。届出は必要ですか?
必要です。負担上限月額の算定のために必要な事項の変更にあたります。届出を受けた市町村は、上限額を変更する必要があると認めるときは受給者証の提出を求め、記載して返還します。収入が下がったのに届け出ないと、高い上限額のままになります。
相談支援専門員から定期的に連絡が来るのはなぜですか?
継続障害児支援利用援助(モニタリング)です。施行規則第1条の2の7は、その期間を原則6月間とし、利用開始直後で内容に著しい変動があった場合などは1月間としています(後者は利用開始日から3か月を経過するまで)。
有効期間が切れてしまいました
切れると給付は受けられません(法第21条の5の7第8項)。ただし児童福祉法第21条の5の4第1項第1号は、申請日から決定の効力が生じた日の前日までの間に、緊急その他やむを得ない理由により利用したとき、市町村が必要と認めれば特例障害児通所給付費を支給できると定めています。まず申請してください。
この記事について:本記事は、子育て・発達に関する一般的な情報の提供を目的としています。内容は学会・職能団体・国の機関が公開している情報にもとづいてまとめていますが、お子さまの発達には個人差があり、すべてのお子さまに当てはまるものではありません。診断や治療に関する判断は、医師などの専門機関にご相談ください。
制度のこと、見学のときに一緒に確認できます
のびのび発達ラボを運営する児童発達支援てらぴぁぽけっと早稲田教室(東京都新宿区・早稲田駅徒歩1分)では、受給者証の申請や利用料のしくみについても、見学・ご相談の際にご案内しています。手続きが不安な段階からお声がけいただけます。見学・ご相談は、診断の有無に関わらず承ります。