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引っ越しをするとき、支援はどうなるのか——転出の前にやることがあります

最終更新:2026年9月7日
受給者証の表紙を開くと、いちばん上に市区町村の名前が入っています。
これは飾りではありません。児童福祉法は、通所給付決定を「障害児の保護者の居住地の市町村が行うものとする」と定めています。決めているのは、いま住んでいる市区町村です。だから市区町村をまたいで引っ越すと、その受給者証はそのままでは使えません。ここが知られていないために、引っ越したあと通所が止まってしまう家庭があります。
けれど、これは避けられる出来事です。国が自治体向けに出している事務処理要領には「第9 転出・転入時の事務」という章があり、誰が、いつ、何をするかが順番で書かれています。その先頭にあるのは、むずかしい手続きではありません。「転出の予定が決まったら、できるだけ速やかに、いまの市区町村に連絡する」——これだけです。
この記事は、その順番を、条文と東京23区の実際の案内でたどります。

受給者証を出しているのは、いま住んでいる市区町村です

はじめに、いちばん大事なところを条文で確かめます。児童福祉法 第21条の5の5は、2つの文でできています。

条文が決めていること

第1項=障害児通所給付費等の支給を受けようとする障害児の保護者は、市町村の「通所給付決定」を受けなければならない
第2項「通所給付決定は、障害児の保護者の居住地の市町村が行うものとする。ただし、障害児の保護者が居住地を有しないとき、又は明らかでないときは、その障害児の保護者の現在地の市町村が行うものとする。」

つまり、受給者証の後ろにある決定は「住んでいる場所の市区町村がしたもの」です。ここが、引っ越しの話のすべての出発点になります。

決定をしたら、市町村は受給者証を渡します。第21条の5の7第9項は、市町村は通所給付決定をしたときは「支給量、通所給付決定の有効期間その他の内閣府令で定める事項を記載した通所受給者証」を交付しなければならないと定めています。受給者証は、決定の内容を書き写した紙です。決定そのものが動けば、紙も動きます。

「事業所を決めた市区町村」ではなく「住んでいる市区町村」です

よくある勘違いに、「通っている事業所のある市区町村が決めている」というものがあります。そうではありません。事業所の指定は都道府県知事が行うもの(第21条の5の15)で、給付を決めるのは保護者の居住地の市町村です。この2つは別の役所です。

だから、受給者証を持っていれば、住んでいる区の外にある事業所も使えます。千代田区は「障害児通所支援サービスでは、受給者証を持っていれば区外の事業所も利用可能です」と書いていますし、江東区も通所先を探す説明のなかで「江東区外の事業所もご利用できます」と案内しています。

ここが、引っ越しのときに効いてきます

いま通っている事業所が、引っ越し先から通える距離にあるなら、事業所を変えずに通い続けられる可能性があります。変わるのは、費用を出す市区町村のほうです。
「引っ越す=事業所も変える」と決めてしまう前に、まずその事業所に通い続けられるかを、転入先の窓口に確かめてください。

受給者証には「有効期間」があり、その中にいるあいだの話です

児童福祉法 第21条の5の7第8項は、通所給付決定は「内閣府令で定める期間(通所給付決定の有効期間)内に限り、その効力を有する」と定めています。その期間は、施行規則 第18条の17により1月間から12月間までの範囲内で、月を単位として市町村が定める期間です。
引っ越しの話は、この有効期間の途中で住所が変わったときにどうなるか、という話です。

同じ市区町村の中の引っ越しと、市区町村をまたぐ引っ越しは、別の手続きです

引っ越しには2種類あります。この記事でいちばん覚えて帰っていただきたいのは、この2つがまったく別の手続きだということです。

どちらの引っ越しか受給者証はどうなるか
同じ市区町村の中で住所が変わる(例:新宿区内で転居)決定した市町村は変わりません。「変わったことの届出」を出し、受給者証の居住地欄を直してもらいます。決定そのものは続きます
根拠=児童福祉法施行規則 第18条の6第7項
別の市区町村へ移る(例:新宿区から他区・他市へ)決定をした市町村は決定を取り消すことができ、受給者証の返還を求めます。転入先で新しく申請します
根拠=児童福祉法 第21条の5の9第1項第2号・第2項

同じ市区町村の中なら、届出だけで済みます

施行規則 第18条の6第7項は、通所給付決定保護者は有効期間内に氏名・居住地などに変更があったときは、届出書に通所受給者証を添えて市町村に提出しなければならないと定めています。国の事務処理要領も同じ場面を「通所給付決定に関する事項の変更の届出」として書いていて、届出を受けた市町村は「通所受給者証にその旨を記載するとともに、その者に返還しなければならない」としています。書き足す場所が足りないときは「予備欄」を活用する、という細かい指示まで入っています。

東京23区の案内も、この形です。港区は、区内で転居する場合について「受けるサービス内容は変わりませんが、受給者証の居住地欄を変更する必要がありますので、転居先の各総合支所区民課保健福祉係で手続きをお願いします」と書いています。大田区は「氏名や居住地等が変更になった場合」の様式として申請内容変更届出書を用意しています。目黒区の手引きは、利用開始後に受給者証の変更申請書等が必要になる場面のひとつとして「転居する」を挙げ、速やかに障害者支援課へ連絡するよう案内しています。

