ポイントのまとめ
「できることを増やす」は、どんな場面で、どんな手助けがあれば、週に何回できるかに言い換えて記録し、計画の見直しの場でその記録を見ながら話し合います。
最初に確かめるのは、事業所が作った「計画書」に何と書いてあるかです。
児童発達支援の国の運営基準では、児童発達支援管理責任者が児童発達支援計画の原案を作成することとされ、記載する項目として「総合的な支援目標及びその達成時期」「生活全般の質を向上させるための課題」などが挙げられています。出典:厚生労働省令「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準」第27条第4項。
つまり、児童発達支援の計画の原案には、支援目標とその達成時期を記載するとされています。口頭で聞く「増やしましょう」だけでなく、計画書の文言で、いつまでに何を目指しているのかを確かめます。
通っている事業所が、この基準の対象かどうかは、事業所に確認してください。放課後等デイサービスの事業所の場合も、同じ扱いかどうかを事業所に聞いてください。
表:あいまいな目標を、聞き返す言葉に変える
| 今の書き方(例) | 事業所へ聞き返す言葉 | 家庭のメモに書くこと |
|---|---|---|
| できることを増やす | 「どの場面の、どの行動が増えることですか」 | 場面__/行動__ |
| 身辺自立を進める | 「今は何を手伝い、どこまで本人がしますか」 | 手伝う部分__/本人がする部分__ |
| 集団に慣れる | 「何人の、どんな活動で、何分ほどを想定していますか」 | 人数__/活動__/時間__ |
| ことばを増やす | 「どんな時に、どんな伝え方を目指しますか」 | 伝える場面__/伝え方(ことば・指さし・カード)__ |
| いつまでに | 「達成時期はいつの見直しですか」 | 見直し予定月__ |
前提:左の列は例です。実際の計画書に書かれた言葉を、そのまま左に写してください。
聞き返す言葉は、事業所を責めるためではなく、家庭と事業所が同じ場面を思い浮かべるためのものです。
出典:[3]。
変化は「できた・できない」の二択では見えにくいものです。次の4つを決めると、小さな前進も記録に残ります。
表:目標の言い換えの例(家庭での記入用)
| 項目 | 書き方の例 | 自分の家庭の記入欄 |
|---|---|---|
| 場面 | 朝、園に行く前の着替え | ____ |
| 今の手助け | ボタン以外は声かけ、ボタンは手を添える | ____ |
| 次の段階 | ボタンも声かけだけで、週に3回できる | ____ |
| いつまでに | 次の計画の見直しまで | ____ |
前提:上の例は記録の書き方を示すためのものです。お子さんに合う目標は、事業所の担当者と相談して決めてください。
数字は、お子さんを評価するためではなく、手助けの量が変わったかを見るために使います。
「昨日できたのに今日はできない」という日があっても、1回の結果で判断せず、1週間や1か月の流れで見ます。
出典:[3]。
毎日長く書く必要はありません。続けられる軽さにして、1行のメモを残します。
表:1週間の記録表(コピーして使えます)
| 日付 | 場面 | きっかけ(声かけ・環境) | 本人の様子 | 手助けの量 |
|---|---|---|---|---|
| _/_ | ____ | ____ | ____ | 全部/声かけ/見守り |
| _/_ | ____ | ____ | ____ | 全部/声かけ/見守り |
| _/_ | ____ | ____ | ____ | 全部/声かけ/見守り |
記録のコツは次のとおりです。
写真や動画を残す場合は、事業所や園の撮影のルールを先に確認してください。
記録の項目は、事業所の計画書にある目標の場面に合わせて選んでください。項目の数が多いと続きません。
児童発達支援の国の運営基準では、児童発達支援管理責任者は児童発達支援計画の作成後、その実施状況の把握を行うとともに、障害児について解決すべき課題を把握し、少なくとも六月に一回以上、児童発達支援計画の見直しを行うとあります。出典:同省令第27条第8項。
