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就学相談はいつ申し込むのか——7つの区の受付期間と持ち物

最終更新:2026年9月7日
就学相談について調べると、「早めに」とだけ書かれていることが多いと思います。では、いつまでなのか。
2026年9月7日に東京の7つの区の教育委員会のページを開いて、令和9年4月入学の受付期間を書き写しました。いちばん早い締め切りは6月12日(大田区・特別支援教室の枠)、いちばん遅い締め切りは10月31日(世田谷区)。同じ東京の中で4か月以上ひらいています。そして今日の時点で、練馬区と杉並区の新就学の受付はすでに終わっています
この記事は、就学相談のしくみの説明ではありません。いつ動くか何を持っていくかだけに絞りました。制度そのものは就学相談とは?に、年長の1年の流れ全体は就学の準備にあります。

受付はいつ始まり、いつ締め切られるのか

まず、実際の日付を並べます。2026年9月7日に、7つの区の教育委員会のページを開いて書き写したものです。すべて令和9年(2027年)4月に小学校へ入学する子の相談、つまり令和8年度に行われている受付です。

令和9年4月入学の受付期間(区の案内より)
練馬区4月〜7月31日(Web受付・先着順)
「令和8年7月31日(金曜)をもって終了しました」と区のページに明記。ただし就学時健康診断で学校から勧められた場合は12月2日まで電話受付
杉並区新就学は8月31日まで/転学は11月30日まで
1学期から特別支援教室を使う相談は別枠で4月20日〜6月30日。きこえ・ことばの教室は9月1日〜11月27日
大田区9月30日まで(特別支援学級・特別支援学校・通級)
新1年生の4月から特別支援教室(サポートルーム)を使う相談は6月12日まで。今回見た中でいちばん早い締め切り
新宿区4月1日〜9月30日(電子申請)
区の案内に「受付期間後半は混みあいますので、お早めにお申込みください」と書かれています
豊島区4月1日〜10月30日(電子申請または電話)
都立特別支援学校を希望する場合は「できるだけ9月30日までに」。10月30日を過ぎた場合も12月11日まで電話で受付
江戸川区4月13日〜10月30日
電子で事前申請し、翌日以降に電話で面談日を予約する二段構え。転学相談は12月28日まで
世田谷区4月15日〜10月31日(電子申請)
同じ受付で行う中学校進学相談は6月30日まで。小学校より4か月早く閉まります
読み取れること

始まりはだいたい4月——7区のうち5区が4月上旬から中旬に開きます。②終わりはバラバラ——7月31日から10月31日まで、3か月ひらいています。③ひとつの区の中にも複数の締め切りがある——杉並区と大田区は「どの学びの場を考えるか」で締め切りが別々です。特別支援教室(通級の形)の枠がいちばん早く閉まります。

今日の時点で、開いている区と閉じている区

2026年9月7日は、令和8年度の9月上旬にあたります。上の7区でいうと、練馬区(7月31日)と杉並区(8月31日)の新就学の受付はすでに終わっています。大田区と新宿区は9月30日、豊島区と江戸川区は10月30日、世田谷区は10月31日。今月末で3区が閉まります。

※ここに挙げたのは7区だけです。23区・26市・町村で日程はそれぞれ違い、同じ区でも年度ごとに変わります。「全国どこでも◯月まで」という決まりはありません。お住まいの教育委員会のページで、必ずご自身の年度の日付を確かめてください。

国が日付を決めているのは、受付ではなく後ろの3つ

受付期間そのものは、法令に書かれていません。法令が日付を決めているのは、受付が終わったあとに教育委員会がやることのほうです。締め切りが区ごとに違うのは、この3つの期限から各区が逆算しているからだと読めます。

