ポイントのまとめ
療育の事業所と相談するときは、お子さんが今どう気持ちを伝えているかを具体的に伝え、5領域の「言語・コミュニケーション」を含む個別支援計画の中で、絵カードやタブレットをどの場面でどう使うかを一緒に決めてもらうよう相談してください。
国の「児童発達支援ガイドライン」(令和6年7月)の21頁に、言語・コミュニケーションの支援内容として次の趣旨が書かれています。
障害の種別や程度、興味関心等に応じて、言葉によるコミュニケーションだけでなく、表情や身振り、各種の機器等を用いて意思のやりとりが行えるようにする、という支援です。
手段の選択と活用の項目には、指差し、身振り、サイン等の活用があります。機器の項目には、パソコン・タブレット等のICT機器を含む機器を適切に選択、活用し、環境の理解と意思の伝達が円滑にできるよう支援する、と書かれています。出典:[1](21頁)。
同じ趣旨は、学校に通う年齢のお子さんが使う放課後等デイサービスの「放課後等デイサービスガイドライン」にも載っています。コミュニケーション機器の活用の項目が22頁にあります。出典:[2](22頁)。
15頁には、児童発達支援で踏まえることとして「発話だけに限定されないコミュニケーション能力の向上」が挙げられています。話し言葉に限らない書き方になっています。出典:[1](15頁)。
ただし、ガイドラインは国が示す支援の内容です。お子さんが通う事業所で、どの手段を、いつから、どの頻度で使うかは書かれていません。それは事業所と相談して決める事柄です。
ガイドライン8~9頁には、こどもの意思について次のように書かれています。言語化された意見だけではなく、特性や発達の程度に応じたコミュニケーション手段により、目の動きや顔の向き、声の出し方といった細やかな変化や行動を踏まえ、様々な形で発せられる思いや願いを丁寧にくみ取っていくことが重要である、という内容です。
手段を決める前に、いまの表現を職員に見てもらい、伝えておくと相談を進めやすくなります。出典:[1](8~9頁)、[2](8頁)。
21頁の同じ項目には、話し言葉や各種の文字・記号等を用いて、相手の意図を理解したり自分の考えを伝えたりするなど、言語を受容し表出することができるよう支援する、という内容も載っています。
言葉の支援と、言葉以外の手段の支援が、同じ領域の中に並んでいます。どちらを先にするか、どの程度の割合にするかは書かれていません。事業所に「話し言葉の練習と、絵カードやタブレットを、どう組み合わせますか」と聞いてください。出典:[1](21頁)。
なお、ガイドライン24頁には、場面緘黙のあるこどもについて、指さしやカード、身振りなど言葉以外の方法でコミュニケーションを取れるよう工夫することが必要、と書かれています。これは場面緘黙の項の記載です。お子さんにこれが当てはまるかは、書かれていません。診断や見立てについては、相談先の専門スタッフに聞いてください。出典:[1](24頁)。
ガイドラインによると、児童発達支援管理責任者は、こどもや家族への面談等により、本人支援の5領域の視点等を踏まえたアセスメントを実施します。5領域の一つとして「言語・コミュニケーション」が入っています。出典:[1](33頁)。
また33頁には、保護者のニーズとこども本人のニーズは必ずしも一致するものではないため、まずはこどものニーズを明確化していくことが求められる、と書かれています。意見を形成・表明する手助けをするなど、こども本人のニーズをしっかりと捉えられるように対応することが必要、とも書かれています。
保護者の側でできる準備は、次の順番です(以下は家庭向けの整理で、ガイドラインの記載ではありません)。
出典:[1](33頁、34頁)。
表:電話や面談の前に埋める相談メモ(家庭で記入)
| 場面 | 今の伝え方 | 伝わらないとき | 事業所に聞くこと |
|---|---|---|---|
| ほしい物がある | _____ | _____ | 絵カードを使う場面にしてよいか |
| いやな時・やめたい時 | _____ | _____ | 「いや」「おわり」を伝える手段は何か |
| 体の不調・痛み | _____ | _____ | 伝える方法を決めておけるか |
| 食事・トイレ | _____ | _____ | 家と同じ手段を使えるか |
| 園や学校での場面 | _____ | _____ | 共有の方法は何か |
表は、事業所や区の様式ではなく、ご家庭用の整理メモです。右の「事業所に聞くこと」の欄は、そのまま質問になります。答えは日付とともに書き残すと、次の面談で聞き直しを減らせます。
次の文は、そのまま読めるように書いた例です。お子さんの様子に合わせて言い換えてください。
