そもそも「判定」は、法令に出てくる言葉ではありません
就学相談の場では「判定」「判定が出る」という言い方をよく聞きます。ところが、就学先の決め方を定めている学校教育法にも、学校教育法施行令にも、「判定」という語は一度も出てきません。「決定」という語も、施行令の就学手続の条文には使われていません。
条文が使っているのは、次の言葉です。どれも意味が違います。
| 条文の言葉 | 何を指しているか |
| 認める | 市町村の教育委員会が「特別支援学校に就学させることが適当である」と認めること。この認められた人が「認定特別支援学校就学者」と呼ばれます 根拠=学校教育法施行令 第5条第1項 |
| 意見を聴く | 通知を出そうとするときに、保護者と専門的知識を有する者の意見を聴くこと。「聴くものとする」と書かれた義務です 根拠=学校教育法施行令 第18条の2 |
| 通知する | 保護者に入学期日を通知すること。学校が2校以上ある市区町村では、就学すべき学校の指定も同時に行われます 根拠=学校教育法施行令 第5条第1項・第2項/特別支援学校は第14条第1項・第2項 |
| 思料する | 就学したあとに学びの場を見直すとき、在学する学校の校長が「変えたほうが適当だと思料する」ところから手続が始まります 根拠=学校教育法施行令 第6条の3第1項・第12条の2第1項 |
では「判定」とは何を指しているのか
実務の言葉です。多くの自治体が、教育委員会に置いた会議体で検討した結果のことを、そう呼んでいます。ただしその会議体は、あとで見るとおり助言や提案をする場であって、決める場ではありません。
ですから「判定が出た」と言われたときは、それが会議体の提案なのか、教育委員会の決定なのか、入学期日の通知なのかを、そのつど確かめて差し支えありません。段階が違えば、その先にできることも変わります。
「就学基準」という言葉も、条文には出てきません
施行令第22条の3には、視覚障害者・聴覚障害者・知的障害者・肢体不自由者・病弱者について「障害の程度」の表があります。これを「就学基準」と呼ぶ習わしがありますが、条文の見出しにその語はありません。学校教育法第75条の委任を受けて、程度を定めた表です。この表が今どういう位置づけなのかは、次の節で見ていきます。
※ 「判定」という語が公的な文書に出てこないという意味ではありません。自治体の案内では使われています(例:杉並区の資料は特別支援教室の利用について「併せて総合的に検討し判定します」と書いています)。ここで言っているのは、就学先の決め方を定めた法令の条文には無いということです。
平成25年9月、決め方の仕組みそのものが変わりました
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。学校教育法施行令は平成25年8月26日に改正され、9月1日から施行されました(政令第244号)。文部科学事務次官の通知(25文科初第655号/平成25年9月1日)が、その趣旨を次のように説明しています。
学校教育法施行令の一部改正について(通知)第1 改正の趣旨
中央教育審議会の報告において、「就学基準に該当する障害のある子どもは特別支援学校に原則就学するという従来の就学先決定の仕組みを改め、障害の状態、本人の教育的ニーズ、本人・保護者の意見、教育学、医学、心理学等専門的見地からの意見、学校や地域の状況等を踏まえた総合的な観点から就学先を決定する仕組みとすることが適当である。」との提言がなされたこと等を踏まえ、所要の改正を行うものであること。
同じ通知は続けて、報告のもう1か所を引き、これを「改正令における基本的な前提として位置付けられるもの」だと述べています。
同 第1(続き)
「その際、市町村教育委員会が、本人・保護者に対し十分情報提供をしつつ、本人・保護者の意見を最大限尊重し、本人・保護者と市町村教育委員会、学校等が教育的ニーズと必要な支援について合意形成を行うことを原則とし、最終的には市町村教育委員会が決定することが適当である。」
改正で何が変わったのか
通知の「第2 改正の内容」は、5つを挙げています。保護者に関わりの深いものを並べます。
- 就学先を決定する仕組みの改正(第5条・第11条)——特別支援学校に就学するのは、施行令第22条の3の表に当てはまる人のうち、市町村の教育委員会が4つの事情を勘案して適当と認めた人(=認定特別支援学校就学者)に限られる形になりました。
- 障害の状態等の変化を踏まえた転学(第6条の3・第12条の2)——転学の検討を始められるきっかけを、障害の状態の変化だけから、教育上必要な支援の内容・地域の教育体制の整備状況その他の事情の変化にも広げました。
- 保護者及び専門家からの意見聴取の機会の拡大(第18条の2)——就学のときだけでなく、転学に係る通知をしようとするときにも意見を聴くこととされました。
「表に当てはまる=特別支援学校」ではありません
改正後の第5条第1項は、特別支援学校に就学する子を次のように定義しています。「のうち」という語に注目してください。
学校教育法施行令 第5条第1項(認定特別支援学校就学者の定義)
……第二十二条の三の表に規定する程度のもの(以下「視覚障害者等」という。)のうち、当該市町村の教育委員会が、その者の障害の状態、その者の教育上必要な支援の内容、地域における教育の体制の整備の状況、その他の事情を勘案して、その住所の存する都道府県の設置する特別支援学校に就学させることが適当であると認める者をいう。
つまり第22条の3の表は、入口の条件であって、結論ではありません。表に当てはまることは4つの勘案事項のうちの1つ(障害の状態)にすぎず、しかも3つめには「地域における教育の体制の整備の状況」——その子の状態ではなく、地域に何があるか——が入っています。
※ 改正から10年以上が経ちましたが、「基準に当てはまったら特別支援学校」という説明はまだ見かけます。就学相談の場で古い前提の説明を受けたと感じたら、25文科初第655号の第1(上に引いた部分)を手元に置いて、確かめてかまいません。
決めるのは、委員会ではありません
就学相談では「就学支援委員会にかけます」「検討部会で検討します」と言われます。この会議体が決めるのだ、と受け取られがちですが、文部科学省の手引は、はっきり否定しています。
障害のある子供の教育支援の手引(令和3年6月)第2編 第3章6
専門家からの意見聴取は、市区町村教育委員会による就学先となる学校や学びの場の総合的な判断に資するように実施されるものであり、就学先を決定するのは、教育支援委員会等ではなく、あくまでも市区町村教育委員会であることに留意することが必要である。