法令が定める期限起きること
10月31日まで教育委員会が学齢簿を作成する(10月1日現在で作成)
根拠=学校教育法施行令 第2条「毎学年の初めから五月前までに」/学校教育法施行規則 第31条「十月一日現在において行う」
翌学年の初めから4か月前まで
手続の実施に支障がない場合は3か月前まで
就学時の健康診断が行われる
根拠=学校保健安全法施行令 第1条。条文に日付は書かれていません。文部科学省の手引はこれを「毎年の11月30日までに実施することが義務付けられている」と説明しています
翌学年の初めから2か月前まで入学期日の通知(就学通知)が保護者に届く。学校が2校以上ある市区町村では就学すべき学校の指定も同時に行われる
根拠=学校教育法施行令 第5条第1項・第2項

そして、この通知を出す前に保護者の意見を聴くことが政令に書かれています(学校教育法施行令 第18条の2)。意見を聴く時間を確保するために、受付は早く閉まる——そう考えると、7月末で締め切る区があることにも説明がつきます。

年長の4月に動くのと、9月に動くのとで、何が変わるのか

「秋になってから申し込んでも間に合うのでは」と思われるかもしれません。多くの区では、期日の上では間に合います。変わるのは使える選択肢の数考える時間の長さです。区の案内から、具体的に3つ挙げます。

1.見学会が、春から夏に集まっている

学校を見てから決めたい、というのは自然な希望だと思います。ところが、教育委員会が主催する見学会は春から夏に集中しています

つまり、9月に申し込むと、教育委員会が用意した見学会はもう終わっていることがあります。どの区も「見学会以外の日に見学したい場合は、直接学校にお問い合わせください」と添えていますから、行けなくなるわけではありません。ただし、その連絡はご自身でとることになります。

2.先着順の区がある

練馬区の就学相談の流れには、Web受付について「(7月末まで・先着順)」と書かれています。期日だけでなく、枠が埋まることがあるという書き方です。新宿区は「受付期間後半は混みあいます」、豊島区は「申し込み期限直前は込み合いますので早めにご連絡ください」と案内しています。締め切り日は「その日に申し込めば大丈夫な日」ではない、というのが区の側の言い方です。

3.申し込みのあとに、来所が何回も続く

申し込んで終わりではありません。大田区の資料には、面談・検査・報告・医学診察・行動観察と、来所の場面が5つ並んでいます(時間は次の節の表に整理しました)。新宿区も、面接と発達検査、医師の面接、園への訪問、就学支援委員会、結果の連絡、場合によっては体験入級と続きます。

9月に申し込むと、どうなるか

入学期日の通知は1月末ごろまでに出さなければなりません(学校教育法施行令 第5条)。9月末に申し込むと、面談から検査、医師の面接、園の訪問、委員会、そして結果を受けての話し合いまでを4か月弱に収めることになります。4月に申し込めば同じ工程に9か月かけられます。
期日には間に合う。けれど、迷う時間は短くなる。——これが4月と9月の違いです。

※逆に言えば、9月でも間に合う区は複数あります。上の表のとおり、今日の時点で世田谷区・江戸川区・豊島区は10月末まで、大田区・新宿区は9月30日まで開いています。「もう遅い」と決めてしまう前に、お住まいの区の日付を見てください。

年中のうちから相談してよいのか。早すぎることはあるのか

結論から書きます。国の手引は「できる限り早期から」と書いています。ただし、年中で相談すると内容が変わる、という区の説明もあります。両方をそのまま引きます。

文部科学省「障害のある子供の教育支援の手引」より

「就学に関する事前の教育相談は、できる限り早期から行っていくことが重要である。」

同じ手引は、その機会として「市区町村教育委員会や教育センター等で常設されているケース」「就学に関する説明会・研修会や健康診断(3歳児健康診査、5歳児健康診査、就学時健康診断等)の機会に設けられるケース」などを挙げています。

つまり国の側は、就学の1年前から始まるものだとは考えていません。3歳児健診の場も、就学に関する相談の機会として数えられています。

区の側の説明——年中だと「情報提供まで」

一方、杉並区が公開している就学支援相談の紹介記事には、こう書かれています(令和3年9月15日付の記事として掲載されているものです)。

杉並区の説明(子どもが小さいうちに相談してもいいですか?)