※ 同じ区の中の引っ越しでも、届出そのものは必要です。「区内だから何もしなくてよい」ではありません。住所は、受給者証の記載事項であり、負担上限月額を決める世帯の判定にも関わります。

市区町村をまたぐと、決定そのものが移ります

国の事務処理要領「第9 転出・転入時の事務」は、冒頭でこう書いています。「通所給付決定保護者が市町村の区域を越えて居住地変更(転出・転入)した場合、通所給付決定の実施主体は、転出元の市町村から転入先の市町村に変更となる。」

変わるのは実施主体、つまり決める役所そのものです。前の市区町村が出した受給者証を、新しい市区町村がそのまま引き継いで使う、というしくみにはなっていません。

取消しは、罰ではありません

児童福祉法 第21条の5の9第1項は、市町村が通所給付決定を取り消すことができる場合を4つ挙げていて、その第2号が「通所給付決定保護者が、通所給付決定の有効期間内に、当該市町村以外の市町村の区域内に居住地を有するに至つたと認めるとき」です。
これは、住む場所が変われば決める役所も変わる、という制度のつくりを言っているだけです。同じ条文の第1号(受ける必要がなくなったとき)や第3号(調査に応じないとき)とは、意味あいがまったく違います。支援が必要でなくなったという判断ではありません。

転出の前にすること——国の要領は「まず連絡」から始まります

「第9 転出・転入時の事務」は、5つの段取りでできています。順番に見ていくと、最初の2つは保護者の側から始まることがわかります。

  1. 1 事前の説明(市町村がすること) 市町村は、通所給付決定のときに、転出の予定が決まったら窓口に連絡するよう、あらかじめ説明しておくことが望ましい。要領はここに「受給者証の様式例の裏面には、その旨記載している」と注記しています
  2. 2 転出予定の連絡(保護者がすること) 「通所給付決定保護者は、転出の予定が決まった場合、できるだけ速やかに、通所給付決定を行った市町村にその旨を連絡する」
  3. 3 転出予定先市町村への情報提供(役所どうし) 転出元は、転入先の担当窓口に、実施主体が変わることを情報提供する。転入先が「転入時に速やかに通所給付決定をすることができるよう」、障害児支援利用計画や現在の決定内容を書いた書類など、渡す関係書類をあらかじめ調整しておく
  4. 4 転出時の事務 保護者は、実際に転出する何日か前までに住民基本台帳の窓口へ転出届。障害福祉の担当課は、調整しておいた関係書類を保護者に交付する。転出元は原則として転出日の翌日を取消日として決定を取り消し、受給者証の返還を求める
  5. 5 転入時の事務 保護者は転入後速やかに転入届を出し、その窓口で転出元から受け取った関係書類を添えて支給申請。転入先は「サービス利用の継続に支障が生じないよう、速やかに通所給付決定を行う」
この記事の芯は、2番です

ここまでの段取りのうち、保護者にしかできないのは2番の「連絡」だけです。
そして、2番がないと3番以降が動きません。役所どうしの情報提供も、書類の受け渡しも、転入先の事前準備も、すべて「連絡があった」ことを起点に始まる書き方になっています。
転出の前に、いまの市区町村へ連絡する。これが、支援を止めないための一点です。

連絡すると、役所の側で3つのことが動きます

転入先が、引っ越す前から動いてくれる場合があります

要領3(3)には、こう書かれています。「転入予定先市町村は、必要に応じ、あらかじめ、転入予定障害児の保護者と連絡をとり、支給申請書の事前提出や勘案事項の聴き取りなどを行う(事前に転出予定元市町村を通じて承諾を得ておく。)。」

申請書を先に出すことも、聞き取りを先に受けることも、国の文書のなかで想定されています。転入先の窓口に「引っ越す前に、できることはありますか」と尋ねてよい、ということです。

※ 事前にどこまで応じるかは、要領の書き方が「必要に応じ」であるとおり、市区町村の判断です。断られることもあります。ただ、尋ねてはいけない相談ではないということは、この一文からはっきりします。

通所給付決定が切れる日は、転出日で決まります——空白をつくらない書き方

ここが、「引っ越したら通所が止まった」の分かれ目です。要領は、取消日について2つの決め方を書き分けています。

決め方そのとき、有効期間はいつまでか
原則=転出日の翌日を取消日とする取消日の前日、つまり転出日で有効期間が終わります
例外=転出先が転出日と同じ日(転入日)から支給を行う場合は、転出日を取消日とする取消日の前日、つまり転出日の前日で終わり、同じ日から転入先の支給が始まります

要領の原文はこうです。「原則として、転出日の翌日を通所給付決定取消日とする(取消日の前日で通所給付決定の有効期間が終了)。ただし、転出先において転出日と同日(転入日)から支給を行う場合には転出日を通所給付決定取消日とする。」そして、そのあとに「いずれにしても、適宜利用者及び転出先市町村の連絡調整を行いながら、サービスの継続利用に支障がないよう留意する必要がある。」と続きます。

