ポイントのまとめ
うまく話せないお子さんの希望は、計画づくりの面談や会議の前に、目の動き・表情・声・行動などの具体的な様子を保護者が伝え、計画の「利用児と家族の生活に対する意向」の欄に本人の様子として書いてもらうよう頼むことで、取り入れてもらいやすくなります。計画にどう反映されるかは事業所に確認してください。
国のガイドラインは、事業所に対し、言語化された意見だけでなく、お子さんに合ったコミュニケーション手段で思いや願いを丁寧にくみ取ることを求めています。個別支援計画は、通う事業所の児童発達支援管理責任者が作る計画です(出典[1]の32頁)。区が計画の中身にどこまで関われるかは公式ページで確認できていないため、まず事業所に伝え、困ったときに区へ相談先を確認してください。出典:[1]、[2]。
こども家庭庁の「児童発達支援ガイドライン」は、支援に当たる人が、障害の有無にかかわらず全てのこどもを意見を表明する権利の主体として認識するよう述べています。その際、言語化された意見だけでなく、こどもの特性や発達の程度に応じたコミュニケーション手段で、目の動きや顔の向き、声の出し方といった細やかな変化や行動を踏まえ、様々な形で発せられる思いや願いを丁寧にくみ取っていくことが重要だとしています。出典:[1]の8~9頁。
放課後等デイサービスガイドラインにも、同じ趣旨の記載があります。出典:[2]の8頁。
計画づくりの各段階について、ガイドラインの記載を表にまとめます。頁数は各ガイドラインの本文に印刷された頁です。
表:ガイドラインに書かれている、子どもの意見の扱い
| 段階 | ガイドラインの内容 | 頁 |
|---|---|---|
| アセスメント(状況の把握) | 保護者のニーズとこども本人のニーズは必ずしも一致しないため、まずこどものニーズを明確化していくことが求められる。意見を形成・表明する手助けをするなど、本人のニーズをしっかり捉えられるように対応する。 | [1]33頁、[2]36~37頁 |
| 計画の作成 | こどもや保護者の意思の尊重、こどもの最善の利益の優先考慮の観点を踏まえて作成する。 | [1]34頁 |
| 意見を聴く方法 | こども本人や保護者の意見を聴く方法として、会議の場にこどもと保護者を参加させること、会議の開催前にこども本人や保護者に直接会って意見を聴くことなどが考えられるとされている。 | [1]34頁、[2]37頁 |
| 説明と同意 | 計画を示しながら説明を行い、こどもや家族の支援として必要な内容になっているかについて同意を得る。 | [1]35頁、[2]38頁 |
| 見直し(モニタリング) | 概ね6か月に1回以上行う。こどもの状態や家庭状況等に変化があった場合は、6か月を待たずに行う。 | [1]36頁、[2]39頁 |
ガイドラインの7頁と8頁には、児童福祉法第1条(こどもが「主体」として尊重されること)、第2条(社会全体がこどもの意見を尊重し、その最善の利益が優先して考慮されるべきこと)と、こどもの権利条約第12条(児童の意見は、その児童の年齢及び成熟度に従って相応に考慮されるものとすること)も引かれています。出典:[1]の7~8頁。
計画に載せる項目も、ガイドラインに書かれています。「利用児と家族の生活に対する意向」を踏まえて「総合的な支援の方針」を設定し、それを受けた「長期目標」と「短期目標」を設定すると書かれています。別添1には、意向の欄は、こども本人や家族の意向を聴いた上で、家族より得た情報やこどもの発達段階や特性等を踏まえて整理して記載するとあります。出典:[1]の34頁と別添1。
新宿区の「障害者福祉の手引」39頁には、利用希望者が新宿区又は特定相談支援事業所、障害児相談支援事業所に相談すること、調査員が聞き取りを行うこと、相談支援事業所が計画案を作成し、完成した案を利用希望者が区へ提出することが書かれています。セルフプランを選択した場合の扱いも同じ頁に書かれています。出典:[3]。
区の「サービス等利用計画・障害児支援利用計画について」のページには、相談支援専門員が、心身の状況、置かれている環境、サービスの利用に関する意向その他の事情を聞いて計画を作ること、サービス利用開始後も一定期間ごとに計画の見直し(モニタリング)をすることが義務付けられていることが書かれています。出典:[4]。
これとは別に、通う事業所が作る計画が「個別支援計画」です。児童発達支援ではガイドライン上「児童発達支援計画」と呼ばれ、児童発達支援管理責任者が障害児支援利用計画における総合的な援助方針などを踏まえて作成します。出典:[1]の32頁。
表:二つの計画の違い
| 項目 | 障害児支援利用計画 | 個別支援計画 |
|---|---|---|
| 作る人 | 相談支援専門員(またはセルフプランとして保護者など) | 利用先事業所の児童発達支援管理責任者 |