「基本的には5歳から中学生のお子さんの相談を受け付けています。もっと小さい子のご相談も受け付けできますが、お子さんは成長するものですし、特に年中から年長にかけて大きく状況が変わることも多いので、現状で選択肢に含まれる就学先についての情報提供のみとなります。具体的な検討は年長になってからご相談ください。」

現在の杉並区のページも、対象を「区内在住で令和9年4月に区立小学校へ就学する児童(5歳児年長クラス)から中学生の保護者」としています。大田区にいたっては、対象を生年月日で区切っています(「令和2年4月2日から令和3年4月1日までの生まれのお子様」=令和9年4月に小学校へ入学する学年)。

この2つは矛盾していません

なお、就学より手前の相談先(発達相談・親子教室など)は、就学相談とは別の窓口です。そちらは就学相談とは?の前段や、お住まいの区の発達相談の案内をご覧ください。

申し込むのは保護者です。園を通す手続きではありません

「園の先生から言ってもらうものですか」と迷われることがあります。今回見た7区の案内は、いずれも保護者が直接申し込む書き方でした。

大田区の資料より

「就学相談は、保護者の方からのお申し込みで始まり、お考えを伺いながら進めていきます。保護者の方のお考えで相談をおやめになる場合など、相談の中断・終了に関しては意向に沿って対応していきます。」

後半も大事なところです。始めるのも、途中でやめるのも、保護者の側だと書かれています。

申し込みの入口は、区で3通り

入口そうしている区(今回見た範囲)
電子申請(フォーム)新宿区・世田谷区・豊島区・杉並区
杉並区はフォームが難しい場合の電話受付もあり、「電話の場合は15分程度のお時間をいただきます」と書かれています
電話大田区・練馬区(練馬はWeb受付が基本)・豊島区(電子申請と併用)
豊島区は「なるべく電子申請をご活用ください」と添えています
電子で事前申請 → 電話で予約江戸川区
「電子申請完了時に表示される受付番号を確認の上、面談日をお電話で予約」。手続きの関係で入力の翌日以降に電話、電子申請後2週間以内に電話連絡を、とされています

では、園はどこで登場するのか

園は、申し込みの窓口ではなく資料を出す側として登場します。しかも、保護者の同意を得てからです。

同意の欄は、申込書の中にあります

新宿区の「就学相談票(様式1)」には、「就学相談資料等の学校送付の意思確認」という欄があります。面談票・実態把握票・医師診察記録・就学相談資料・実施した諸検査の結果を、就学支援委員会で使うことと、就学する学校へ送ることへの確認です。
——どこまで渡すかは、書類の上で保護者が決めます。迷ったら、そのまま相談員に聞いてかまいません。

※通常の学級だけを考えている場合、申し込み自体が不要な区があります。江戸川区は「通常学級のみを希望し、特別支援学校や特別支援学級を就学先としてお考えでない場合は、申し込む必要はありません」「通常学級で特別支援教室(巡回指導)をご希望の場合は、お申し込み先は小学校になりますので、就学予定校へご相談ください」と書いています。窓口の分かれ方も区で違います。