手引は同じ節で、委員会のメンバー構成についても釘を刺しています。「実際に本人と接したことのない専門家のみで判断することについては、本人及び保護者が不安を感じることが想定される」として、実際に本人と接し障害の状態等を詳細に把握している専門家や、本人の支援を行っている関係者等の意見を聴取するなどして、きめ細かい情報収集と確認を行うことを求めています。
委員会の名前が自治体でばらばらなのは、法令に名前が無いからです
この会議体の名称は、法令で決まっていません。平成25年10月4日の通知(25文科初第756号)が、従来の「就学指導委員会」について機能の拡充を図るとともに「教育支援委員会」(仮称)といった名称とすることが適当であると述べただけです。仮称と書かれているとおり、各自治体がそれぞれの名前を付けています。
| 区(東京23区の例) | 会議体の名称と、担当窓口 |
| 新宿区 | 就学支援委員会——「お子さんにとって適切な教育の場について総合的に検討していきます」 窓口=教育委員会事務局 教育支援課 特別支援教育係。受付は令和8年4月1日〜9月30日(電子申請) |
| 杉並区 | 入学・転学検討部会——校長、教員、心理職等で構成。教育的ニーズに適した教育の場を提案する 窓口=教育委員会事務局 多様な学び支援課 相談事業係 |
| 練馬区 | 2つの機関を置いています。就学相談委員会(学校長・特別支援学級担任・指導主事等)が面談・行動観察・発達検査・就学相談会を行って就学先を提案し、特別支援教育支援委員会(医師、教職員、指導主事、保育園長・保育士などの福祉関係職員、専門相談員、教育委員会事務局職員等)が教育長の諮問を受けて適正な教育措置を教育長に答申します 窓口=教育振興部 教育福祉課 就学相談係 |
| 中野区 | 就学支援会議——「お子さんに合った就学先について検討をし、その結果をお伝えします」。申込みから就学先の決定までの目安は3〜5か月程度と案内されています 窓口=学務課 特別支援教育係(子ども・若者支援センター) |
呼び名も、置き方も、これだけ違います。ですから他の区の説明をそのまま自分の区に当てはめないことが大事です。共通しているのは、どの区でも会議体は検討し提案する側で、決めるのは教育委員会だという点です。
委員会に期待されている役割は、就学先を選ぶことだけではありません
手引の解説「『教育支援委員会』について」は、機能の拡充として次のようなことを挙げています。
- 障害のある子供の情報を、教育相談担当者との連携により継続的に把握すること
- 就学移行期に、本人及び保護者に対する情報提供について助言すること
- 教育的ニーズと必要な支援の内容を整理し、個別の教育支援計画の作成について助言すること
- 就学先決定に際し、事前に総合的な判断のための助言を行うこと
- 教育委員会の決定と保護者の意見が一致しない場合に、教育委員会からの要請に基づき第三者的な立場から調整を行うこと
- 就学後についても、必要に応じて学校や学びの場の変更等について助言を行うこと
- 合理的配慮について、提供の妥当性や関係者間の意見が一致しない場合の調整について助言を行うこと
※ 手引は、認定こども園・幼稚園・保育所や、児童発達支援センター等の障害児通所支援施設、放課後等デイサービス、児童相談所の職員等が委員会に参画することも有効だと述べています。実際にどこまで入っているかは自治体によります。
何をもとに決めるのか——集められる材料
決めるときに勘案するとされているのは、第5条第1項の4つの事情です。それを埋めるために、いくつもの材料が集められます。
条文が挙げる4つの勘案事項
| 勘案事項(学校教育法施行令 第5条第1項) | そのために見られるもの |
| ①その者の障害の状態 | 施行令第22条の3の表に当てはまるかどうか。医学的側面と、心理学的・教育的側面の両方から把握される 根拠=文部科学省の手引 第2編 第3章5(教育的ニーズを整理する観点①) |
| ②その者の教育上必要な支援の内容 | 就学前までに特別に必要とされる養育の内容と、義務教育段階で特別に必要とされる指導内容。合理的配慮を含む必要な支援の内容 根拠=同 観点②・観点③ |
| ③地域における教育の体制の整備の状況 | 通級による指導の場、特別支援学級、特別支援学校が地域にどう置かれているか。人的な配置や設備の状況 =その子の状態ではなく、地域の側の事情です |
| ④その他の事情 | 上記以外の事情。手引は、就学後の6年間・3年間の育ちと見直しの方向性まである程度見通して判断することを求めています |
実際に集められる資料——4区の案内から
自治体の案内を読むと、面談以外にどれだけの材料が集められているかが分かります。
- 保護者との面談——新宿区は相談員が保護者と面接し、乳幼児期からの話も伺うとして母子手帳の持参を求めています。
- 発達検査・知能検査——新宿区は別室で心理士が発達検査等を行います。過去に療育機関や医療機関で受けた検査結果の写しがあれば参考にされます。杉並区は「年長になってからの検査結果が望ましい」としています。
- 園・在籍校の記録——中野区は幼稚園・保育園・療育施設に就学相談資料の作成を依頼します。新宿区は相談員が園や学校を訪問し、質問用紙への記入も依頼します。杉並区は担任所見を資料に入れます。
- 園での行動観察——中野区は就学相談専門員が園・療育施設を訪問して様子を見ます。杉並区も検討申込後に在籍園を訪問します。
- 小集団での様子(合同面接・就学相談会)——杉並区は「小集団での指示理解や課題遂行と、個別での手指の操作性や学習状況等」を見ると書いています。練馬区は集団行動や運動面での観察に加え、区立小中学校の校長との面談を行います。
- 医療の情報——新宿区は主治医がいる場合に医師診察記録の作成を依頼し、主治医がいない場合は教育委員会が契約している医師が面接を行います。中野区・杉並区も医師診察記録の様式を用意しています。
- 本人・保護者の意向——杉並区は検討部会が「お子さん・保護者の意向」を資料と並べて総合的に検討すると明記しています。
「診断がないと決まらない」わけではありません
25文科初第756号は、通級による指導の対象とするか否かの判断について、「医学的な診断の有無のみにとらわれることのないよう留意し、総合的な見地から判断すること」と述べています。特別支援学級についても、障害の判断は「障害のある児童生徒の教育の経験のある教員等による観察・検査、専門医による診断等に基づき教育学、医学、心理学等の観点から総合的かつ慎重に行うこと」とされています。
