ポイントのまとめ
まず、計画書の目標を一つずつ書き出し、望まない練習がどの目標のためのものかを事業所の児童発達支援管理責任者に聞いたうえで、望まない理由と代わりの希望を伝えて見直しを頼みます。国の基準には、計画の変更でも説明して文書で同意を得ると書かれています。
個別支援計画は、国の基準では「児童発達支援計画」と呼ばれています。基準の一般原則には、「通所給付決定保護者及び障害児の意向、障害児の適性、障害の特性その他の事情を踏まえた計画」を作ると書かれています。出典:[1](児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準 第3条第1項)。
取扱方針にも、保護者と子どもについての書き方があります。第26条第2項には、「障害児及び通所給付決定保護者の意思をできる限り尊重するための配慮をしなければならない」と書かれています。第26条第1項には、「指定児童発達支援の提供が漫然かつ画一的なものとならないよう配慮しなければならない」とあります。出典:[1]。
計画を作る流れは第27条に書かれています。第2項では、計画の作成にあたり「通所給付決定保護者及び障害児の希望する生活並びに課題等の把握」を行うとされています。第3項では、アセスメントに当たって「通所給付決定保護者及び障害児に面接しなければならない」とあります。第4項では、計画の原案に「通所給付決定保護者及び障害児の生活に対する意向、障害児に対する総合的な支援目標及びその達成時期」を記載するとされています。出典:[1](第27条第2項から第4項)。
第6項には、「当該児童発達支援計画について説明し、文書によりその同意を得なければならない」と書かれています。第10項には、「第二項から第七項までの規定は、第八項に規定する児童発達支援計画の変更について準用する」とあります。第6項は第2項から第7項に含まれるため、計画を変更するときも、この説明と同意の規定が準用されます。出典:[1](第27条第6項、第10項)。
ここで押さえたいのは、「意向を踏まえる」「意思をできる限り尊重する」という書き方です。条文には、保護者が望まない練習を必ず外すとは書かれていません。外す・残すの判断の細目は、条文だけでは分かりません。そのため、このページでは「理由を聞く」「希望を伝える」「見直しを頼む」という順番を中心にします。事業所が実際にどう判断するかは、事業所に確認してください。
児童発達支援ガイドライン(令和6年7月)の33頁には、「保護者のニーズとこども本人のニーズは必ずしも一致するものではないため、まずはこどものニーズを明確化していくことが求められる」と書かれています。同じ頁には、「意見を形成・表明する手助けをするなど、こども本人のニーズをしっかりと捉えられるように対応することが必要である」ともあります。出典:[2](33頁)。
34頁には、計画は「こどもや保護者の意思の尊重、こどもの最善の利益の優先考慮の観点を踏まえて作成することが必要である」と書かれています。さらに、こどもの意見とは異なる結論になる場合について、「こどもの意見とは異なる結論が導かれることはあり得るものである。その際は、こどもに対し、適切に説明することが必要である」と書かれています。出典:[2](34頁)。
この二つの文から、話し合いの前に整理しておきたいことが見えてきます。事業所が「子どものニーズ」を理由に練習を残すと説明したときは、どの場面の様子から判断したのかを具体的に聞きます。家庭から見た様子(練習の後の表情、家での言葉など)も伝えます。結論が分かれた場合の進め方は、事業所に確認してください。
面談の前に、手元の個別支援計画書を見ながら表を作ります。ガイドライン35頁には、支援内容について「いつ」「どこで」「誰が」「どのように」「どのくらい」支援するかが、計画において常に明確になっていることが必要だと書かれています。表の項目はこの5つに合わせます。出典:[2](35頁)。
表:望まない練習の整理表(コピーして書き込みます)
| 計画書の目標(番号) | 気になる練習・活動 | いつ・どこで・誰が・どのように・どのくらい | 望まない理由 | 代わりに望むこと |
|---|---|---|---|---|
| 目標__ | 練習__ | __/__/__/__/__ | □子どもが嫌がる □家庭の考えと合わない □時間や負担が大きい □目的が分からない | __ |