締め切りを過ぎたら——区の案内に、その先が書かれています

ここは、実際に区のページを開いて確かめました。「締め切りました。以上」で終わっている区は、今回見た中にはありませんでした。どの区も、その先の道を書いています。

締め切り後について書かれていること
練馬区「令和8年7月31日をもって終了しました」に続けて——「なお、就学時健康診断で学校から就学相談を勧められた方につきましては、下記期限まで就学相談の受付をします」。申込期限=令和8年12月2日(電話 03-5984-5664)
豊島区「就学時健康診断等で学校と相談し、10月30日を過ぎてから特別支援学級(知的固定級)やことばときこえの教室及び特別支援教室を希望されるかたは、お電話で就学相談担当までお問い合わせください。(12月11日まで受け付けます。)
大田区特別支援教室(サポートルーム)の6月12日の締め切りについて——「なお、入学後にお子様の状況を見てから、学校と相談して申し込むこともできます」。就学相談説明会についても「説明会後も随時相談をお受けしていますので、まずはお電話ください」
杉並区1学期からの特別支援教室の受付終了について——「今後、利用をご希望の場合は、入学後に学校とご相談のうえ、1年生の2学期からの利用をご検討ください。なお、入学前であっても、就学支援シートを活用して、事前に学校へご相談いただくことができます」
江戸川区小学校の就学相談とは別に転学相談の窓口があり、こちらは12月28日まで受け付けています(在籍校の担任・管理職と相談したうえで申請)
読み取れる形

締め切りは「入学の時点で学びの場を決めるための締め切り」であって、支援そのものの締め切りではない——区の書き方はどれもそう読めます。
就学時健康診断は10月末から11月にかけて行われます。そこで学校から声をかけられた家庭は、締め切りのあとから相談に入ることになる——練馬区と豊島区が12月まで窓口を開けているのは、その順番を織り込んでいるからだと考えられます。

電話をかけるときに、そのまま言えること

  1. 「令和9年4月に小学校に入学する子どもの保護者です」——まず年度と学年を言います。区は年度ごとに受付を分けています。
  2. 「就学相談の申し込みが締め切られていると思うのですが、いまからでも相談できますか」——締め切りを知っていると伝えたほうが、話が早く進みます。
  3. 「就学時健康診断で(園で/かかりつけで)相談をすすめられました」——該当するなら必ず言います。練馬区はこの場合に限って12月2日まで受け付けると書いています。
  4. 「入学後からでも使える形があれば、それも教えてください」——大田区と杉並区は、入学後(1年生の2学期から)の道を案内しています。
  5. 「次の年度の受付は、いつから始まりますか」——今年が難しくても、次に開く日は聞けます。

※電話をかける先は、区の教育委員会(教育センター・教育支援課・教育相談室など、名前は区で違います)です。放課後等デイサービスの受給者証の窓口(障害福祉の担当課)とは別の課になります。

申込書に何を書くのか。当日、何を持っていくのか

ここがいちばん、当日になって困るところだと思います。区の様式を実際に開いて、何を書く欄があるかを確かめました。

持ち物——新宿区の案内がいちばん具体的です

新宿区は「面接当日に持参するもの」として5つを挙げています。

ほかの区の持ち物と、そろえ方

持ち物どの区が挙げているか/どこから写せるか
母子健康手帳新宿区・江戸川区が明示。
首のすわり・寝返り・おすわり・はいはい・つかまり立ち・歩き始め・発語・人見知りの月齢を書く欄が申込書にあります(新宿区 面談票A)。ここを埋めるために要ります
記入した申込書一式全区。名前は区で違います。
新宿区=就学相談票・面談票A・面談票B/大田区=就学相談票・面談票・お子様についての調査票(記入例つき)/練馬区=就学支援ファイル・就学相談票・面接票・面接補助票・承諾票/豊島区=事前情報記入用書類/杉並区=就学相談票(フォーム入力可)
発達検査・知能検査の結果の写し新宿区・大田区・江戸川区・杉並区。
大田区は「医療機関、療育機関等、外部機関で実施された検査結果を活用することも可能」、特別支援教室の相談では「検査実施年度を含め3年以内のもの」が代替可能と書いています。受けた日付をひかえておいてください
医師の診察記録・診断書新宿区・江戸川区(様式3)・大田区(かかりつけ医の所見で代替できる場合あり)・杉並区。
区の指定様式があります。医療機関の書式のコピーで可としている区もあります(杉並区)
手帳類新宿区・大田区・杉並区。
愛の手帳・身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳。新宿区の就学相談票には「申請中」に丸をつける欄もあります
園・事業所の記録杉並区が「療育の記録」として挙げています。
個別支援計画や支援の経過のまとめが、これにあたります
筆記用具・水筒大田区。
面談は筆記用具、行動観察の回は筆記用具と水筒。子どもが1〜2時間過ごすためです
受給者証について、正確に書いておきます