知的障害についての判断の留意事項も、同じ通知に具体的に書かれています。知的機能と適応機能の両面から、標準化された知能検査等、コミュニケーション・日常生活・社会生活等に関する適応機能の状態についての調査、本人の発達に影響がある環境の分析等を行ったうえで総合的に判断すること——検査の数値ひとつで決まる建てつけにはなっていません。
※ 特別支援学級と通級による指導の対象は、施行令第22条の3の表ではなく、25文科初第756号が障害の種類ごとに示しています。特別支援学級は学校教育法第81条第2項が根拠で、対象は知的障害者・肢体不自由者・身体虚弱者・弱視者・難聴者・その他障害のある者で特別支援学級において教育を行うことが適当なもの、と法律に列挙されています。
保護者の意見は、いつ・どう聴かれるのか
「意見を言う機会はあるのだろうか」——ここは、政令にはっきり書かれています。学校教育法施行令には第3節の2「保護者及び視覚障害者等の就学に関する専門的知識を有する者の意見聴取」という節が独立して置かれ、条文は1本だけです。
学校教育法施行令 第18条の2
市町村の教育委員会は、児童生徒等のうち視覚障害者等について、第五条……又は第十一条第一項……の通知をしようとするときは、その保護者及び教育学、医学、心理学その他の障害のある児童生徒等の就学に関する専門的知識を有する者の意見を聴くものとする。
読み取れることは3つです。
- お願いして聴いてもらうものではありません。「聴くものとする」と書かれた、教育委員会の側の手続です。
- 通知を出す前です。入学期日の通知(第5条)や、都道府県教育委員会への通知(第11条第1項)をしようとするときと書かれています。決まったあとの報告ではありません。
- 保護者と専門家の両方から聴きます。教育学・医学・心理学その他の専門的知識を有する者の意見も、同じ条文で聴くこととされています。
「十分な時間的余裕をもって」と通知に書かれています
いつ聴くのかについては、25文科初第655号の「第3 留意事項」がさらに踏み込んでいます。
25文科初第655号 第3 留意事項1
特に、改正後の学校教育法施行令第18条の2に基づく意見の聴取は、市町村の教育委員会において、当該視覚障害者等が認定特別支援学校就学者に当たるかどうかを判断する前に十分な時間的余裕をもって行うものとし、保護者の意見については、可能な限りその意向を尊重しなければならないこと。
25文科初第756号も、同じことを「最終的な就学先の決定を行う前に十分な時間的余裕をもって行うものとし」と繰り返しています。判断が固まってから形だけ聴く、という運用は想定されていません。
根っこにあるのは、障害者基本法です
「可能な限りその意向を尊重」という言い回しは、通知が独自に作ったものではありません。障害者基本法 第16条第2項が、国及び地方公共団体に対し、障害者である児童及び生徒並びにその保護者に対し十分な情報の提供を行うとともに、可能な限りその意向を尊重しなければならないと定めています。通知は、就学の手続はこの規定を踏まえて対応する必要があるとしています。
本人の意見はどう扱われるのか
手引は、「本人の意見については、学齢期の段階においては、一般的には保護者を通じて表出されるものと考えられる」としつつ、中学校や特別支援学校中学部への進学時などには別途本人の意見聴取を行うことが望ましい場合もあると書いています。
そのうえで、こう続きます——「保護者の思いが、子供本人の思いや子供の教育的ニーズとは、異なることもあり得ることに留意することが必要である」。保護者の思いを受け止めつつ、本人の教育的ニーズとは何かを考えることがまずは重要だ、という書き方です。
※ 手引は、意見を聴かれる前提として「就学を希望する学校や学びの場における基礎的環境整備の状況、提供可能な教育上の合理的配慮を含む必要な支援の内容等についても明確にしながら、建設的対話に努めることが重要である」としています。何が用意できるかを聞いたうえで意見を言う——その順番が想定されています。
意見が食い違ったとき、何が行われるのか
希望と、教育委員会の考えが違うこともあります。そのときに何が起きるかも、手引に書かれています。まず前提として、決め方の順番はこうです。
手引 第2編 第3章7(2)本人及び保護者と教育委員会、学校の合意形成
市区町村教育委員会が総合的に判断した就学先の学校や学びの場については、本人及び保護者の意見を最大限尊重しつつ、対象となる子供一人一人の教育的ニーズと必要な支援の内容を踏まえていることについて、本人及び保護者、学校等に対して十分な説明と合意形成を図った上で、最終的に市区町村教育委員会において決定することが適当である。
合意に至らない場合の調整——手引が挙げている手立て
手引の第2編 第3章7(4)は、「それでも意見が一致しない場合が起こり得る」と正面から書いたうえで、次のような手立てを挙げています。
- 調整のプロセスをあらかじめ示しておく——市区町村教育委員会が意見を調整するためのプロセスを明確化し、本人及び保護者にあらかじめ示しておくことが望ましいとされています。
- 第三者による評価——市区町村教育委員会の判断の妥当性を、市区町村教育委員会以外の者が評価することで調整が可能になる場合がある、とされています。
- 都道府県の教育支援委員会等の活用——保護者の要望を受けた市区町村教育委員会からの依頼に基づき、都道府県教育委員会の教育支援委員会等に第三者的な有識者を加えて意見の調整の場として活用することも考えられる、とされています。第三者的な有識者には法律の専門家等の参加も考えられると明記されています。
- 異議申立ての制度についての情報提供——市区町村教育委員会は、あらかじめ本人及び保護者に対し、行政不服審査制度も含めた就学に関する異議申し立ての制度やプロセスについても情報提供を行っておくことが望ましい、とされています。
- 体験入学を挟んでもう一度検討する——「より実践的な方法として」、就学に当たっての課題を明確にしたうえで体験入学を実施し、一定期間の体験入学の後に、再び就学先となる学校や学びの場についての検討の場をもつことも考えられる、とされています。
自治体の案内にも、同じことが書かれています
手引の記述は、実際の区の案内にも降りてきています。
- 杉並区——「合意の形成がすぐには難しい場合、特別支援学校や特別支援学級(あるいは両方)の体験をするなどして相談を重ねます。そのうえで……本人・保護者の意向を最大限尊重して教育委員会が就学先を決定します」と、Q&Aに明記されています。
- 杉並区(就学後のフォロー)——「教育委員会の提案と異なる学びの場に就学したときは、保護者・学校・教育委員会の3者で、就学後定期的に面談を実施します」とされています。希望どおりに就学したあとが放置される建てつけではありません。