読み替えると、こういうことです

国の文書は、転出日と転入日をつなげて、1日も空けない形をあらかじめ用意しています。「重なる日を作らないための調整」であって、「1か月あけてください」という話ではありません。
ただし、それが自動でそうなるわけではありません。要領が「連絡調整を行いながら」と書いているとおり、つなぐには転出元と転入先の両方が、この引っ越しを知っている必要があります。だから、前の節の「連絡」が効いてきます。

では、空白の日ができたら、その間の利用はどうなるのか

通所給付決定は有効期間内に限って効力を持ちます(法 第21条の5の7第8項)。そして障害児通所給付費は、「通所給付決定保護者が、通所給付決定の有効期間内において……指定通所支援を受けたとき」に支給される、と第21条の5の3第1項に書かれています。有効期間の外の日は、この給付の対象にならない、というのが条文の読み方です。

その日をどう扱うかは、市区町村と事業所によって異なります。ここは、推測で書けるところではありません。空白ができそうだとわかった時点で、次の2か所に確かめてください。

「決定が出るまでの日数」は、区によってはっきり違います

空白をつくらないためには、転入先で決定が出るまで何日かかるかを、あらかじめ知っておく必要があります。23区の案内を並べると、幅があります。

決定・受給者証までにかかると案内している期間
目黒区「すべての必要書類が区へ提出されてから交付まで、約2週間かかります」(即日交付はしていない、とも明記)
豊島区支給が適切と認められた場合は2週間程度で自宅へ郵送
大田区支給決定から通所受給者証の送付までに1か月程度
中央区「ご相談いただいてから平均で1か月程度必要ですので、お早めにご相談ください」
千代田区「受給者証の交付まで1〜2か月かかります」

同じ東京23区でも、2週間と2か月では、動き出す時期がまったく変わります。転入先が決まったら、その区の案内でこの日数を先に見てください。それが、逆算の起点になります。

さらに、区によっては決定を出す会議の日が決まっています。江東区は「申請書受理後、月2回(第1・3木曜日)の支給会議で内容を審査します」とし、「利用開始日は会議日の翌日からとなります」「会議日の前の週の金曜日までに手続きを完了してください」と書いています。千代田区も「区の判定会議において、支給の可否や支給量を決定します」としています。会議が月2回なら、1日遅れると2週間後ろにずれることがある、ということです。

転入したあとにすること——窓口は2つ、同じ日にまわれます

転入の日にすることは、要領の5番にまとまっています。「当該障害児の保護者は、転入後速やかに、転入先市町村の住民基本台帳担当窓口に転入届を行うとともに、担当窓口において、転出元市町村から交付を受けた関係書類を添えて支給申請の手続きを行う。」

つまり、転入届(住民票の窓口)支給申請(障害福祉の窓口)の2つです。江戸川区も、他の自治体から転入した場合について「住民票の転入手続き後に、手帳や受給者証、医療証、手当、サービスのお手続きが必要となります」と、この順番で案内しています。

持っていくもの——条文が名指ししているのは、前の受給者証です

新しく申請するときの添付書類は、施行規則 第18条の6第2項が3つ挙げています。その第3号が、引っ越しにそのまま当てはまります。

施行規則 第18条の6第2項第3号

「当該申請を行う障害児の保護者が現に通所給付決定を受けている場合には、当該通所給付決定に係る通所受給者証」を添付しなければならない。

前の市区町村の受給者証は、返す前に、転入先の申請で使うことがある書類です。捨てたり、先に郵送してしまったりせず、いつ・どこへ返すのかを転出元に確かめてから動かしてください。
返還のしかたは、転出元が書面で知らせます。施行規則 第18条の24は、市町村が取消しをしたときに①取消しを行った旨 ②受給者証を返還する必要がある旨 ③返還先および返還期限の3つを書面で通知する、と定めています。返還先と期限は、その紙に書いてあります。

そのほかに、区が挙げている書類

何を求めるかは市区町村ごとに決まります。23区の案内から、実際に挙がっているものを並べます。

申請に必要と案内されている書類
中央区①療育の必要性が分かる客観的な証拠書類(障害者手帳/療育の必要性が明記された医師の診断書〈様式は問いません〉/発達検査・知能検査結果で療育の必要があると明記されているもの/支援学級通学決定通知など) ②本人および保護者のマイナンバーが分かる書類
目黒区療育の必要性が確認できる書類から1点(愛の手帳/身体障害者手帳/精神保健福祉手帳〈有効期限内〉/医療機関の診断書や医師意見書〈発行から2年以内〉発達検査の結果〈発行から2年以内〉)+申請書+障害児支援利用計画案またはセルフプラン
千代田区申請書・世帯状況収入・障害児支援利用計画案またはセルフプラン+療育の必要性があると確認できる根拠資料(療育の必要性が明記された医師の診断書または意見書/同じく明記された発達検査結果 など)
大田区療育の必要性が確認できる書類(手帳・医師診断書・医師意見書等のいずれか一つ)/世帯全員のマイナンバー確認書類/世帯主の身元確認書類
豊島区障害児通所支援申請書・世帯状況申告書・決定時調査票・現況調査票・サポート調査票(就学児)・セルフプラン(障害児相談支援を利用しない方)