今回見た7区の案内の中に、受給者証そのものを持ち物として挙げているものはありませんでした。挙がっているのは手帳類・検査結果・医師の記録・「療育の記録」です。
ただし、児童発達支援を使っていることは、申込書の「療育・相談機関」の欄(名称と利用期間・利用頻度を書きます)に書くことになります。受給者証は、その名称と開始年月を確かめるのに使えます。手続きとして提出を求められるかどうかは区で違いますので、迷ったら申し込みの電話のときに聞いてください。

申込書に、実際に書く欄

様式は区で違いますが、聞かれることはよく似ています。新宿区と大田区の様式から、欄の名前をそのまま並べます。

健診で言われたことは、そのまま書く欄があります

大田区の調査票には「乳幼児健診で相談された内容があれば、ご記入ください」として、1歳半健診・3歳児健診・5歳児健診の3行が用意されています。
——健診で言われたことは、就学相談でもう一度使われます。そのときのメモや、母子健康手帳の記録欄が残っていれば、そのまま写せます。3歳児健診で何か言われた記憶があるなら、いま探しておくと当日らくになります。

※大田区は「ご不明の点等がございましたら空欄のままでお持ちいただいて構いません」と書いています。書ききれないから行けない、という順番にはなりません。

相談は1回では終わりません。何回、どのくらいかかるのか

ここも区の資料に書いてありました。大田区の「就学相談の流れ」は、場面ごとに所要時間まで書いています。

来所の場面内容と所要時間(大田区の資料より)
① お子様と保護者の面談50分程度。就学に向けて相談したい点、就学先の希望、成育歴・発達の状況・行動の特徴、通園先での様子を聞かれます
持ち物=筆記用具・記入済みの書類3点・手帳・過去の心理発達検査の結果(お持ちの場合)
② 心理発達検査30分〜1時間半程度。原則として子どもと心理相談員の一対一
外部機関で実施された検査結果を活用できる場合があります
③ 検査の報告30分程度。保護者に結果を報告
「結果のご報告の際は、お子様の来室は不要です」
④ 医学診察40分程度。子どもへの質問・観察と、保護者への質問
かかりつけ医の診察所見(指定の様式)や手帳の提示で代替できる場合があります
⑤ 行動観察約1〜2時間。模擬授業の形で、学級の教員と相談員が観察
持ち物=筆記用具・水筒
⑥〜⑨ 委員会と通知就学支援委員会での検討(保護者は参加しません)→ 結果の連絡 → 入級申込書の発送 → 就学通知書の発送(1月以降、順次)
「委員会の結果と異なる就学先を希望する場合は、教育委員会 学務課との相談を行います」と書かれています

この間に、学校見学が入ります。大田区は「通常の学級、特別支援学級、特別支援学校等の見学を、行動観察会までにお願いしています」としています。

他の区も、おおむね同じ数の場面があります

「1回で終わる相談」もあります

杉並区の紹介記事には「相談時間はどれくらいですか」への答えとして「1時間程度です。多くは1回のみの場合が多いですが、複数回、相談に来られる方もいます」と書かれています。これは情報を聞くための相談の話です。
——「話を聞くだけの1回」と、「就学先を決めるための一連の手続き」は別物だと考えると、区ごとの説明の違いが読み解けます。前者は年中でもできます。後者には締め切りがあります。