- 練馬区——「保護者のお考えと違う結果の時には、相談を継続し、各種資料に基づいて、保護者と十分話し合いを重ね、就学先を決めていきます」と案内されています。
- 新宿区——委員会の検討結果を保護者に連絡したうえで、「必要に応じて継続して相談を行います」とされています。
「一度言われたら終わり」ではありません
手引も自治体の案内も、意見が一致しないことを想定した手順を書いています。納得できないと感じたときは、それを伝えることが手続の一部です。
そのとき役に立つのは、感想ではなく材料です。園での様子の記録、専門職の評価記録、家庭でうまくいっている手立て——4つの勘案事項のうち②「教育上必要な支援の内容」に直接つながる情報を持っていくと、話が具体的になります。
結果は、いつ・どんな形で伝えられるのか
ここは、2段階に分けて理解しておくと混乱しません。会議体の検討結果の連絡と、法令上の通知は別のものです。
| 段階 | 誰から、どんな形で |
| ①検討結果の連絡・提案 | 自治体の運用によります。新宿区は「委員会の検討結果について保護者へ連絡します」、中野区は就学支援会議のあと「その結果をお伝えします」、練馬区は「就学相談結果のお知らせ」という段階を置いています。書面か口頭かは、法令が定めているものではありません |
| ②入学期日の通知(就学通知) | 市町村の教育委員会から保護者へ、翌学年の初めから2月前までに。学校が2校以上ある市区町村では就学すべき学校の指定も同時に行われます。特別支援学校の場合は、市町村教育委員会が3月前までに都道府県教育委員会へ通知し、都道府県教育委員会が保護者へ2月前までに通知します 根拠=学校教育法施行令 第5条第1項・第2項、第11条第1項、第14条第1項・第2項 |
①がいつ来るかは自治体で違います。杉並区は流れ図で「検討部会=8月〜12月」「合意形成=9月〜12月」「就学通知=12月中旬〜3月」と示しています。中野区は申込みから就学先の決定まで目安3〜5か月程度としています。
合意に至らないまま通知の時期が来たら
手引は、この場面にも手当てをしています。
手引 第2編 第3章9(4)就学通知の段階で合意形成に至らない場合の対応
この場合は、通知を行いつつも、その後の本人及び保護者との合意形成や、意見の調整の場における検討を踏まえた就学先の変更が行われることがあり得ることを説明しつつ、手続きを執り行うことが重要である。実際、4月1日の入学までの間に、就学先が変更となった場合の通知については、(1)から(3)の手続きにのっとって行われる。
杉並区の流れ図は、これを保護者向けの言葉で書いています——「合意形成に至らない場合も、一旦は地域指定校の就学通知が発送されます。合意形成後に改めて決定した学校の就学通知が届きます」。つまり通知が届いたこと自体は、話し合いの終わりを意味しません。
受入れの準備ができていないまま通知を出すことは、認められていません
手引は、はっきりこう書いています。「就学先の決定に当たっては、その子供がその学校で十分な教育を受けられる環境が確保されていることが必要であり、その確認や実際の受入れ体制の準備を欠いたまま、市区町村教育委員会が就学に関する通知を発出することがあってはならない」。
※ なお、施行令第22条の2は、第5条第1項・第2項および第14条第1項・第2項による処分について行政手続法第3章の規定を適用しないと定めています。一方で手引は、あらかじめ行政不服審査制度も含めた異議申し立ての制度やプロセスについても情報提供を行っておくことが望ましいとしています。具体的にどうするかは、お住まいの教育委員会にご確認ください。
「一度決めたら変えられない」は、誤解です
これは思い込みではなく、文部科学省の手引が、誤解として名指ししているものです。原文を引きます。
手引 第2編 第2章1(2)留意点⑥に続く記述
実際の就学先決定後に柔軟に転学や学びの場の変更ができることについては、学校現場においても「一度決めた就学先や学びの場は変えることができない」と誤解されていることがある。このようなことが保護者の学校への信頼を失わせることもあることを踏まえ、都道府県教育委員会及び市区町村教育委員会は、域内の小中学校等や特別支援学校の教職員に対して、障害の状態等を踏まえ、柔軟に転学や学びの場の変更ができることについて周知を図り、理解を促すことが重要である。
「保護者が誤解している」ではなく「学校現場においても誤解されていることがある」と書かれている点が大事です。教職員に周知せよ、というのが手引の求めていることです。
同じことが、通知にも、手引の別の章にも書かれています
- 25文科初第756号 第2の3(就学先等の見直し)——「就学時に決定した『学びの場』は、固定したものではなく、それぞれの児童生徒の発達の程度、適応の状況等を勘案しながら、柔軟に転学ができることを、すべての関係者の共通理解とすることが適当であること」。
- 手引 第2編 第4章1——「就学時に、小学校段階6年間、中学校段階3年間の学校や学びの場が固定されてしまうわけではない」。
- 手引 第2編 第2章1(2)⑥——就学に関する事前の相談・支援の段階で、学びの場は固定的なものではなく変更が可能で柔軟なものであることを分かりやすく伝えることが、教育委員会側の留意点として挙げられています。
- 杉並区の資料——「就学時に決定した『学びの場』は固定したものではなく、それぞれの児童生徒の発達の程度、適応の状況等を勘案しながら柔軟に転学ができるものです」と、通知とほぼ同じ言葉で書かれています。
見直しは、何をもとに行われるのか
手引は、思いつきで見直すのではなく計画の評価を通じて行うことを求めています。市区町村教育委員会が定期的に教育相談を実施し、個別の教育支援計画や個別の指導計画に基づく関係者による会議を行い、それらの計画を適切に評価しながら、教育的ニーズの整理と必要な支援の内容を検討・確認し、必要に応じて教育支援委員会等の助言を得つつ見直していく、という組み立てです。
勘案されるものとして挙げられているのは、発達の程度、適応の状況、各教科等の学習の習得状況、自立活動の指導の状況、交流及び共同学習の実施時間数の状況などです。
※ 手引は、継続的な教育相談について「これらの相談は、保護者を説得するためのものではなく、子供の成長を確認し、喜び合うものであるという認識が共有されるように努める必要がある」と書いています。
入学後に学びの場を変えるときの手続き
変えられる、と言われても、では誰にどう言えばよいのか。条文上の始まり方は、実は校長からです。
条文が定めている、転学のきっかけ
| どこからどこへ | 手続きの始まり方 |