さらに、モニタリングでは保護者との連絡を継続的に行い、特段の事情がない限り、定期的に保護者と障害児に面接すること、定期的にモニタリングの結果を記録することが定められています。出典:同省令第27条第9項。
見直しの時期は事業所に確認し、日付を手帳に書いておくと準備しやすくなります。
これとは別に、相談支援事業所が作る「障害児支援利用計画」にも見直しがあります。新宿区の手引は、継続障害児支援利用援助(モニタリング)を「障害児支援利用計画が適切かどうかを一定期間ごとに確認し、障害児支援利用計画の見直しを行います」と案内しています。出典:新宿区「障害者福祉の手引(令和8年版)」第6章 障害児相談支援の表。
新宿区の公式ページも、サービス利用開始後に一定期間ごとに計画の見直しをすること(モニタリング)が義務付けられていると書いています。出典:新宿区「サービス等利用計画・障害児支援利用計画について」。
表:話し合いの場の違い
| 話し合いの場 | 主な中身 | 家庭が持っていくもの |
|---|---|---|
| 事業所の計画の見直し | 支援目標、達成時期、支援の具体的内容 | 家庭の記録、困りごとの優先順位 |
| 相談支援のモニタリング | 利用しているサービス全体が合っているか | 通う回数や曜日の希望、園・学校の状況 |
| 園・学校との情報交換 | 集団の中での様子 | 家庭で効果のあった声かけ |
前提:頻度や日程は事業所や相談支援事業所で異なります。相談支援のモニタリングの頻度は、相談支援事業所に確認してください。セルフプランの場合の見直し方は、区に確認してください。
限られた時間でも整理して話せるよう、次の順番を用意しておきます。
児童発達支援の運営基準では、児童発達支援管理責任者は、通所給付決定保護者及び障害児に対し、計画について説明し、文書によりその同意を得なければならないとされています。計画を作成した際には、指定障害児相談支援を提供する者に交付しなければならないともあります。出典:同省令第27条第6項、第7項。
計画の変更についても、同条第10項で、第2項から第7項までの規定が準用されるとあります。変更の際も、説明と同意が行われます。
同意の前に内容を確かめたい時は、その旨を事業所に伝え、進め方を事業所と区に確認してください。
出典:[3]。
電話や連絡帳で話す時の言い方の例です。そのまま使えます。
表:伝え方の例文
| 目的 | 例文 |
|---|---|
| 計画書を見たい | 「現在の計画書の支援目標と達成時期を、もう一度見せていただけますか」 |
| 見直しの日を知りたい | 「次の計画の見直しは、いつ頃の予定ですか。その前に家庭の記録を持って相談したいです」 |
| 目標を具体的にしたい | 「『できることを増やす』を、場面と手助けの量で言い換えて、一緒に書き直したいです」 |
| 家庭の様子を共有したい | 「朝の着替えで、この1か月に声かけだけでできた回数を記録しました。見ていただけますか」 |
| 変化がわからない | 「事業所で見ている変化を、場面と回数で教えていただけますか」 |
面接の予約が必要か、時間はどのくらいか、きょうだいの同席は可能かなどは、事業所に確認してください。
次の点を順に確認します。
それでも不安が残る時は、事業所の担当者にまず相談し、必要に応じて相談支援専門員にも伝えます。
新宿区の公式ページによれば、相談支援専門員は各サービスの提供事業所と連携を取り、計画したとおりサービスが利用できるよう支援します。出典:新宿区「サービス等利用計画・障害児支援利用計画について」。
このページの内容についての問い合わせ先は、新宿区基幹相談支援センター03-5273-4302です。計画の作成者をセルフプランにするか相談支援専門員にするかの選び方は、区に確認してください。出典:同ページ。
事業所を変えたい、通う回数を変えたいといった場合の手続きの細目は、区の障害者福祉課支援係(03-5273-4583)に確認してください。
就学を考える時期には、療育での記録と目標の流れが、学びの場を考える材料になります。
新宿区の教育支援課特別支援教育係は、お子さんの心身の状態や発達段階、障害の特性などに応じて適切な教育を受けられるよう、就学相談・転学相談を行っています。電話は03-3232-3074、受付は月曜~金曜(祝日を除く)午前8時30分~午後5時です。