| 目標__ | 練習__ | __/__/__/__/__ | □子どもが嫌がる □家庭の考えと合わない □時間や負担が大きい □目的が分からない | __ |
| 目標__ | 練習__ | __/__/__/__/__ | □子どもが嫌がる □家庭の考えと合わない □時間や負担が大きい □目的が分からない | __ |
順番は次のとおりです。上から試して、解決しなければ次へ進みます。
| 順番 | 相手 | 伝えること | 記録に残すもの |
|---|---|---|---|
| 1 | 日々の担当職員 | 練習の様子と、家での様子 | 伝えた日・内容・返事 |
| 2 | 児童発達支援管理責任者 | 整理表を見せて、目標ごとの目的を聞く | 説明された目的・期間 |
| 3 | 計画の見直しの面談(モニタリング) | 変更してほしい目標と、代わりの希望 | 変更案・次の確認日 |
| 4 | 障害児相談支援事業所(利用している場合) | 事業所との話し合いの状況 | 相談した日・助言 |
| 5 | 事業所の苦情窓口 | 経過のメモ | 相談した日・窓口・返事 |
2の児童発達支援管理責任者については、基準の第27条第1項に、事業所の管理者が児童発達支援管理責任者に計画の作成に関する業務を担当させるものとすると書かれています。計画の目標の話は、この職種に伝えるのが基本です。出典:[1](第27条第1項)。
ガイドライン50頁には、「児童発達支援管理責任者は、児童発達支援計画の内容について、その作成時、変更時にこどもと保護者に対して丁寧に説明を行う必要がある」と書かれています。説明を求めることは、この文に沿った依頼です。出典:[2](50頁)。
面談では、反対の理由を並べる前に、次の質問を順に聞くと話が整理できます。答えは表のメモ欄に書き留めます。
| 聞くこと | メモ欄 |
|---|---|
| この練習は、計画書のどの目標のためのものですか | __ |
| その目標は、子どものどんな様子から決めましたか | __ |
| この練習の頻度・時間・担当は、どう決まっていますか | __ |
| 子どもは練習の間、どんな様子ですか。嫌がる場面はありますか | __ |
| 同じ目標のために、別のやり方はありますか | __ |
| この練習を変えたり減らしたりするとき、計画書はどう直しますか | __ |
| 直した計画書の説明と署名は、いつ行いますか | __ |
| 次に様子を確認するのはいつですか | __ |
基準の第27条第5項には、計画の原案について担当者等を招集して行う会議で意見を求めると書かれています。ガイドライン34頁には、会議の場にこどもと保護者を参加させることや、会議の開催前にこども本人や保護者に直接会って意見を聴くことなどが考えられると書かれています。見直しの話し合いでも、同じ機会を使って意見を伝えられるか、事業所に確認してください。出典:[1](第27条第5項)、[2](34頁)。
次の例は、そのまま読んでも使えるように書いています。子どもの名前や練習の名前は、実際のものに置き換えます。
電話で面談を頼むとき:「個別支援計画のことで相談したくて電話しました。計画書の目標の中に、家庭で気になる練習があります。児童発達支援管理責任者の方と、15分ほどお話しできる日はありますか。」
連絡帳に書くとき:「計画書の目標_番にある__の練習について、家での様子をお伝えします。(日付)の練習の後、__という様子がありました。この練習の目的と、代わりのやり方があるかを教えてください。見直しの面談をお願いしたいです。」
面談の最初に:「今日は、計画を変えてほしいというお願いだけでなく、目標の目的を教えていただきたくて来ました。まず、目標_番の練習について、説明をお願いします。」
代わりの希望を伝えるとき:「この練習はいま家庭では望んでいません。理由は__です。代わりに、__という関わり方なら家でも続けやすいです。目標の方向は一緒に考えたいので、別のやり方を提案してもらえますか。」
基準の第27条第8項には、「少なくとも六月に一回以上、児童発達支援計画の見直しを行い、必要に応じて、当該児童発達支援計画の変更を行うものとする」と書かれています。第9項には、モニタリングで「定期的に通所給付決定保護者及び障害児に面接すること」と書かれています。出典:[1](第27条第8項、第9項)。