| 特別支援学校 → 小中学校等 | 在学する特別支援学校の校長が、障害の状態・教育上必要な支援の内容・地域における教育の体制の整備の状況その他の事情の変化により小中学校等に就学することが適当であると思料するとき、都道府県教育委員会へ通知。都道府県教育委員会が市町村教育委員会へ通知し、市町村教育委員会が改めて検討します 根拠=学校教育法施行令 第6条の3第1項〜第3項 |
| 小中学校等 → 特別支援学校 | 在学する小中学校等の校長が、同じ事情の変化により小中学校等に就学させることが適当でなくなったと思料するとき、市町村教育委員会へ通知。市町村教育委員会が再度検討し、特別支援学校へ転学させるか、引き続き現在の学校に就学させるか、別の小中学校等へ転学させるかを判断します 根拠=学校教育法施行令 第12条の2第1項〜第3項 |
| 指定された小中学校を変えたい | 市町村の教育委員会は、相当と認めるときは保護者の申立てにより、指定した小学校・中学校・義務教育学校を変更することができます。特別支援学校の指定についても同じ形の規定があります(第16条) 根拠=学校教育法施行令 第8条 |
つまり第6条の3・第12条の2の道は、校長の「思料」から始まります。だからこそ、手引も自治体も「まず在籍校の担任・管理職に相談してください」と案内しているわけです。杉並区は「転学の希望がある場合、まずは在籍校の担任、管理職へ相談してください」と明記しています。
時期の目安
- 原則は年度の切替わり——杉並区は「転学の時期は原則として年度の切替わり時期です」としています。通学区域が変わる転居以外の理由での転学は、相談から転学までに時間がかかることもある、とも書かれています。
- 逆算した締切がある——杉並区は、年度の切替わり時期の転学をスムーズに進めるために10月30日までに在籍校と転学についての面談を実施し、11月30日までに転学相談ができるよう申込みをしてほしいと案内しています。
- 意見聴取は転学のときも必要——学校教育法施行令第18条の2は、転学に係る通知をしようとするときにも保護者及び専門家の意見を聴くこととしています。手引も、小中学校等と特別支援学校間の転学ではこの点に留意する必要があると書いています。
変更が決まるときの順番は、就学のときと同じです
手引は、学びの場の変更についても「本人及び保護者と市区町村教育委員会や学校等間で……変更について合意形成が図られた後、最終的には市区町村教育委員会が、子供の就学先となる学校や学びの場の変更を決定するものである」としています。合意形成が先、決定が後——この順番は就学のときと変わりません。
※ このほか、特別支援学校に在学する児童生徒が視覚障害者等でなくなった場合(第6条の2)、小中学校等に在学する児童生徒が新たに視覚障害者等となった場合(第12条)にも、校長から教育委員会への通知の規定が置かれています。
年長のうちに、確かめておくとよいこと
決まり方を知ったうえで、就学相談の場で確かめておくと後が楽なことを、条文と手引から拾って並べます。どれも、聞いて差し支えないことです。
- 会議体の名前と、開かれる時期を聞く——「うちの区では何という会議で、いつ開かれますか」。名前も時期も自治体で違います(新宿区=就学支援委員会、杉並区=入学・転学検討部会、練馬区=就学相談委員会と特別支援教育支援委員会、中野区=就学支援会議)。
- 結果がどう伝えられるかを、先に聞く——書面なのか電話なのか、いつごろか。法令が形を定めていないので、先に聞いておくしかありません。
- 4つの学びの場について、それぞれ説明を求める——通常の学級/通常の学級と通級による指導の組み合わせ/特別支援学級/特別支援学校。文部科学省の通知は、この4つを本人及び保護者に説明していないことを「改善が必要な具体的な事例」として挙げています。
- その場で提供できる支援の中身を聞いてから、意見を言う——手引は、基礎的環境整備の状況や提供可能な合理的配慮を含む必要な支援の内容を明確にしながら建設的対話に努めることを求めています。
- 意見が一致しなかったときの進み方を聞いておく——手引は、調整のプロセスをあらかじめ本人及び保護者に示しておくことが望ましいとしています。「もし考えが違ったときは、どう進みますか」と聞いてかまいません。
- 見直しの手続きも、就学前に確認しておく——手引は、就学先決定の際に、就学後の見直しのことや見直しのための手続についても合意形成を図っておくことが大切だとしています。
- 園や事業所の記録を整えておく——手引は、園や障害児通所支援事業所等で作成されている計画を有効に活用し、情報を一元化して学校へ引き継ぐ取組を進めることが適当だとしています。手元の記録は、②「教育上必要な支援の内容」を語る材料になります。
この記事で確かめたこと
①「判定」は法令にない実務の言葉で、条文は「認める」「意見を聴く」「通知する」と書いている。
②平成25年の改正で、基準に該当すれば原則特別支援学校という仕組みは改められた。
③決めるのは会議体ではなく市区町村の教育委員会。
④保護者の意見を聴くことは政令上の手続で、判断の前に十分な時間的余裕をもって行われる。
⑤意見が一致しない場合の手立ては、手引に列挙されている。
⑥「一度決めたら変えられない」は、手引が誤解として名指ししている。
※ この記事は、就学先の決まり方に絞って書いています。年長の1年の日程は就学の準備——年長の1年で、いつ何をするかに、就学相談の全体像は就学相談とは?にまとめてあります。
出典
- 学校教育法施行令(昭和28年政令第340号)/e-Gov法令検索第5条第1項(認定特別支援学校就学者=第22条の3の表に規定する程度のもの〈視覚障害者等〉のうち、市町村の教育委員会が、その者の障害の状態、その者の教育上必要な支援の内容、地域における教育の体制の整備の状況その他の事情を勘案して、特別支援学校に就学させることが適当であると認める者/それ以外の者について翌学年の初めから2月前までに入学期日を通知)/第5条第2項(学校が2以上ある場合は就学すべき学校を指定)/第6条の2(視覚障害者等でなくなった場合の校長からの通知)/第6条の3第1項〜第3項(特別支援学校の校長が事情の変化により小中学校等への就学が適当と思料するときの通知と、市町村教育委員会による再検討)/第8条(市町村の教育委員会は相当と認めるときは保護者の申立てにより指定した学校を変更することができる)/第11条第1項(認定特別支援学校就学者について翌学年の初めから3月前までに都道府県教育委員会へ通知)/第12条・第12条の2(小中学校等の校長からの通知と再検討)/第14条第1項・第2項(都道府県教育委員会が保護者へ2月前までに通知、2校以上ある場合は指定)/第18条の2(通知をしようとするときは、その保護者及び教育学、医学、心理学その他の障害のある児童生徒等の就学に関する専門的知識を有する者の意見を聴くものとする)/第22条の2(第5条第1項・第2項及び第14条第1項・第2項の規定による処分について行政手続法第3章の規定を適用しない)/第22条の3(障害の程度の表)。全文を検索して「判定」「決定」の語が就学手続の条文に無いことを確認