面接(聞き取り)は、転入先でもう一度あります

児童福祉法 第21条の5の6第2項は、市町村は申請があったときは「当該職員をして、当該申請に係る障害児又は障害児の保護者に面接をさせ、その心身の状況、その置かれている環境その他内閣府令で定める事項について調査をさせるものとする」と定めています。新しい市区町村の決定は、新しい調査のうえに立ちます。

中央区は、この面接について「役所の窓口、家庭訪問などで面談を行うことができます。所要時間は約1時間程度です」「療育の必要な障害児および保護者からお話を伺い、5領域20項目の調査などを行います」と書いています。目黒区は「新規申請の場合は、区職員による保護者の方に対するお子様の状況等の聞き取り調査がありますので、原則窓口での申請となります」としています。

※ 練馬区は「窓口では、申請に必要な書類等のご案内をいたしますので、事前にご相談をお願いいたします」と書いています。書類をそろえてから行くのではなく、先に電話をして、何を持って行くかを聞く——これがいちばん短い道です。板橋区も新規申請について「障がいサービス課障がい児支援係へご連絡いただき、必要書類を郵送させていただきます。必要書類が揃い次第利用のための面談を行いますので、再度障がい児支援係へご連絡ください」と、連絡が先、書類はあとから届くという順番で案内しています。同区は児童通所サービスの新規・更新・変更の申請をオンラインでも受け付けており、遠方から引っ越す場合の選択肢になります。

転入の手続き一覧に、この項目が載っていない区もあります

北区は「転入時の手続き」というページで、国民健康保険・国民年金・介護保険・母子健康手帳などを一覧にしています。障害の関係では、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、自立支援医療、難病医療費助成、心身障害者医療費助成(マル障)が並びます。自立支援医療の行には「受給者証をお持ちのうえ、窓口で転入の手続きをしてください。その他手続きに必要な書類等はお問い合わせください」とあります。

一方で、この一覧に障害児通所支援(通所受給者証)の行は見当たりません。引っ越しの手続き一覧だけを見て動くと、受給者証の手続きが抜け落ちることがある、ということです。転入の一覧に載っていなくても、障害福祉の窓口には自分から連絡してください。

支給量は、そのまま引き継がれるとは限りません

ここは、正直に書きます。前の市区町村で出ていた日数が、そのまま新しい市区町村で出るとは限りません。

理由は、決めているのが市町村だからです。児童福祉法 第21条の5の7第7項は、「市町村は、通所給付決定を行う場合には、障害児通所支援の種類ごとに月を単位として……支給量を定めなければならない」としています。定めるのは市町村です。そして、何を見て定めるかは施行規則 第18条の10が9項目を挙げていて、そこには子どもの心身の状況、介護を行う者の状況、利用に関する意向、置かれている環境と並んで、第9号に「障害児通所支援の提供体制の整備の状況」が入っています。その地域にどれだけ事業所があるかまで、勘案事項です。

引き継がれるのは「数字」ではなく「材料」です

国の要領で「引き継ぐ」と書かれているのは、日数そのものではありません。書かれているのは「障害児支援利用計画、現在の通所給付決定内容を記載した書類等」を関係書類として渡す、という話です。
つまり、いままでどう決まっていたかは、新しい市区町村の判断材料として渡ります。けれど、同じ数字になることは約束されていません。

市区町村ごとに「基準」の作り方が違います

国の事務処理要領は、支給量について「全ての障害児について一律の日数を定めるのではなく、個々の障害児及び家族の支援ニーズを踏まえ、それぞれの状況に応じて個別かつ適切に定めること」としたうえで、上限の考え方として「原則として、各月の日数から8日を控除した日数(原則の日数)を上限とすること」と書いています。31日の月なら23日、30日の月なら22日、2月なら20日です。要領の本文に「23日」という数字はありません。

これを受けて、区の書き方は分かれます。

支給量について、区が公表していること
大田区「支給量基準」を表で公表=児童発達支援・放課後等デイサービス23日/月、居宅訪問型児童発達支援10日/月、保育所等訪問支援5日/月。注釈で「児童の状況により、上限を超える日数を支給決定する場合があります」「上限を超える申請をされる場合には、申請前に必ず……ご相談ください」
品川区「支給の要否および必要な支給量について区が適切に判断し、決定します」に続けて、かっこ書きで「(必ず23日支給するものではありません)」と明記
豊島区・葛飾区申請の流れの中に「事業所と利用日数を相談して決めてから申請する」という段取りを置いている(豊島区=「各事業所へ連絡・相談(利用したい事業所と日数を決める)」/葛飾区=「利用する……事業者に利用日数を相談し、決まりましたら申請書類を提出します」)

同じ「23日」という数字でも、大田区では基準として掲げられた上限、品川区ではそうとは限らないと打ち消される数字です。引っ越しで市区町村が変われば、この立て付けごと変わります。