令和8年度の就学相談は、令和9年4月に小・中学校へ入学予定のお子さんの保護者が対象で、受付期間は令和8年4月1日~9月30日と案内されています。令和9年度以降の受付時期は、教育支援課に確認してください。
就学相談で、療育の記録が必要になるかどうかは、教育支援課に確認してください。
出典:[7]。
表:相談先と電話
| 相談したいこと | 窓口 | 電話 |
|---|---|---|
| 受給者証・通所サービスの申請手続 | 障害者福祉課 支援係(区役所2階) | 03-5273-4583 |
| サービス等利用計画・障害児支援利用計画のページの問い合わせ | 新宿区基幹相談支援センター | 03-5273-4302 |
| 発達の相談・サービス利用相談 | 子ども総合センター 児童発達支援センター「あいあい」 | 03-6273-8701(専用) |
| 就学相談・転学相談 | 教育支援課 特別支援教育係 | 03-3232-3074 |
区役所の窓口時間は午前8時30分から午後5時(火曜日は一部の窓口で午後7時まで)で、お休みは土曜日・日曜日・祝日・12月29日から1月3日です。出典:新宿区「受付時間」。
あいあいの発達相談・サービス利用相談は、電話での発達相談の内容によって、後日来所での相談・サービス利用相談等の案内があり、来所での相談は予約制です。
あいあいのページには、5領域(「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」)が載っています。支援目標を考える時の分け方の参考になります。
あいあいのページには、セルフプラン(児童発達支援)の書き方見本も案内されています。
まず通っている事業所の担当者に、計画書の支援目標と達成時期を見せてもらいます。児童発達支援の運営基準は、計画の原案に支援目標とその達成時期を記載することを定めています。言い換えたい時は、場面・手助けの量・回数・時期の4つで一緒に書き直します。計画の作り方や進め方は、障害者福祉課支援係03-5273-4583か事業所に確認してください。
期間の決まりは公式資料に見当たりません。次の計画の見直しの前後を目安に、事業所へ「どのくらいの期間、どの場面を記録すればよいですか」と聞いてください。児童発達支援の運営基準は、見直しを少なくとも六月に一回以上としています。
出典:[3]。
児童発達支援の運営基準は、特段の事情のない限り、定期的に保護者と障害児に面接することと定めています。日程や方法は事業所ごとに違うため、事業所に確認してください。
出典:[3]。
公式資料には、同意しなかった場合の扱いは書かれていません。言い切らず、事業所と区に確認してください。児童発達支援の運営基準は、計画の説明をしたうえで文書による同意を得ることを定めています。
出典:[3]。
まず事業所の担当者に、計画の見直しを相談します。それでも変えたい時の手続きは、相談支援専門員または区の障害者福祉課支援係03-5273-4583に確認してください。
制度の対象と数字、窓口は次の公式資料で確かめられます。確認日2026-10-13。
[1]:新宿区「障害者福祉の手引(令和8年版)」第6章 6の3 障害児通所支援・障害児相談支援、6の5 サービス利用の流れ。
[2]:新宿区「サービス等利用計画・障害児支援利用計画について」。
[3]:厚生労働省令「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準」第27条(e-Gov法令検索)。
[4]:新宿区「子ども総合センター 児童発達支援センター 愛称あいあい」。
[5]:新宿区「障害児通所サービスの申請手続」。
[6]:新宿区「受付時間」。
[7]:新宿区「令和8年度 特別な支援を必要とするお子さんの就学相談・転学相談」。
モニタリングとは?事業所側と相談支援側、二つの見直しのしくみ
掲載した公式資料の閲覧日・最終確認日:2026年10月13日。
のびのび発達ラボを運営する児童発達支援てらぴぁぽけっと早稲田教室(東京都新宿区・都電早稲田駅徒歩1分)では、受給者証の申請や利用料のしくみについても、見学・ご相談の際にご案内しています。手続きが不安な段階からお声がけいただけます。見学・ご相談は、診断の有無に関わらず承ります。