| 扱う範囲 | こどもや保護者の生活全般における支援ニーズを把握し、最も適切な支援の組み合わせを検討する | 当該事業所等が提供する具体的な支援内容等について検討する |
ガイドラインは、相談支援事業所と事業所の関係を「上下の関係にはない」としています。担当者会議では、こどもや家族の意向と総合的な援助方針などを共有すると書かれています。出典:[1]の30頁、31頁。
区の窓口が、事業所の個別支援計画の中身についてどこまで関われるかは、確認できた公式ページには書かれていませんでした。計画の内容に疑問があるときは、まず事業所へ、次に区の窓口へ「どこに相談できるか」を確認してください。
面談の前に、家庭での様子を1~2週間ほど書きとめておくと、短い面談でも具体的に伝えられます。ガイドラインが例に挙げる目の動き、顔の向き、声の出し方に、家庭で気づく行動を足して、場面ごとに書きます。出典:[1]の8~9頁。
表:家庭で作る「意思のサイン」メモ
| 場面 | お子さんのサイン | 保護者が受け取った気持ち | 試した関わり |
|---|---|---|---|
| 好きな遊び・物 | 目で追う、手を伸ばす、声が高くなる__ | もっとやりたい__ | 回数、終わり方__ |
| いやな時 | 顔をそむける、体を引く、声が強くなる__ | やめたい、苦手__ | やめる、選ばせる__ |
| 安心する時 | 表情がゆるむ、近づいてくる__ | 落ち着いている__ | 場所、人、物__ |
| 疲れた時・不安な時 | 固まる、離れる、声が出なくなる__ | 休みたい__ | 休む場所、声かけ__ |
| 「やってみたい」を出す時 | 指さす、持ってくる、じっと見る__ | 挑戦したい__ | 見本、手伝い方__ |
表の「サイン」の欄は、見たままの動きを書きます。「気持ち」の欄は、保護者の受け取りだと分かるように分けます。同じ動きでも、場面や日によって意味が変わることがあります。確信が持てない箇所は「たぶん」「いつも同じではない」と添えて、事業所と一緒に確かめていくのが安全です。
写真や動画で見せたい場合は、撮影や持ち込みが可能かを、事前に事業所へ確認してください。
ガイドラインは、保護者のニーズとこども本人のニーズは必ずしも一致しないため、まずこどものニーズを明確化することを求めています。これは家庭での工夫ですが、保護者の願い(将来のこと、困りごと)と、本人のサインから見える好き・いやは、メモの中で別の欄に分けておくと、面談で混ざりにくくなります。出典:[1]の33頁。
次の順で伝えると、短い時間でも本人の様子が計画の言葉になりやすくなります。
表:「意向」欄の書き方の比較(例)
| 伝わりにくい書き方 | 伝わりやすい書き方 |
|---|---|
| 本人は話せないので、保護者の希望を記載する。 | 言葉は少ないが、好きな遊びの場面では目で追い、手を伸ばす。いやな場面では顔をそむける。保護者の願いは別に記載する。 |
| 本人は活動を楽しんでいる。 | 活動の何を楽しんでいると見えるのか(声、表情、動き)を、場面つきで記載する。 |
本人が会議に参加しにくい場合は、ガイドラインにある「会議の開催前にこども本人や保護者に直接会って意見を聴く」方法を、事業所に相談できます。出典:[1]の34頁。
電話や面談で伝える文の例です。
ガイドラインは、計画を示しながら説明し、同意を得ることを求めています。同意の前に、次の点を見てください。出典:[1]の35頁。
表:確認メモ
| 確認すること | 事業所の答え | 確認した日 |
|---|---|---|
| 意向欄に本人の様子を書く方法 | __ | __ |
| 本人に会う機会、会議の方法 | __ | __ |
| 見直しの時期と連絡先 | __ | __ |
| 計画の写しの受け取り方 | __ | __ |
ガイドラインには、別の考慮要素と比較衡量して合理的に判断した結果、こどもにとって最善とは言い難いと認められる場合には、こどもの意見とは異なる結論が導かれることはあり得ると書かれています。その際は、こどもに対し、適切に説明することが必要だとされています。出典:[1]の34頁。
希望が入らなかった場合は、理由を聞いてください。聞くことの例です。
事業所の説明に納得できないときの相談先は、区の障害者福祉課支援係など(下の窓口の節)に「どこへ相談できるか」を確認します。区が事業所に対して何をするかは、公式ページで確認できていないため、言い切れません。
ガイドラインは、こどもの状態や家庭状況等に変化があった場合、6か月を待たずにモニタリングを行う必要があるとしています。体調、環境、新しく見つけたサインがあるときは、事業所に伝えて見直しを相談できます。出典:[1]の36頁、[2]の39頁。
相談支援専門員が付いている場合は、障害児支援利用計画のモニタリングについても、一定期間ごとにこどもと家族への面談が行われるとガイドラインに書かれています。出典:[1]の32頁、[4]。