日数が減ったら、そこで終わりではありません

希望より少ない日数で決まったときは、変更の申請という手続きがあります。児童福祉法 第21条の5の8第1項は、通所給付決定保護者は支給量などを「変更する必要があるときは」市町村に変更の申請をすることができると定めています。更新の時期を待つ必要はありません。くわしくは受給者証の支給量を増やしたいとき——変更申請という手続きにまとめています。

※ 費用のしくみも、区によって上乗せがあります。児童発達支援等の国の無償化は「満3歳になって最初の4月1日から3年間」で、それ以外は世帯の所得に応じた負担上限月額があり、上限までは費用の1割を負担します。そのうえで、中央区は「中央区民が障害児通所支援事業を利用する場合は、決定した利用者負担額にかかわらず無償で利用できます」、千代田区も区独自の助成で「原則として保護者の自己負担はありません」と案内しています。引っ越すと、この上乗せの有無も変わります。

もうひとつ、税の情報にも引っ越しは効きます。負担上限月額は住民税の所得割額で区分が決まるため、1月1日の住所地が前の自治体だと、転入先には課税の記録がありません。千代田区は負担上限月額の表の注記に「転居されて1年以内の場合は、その旨申告ください」と書いています。窓口で「いつ引っ越してきたか」を先に伝えてください。

医師の意見書や発達検査の結果は、取り直しになるのか

結論から書くと、取り直しになるかどうかは、書類の「発行日」と、転入先の区が決めている有効期限しだいです。ここは条文だけでは決まりません。

条文が言っているのは「求めることがある」までです

施行規則 第18条の6第3項は、市町村は「第18条の10第1号に掲げる事項(障害の種類及び程度その他の心身の状況)を勘案するため必要があると認めるときは、医師の診断書の提出を求めるものとする」と定めています。必ず要るとも、いつのものでよいとも書かれていません。そこは市区町村の運用です。

区によって、有効期限の書き方が違います

医師の診断書・意見書、検査結果の扱い
豊島区「医師意見書(診断書)は病院の様式でも可能。発行から3か月有効。療育が必要な旨の記載が必要です」
目黒区「医療機関の診断書や医師意見書(発行から2年以内のもの)」「発達検査の結果(発行から2年以内のもの)」
中央区「療育の必要性が明記された医師の診断書(様式は問いません)」「発達検査、知能検査結果で療育の必要があると明記されているもの」。手帳や、支援学級通学決定通知でも可
板橋区手帳等を持っている方は各手帳・医療費助成制度の受給者証、手帳等を保持していない方は「医師の診断書又は意見書」

同じ書類でも、3か月なら取り直し、2年なら手元のもので足りることになります。だから、順番はこうなります。

  1. 転入先の区のページで、療育の必要性を確かめる書類として何が認められているかを見る(手帳・診断書・意見書・発達検査結果・通学決定通知など、選択肢がいくつも並んでいることが多い)
  2. 手元の書類の発行日を確かめる
  3. 期限に足りないときだけ、かかりつけ医や検査を受けたところに、いつ受診・依頼すればよいかを先に聞く(予約から発行まで日数がかかることがあります)
  4. 同時に、転入先の窓口に「引っ越し前に取ったこの書類で足りますか」と電話で確かめる
先に確かめれば、二度手間になりません

取り直しが必要かどうかは、窓口に電話をすれば、その場で分かります。中央区・目黒区・千代田区のように、認められる書類の一覧をページに載せている区もあります。
逆に、確かめずに古い書類だけを持って行くと、面接の日をもう一度取り直すことになります。先に電話をする——ここでも、それが最短です。

障害支援区分の認定は、子どもの通所支援では使いません

大人の障害福祉サービスでは、転出のときに障害支援区分認定証明書を出してもらい、転入先に引き継ぐしくみがあります。港区も、転居の案内のなかでこの証明書にふれています。

ただし、子どもの障害児通所支援では、この区分の認定を行いません。施行規則 第18条の10が並べる9つの勘案事項に、障害支援区分は入っていないからです。「区分の証明書をもらってくれば日数が引き継がれる」という道は、子どもの通所支援には用意されていません。

通っていた事業所の記録と、相談支援事業所はどうなるのか

引っ越しで動くものは、受給者証だけではありません。ここは、2つを分けて考えると整理できます。指定を出している役所が違うからです。

どちらの事業所か指定しているのは誰か
通所支援の事業所(児童発達支援・放課後等デイサービス・保育所等訪問支援・居宅訪問型児童発達支援)都道府県知事。児童福祉法 第21条の5の15第3項は「都道府県知事は……指定障害児通所支援事業者の指定をしてはならない」という形で要件を並べています
相談支援の事業所(障害児支援利用計画をつくるところ)市町村長。児童福祉法 第24条の26第1項第1号は「市町村長が指定する障害児相談支援事業を行う者(指定障害児相談支援事業者)」と書いています

通所の事業所は、市区町村が変わっても指定は変わりません

通所支援の事業所を指定しているのは都道府県知事です。市区町村が変わっても、その事業所の指定はそのままです。前の節で見たとおり、受給者証を持っていれば区外の事業所も使えると千代田区・江東区が案内しているのも、この立て付けからです。