ガイドライン36頁には、「こどもの状態や家庭状況等に変化があった場合には、6か月を待たずしてモニタリングを行う必要がある」と書かれています。望まない練習のあとで子どもの様子が変わった場合や、家庭の事情が変わった場合は、次の定期の面談まで待たずに、見直しの面談を頼む理由になります。出典:[2](36頁)。
別添1の「個別支援計画の記載のポイント」には、「支援目標や支援内容がそれぞれのこどもについて同一のものとなることは想定されないこと」「支援目標や支援内容の記載が長期にわたり同一であることは想定されないこと」と書かれています。同じ練習が長く続いているときは、これらの文を手がかりに、なぜ続けているのかを聞いてください。出典:[2](PDF57頁)。
計画を変更することになったら、次の4点を順に確認します。
| 確認すること | 根拠として書かれていること |
|---|---|
| 変更した計画の説明を受けたか | 基準 第27条第6項・第10項。ガイドライン50頁に「作成時、変更時」の説明が書かれています。 |
| 署名や同意の前に、変更点を確認したか | 基準 第27条第6項に「文書によりその同意を得なければならない」とあります。 |
| 変更した計画の写しを受け取ったか | 基準 第27条第7項に、計画を通所給付決定保護者などに交付すると書かれています。 |
| 次の確認日が決まったか | 基準 第27条第8項・第9項(見直しとモニタリング)。 |
同意の欄については、ガイドライン別添1の個別支援計画書の様式に、保護者の署名の欄として「本計画書に基づき支援の説明を受け、内容に同意しました。」という文があります。説明に納得できないうちは、署名の前に質問を続けてください。署名を保留したい場合の扱いは、事業所に確認してください。出典:[2](PDF62頁)、[1](第27条第6項、第7項)。
新宿区のページには、「サービス等利用計画」「障害児支援利用計画」は、区が指定する指定特定相談支援事業所および指定障害児相談支援事業所に配置されている専門の職員(相談支援専門員)が作成すると書かれています。相談支援専門員は、各サービスの提供事業所と連携を取り、計画したとおりサービスが利用できるよう支援すると書かれています。出典:[5]。
区の手引40頁には、障害児相談支援事業所は障害児相談支援(障害児支援利用計画の作成・モニタリングの実施)を行うと書かれています。区の「サービス等利用計画・障害児支援利用計画について」のページには、サービス利用開始後も一定期間ごとに計画の見直しをすること(モニタリング)が義務付けられていると書かれています。出典:[3](40頁)、[5]。
つまり、通っている事業所が作る個別支援計画(児童発達支援計画)と、相談支援専門員が作る障害児支援利用計画は、作る人が違います。望まない練習が入っているのが事業所の個別支援計画の目標なら、まず事業所と話します。相談支援専門員は障害児支援利用計画の作成とモニタリングを行うと書かれています。見直したい内容が計画に関わるかどうかは、相談支援専門員に確認してください。セルフプランで利用している家庭の進め方は、区の窓口に確認してください。出典:[5]。
基準の第50条第1項には、事業者は「苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講じなければならない」と書かれています。第2項には、「前項の苦情を受け付けた場合には、当該苦情の内容等を記録しなければならない」とあります。事業所に苦情窓口があるかどうか、連絡先がどこかは、事業所に確認します。出典:[1](第50条第1項、第2項)。
区の窓口のうち、サービス利用や発達の相談の入口として公式に書かれているものは次のとおりです。区の手引39頁には、サービス利用の流れの最初に「利用希望者は、新宿区又は特定相談支援事業所、障害児相談支援事業所に相談します」と書かれています。出典:[3](39頁)。
| 窓口 | 連絡先 | 相談の入口として公式に書かれていること |
|---|---|---|
| 新宿区 障害者福祉課 支援係(区役所2階) | 電話 03-5273-4583 | 手引39頁に、身体・知的の障害者・障害児の方は障害者福祉課支援係(区役所2階)と書かれています。 |