全体でどのくらいの期間か

4月に申し込んだ場合、申し込みから就学通知まで9〜10か月です。入学期日の通知は「翌学年の初めから2か月前まで」(学校教育法施行令 第5条第1項)ですから、遅くとも1月末には届きます。大田区は「学務課 特別支援教育担当から1月(予定)以降、順次発送します」と書いています。

そして、そこで固定されるわけではありません。政令には、状況の変化により学びの場を見直す道が書かれています。この点は就学相談とは?の「決まったあとも、変えられます」に整理してあります。

※日程を確保するのに時間がかかることもあります。杉並区は「お電話いただいてから、なるべく早く面談の日程を調整させていただきます。ご都合によりますが、ほとんどが、2週間から1カ月の間に相談日を設定し、お話を伺っています」と書いています。締め切り日ぎりぎりに申し込むと、最初の面談は翌月になります。

転入・転居の予定があるとき、どちらの区に申し込むのか

この場合の考え方は、条文からたどれます。基準になるのは住民票です。

引っ越したことは、自動で教育委員会に伝わります

学校教育法施行令 第4条は、住民基本台帳法にもとづく転入・転居の届出があったとき、市区町村長は速やかにその旨を教育委員会に通知しなければならないと定めています。
——転入届を出せば、学齢簿の側は動きます。ただし、動くのは学齢簿だけです。就学相談の申し込みは、別に自分から出す必要があります。

実務では、こう案内されています

場面区の案内に書かれていること
これから転入する杉並区——「区外から転入予定の方は随時受け付けます。教育相談室までご連絡ください」。締め切り(新就学は8月31日)の外側に置かれています
つまり、締め切りが過ぎていても転入予定なら相談できる、という書き方です
転入後も同じ支援を続けたい豊島区——「豊島区外の小中学校で特別支援学級や特別支援教室を利用していても、豊島区への転入後に同様の支援を希望する場合は、新たに就学相談を受けていただく必要があります
ただし、都内の公立学校で特別支援教室を利用中で継続を希望する場合は「書類の作成のみで、引き続き利用することができます」。都外からの転入や特別支援学級への入級希望は、これとは別の扱いです
これから転出する豊島区——①在籍している学校に相談 ②豊島区の就学相談担当に電話し、転出することと転出先でも特別支援教育の利用を希望することを伝える ③転出先の自治体にも、利用を希望する旨を連絡する——という3段階で案内されています

年度の途中で区が変わったら

入学期日の通知を受け取ったあとに引っ越した場合も、政令に道があります。

引っ越しが決まったら、電話は2本

①いまの区の教育委員会——転出することと、転出先でも支援を希望することを伝えます(豊島区はこの連絡を案内に書いています)。
②引っ越し先の区の教育委員会——転入予定であることと、就学相談を受けたいことを伝えます。締め切りが過ぎていても、転入予定は別扱いにしている区があります(杉並区)。
——住所が決まる前でも「◯月に◯◯区に転入予定です」と言えれば、話は始められます。

※学区外の学校に通わせたい場合(区域外就学)は、また別の手続きです。学校教育法施行令 第9条が定めており、就学を承諾する権限を持つ側の承諾書を添えて、住所のある市区町村の教育委員会に届け出るという形になっています。就学相談とは窓口も書類も別です。