- 学校教育法(昭和22年法律第26号)/e-Gov法令検索第75条(第72条に規定する視覚障害者等の障害の程度は政令で定める=施行令第22条の3への委任)/第81条第1項・第2項(小学校等には、知的障害者、肢体不自由者、身体虚弱者、弱視者、難聴者、その他障害のある者で特別支援学級において教育を行うことが適当なもののために特別支援学級を置くことができる)/第138条(第17条第1項又は第2項の義務の履行に関する処分で政令で定めるものについて行政手続法第3章を適用しない)。全文を検索して「判定」の語が無いことを確認
- 学校教育法施行令の一部改正について(通知)平成25年9月1日/25文科初第655号/文部科学省第1 改正の趣旨(「就学基準に該当する障害のある子どもは特別支援学校に原則就学するという従来の就学先決定の仕組みを改め、……総合的な観点から就学先を決定する仕組みとすることが適当である」/「本人・保護者の意見を最大限尊重し、……教育的ニーズと必要な支援について合意形成を行うことを原則とし、最終的には市町村教育委員会が決定することが適当である」との指摘が改正令における基本的な前提として位置付けられる)/第2 改正の内容1〜5(就学先決定の仕組みの改正、障害の状態等の変化を踏まえた転学、区域外就学等、保護者及び専門家からの意見聴取の機会の拡大、施行期日=平成25年9月1日)/第3 留意事項1(第18条の2の意見聴取は認定特別支援学校就学者に当たるかどうかを判断する前に十分な時間的余裕をもって行い、保護者の意見については可能な限りその意向を尊重しなければならない/障害者基本法第16条の抄録)/第3 留意事項2(「教育支援委員会」(仮称)といった名称とすることが適当)/改正令は平成25年8月26日付け政令第244号として公布
- 障害のある児童生徒等に対する早期からの一貫した支援について(通知)平成25年10月4日/25文科初第756号/文部科学省第1の1(3)(第18条の2に基づく意見の聴取は最終的な就学先の決定を行う前に十分な時間的余裕をもって行い、保護者の意見については可能な限りその意向を尊重しなければならない)/第1の2(2)ウ(知的障害者の判断は知的機能及び適応機能の発達の状態の両面から。標準化された知能検査等、適応機能の状態についての調査、本人の発達に影響がある環境の分析等を行った上で総合的に判断)/第1の3(1)(特別支援学級の対象=学校教育法第81条第2項に基づき、知的障害者・肢体不自由者・病弱者及び身体虚弱者・弱視者・難聴者・言語障害者・自閉症/情緒障害者の障害の種類及び程度を列挙。障害の判断は教員等による観察・検査、専門医による診断等に基づき教育学、医学、心理学等の観点から総合的かつ慎重に行う)/第1の3(2)2カ(通級による指導の対象とするか否かの判断に当たっては、医学的な診断の有無のみにとらわれることのないよう留意し、総合的な見地から判断すること)/第2の3(就学時に決定した「学びの場」は固定したものではなく、柔軟に転学ができることをすべての関係者の共通理解とすることが適当)/第2の4(「就学指導委員会」について機能の拡充を図るとともに「教育支援委員会」(仮称)といった名称とすることが適当)/平成14年5月27日付け14文科初第291号は廃止
- 障害のある子供の教育支援の手引 ~子供たち一人一人の教育的ニーズを踏まえた学びの充実に向けて~(令和3年6月)文部科学省初等中等教育局特別支援教育課第2編 第2章1(2)⑥および続く記述(学びの場は固定的なものではないことを分かりやすく伝えること/学校現場においても「一度決めた就学先や学びの場は変えることができない」と誤解されていることがあり、教育委員会は教職員に対し柔軟に転学や学びの場の変更ができることの周知を図ることが重要)/第3章1(2)(最終的には市区町村教育委員会が就学先を決定する)/第3章4(意見聴取に当たり基礎的環境整備の状況・提供可能な合理的配慮を含む必要な支援の内容を明確にしながら建設的対話に努める/本人の意見は学齢期には一般的に保護者を通じて表出される/保護者の思いが本人の思いや教育的ニーズと異なることもあり得る)/第3章5(教育的ニーズを整理する観点①障害の状態等の把握〈医学的側面・心理学的教育的側面〉、②特別に必要な指導内容、③合理的配慮を含む必要な支援の内容)/第3章6(就学先を決定するのは教育支援委員会等ではなくあくまでも市区町村教育委員会/実際に本人と接したことのない専門家のみで判断することへの留意/認定こども園・幼稚園・保育所や障害児通所支援施設、放課後等デイサービス、児童相談所の職員等の参画も有効)/解説「教育支援委員会」について(8項目の機能。教育委員会の決定と保護者の意見が一致しない場合の第三者的な立場からの調整を含む)/第3章7(1)(総合的な判断の基本的な考え方)/7(2)(本人及び保護者の意見を最大限尊重しつつ十分な説明と合意形成を図った上で最終的に市区町村教育委員会において決定/就学後の見直しや見直しのための手続についても合意形成を図っておくことが大切)/7(3)(受入れ体制の準備を欠いたまま就学に関する通知を発出することがあってはならない)/7(4)(合意形成に至らない場合の調整=調整プロセスの明確化と事前提示、第三者による評価、都道府県教育委員会の教育支援委員会等に第三者的な有識者〈法律の専門家等〉を加えた調整の場、行政不服審査制度も含めた異議申し立ての制度やプロセスの情報提供、体験入学後に再検討)/第3章9(1)(2)(就学通知は前年度1月末まで/特別支援学校は12月末までに都道府県教育委員会へ)/9(4)(就学通知の段階で合意形成に至らない場合は通知を行いつつ、その後の合意形成や意見の調整を踏まえた就学先の変更があり得ることを説明)/第3章11(園や障害児通所支援事業所等の計画を活用し情報を一元化して学校へ引き継ぐ)/第4章1(就学時に6年間・3年間の学校や学びの場が固定されてしまうわけではない/発達の程度、適応の状況、各教科等の学習の習得状況、自立活動の指導の状況、交流及び共同学習の実施時間数の状況等を勘案/合意形成が図られた後、最終的には市区町村教育委員会が変更を決定)/第4章4(継続的な教育相談は保護者を説得するためのものではなく子供の成長を確認し喜び合うもの/転学の検討は在籍する校長の思料により開始される)/第4章5(1)(2)(転学の手続の流れ)