「話し言葉で気持ちを伝えるのが難しい子です。今は指さしと声で伝えていますが、伝わらずに困る場面があります。絵カードやタブレットで意思を伝える練習を、療育の中でどう考えていただけるか、相談したいです。」
「計画を作るときに、保護者の意向として『気持ちを伝える手段を増やしたい』と入れていただけますか。」
「家で使っている手段を、事業所での練習と合わせたいのですが、どう共有すればよいですか。」
ガイドライン34頁には、児童発達支援計画に「利用児と家族の生活に対する意向」「総合的な支援の方針」「長期目標」「短期目標」「支援の標準的な提供時間等」「支援目標及び具体的な支援内容等」を記載する、と書かれています。意向は、記載項目の先頭に挙げられています。出典:[1](34頁)。
ガイドライン35頁には、支援内容について「いつ」「どこで」「誰が」「どのように」「どのくらい」支援するかが、計画において常に明確になっていることが必要、と書かれています。同じ頁に、計画を示しながら説明を行い、こどもや家族の支援として必要な内容になっているかについて同意を得ることが必要、とも書かれています。出典:[1](35頁)。
50頁には、児童発達支援管理責任者は、計画の内容について、その作成時、変更時にこどもと保護者に対して丁寧に説明を行う必要がある、と書かれています。出典:[1](50頁)。
この「いつ・どこで・誰が・どのように・どのくらい」を、絵カードやタブレットに当てはめた確認の一覧です。
これらの具体的な内容は、ガイドラインには書かれていません。事業所と相談して、計画に書いてもらう項目です。
ガイドラインの別添1(PDF60頁)には、保育所等と併行利用をしている場合や就学児の場合に、併行利用先や学校等とこどもの状態や支援内容等について情報共有し、擦り合わせを行う取組が例として挙がっています。例には、得意不得意やその背景の共有、声掛けのタイミング、コミュニケーション手段等が含まれています。出典:[1](別添1 PDF60頁)。
事業所に「家庭、園、事業所で、同じ絵カードを使えるようにしたい」と伝え、共有の方法を相談してください。園や学校に誰が連絡するかは、書かれていません。事業所に確認しましょう。
令和9年4月に小・中学校へ入学予定のお子さん、または現在小・中学校に在学中で、特別支援学級または特別支援学校への転校をお考えのお子さんの学びの場については(令和8年度の案内)、新宿区教育委員会の教育支援課特別支援教育係(電話03-3232-3074、月曜~金曜(祝日を除く)午前8時30分~午後5時)が、就学相談・転学相談を行っています。この相談では、保護者や本人の意向を十分にお聞きしながら、お子さんにとってより適切な教育環境や教育内容などを一緒に考える、と書かれています。出典:[8]。
ガイドライン36頁には、児童発達支援計画は概ね6か月に1回以上モニタリングを行うことになっているが、こどもの状態や家庭状況等に変化があった場合には、6か月を待たずしてモニタリングを行う必要がある、と書かれています。出典:[1](36頁)。
見直しが必要と判断された場合は、計画の積極的な見直しを行う、とも書かれています。
見直しの面談の前に、次の記録を用意すると話を進めやすくなります。
新宿区の手引には、障害児相談支援の継続障害児支援利用援助(モニタリング)として、障害児支援利用計画が適切かどうかを一定期間ごとに確認し、見直しを行うと書かれています。出典:[3]。
区の公式ページから確かめた窓口を、役割の違いが分かるように並べます。
新宿区の公式ページには、言葉や生活面、友だちとのかかわり方等、お子さんの発達へのご不安、ご心配について、専門スタッフが電話にて相談を受けつけている、と書かれています。電話番号は03-6273-8701で、電話相談は月~金が8:30~18:00、土が8:30~17:00です。出典:[5]。
電話での発達相談の内容によって、後日来所での相談・サービス利用相談等の案内がある、と書かれています。来所での相談は予約制です。
区の公式ページには、あいあいが支援プログラムを公表していると書かれています。5領域との関連性を明確にした計画の作成と公表が、令和6年4月から求められている、という説明も載っています。「言語・コミュニケーション」の支援がどう書かれているかは、公式ページのリンク先で確認してください。
新宿区の手引には、身体・知的の障害者・障害児の方は、障害者福祉課支援係(区役所2階)で相談及び申請を受け付けている、と書かれています。電話は03-5273-4583です。出典:[3](39頁)、[4]。