新宿区の就学相談のページには、相談員が窓口になって、保護者や本人の意向を十分にお聞きしながら、という相談の進め方が書かれています。出典:[8]。
令和8年度の受付期間は、令和8年4月1日(水)~9月30日(水)と掲載されています。期間後の申込みの扱いは、特別支援教育係に確認してください。出典:[8]。
移行支援として、通う事業所が学校等と、得意不得意、声かけのタイミング、コミュニケーション手段などを共有する取組も、ガイドラインの別添に例として挙げられています。計画づくりで、本人のサインを学校へ伝える方法を事業所に聞いてみてください。出典:[1]の別添1。
電話では、お子さんの年齢、使っているサービス、困りごとを短く伝えます。
通所サービスの申請窓口は、新宿区 障害者福祉課 支援係(区役所2階)、電話03-5273-4583です。区役所の所在地は、東京都新宿区歌舞伎町1-4-1です。出典:[3]、[5]。
区役所の窓口時間は午前8時30分から午後5時で、電話受付も同様です。お休みは土曜日・日曜日・祝日・12月29日から1月3日です。火曜日は一部の窓口で午後7時までとされているため、支援係が延長の対象かは電話で確認してください。出典:[7]。
新宿区基幹相談支援センターの電話03-5273-4302は、区のページ[4]の問い合わせ先に載っている電話番号です。出典:[4]。
子ども総合センター 児童発達支援センター「あいあい」の発達相談・サービス利用相談の専用電話は03-6273-8701です。電話相談は月~金8時30分~18時、土8時30分~17時と掲載されています。来所での相談は予約制です。出典:[6]。
あいあいでの支援プログラムを公表しているとページに書かれています。出典:[6]。
新宿区教育委員会事務局 教育支援課 特別支援教育係(新宿コズミックセンター4階)、電話03-3232-3074、月曜~金曜(祝日を除く)午前8時30分~午後5時です。出典:[8]。
表:電話の前に決めておくこと
| 項目 | メモ |
|---|---|
| 誰に相談するか(事業所/相談支援専門員/区) | __ |
| お子さんの年齢、利用サービス | __ |
| 伝えたい本人のサインを3つ | __ |
| 聞きたいこと(会議の方法、見直し時期) | __ |
| 次の連絡の日 | __ |
言葉で聞けないお子さんの場合、ガイドラインが示すのは、目の動き、顔の向き、声の出し方など、様々な形で発せられる思いや願いをくみ取る方法です。家庭のメモを渡し、事業所の職員にも日々の様子を見てもらって、すり合わせてください。出典:[1]。
ガイドラインは、保護者のニーズとこども本人のニーズは必ずしも一致しないとしています。二つを分けて計画に書いてもらえるか、違いがある理由を事業所と一緒に話せるかを、頼んでみてください。出典:[1]。
ガイドラインは、意向を踏まえて計画を作るよう求めていますが、個別の事業所への対応や区の権限については、確認できた公式ページに書かれていません。事業所に理由を聞き、区の窓口に相談先を確認してください。出典:[1]。
ガイドラインには、概ね6か月に1回以上モニタリングを行うことになっていて、こどもの状態や家庭状況等に変化があった場合には6か月を待たずに行う必要があると書かれています。実際の時期は、事業所に確認してください。出典:[1]、[2]。
区のページには、セルフプランは、相談支援専門員が作る計画に代えて、本人や身近な方、保護者が作って提出できる計画と書かれています。事業所が作る個別支援計画の扱いは、利用先に確認してください。出典:[4]。
数字・窓口・ガイドラインの記載は、次の公式資料で確かめられます。確認日2026-10-13。
[1]:こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」。7~9頁、30~36頁、別添1「個別支援計画の記載のポイント」。
[2]:こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン」。8頁、36~39頁。
[3]:新宿区「障害者福祉の手引」。39頁。
[4]:新宿区「サービス等利用計画・障害児支援利用計画について」。最終更新2026年7月1日。
[5]:新宿区「障害児通所サービスの申請手続」。
[6]:新宿区「子ども総合センター 児童発達支援センター 愛称「あいあい」」。最終更新2026年9月4日。
[7]:新宿区「受付時間」。
[8]:新宿区「令和8年度 特別な支援を必要とするお子さんの就学相談・転学相談」。最終更新2026年4月1日。
掲載した公式資料の閲覧日・最終確認日:2026年10月13日。
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