ポイントのまとめ
まず事業所に「誰が次の担当か」「今の関わり方と子どもの様子を新しい先生へどう伝えるか」「慣れるまでの期間と会い方をどうするか」の3点を、日付を決めて聞いてください。公式資料に決まりが見当たらない点は事業所に確認し、答えは連絡ノートや書面に残してもらいましょう。
先生の交代そのものについての決まりは、確かめた範囲では見当たりません。そのため、国の児童発達支援ガイドライン(令和6年7月)に書かれている「保護者との情報共有」「計画の説明」「見直し」「苦情窓口」を手がかりに、事業所へ確認する項目を作ります。放課後等デイサービスなど別の種類のサービスを使っている場合は、事業所に確認してください。
表:公式に書いてあることと、事業所に確認すること
| 項目 | 公式資料に書いてあること | 事業所に確認すること |
|---|---|---|
| 子どもの様子の共有 | 職員は、日頃からこどもの状況を保護者と伝え合い、発達の状況や発達上のニーズについて共通理解を持つことが重要とされています(ガイドライン50頁)。 | 新しい先生へ、どの内容を、いつまでに、誰が伝えるか |
| 連絡ノート | 気になること等について、連絡ノート等を通じて保護者と共有することが必要とされています(ガイドライン50頁)。 | 交代の日と、新しい先生の関わり方をノートに書いてもらえるか |
| 計画の説明 | 児童発達支援管理責任者は、計画の内容について、その作成時、変更時にこどもと保護者に丁寧に説明を行う必要があるとされています(ガイドライン50頁)。 | 先生の交代で計画が変わるか。変わる場合の説明の日 |
| 状態や家庭状況の変化 | 変化があった場合には、6か月を待たずしてモニタリングを行う必要があるとされています(ガイドライン36頁)。 | 交代後に様子を見直す日をいつにするか |
| 苦情の窓口 | 苦情受付窓口をこどもや家族に周知するとされています(ガイドライン51頁)。 | 窓口の名前と連絡先 |
| 引き継ぎ | 保育所等に移行するなど他の機関・団体に支援を引き継ぐ場合の記述があります(ガイドライン36頁)。 | 事業所の中で担当が代わるときの引き継ぎの進め方と期間 |
最後の行の引き継ぎは、保育所等への移行など、他の機関・団体に支援を引き継ぐ場合の記述です。同じ事業所の中で先生が代わる場合に当てはまるかどうかは、事業所に確認してください。
出典:[1]。
人が変わるのが苦手なお子さんには、「いつ、誰に、何を伝えるか」が見えると、保護者も家で準備しやすいかもしれません。次の順に聞いてみましょう。聞いた日と答えた人は、手元に残します。
これらのうち、公式資料で答えが決まっているものは多くありません。事業所の答えを聞いて、納得できない点や、答えがあいまいな点が残った場合は、日付を入れて「いつまでに教えてください」とお願いします。
ガイドラインには、事業所等は障害のあるこどもや保護者と対話を重ね、必要な対応はどのようなものがあるか、などについて検討していくことが重要である、と書かれています(ガイドライン9頁)。「お願い」だけでなく「一緒に考えたい」と伝える方法もあります。
出典:[1]。
先生が辞める前に、保護者の側でも、お子さんの様子をA4一枚にまとめておくと、新しい先生に渡せます。事業所が持っている記録とは別に、家庭で見ている様子を書くのが目的です。
表:家庭で作る引き継ぎメモ
| 書く項目 | 書き方の例 | 書いた日 |
|---|---|---|
| 落ち着く関わり方 | 前もって予定を見せてから始める、声のかけ方、好きな遊び | __ |
| 苦手なこと | 急な変更、大きな音、初めての人が近くに来ること | __ |
| 不安が出たときのサイン | 表情、動き、声、通所前の様子 | __ |
| 家で効いたこと | 落ち着いた場面と、そのときの声かけ | __ |
| 保護者が知りたいこと | 交代後の最初の数回の様子を連絡ノートで知りたい | __ |
ガイドラインには、発達障害のあるこどもに対しては、予定等の見通しをわかりやすくすることや、感覚の特性に留意し、安心できる環境づくりが必要と書かれています(ガイドライン24頁)。メモの最初の項目に「予定の見せ方」を入れておくと、新しい先生にも伝わりやすくなります。