ですから、通える距離なら、同じ事業所に通い続けるという選択肢があります。ただし、これは制度が自動で保証するものではありません。事業所側に空きがあるか契約をどうするかは、事業所との話になります。要領も、転出の連絡を受けた市町村は「利用している事業者にも、転出の予定、サービス利用契約の継続の有無等を連絡するよう助言する」としています。

相談支援事業所は、原則として変わります

相談支援の事業所を指定するのは市町村長です。市区町村をまたぐと、前の市区町村長が指定した事業所は、新しい市区町村の指定を受けた事業所ではありません。

給付の側も、条文でそう組まれています。施行規則 第25条の26の4第1項第2号は、市町村は障害児相談支援対象保護者が「支給期間内に、当該市町村以外の市町村の区域内に居住地を有するに至つたと認めるとき」は、障害児相談支援給付費の支給を行わないことができる、と定めています。そのうえで第2項は、市町村が書面で通知し、通所受給者証の提出を求めるとしています。相談支援は、通所受給者証の上に記録されているのです。

引き継ぎたいのは「計画」そのものです

相談支援事業所が変わっても、そこで作られた障害児支援利用計画は残ります。国の要領は、転出元から転入先へ渡す関係書類の例として、まっさきに「障害児支援利用計画」を挙げています。
いま担当している相談支援専門員に、引っ越すこと計画の写しをいただけるかを、早い段階で伝えてください。

事業所が作った個別支援計画と、これまでの記録

事業所が作る計画(児童発達支援計画・放課後等デイサービス計画)は、相談支援事業所が作る利用計画とは別の書類です。この扱いについては、指定基準の省令に手がかりがあります。

省令が定めているのは「連携に努める」ところまでで、引き継ぎの様式や手順までは決まっていません。だからこそ、写しをお願いするという具体的な形にして伝えるのが確実です。計画書の見方については個別支援計画の読み方にまとめています。

※ 記録を第三者へ渡すことには、個人情報の取り扱いが関わります。国の要領も、転出元から転入先へ情報を提供する場面について「当該通所給付決定保護者の承諾を得た上で」と書いています。保護者が「渡してください」と言うこと自体が、この承諾にあたります。

園・学校の転園転校、健診、就学相談は、どちらの自治体でするのか

引っ越しの日は、受給者証だけの日ではありません。園や学校、健診の予定も同じ日に動きます。それぞれ、どちらの自治体が担当するのかを、条文で確かめておきます。

健診——1歳6か月児健診と3歳児健診は、住んでいる市町村が行います

母子保健法 第12条は、「市町村は、次に掲げる者に対し、内閣府令の定めるところにより、健康診査を行わなければならない」として、第1号に満1歳6か月を超え満2歳に達しない幼児、第2号に満3歳を超え満4歳に達しない幼児を挙げています。健診も、受給者証と同じく市町村が実施主体です。

北区は、転入時の手続き一覧に「母子健康手帳、予防接種、乳幼児健康診査」という行を置き、「最寄りの健康支援センターへご連絡ください」と案内しています。前の自治体から受診票が届いていても、転入先の様式に切り替わることがあります。案内が来るのを待たず、保健の窓口に連絡してください。

※ 母子健康手帳は、母子保健法 第16条第1項により市町村が交付するものですが、記録そのものは手帳に積み上がっています。転入の手続きのときは、手帳を持って行くとその場で話が早くなります。

保育園・幼稚園——利用の調整をするのも市町村です

児童福祉法 第24条第3項は、保育所等が不足するおそれがある場合その他必要と認められる場合には、市町村が「保育所、認定こども園……又は家庭的保育事業等の利用について調整を行う」と定めています。転園の可否や時期は、転入先の市区町村の保育の窓口が握っています。

そして、この転園の手続きと、受給者証の手続きは別々に走ります。窓口も、締切も違います。両方に同じ日付を伝えておくと、事業所の利用日と園の登園日がぶつかりません。

小学校・中学校——転入したら、教育委員会が「速やかに」通知します

学校教育法施行令 第5条第1項は、市町村の教育委員会は就学予定者の保護者に対し「翌学年の初めから二月前までに」入学期日を通知しなければならない、としています。第2項は、学校が複数ある場合に就学すべき学校を指定することを定めています。

引っ越してきた子どもについては、第6条が第5条を準用しています。第6条第1号は「学齢児童若しくは学齢生徒でその住所地の変更により当該学齢簿に新たに記載されたもの」を挙げ、この場合は「翌学年の初めから二月前までに」を「速やかに」と読み替えるとしています。2か月前ではなく、速やかに——転入した子どものために、条文の側で時間を詰めてあるわけです。

特別支援学校が関わるときは、意見を聴く手続きが入ります

学校教育法施行令 第18条の2は、市町村の教育委員会が視覚障害者等について第5条(第6条で準用する場合を含む)などの通知をしようとするときは、「その保護者及び教育学、医学、心理学その他の障害のある児童生徒等の就学に関する専門的知識を有する者の意見を聴くものとする」と定めています。
転入の場合も、この意見を聴く手続きが働きます。保護者の意見を聴くことが、条文に書かれています。