- 障害者基本法(昭和45年法律第84号)/e-Gov法令検索第16条第2項(国及び地方公共団体は、前項の目的を達成するため、障害者である児童及び生徒並びにその保護者に対し十分な情報の提供を行うとともに、可能な限りその意向を尊重しなければならない)/第16条第1項(可能な限り障害者である児童及び生徒が障害者でない児童及び生徒と共に教育を受けられるよう配慮しつつ、教育の内容及び方法の改善及び充実を図る等必要な施策を講じなければならない)
- 令和8年度 特別な支援を必要とするお子さんの就学相談・転学相談/新宿区流れ=【1】相談受付(電子申請。受付期間は令和8年4月1日〜9月30日)→【2】面接・発達検査(相談員が保護者と面接し、別室で心理士が発達検査等。持参物に母子手帳、諸検査の結果の写し、手帳の写し、医師診察記録)→【3】医師の面接(予約制・お一人30分を目安。主治医がいない場合は教育委員会が契約している医師が面接)→【4】在籍園・在籍校等訪問(相談員が訪問し、園や学校に質問用紙への記入を依頼)→【5】<b>就学支援委員会</b>(適切な教育の場について総合的に検討)→【6】保護者への連絡・相談(委員会の検討結果について保護者へ連絡。必要に応じて継続して相談)→【7】就学先の決定(入学通知書を発送)/特別支援学級・特別支援学校への就学が適当という結果になった場合の体験入級/6月に区立小・中学校特別支援学級及び新宿養護学校の学校見学会/窓口=教育支援課特別支援教育係
- 就学支援相談/杉並区相談対象=区内在住で令和9年4月に区立小学校へ就学する児童(5歳児年長クラス)から中学生の保護者/新就学の申し込みは令和8年8月31日まで、転学は令和8年11月30日まで/予約制で申し込みフォームから/特別支援教室は知的な遅れはないものの学習や生活の困りごとを抱えている子どものための通級/窓口=教育相談室
- 杉並区 就学の流れについて(令和8年5月版)杉並区教育委員会事務局 多様な学び支援課 相談事業係就学支援相談の流れ=相談申込(4月)→初回相談(申込は8月末まで)→検討部会(8月下旬〜)→合意形成(11月下旬)→就学通知(12月中旬)/新就学の図では検討部会が8月〜12月、合意形成が9月〜12月、学務課からの就学通知が12月中旬〜3月/会議体の名称は<b>入学・転学検討部会</b>/グループ面接では個別や集団で学力的側面や粗大・微細運動などの様子を観察/検討申込後に在籍園を訪問して様子を観察/「合意形成に至らない場合も、一旦は地域指定校の就学通知が発送されます。合意形成後に改めて決定した学校の就学通知が届きます」/「必要に応じて、合意形成に向けた相談や特別支援学校・特別支援学級の体験を設定します」/相談日には就学支援相談票と心理検査所見(年長になってからの検査結果が望ましい)を持参/「就学時に決定した『学びの場』は固定したものではなく、それぞれの児童生徒の発達の程度、適応の状況等を勘案しながら柔軟に転学ができるものです」/転学の希望がある場合はまず在籍校の担任・管理職へ相談/転学の時期は原則として年度の切替わり時期/10月30日までに在籍校と転学についての面談を実施し、11月30日までに転学相談ができるよう申込み/特別支援教室について「併せて総合的に検討し判定します」の記載
- よくいただく質問~Q&A(就学支援相談)/杉並区Q7(入学・転学検討部会では、校長、教員、心理職等が、在籍園や学校の担任所見・心理検査結果・医療情報・在籍園の様子などの資料、合同面接の様子〈小集団での指示理解や課題遂行と、個別での手指の操作性や学習状況等を見る〉、お子さん・保護者の意向を総合的に検討し、教育的ニーズに適した教育の場について提案する)/Q8(就学先の決定は検討部会の提案を踏まえ保護者・子どもとの合意形成を経て行われる/合意の形成がすぐには難しい場合、特別支援学校や特別支援学級〈あるいは両方〉の体験をするなどして相談を重ねる/本人・保護者の意向を最大限尊重して教育委員会が就学先を決定する/教育委員会の提案と異なる学びの場に就学したときは保護者・学校・教育委員会の3者で就学後定期的に面談を実施しフォローアップを行う)/Q9(就学後の転学は在籍校の担任等と保護者が十分に話し合い、転学が必要と判断した場合に転学相談の手続を進める。通学区域が変わる転居以外の理由での転学は原則として年度の切替わり時期)
- 就学相談の流れ/練馬区4月下旬から翌年度の就学に向けた相談を開始/2つの機関を設置=(1)<b>就学相談委員会</b>(学校長、特別支援学級担任、指導主事等で構成。面談や行動観察、発達検査、就学相談会などを行い就学先を提案)(2)<b>特別支援教育支援委員会</b>(教育長からの諮問を受け就学相談の運営方針を検討し、就学相談の結果に基づき一人一人にとっての適正な教育措置を教育長に答申。医師、教職員、指導主事、保育園長・保育士などの福祉関係職員、専門相談員、教育委員会事務局職員等で構成)/流れ=(1)受付→(2)就学面談〈発達検査・保護者面談・園や在籍校への日常の様子の確認〉→(3)就学相談会〈集団行動や運動面での観察、練馬区立小中学校の校長との面談〉→(4)就学相談結果のお知らせ〈必要に応じて特別支援学級や都立特別支援学校の見学や体験〉→(5)就学先の決定〈入級決定通知書を送付〉/「保護者のお考えと違う結果の時には、相談を継続し、各種資料に基づいて、保護者と十分話し合いを重ね、就学先を決めていきます」/窓口=教育振興部 教育福祉課 就学相談係
- お子さんのよりよい就学のために就学相談を行います/中野区受付期間=小学校就学は11月末まで、中学校就学は9月末まで/相談の流れ=1申込み→2通園先への資料作成依頼(幼稚園・保育園・療育施設に就学相談資料の作成を依頼)→3通園先でのお子さんの様子観察(就学相談専門員が訪問)→4初回面談(保護者と1時間程度)→5知能検査、医学相談等→6合同面接(小集団での活動を通して様子を把握)→7<b>就学支援会議</b>、就学先の提案→8体験入学・体験入級→9就学先の決定/「申込みから就学先の決定までに、目安として3〜5ヶ月程度かかります」/医師診察記録は特別支援学校への就学を希望している、またはその可能性がある場合に提出を依頼/窓口=子ども・若者支援センター 学務課 特別支援教育係
※上記の出典は2026年9月7日に閲覧して内容を確認しました。各団体の記載は更新される場合があります。最新の情報は各サイトでご確認ください。
よくあるご質問
「判定」という言葉は、正式なものですか?