| 子ども総合センター 児童発達支援センター(愛称あいあい) | 発達相談・サービス利用相談専用 03-6273-8701 | 電話での発達相談の内容によって、後日来所での相談・サービス利用相談等の案内があり、来所での相談は予約制と書かれています。 |
区役所の受付は、「お休み 土曜日・日曜日・祝日・12月29日から1月3日」「窓口時間 午前8時30分から午後5時(火曜日は一部の窓口で午後7時まで)」と書かれています。支援係がこの火曜日の延長の窓口に当たるかどうかは、公式ページからは分かりません。電話の前に、区に確認してください。出典:[4]。
区の窓口が、事業所に対してどこまで指導できるのか(計画を直させることができるのか)は、今回確認した公式ページには書かれていません。区に相談するときは、「事業所との話し合いの経過を伝えて、相談できる先を教えてほしい」と聞いてください。事業所との不一致の相談を区が受けるかどうかも、公式ページには書かれていません。区の窓口の権限や対応の範囲は、区に確認してください。
新宿区基幹相談支援センターの電話 03-5273-4302 は、区の「サービス等利用計画・障害児支援利用計画について」のページに書かれた、そのページの内容についての問い合わせ先です。出典:[5]。
国の基準には、計画に保護者と子どもの意向を踏まえること、意思をできる限り尊重するための配慮をすることが書かれています。外す義務までは確かめられませんでした。事業所に、目標の目的と代わりの方法を聞いたうえで、見直しを頼んでください。出典:[1](第3条第1項、第26条第2項)。
基準の第27条第10項に、第二項から第七項までの規定が計画の変更に準用されると書かれています。第6項には、説明して文書で同意を得ると書かれています。署名の前に、変更点の説明を受けてください。出典:[1](第27条第6項、第10項)。
基準には、少なくとも六月に一回以上、計画の見直しを行うと書かれています。ガイドラインには、子どもの状態や家庭状況等に変化があった場合は、6か月を待たずにモニタリングを行う必要があると書かれています。頼んだ後の返事の期限は、事業所に確認してください。出典:[1](第27条第8項)、[2](36頁)。
基準の第27条第2項には、子どもの年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、最善の利益が優先して考慮されるよう、適切な支援内容の検討をすると書かれています。ガイドライン34頁には、子どもの意見と異なる結論になる場合は、子どもに適切に説明することが必要だと書かれています。出典:[1](第27条第2項)、[2](34頁)。
事業所の苦情窓口は基準 第50条第1項に書かれています。区の窓口(障害者福祉課支援係 03-5273-4583、あいあいの専用電話 03-6273-8701)は、サービス利用や発達の相談の入口として公式に書かれています。事業所との不一致の相談を区が受けるかどうか、区が事業所にできることは、区に確認してください。出典:[1](第50条第1項)、[3](39頁)、[6]。
制度の決まりと窓口は、次の公式資料で確かめられます(確認日 2026-10-13)。
[1]:e-Gov法令検索「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成24年厚生労働省令第15号)。第3条、第26条、第27条、第50条。
[2]:こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」(令和6年7月)。33頁、34頁、35頁、36頁、50頁、別添1(PDF57頁、62頁)。
[3]:新宿区「障害者福祉の手引」。39頁、40頁。
[4]:新宿区「受付時間」。
[5]:新宿区「サービス等利用計画・障害児支援利用計画について」。
[6]:新宿区「子ども総合センター 児童発達支援センター 愛称あいあい」。
個別支援計画は、どこを見ればよいのか——署名の前に確かめる欄と、意見の言い方
モニタリングとは?——省令は「少なくとも六月に一回以上」と定めています
のびのび発達ラボを運営する児童発達支援てらぴぁぽけっと早稲田教室(東京都新宿区・都電早稲田駅徒歩1分)では、受給者証の申請や利用料のしくみについても、見学・ご相談の際にご案内しています。手続きが不安な段階からお声がけいただけます。見学・ご相談は、診断の有無に関わらず承ります。