メモを事業所に渡すかどうか、どの職員が読むかは、事業所に確認してください。個人の情報が書かれた紙を渡すときは、渡す相手と日付を控えておきましょう。
出典:[1]。
電話で話す順番の例です。「困っていること」「お願いしたいこと」「いつまでに」の3つです。
「担当の先生が辞めると聞きました。うちの子は人が変わるのが苦手なので、新しい先生への引き継ぎと、慣れるための時間について相談したいです。交代までに、お話しする時間をいただけますか。」
「○月○日で担当が変わると伺いました。次の担当の先生のお名前と、引き継ぎの方法を教えてください。家での様子をまとめたメモを渡したいので、渡し方も教えてください。」
「新しい先生との最初の数回の様子を、ノートで教えてください。家では○○がありました。気になる様子があれば、すぐに連絡をお願いします。」
ガイドラインには、気がかりな様子を見せる時は、その原因や背景を考える必要がある、とあります(ガイドライン25頁)。交代後の様子の変化は、保護者から先に知らせると、原因を一緒に考える材料になります。
出典:[1]。
ガイドラインは、児童発達支援計画について、こどもや保護者に計画を示しながら説明を行い、こどもや家族の支援として必要な内容になっているかについて同意を得ることが必要としています(ガイドライン35頁)。また、支援内容については「いつ」「どこで」「誰が」「どのように」「どのくらい」支援するかということが、児童発達支援計画において常に明確になっていることが必要である、と書かれています(ガイドライン35頁)。
先生が代わると「誰が」が変わります。計画の書き方が変わるかどうかは、事業所に確認します。
モニタリングは、児童発達支援計画について、概ね6か月に1回以上行うことになっていますが、こどもの状態や家庭状況等に変化があった場合には、6か月を待たずしてモニタリングを行う必要があるとされています(ガイドライン36頁)。先生の交代で、お子さんの様子や通所の様子に変化が出たときは、次の回を待たずに事業所へ伝え、見直しの日を決めてもらいましょう。
表:交代後の記録表
| 通所日 | 通所前の様子 | 事業所の連絡ノート | 家での様子 | 事業所へ伝えること |
|---|---|---|---|---|
| _月_日 | __ | __ | __ | __ |
| _月_日 | __ | __ | __ | __ |
| _月_日 | __ | __ | __ | __ |
慣れるまでの期間は、事業所が一律に決めているのか、お子さんごとに決めるのか、確かめた公式資料には見当たりません。事業所に「何回目の通所で様子を一緒に振り返れますか」と聞いてみてください。
出典:[1]。
新宿区の手引には、サービス等利用計画案は相談支援事業所が作成すること、相談支援事業所はサービス等担当者会議を開き、サービス提供事業者と連絡調整を行うこと、定期的に見直しし、必要に応じて計画内容の変更等を行うことが書かれています(手引39頁)。
新宿区のサービス等利用計画・障害児支援利用計画のページには、これらの計画は相談支援専門員が作成し、相談支援専門員は各サービスの提供事業所と連携を取り、計画したとおりサービスが利用できるよう支援する、と書かれています。
相談支援専門員がついている場合は、先生の交代を伝えて、事業所との連絡調整を頼めるかを聞きます。ガイドラインにも、モニタリング時に障害児相談支援事業所と相互連携を図りながら情報共有を行うことが重要と書かれています(ガイドライン36頁)。
セルフプランを出している場合は、手引に、サービス等担当者会議は「セルフプランを選択した場合は行いません」、モニタリングは「セルフプランを選択した場合には不要です」と書かれています(手引39頁)。この場合は、事業所とのやり取りを保護者が自分で整理することになります。どこまで区に相談できるかは、区に確認してください。
このページの内容の問い合わせ先として、サービス等利用計画・障害児支援利用計画のページに新宿区基幹相談支援センター(電話03-5273-4302)が載っています。