今日から動くなら、この順番で

最後に、今夜からできることを順番に並べます。

  1. 年度と学年を確かめる——「令和◯年4月に入学」がすべての入口です。区の案内は年度で分かれていて、去年のページが検索で先に出てくることがあります。ページの更新日を見てください。
  2. お住まいの区の教育委員会のページで、締め切りの日付を探す——「◯◯区 就学相談」で探せます。締め切りが1つとは限りません。特別支援教室(通級の形)の枠は、別に、早く閉まることがあります(大田区は6月12日、杉並区は6月30日でした)。
  3. 締め切りが今月中なら、今日か明日に申し込む——電子申請の区が増えています。書類は申し込みのあとに送られてくる(または申し込み後にダウンロードする)ので、手元に何もそろっていなくても申し込めます
  4. 締め切りが過ぎていたら、電話をかける——上の「電話をかけるときに、そのまま言えること」の5行をそのまま使えます。就学時健康診断や園で相談をすすめられた事実があれば、必ず伝えてください。
  5. 母子健康手帳を出しておく——首のすわりから歩き始めまでの月齢と、1歳半・3歳児健診で言われたことを書く欄があります。当日いちばん手間取るのがここです。
  6. 過去の検査結果を、日付ごと探しておく——「いつ・どこで受けたか」が要ります。大田区は3年以内のものなら代替に使えると書いています。写しでかまいません。
  7. 園の担任に、集団の中での様子を聞いておく——園には相談員が訪問したり質問用紙が届いたりします。先に一度話しておくと、家庭の見え方と園の見え方のずれに、当日おどろかずに済みます。
  8. 学校見学の日程を確かめる——教育委員会主催の見学会は春から夏です。過ぎていたら、学校に直接問い合わせてよいと、どの区も書いています。
迷ったら、申し込みは先でかまいません

大田区の資料には「保護者の方のお考えで相談をおやめになる場合など、相談の中断・終了に関しては意向に沿って対応していきます」と書かれています。申し込みは、決めることではなく選択肢を開けておくことです。
締め切りは戻ってきませんが、やめることはいつでもできます。迷っている段階で申し込んで、相談の中で考える——区の案内の書き方は、その順番を許しています。

就学相談で何を聞かれるか、どう決まるかは就学相談とは?に、年長の1年で何が起きるかは就学の準備に、新宿区の窓口と流れは新宿区の就学相談にまとめています。相談の前の整理には発達相談で聞かれることも使えます。