手引によると、利用の流れの最初は「利用希望者は、新宿区又は特定相談支援事業所、障害児相談支援事業所に相談します。」で、サービスが必要な場合は新宿区へ申請します。
「サービス等利用計画・障害児支援利用計画について」のページには、相談支援専門員が心身の状況、置かれている環境、サービスの利用に関する意向その他の事情をお聞きし、利用するサービス等の種類や内容その他を記載する、と書かれています。このページの内容の問い合わせ先は、新宿区基幹相談支援センター03-5273-4302と書かれています。出典:[6]。
新宿区の案内では、区役所本庁舎などの窓口時間は午前8時30分から午後5時(火曜日は一部の窓口で午後7時まで)、お休みは土曜日・日曜日・祝日・12月29日から1月3日です。電話受付時間についても、窓口受付時間と同様となります、と書かれています。支援係が火曜日の午後7時まで開いている窓口に当たるかは、この案内からは分かりません。電話で確認してください。出典:[7]。
確かめた区の公式ページには、絵カードやタブレットの購入費の助成や貸出について、はっきり書かれたものは見つかりませんでした。購入を急ぐ前に、確認してください。
新宿区の手引(38頁)の地域生活支援事業の一覧には、「意思疎通支援」と「日常生活用具の給付」が載っています。意思疎通支援の内容は手話通訳、要約筆記者の派遣等で、対象者は聴覚・音声・言語機能障害者と書かれています。日常生活用具の給付は、詳細は45頁をご覧くださいとなっています。出典:[3](38頁)。
お子さんの場合に、絵カードやタブレットがこれらに当たるかは、この一覧からは確かめられません。障害者福祉課支援係(電話03-5273-4583)に、次のように聞いてください。
購入の前後どちらで申請するかは、確かめた公式ページには書かれていません。購入前に確認しましょう。
国の児童発達支援ガイドライン21頁には、言葉だけでなく表情や身振り、各種の機器等を用いて意思のやりとりが行えるようにする支援と、パソコン・タブレット等のICT機器を含む機器を適切に選択、活用する支援が書かれています。事業所で実際に使うかは、事業所に確認してください。
ガイドライン21頁には、話し言葉や各種の文字・記号等を用いて言語を受容し表出することができるよう支援する内容と、言葉によるコミュニケーションだけでなく表情や身振り、機器等を用いて意思のやりとりが行えるようにする内容が、同じ領域に書かれています。割合や進め方は書かれていません。事業所に確認してください。
確かめた国や区の公式ページには、先に購入するよう書いたものはありません。どの手段を使うかは、事業所と相談して決める事柄です。購入の前に、事業所と障害者福祉課支援係(03-5273-4583)に確認してください。
ガイドラインの別添1には、併行利用先や学校等と、コミュニケーション手段等を共有し擦り合わせる取組が例として挙がっています。園や学校がどう対応するかは書かれていません。事業所と園や学校に確認してください。令和8年度の案内では、小・中学校へ入学予定、または在学中のお子さんの相談先として、教育支援課特別支援教育係(03-3232-3074)の就学相談・転学相談が書かれています。
発達の相談は、子ども総合センター「あいあい」の発達相談・サービス利用相談専用電話03-6273-8701です。受給者証の申請や相談は、障害者福祉課支援係03-5273-4583です。すでに通っている事業所がある場合は、まず事業所に今の困りごとを伝えて相談してください。
制度の対象と数字、窓口は次の公式資料で確かめられます。
[1]:こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」(令和6年7月)。8~9頁、15頁、21頁、24頁、33~36頁、50頁、別添1 PDF60頁。
[2]:こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン」(令和6年7月)。8頁、22頁。
[3]:新宿区「障害者福祉の手引」。
[4]:新宿区「障害児通所サービスの申請手続」。
[5]:新宿区「子ども総合センター 児童発達支援センター 愛称あいあい」。
[6]:新宿区「サービス等利用計画・障害児支援利用計画について」。
[7]:新宿区「受付時間」。
[8]:新宿区「就学相談・転学相談」。
確認日2026-10-13。
のびのび発達ラボを運営する児童発達支援てらぴぁぽけっと早稲田教室(東京都新宿区・都電早稲田駅徒歩1分)では、受給者証の申請や利用料のしくみについても、見学・ご相談の際にご案内しています。手続きが不安な段階からお声がけいただけます。見学・ご相談は、診断の有無に関わらず承ります。