子ども総合センター 児童発達支援センター「あいあい」には、発達の不安や心配について、専門スタッフが電話で相談を受けつけているとあります。
あいあいのページには、ペアレントメンターの定例相談会(あいあいおしゃべりROOM)もあります。研修を受けた方が新宿区ペアレントメンターとして活動しており、不安や心配を抱える保護者の話を伺うとあります。費用は無料、申込みは電話で、申込時間は月〜金の午前9時〜午後5時です。保護者自身の気持ちの相談先を探すときは、日程や内容をあいあいに電話で確かめてください。
新宿区の手引には、相談及び申請窓口として、身体・知的の障害者・障害児の方は障害者福祉課支援係(区役所2階)、電話03-5273-4583、精神障害者・障害児の方は各保健センター、障害者福祉課支援係、難病の方も各保健センター、障害者福祉課支援係と載っています(手引39頁)。お子さんにどの窓口が当てはまるか、また先生の交代は事業所の中の話なので区で何を相談できるかは、区に確認してください。
区役所の窓口時間は、午前8時30分から午後5時で、火曜日は一部の窓口で午後7時までです。休みは土曜日・日曜日・祝日・12月29日から1月3日です。どの窓口が午後7時までかは、区に確認してください。
ガイドラインには、設置者・管理者は、苦情受付窓口について、こどもや家族に周知するとあります(ガイドライン51頁)。まず、事業所の苦情を受け付ける窓口を、事業所に聞きましょう。
またガイドラインは、利用申込時に、支援の内容、人員体制(資格等)、利用者負担、苦情解決の手順、緊急時の連絡体制等の重要事項について、文書化の上、対面で説明する、としています(ガイドライン50頁)。契約時にもらった書類を見直して、苦情解決の手順や人員体制がどう書かれているかを確かめます。
確認の流れの例は次のとおりです。
区が事業所に何ができるかは、公式のページに書かれている範囲でしか確かめられません。区に相談するときは、「事業所に確認したこと」「答えが得られなかったこと」を整理して伝えます。
出典:[1]。
最後の勤務日、次の担当、新しい先生への引き継ぎの方法、一緒に過ごす日を作ってもらえるか、交代後の様子の知らせ方を聞いてください。聞いた日と答えた人は記録します。
確かめた区・国の資料には、同じ事業所の中で先生が代わるときの引き継ぎの決まりは見当たりません。ガイドラインには保育所等への移行など他の機関・団体に支援を引き継ぐ場合の記述があります(ガイドライン36頁)。同じ事業所の中の引き継ぎは、事業所に確認してください。
期間の決まりは、確かめた公式資料には見当たりません。事業所に、何回目の通所で様子を一緒に振り返れるかを聞き、日付を決めてもらいましょう。変化があったときは、概ね6か月に1回以上のモニタリングを待たずに行う必要があるとされています(ガイドライン36頁)。
計画が変わるかどうかは、事業所に確認してください。ガイドラインには、児童発達支援管理責任者が計画の作成時、変更時にこどもと保護者に丁寧に説明を行う必要があると書かれています(ガイドライン50頁)。
発達の不安はあいあい(03-6273-8701)の電話相談があります。申請の窓口は、手引では障害の種類で分けて載っています。当てはまる窓口は区に確認してください。相談支援専門員がいる場合は、状況を伝えて事業所との連絡調整を相談します。
制度の内容と受付時間は次の公式資料で確かめられます。
[1]:こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」(令和6年7月)。9、24、25、35、36、50、51頁。
[2]:新宿区「障害者福祉の手引」。39頁。
[3]:新宿区「子ども総合センター 児童発達支援センター 愛称あいあい」。
[4]:新宿区「サービス等利用計画・障害児支援利用計画について」。
[5]:新宿区「受付時間」。
確認日2026-10-13。
環境調整とは?——国のガイドラインは「行わなければならない」と書いています
モニタリングとは?——省令は「少なくとも六月に一回以上」と定めています
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