出典

※上記の出典は2026年9月7日に閲覧して内容を確認しました。各団体の記載は更新される場合があります。最新の情報は各サイトでご確認ください。

よくあるご質問

就学相談を申し込むと、通常の学級に行けなくなりますか?
いいえ。申し込みは学びの場を検討するための入口であって、決定ではありません。大田区の資料は「就学相談は、保護者の方からのお申し込みで始まり、お考えを伺いながら進めていきます。保護者の方のお考えで相談をおやめになる場合など、相談の中断・終了に関しては意向に沿って対応していきます」と書いています。
なお江戸川区は「通常学級のみを希望し、特別支援学校や特別支援学級を就学先としてお考えでない場合は、申し込む必要はありません」としています。通常の学級だけを考えているなら、そもそも申し込まないという選び方もあります。どこまで検討したいかで決まります。
診断がないと、申し込めませんか?
杉並区は「診断名は必要ありません」と明記しています。同区は「特別支援学校や特別支援学級、通常の学級で特別支援教室へ通うことを希望している場合、もしくは、迷っている場合に相談してください」としています。
医師の診察記録を求める区もありますが、新宿区は「主治医がいない場合は、教育委員会が契約している医師が面接を行います」と書いています。主治医がいないことが、申し込めない理由にはなりません。
受付の締め切りを過ぎてしまいました。もう相談できませんか?
区の案内に、その先が書かれていることがあります。練馬区は7月31日で受付を終えたうえで「就学時健康診断で学校から就学相談を勧められた方につきましては、下記期限(12月2日)まで就学相談の受付をします」としています。豊島区は10月30日を過ぎた場合も電話で12月11日まで受け付けます。大田区と杉並区は、特別支援教室について「入学後に学校と相談して申し込むこともできます」「1年生の2学期からの利用をご検討ください」と案内しています。
まずはお住まいの区の教育委員会に電話してください。締め切りを知っていることと、健診や園ですすめられた事実があればそれを、あわせて伝えると話が早く進みます。
申し込みは、園の先生を通すのですか?
今回見た7区は、いずれも保護者が直接申し込む形でした。入口は電子申請(新宿区・世田谷区・豊島区・杉並区)、電話(大田区・豊島区)、Web受付(練馬区)、電子申請のあと電話で予約(江戸川区)など、区で違います。
園は、申し込みの窓口ではなく資料を出す側として登場します。練馬区は「保護者のご了解を得て、在籍する幼稚園や保育園などから資料を求めます」、杉並区は「各機関への問い合わせは、保護者が同意をした場合に行う」としています。園に伝わるタイミングは、保護者が決められます。
年中のうちに相談してもいいですか?
文部科学省の手引は「就学に関する事前の教育相談は、できる限り早期から行っていくことが重要である」としています。ただし内容は変わります。杉並区は「もっと小さい子のご相談も受け付けできますが、……現状で選択肢に含まれる就学先についての情報提供のみとなります。具体的な検討は年長になってからご相談ください」と説明しています。
つまり年中=情報を聞く、年長=手続きを始めるという分かれ方です。年中で聞いたことは申し込みにはなりませんので、年長になったらあらためて申し込みます。
当日は、何を持っていけばよいですか?
区で違いますが、共通して挙がるのは次のものです。①記入した申込書一式(区のページからダウンロード、またはフォーム入力)②母子健康手帳(新宿区・江戸川区が明示。首のすわりから歩き始めまでの月齢を書く欄があります)③過去の発達検査・知能検査の結果の写し(いつ・どこで受けたかを添えて)④医師の診察記録(主治医がいる場合。区の指定様式があります)⑤手帳類(愛の手帳・身体障害者手帳など、お持ちの場合)。大田区は行動観察の回について筆記用具と水筒を挙げています。
受給者証そのものを持ち物に挙げている案内は、今回見た7区にはありませんでした。事業所の記録は杉並区の言う「療育の記録」にあたります。
相談は何回くらい、どのくらいの期間かかりますか?
大田区の資料では、来所の場面が面談(50分程度)/心理発達検査(30分〜1時間半)/検査の報告(30分程度)/医学診察(40分程度)/行動観察(約1〜2時間)と並び、そのあと就学支援委員会(保護者は参加しません)と結果の連絡が続きます。新宿区も、面接・発達検査、医師の面接(一人30分を目安)、園への訪問、委員会、連絡と続きます。
期間は、4月に申し込めば就学通知まで9〜10か月です。入学期日の通知は「翌学年の初めから二月前まで」(学校教育法施行令 第5条第1項)ですから、遅くとも1月末には届きます。
引っ越しの予定があります。どちらの区に申し込みますか?
学齢簿は住民基本台帳に基づいて作られ(学校教育法施行令 第1条第2項)、「当該市町村に住所を有する者」について10月1日現在で作成されます(同第2条・学校教育法施行規則 第31条)。就学時健康診断も入学期日の通知も、この学齢簿を作った市区町村が行いますので、住民票のある区が基本です。
実務では、両方の区に連絡するのが確実です。杉並区は「区外から転入予定の方は随時受け付けます」として締め切りの外側に置いています。豊島区は、転入後に同じ支援を希望する場合は「新たに就学相談を受けていただく必要があります」(ただし都内の公立で特別支援教室を継続利用する場合は書類の作成のみ)としたうえで、転出する側にも在籍校・豊島区・転出先の3か所への連絡を案内しています。
年度の途中で区が変わった場合も、転入先の教育委員会が速やかに入学期日を通知します(同施行令 第6条第1号)。就学時の健康診断も、他の市町村で受けていなければ速やかに行うと定められています(学校保健安全法施行令 第1条第2項)。
この記事について:本記事は、子育て・発達に関する一般的な情報の提供を目的としています。内容は学会・職能団体・国の機関が公開している情報にもとづいてまとめていますが、お子さまの発達には個人差があり、すべてのお子さまに当てはまるものではありません。診断や治療に関する判断は、医師などの専門機関にご相談ください。

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