就学の年に引っ越すとき——就学相談は、どちらの自治体でするのか

就学相談は、自治体ごとに受付の時期と締切が決まっています。年長の年に引っ越す場合、いつ引っ越すかで、どちらの自治体に申し込むかが変わります。

ここは深追いしません。転入・転居の予定があるときにどちらの区に申し込むのかは、就学相談はいつから始まるのか——受付・締切と、動き出す時期に、区の案内を並べた節があります。そちらをご覧ください。

この記事の側からひとつだけ書き添えると、就学相談の窓口(教育委員会)と、受給者証の窓口(障害福祉の担当課)は別の役所です。片方に伝えても、もう片方に自動で伝わるとは限りません。引っ越しの予定は、両方に伝えてください。

年度の途中で引っ越すときと、今日から動くなら、この順番で

年度の途中で引っ越すとき、気をつけるところ

引っ越しが決まった日から、この順番で

  1. いまの市区町村の障害福祉の窓口に電話する。「引っ越すことになりました」と伝えるだけで構いません。国の要領は、保護者は転出の予定が決まったら「できるだけ速やかに」連絡する、としています。ここが起点です
  2. 通っている事業所に伝える。いつまで通うか、契約をどうするか、引っ越し先からも通えるか。要領も、事業所への連絡を助言することを市町村の役目として書いています
  3. 相談支援事業所(またはセルフプランの控え)から、障害児支援利用計画の写しをもらう。転入先へ渡す関係書類の筆頭に挙げられているものです
  4. 転入先の区・市のページで、3つを確かめる。①申請の窓口はどこか ②療育の必要性を確かめる書類として何が認められ、いつまでのものが有効か ③決定までに何日かかるか(2週間の区も、2か月の区もあります)
  5. 転入先の窓口に電話し、引っ越す日を伝えて「事前にできることはありますか」と聞く。要領は、転入予定先市町村が支給申請書の事前提出や勘案事項の聴き取りをあらかじめ行うことを想定しています
  6. 転出の前に、住民基本台帳の窓口へ転出届。あわせて、障害福祉の担当課から関係書類を受け取る。受給者証の返還先と返還期限は、書面で知らせが来ます(施行規則 第18条の24)
  7. 転入したら、住民票の窓口で転入届。その足で障害福祉の窓口へ行き、関係書類と、前の受給者証を添えて支給申請(施行規則 第18条の6第2項第3号)
  8. 面接(聞き取り)を受ける。約1時間を見ておくと安心です。計画案またはセルフプランを出し、決定を待ちます
いちばん短い道は、電話を2本かけることです

1本目=いまの市区町村へ。「引っ越します」と伝える。
2本目=引っ越し先の市区町村へ。「いつ引っ越します。事前にできることはありますか」と聞く。

この2本があれば、役所どうしの調整も、転入日の申請も、支給の開始日をそろえる話も、そこから動きます。順番どおりに進めば、通所を止めずに引っ越せます。

※ この記事は、児童福祉法の障害児通所支援(児童発達支援・放課後等デイサービス・保育所等訪問支援・居宅訪問型児童発達支援)の受給者証について書いています。医療費の助成、手帳、手当など、ほかの制度は別の手続きです。江戸川区が「手帳や受給者証、医療証、手当、サービスのお手続きが必要となります」と並べているとおり、それぞれに窓口があります