就学先の決め方を定めている学校教育法にも学校教育法施行令にも、「判定」という語は出てきません。条文が使っているのは「認める」「意見を聴く」「通知する」「指定する」「思料する」といった言葉です。「判定」は実務で使われている言い方で、多くの場合は教育委員会に置かれた会議体の検討結果を指しています。会議体の提案なのか、教育委員会の決定なのか、入学期日の通知なのか——段階を確かめると、その先にできることが見えてきます。
結局、誰が決めるのですか?
市区町村の教育委員会です。文部科学省の手引は「就学先を決定するのは、教育支援委員会等ではなく、あくまでも市区町村教育委員会であることに留意することが必要である」と明記しています。会議体(就学支援委員会・検討部会などの呼び名は自治体で違います)は、専門家の意見を出し、総合的な判断に資する助言と提案をする場です。
知能検査の数値で決まるのですか?
条文はそうなっていません。学校教育法施行令 第5条第1項は、①障害の状態 ②教育上必要な支援の内容 ③地域における教育の体制の整備の状況 ④その他の事情の4つを勘案するとしています。検査は①の一部です。文部科学省の通知も、知的障害についての判断は知的機能と適応機能の両面から、標準化された知能検査等に加え、適応機能の状態についての調査や本人の発達に影響がある環境の分析等を行ったうえで総合的に行うこととしています。
診断がないと、支援のある学びの場は選べませんか?
文部科学省の通知(25文科初第756号)は、通級による指導の対象とするか否かの判断について「医学的な診断の有無のみにとらわれることのないよう留意し、総合的な見地から判断すること」と述べています。特別支援学級についても、判断は教員等による観察・検査、専門医による診断等に基づき教育学・医学・心理学等の観点から総合的かつ慎重に行うこととされています。ただし自治体によっては医師診察記録の提出を求める運用があるので(新宿区は主治医がいない場合に教育委員会が契約している医師が面接します)、お住まいの案内をご確認ください。
保護者の意見は、どの段階で聞かれますか?
通知を出そうとする前です。学校教育法施行令 第18条の2は、入学期日の通知(第5条)や都道府県教育委員会への通知(第11条第1項)を「しようとするときは、その保護者及び……専門的知識を有する者の意見を聴くものとする」と定めています。さらに25文科初第655号は、この意見聴取を認定特別支援学校就学者に当たるかどうかを判断する前に十分な時間的余裕をもって行うものとし、保護者の意見については可能な限りその意向を尊重しなければならない、としています。
希望と結果が食い違ったら、どうなりますか?
そこで手続きが終わるわけではありません。文部科学省の手引は、意見が一致しない場合の手立てとして、調整のプロセスをあらかじめ示しておくこと、市区町村教育委員会以外の者による判断の妥当性の評価、都道府県教育委員会の教育支援委員会等に第三者的な有識者(法律の専門家等を含む)を加えた調整の場、行政不服審査制度も含めた異議申し立ての制度についての情報提供、体験入学の後にもう一度検討の場をもつことを挙げています。杉並区も「合意の形成がすぐには難しい場合、特別支援学校や特別支援学級の体験をするなどして相談を重ねます」と案内しています。
就学通知が届いたら、もう変えられないのですか?
そうとは限りません。文部科学省の手引は、就学通知の段階で合意形成がなされていない場合について、「通知を行いつつも、その後の……合意形成や、意見の調整の場における検討を踏まえた就学先の変更が行われることがあり得ることを説明しつつ、手続きを執り行うことが重要である」としています。杉並区の資料も「合意形成に至らない場合も、一旦は地域指定校の就学通知が発送されます。合意形成後に改めて決定した学校の就学通知が届きます」と書いています。また指定された小中学校の変更は、施行令 第8条により保護者の申立てによって行われる道があります。
入学したあとで学びの場を変えるには、どこに言えばよいですか?
まずは在籍する学校です。学校教育法施行令 第6条の3・第12条の2は、転学の検討が在学する学校の校長の「思料」から始まる形になっています。杉並区も「転学の希望がある場合、まずは在籍校の担任、管理職へ相談してください」と案内しています。時期は原則として年度の切替わりで、杉並区は10月30日までに在籍校と面談、11月30日までに転学相談の申込みという目安を示しています。なお転学に係る通知のときも、施行令 第18条の2により保護者及び専門家の意見を聴くこととされています。
この記事について:本記事は、子育て・発達に関する一般的な情報の提供を目的としています。内容は学会・職能団体・国の機関が公開している情報にもとづいてまとめていますが、お子さまの発達には個人差があり、すべてのお子さまに当てはまるものではありません。診断や治療に関する判断は、医師などの専門機関にご相談ください。
お子さまのこと、専門スタッフに相談してみませんか
のびのび発達ラボを運営する児童発達支援てらぴぁぽけっと早稲田教室(東京都新宿区・早稲田駅徒歩1分)には、言語聴覚士・公認心理師・精神保健福祉士・保育士など多職種の専門スタッフが在籍しています。見学・ご相談は、診断の有無に関わらず承ります。