出典

※上記の出典は2026年9月7日に閲覧して内容を確認しました。各団体の記載は更新される場合があります。最新の情報は各サイトでご確認ください。

よくあるご質問

引っ越したら、いまの受給者証はもう使えないのですか?
同じ市区町村の中の引っ越しなら、そのまま使えます。届出を出して、受給者証の居住地欄を直してもらう手続きです(児童福祉法施行規則 第18条の6第7項)。港区も、区内転居について「受けるサービス内容は変わりませんが、受給者証の居住地欄を変更する必要があります」と案内しています。
別の市区町村へ移る場合は、そのままでは使えません。児童福祉法 第21条の5の5第2項が「通所給付決定は、障害児の保護者の居住地の市町村が行うものとする」と定めているためです。前の市区町村は決定を取り消して受給者証の返還を求め(第21条の5の9)、転入先で新しく申請することになります。
転出の前に、まず何をすればよいですか?
いま受給者証を出している市区町村の窓口へ、電話で「引っ越します」と伝えてください。国の事務処理要領「第9 転出・転入時の事務」は、その2番目に「通所給付決定保護者は、転出の予定が決まった場合、できるだけ速やかに、通所給付決定を行った市町村にその旨を連絡する」と書いています。
この連絡があると、市町村は継続してサービスを使えるようにするための手続きを説明し、転入先の窓口へ情報提供し、渡す関係書類(障害児支援利用計画、現在の決定内容を記載した書類など)を先に調整します。役所どうしの段取りは、この連絡から始まります。
通所が止まる空白の期間はできますか?
できないようにする形が、国の文書に用意されています。要領は取消日について「原則として、転出日の翌日を通所給付決定取消日とする」としたうえで、「ただし、転出先において転出日と同日(転入日)から支給を行う場合には転出日を通所給付決定取消日とする」と書き、続けて「サービスの継続利用に支障がないよう留意する必要がある」としています。転出日と転入日をつないで、1日も空けない形です。
ただし自動ではありません。つなぐには、転出元と転入先の両方がこの引っ越しを知っていることが要ります。空白ができそうなときは、その日の利用をどう扱うかを、転入先の窓口と通っている事業所の両方に確かめてください。ここは市区町村と事業所によって扱いが異なり、一般論では書けないところです。
いまと同じ日数(支給量)が、引っ越し先でも出ますか?
同じ日数が出るとは限りません。支給量を定めるのは市町村で(児童福祉法 第21条の5の7第7項)、何を見て定めるかを決めた施行規則 第18条の10には、子どもの心身の状況や介護を行う者の状況と並んで、第9号に「障害児通所支援の提供体制の整備の状況」まで入っています。地域の事情も勘案事項です。
実際、区によって書き方が違います。大田区は児童発達支援・放課後等デイサービスの「支給量基準」を23日/月と表で公表し、品川区は「(必ず23日支給するものではありません)」と明記しています。国の要領も「全ての障害児について一律の日数を定めるのではなく……個別かつ適切に定めること」としています。
引き継がれるのは日数そのものではなく、障害児支援利用計画やこれまでの決定内容という判断の材料です。希望より少なく決まったときは、児童福祉法 第21条の5の8第1項の変更申請という手続きがあります。
医師の意見書や発達検査の結果は、また取り直しになりますか?
手元の書類の発行日と、転入先の区が決めている有効期限しだいです。施行規則 第18条の6第3項は、市町村が「必要があると認めるときは、医師の診断書の提出を求めるものとする」と定めるだけで、いつのものでよいかは書いていません。運用は市区町村ごとです。
実際、23区でも差があります。豊島区は「医師意見書(診断書)は病院の様式でも可能。発行から3か月有効」、目黒区は診断書・医師意見書も発達検査の結果も「発行から2年以内のもの」としています。中央区は「療育の必要性が明記された医師の診断書(様式は問いません)」のほか、手帳や支援学級通学決定通知でもよいとしています。
転入先の窓口に電話して「引っ越し前に取ったこの書類で足りますか」と聞くのが、いちばん早い確かめ方です。取り直しが要るとわかったら、受診の予約から発行までの日数を見込んで動いてください。
通っている事業所には、引き続き通えますか?
距離の問題がなければ、通い続けられる場合があります。通所支援の事業所を指定しているのは都道府県知事で(児童福祉法 第21条の5の15)、給付を決める市町村とは別の役所です。千代田区は「障害児通所支援サービスでは、受給者証を持っていれば区外の事業所も利用可能です」、江東区も「江東区外の事業所もご利用できます」と案内しています。
ただし、空きがあるか、契約をどう続けるかは事業所との話になります。国の要領も、転出の連絡を受けた市町村は「利用している事業者にも、転出の予定、サービス利用契約の継続の有無等を連絡するよう助言する」としています。早めに事業所へ伝えてください。
相談支援事業所も変わりますか。作ってもらった計画はどうなりますか?
相談支援事業所は、原則として変わります。通所支援の事業所と違い、障害児相談支援事業所を指定するのは市町村長だからです(児童福祉法 第24条の26第1項第1号)。施行規則 第25条の26の4第1項第2号も、市町村は保護者が他の市町村の区域内に居住地を有するに至ったと認めるときは障害児相談支援給付費の支給を行わないことができる、としています。
計画そのものは残ります。国の要領は、転出元から転入先へ渡す関係書類の例のいちばん先に「障害児支援利用計画」を挙げています。いま担当している相談支援専門員に、引っ越すことと、計画の写しをいただけるかを早めに伝えてください。
なお、転入先での申請にも障害児支援利用計画案またはセルフプランが要ります。相談支援事業所がすぐ見つからない地域もあり、中央区は「ご案内できる障害児相談支援事業者が不足しているため、保護者の方へセルフプランの記入を依頼しています」と書いて、様式と記入例を公開しています。
転入したその日に、窓口をまわりきれますか?
国の要領は、その形を想定して書かれています。「当該障害児の保護者は、転入後速やかに、転入先市町村の住民基本台帳担当窓口に転入届を行うとともに、担当窓口において、転出元市町村から交付を受けた関係書類を添えて支給申請の手続きを行う」——住民票の窓口と、障害福祉の窓口です。
ただし、決定が出るまでの日数は区によってはっきり違います。目黒区・豊島区は約2週間、大田区・中央区は1か月程度、千代田区は1〜2か月と案内しています。さらに江東区のように、支給会議が月2回(第1・3木曜日)と決まっていて「会議日の前の週の金曜日までに手続きを完了してください」という締切がある区もあります。転入の日にまわりきることと、その日から使えることは別の話です。その区の日数を先に見て、逆算してください。
この記事について:本記事は、子育て・発達に関する一般的な情報の提供を目的としています。内容は学会・職能団体・国の機関が公開している情報にもとづいてまとめていますが、お子さまの発達には個人差があり、すべてのお子さまに当てはまるものではありません。診断や治療に関する判断は、医師などの専門機関にご相談ください。

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