ひとことで「注射がきらい」と言っても、その中身は子どもによって違います。何がいちばんこたえているのかを分けて見ると、手を打てるところと、打てないところがはっきりします。
厚生労働大臣が決定した「医療分野における事業者が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する対応指針」(医療関係事業者向けガイドライン)は、自閉スペクトラムの特性として「見通しの立たない状況では不安が強いが、見通しが立つ時はきっちりしている」「大勢の人がいる所や気温の変化などの感覚刺激への敏感さで苦労している」と書いています。つまり、待合で落ち着かないことも、診察室に入れないことも、国の指針の側では「そういうことが起きる」と最初から想定されているということです。
| 苦手の出どころ | その場で効くことがある手当て(国の指針に例のあるもの) |
|---|---|
| 音 呼び出しの声、ほかの子の泣き声、器械の音 | 感覚面の調整。ガイドラインは「音や肌触り、室温など感覚面の調整を行う」「イヤーマフを活用する」を、合理的配慮の例としてあげています |
| 待ち時間 いつ呼ばれるか分からないまま座り続ける | ガイドラインの合理的配慮の例に、そのものが書かれています——「診察等で待つ場合、患者が待ちやすい近くの場所で待っていただく、順番が来たら電話で呼び込むなど」 |
| 見通しのなさ 何がどこまで続くのか分からない | 「肯定的、具体的、視覚的な伝え方の工夫」。ガイドラインは「『○○をしましょう』といったシンプルな伝え方」「図・イラストなどを使って説明する」を例にあげています |
| 体を触られること・押さえられること | 不当な差別的取扱いの例として、ガイドラインは「診療等に当たって患者の身体への丁寧な扱いを怠ること」を明記しています。丁寧に扱われることは、お願いごとではなく前提です |
| 痛みそのもの | 厚生労働省のよくある質問は、「採血の時に気分が悪くなったことがある人は、ベッドに横になって接種することで、気分が悪くなることを防ぐことができます」と書いています。横になって受けるという選択肢が、国の資料に載っています |
| その場所の記憶 前に泣いた場所、前に押さえられた部屋 | ガイドラインは対応の筆頭に「本人をよく知る専門家や家族にサポートのコツを聞く」を置いています。前回どうだったかは、次の日を変えるための材料になります |
厚生労働省のよくある質問(Q6)は、接種のあとにまれに起きる血管迷走神経反射について、「特に、極度に緊張していたり、疲れている時など、痛みや不安などによって起こりやすいので、注意しましょう」と書いています。緊張を減らす工夫は、気休めではなく、国の資料が理由を書いているものです。
※ ここで紹介したのは、いずれも「例」として国の指針に載っているものです。どれがその子に合うかは書かれていません。合うものを選ぶのは、その子を知っている人です。
「受けさせなければいけないのか」「受けなかったらどうなるのか」。ここは条文をそのまま読むのがいちばん早い場所です。
市町村長は、A類疾病及びB類疾病のうち政令で定めるものについて、当該市町村の区域内に居住する者であって政令で定めるものに対し、保健所長……の指示を受け期日又は期間を指定して、予防接種を行わなければならない。
この第5条第1項による予防接種を、同法第2条第4項は「定期の予防接種」と呼んでいます。つまり「定期接種」とは、市町村が行う義務を負っている予防接種のことです。対象となる疾病と対象年齢は予防接種法施行令 第3条の表で定められています。
定期の予防接種であってA類疾病に係るもの又は臨時の予防接種……の対象者は、これらの予防接種を受けるよう努めなければならない。
2 前項の対象者が十六歳未満の者……であるときは、その保護者は、その者に……受けさせるため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
条文は「努めなければならない」であって、「受けさせなければならない」とは書かれていません。これが努力義務と呼ばれる書き方です。あわせて第8条は、市町村長が対象者や保護者に対して「勧奨するものとする」と定めています。すすめる側の務めは法律に書かれていますが、受ける側は「努める」という書き分けになっています。
実務の手順は、厚生労働省の「定期接種実施要領」(改正後全文・令和8年6月1日改正)に書かれています。ここに、この記事の芯にあたる一文があります。
予診の際は、予防接種の有効性・安全性、予防接種後の通常起こり得る副反応及びまれに生じる重い副反応並びに予防接種健康被害救済制度について、定期接種の対象者又はその保護者がその内容を理解し得るよう適切な説明を行い、予防接種の実施に関して文書により同意を得た場合に限り接種を行うものとすること。
さらに予防接種法 第7条は、市町村長等が予診で健康状態を調べ、厚生労働省令が定める「受けることが適当でない者」に該当すると認めるときは「その者に対して当該定期の予防接種等を行ってはならない」と定めています。実施要領も、予診の結果その疑いがあると判断される場合は「当日は接種を行わず」としています。
制度の側から見ると、その日に接種が行われるのは「予診をして、説明があって、保護者の文書による同意があった」ときです。この記事は、接種を勧めることも、止めることもしません。受けるかどうか、いつ受けるかは、お子さんの状態を診た医師と、保護者が決めることです。このページが扱うのは、その手前にある受け方の段取りだけです。
※ B類疾病に係る定期の予防接種は第9条の努力義務の対象から外れています(条文上、A類疾病に係るものと臨時の予防接種が対象です)。子どもの定期接種の多くはA類疾病に含まれます。
いちばん効くのは当日ではなく、予約の電話です。その場で頼むと「今からは難しい」と言われることが、事前なら組み替えてもらえることがあります。
事業者は、その事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、……当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない。
同じ法律の第7条第2項は、行政機関等について同じことを定めています。そして「意思の表明」は、本人が言えなくてもかまいません。医療関係事業者向けガイドラインは、「知的障害や精神障害(発達障害を含む。)等により本人からの意思の表明が困難な場合には、障害者の家族、支援者・介助者、法定代理人等、コミュニケーションを支援する者が本人を補佐して行う意思の表明も含まれます」と書いています。保護者が代わりに伝えることは、制度の想定の中にあります。
| 伝えること | そのまま使える言い方の例 |
|---|---|
| 待ち方 | 「待合に長くいるのが難しいので、近くの車(外/別の場所)で待って、順番が来たら電話をいただくことはできますか」 根拠=医療関係事業者向けガイドライン「合理的配慮と考えられる例」 |
| 音・場所 | 「音が苦手なので、静かな場所や別室で待たせていただけますか」「イヤーマフをつけたままでよいですか」 根拠=同ガイドライン「感覚過敏がある場合は、音や肌触り、室温など感覚面の調整を行う」 |
| 説明のしかた | 「短い言葉で、これから何をするかを本人に伝えていただけますか」 根拠=同ガイドライン「短く、はっきりとした言い方で伝える」「本人が希望する方法で分かりやすい説明を行うこと」 |
| 体勢 | 「立ったままだと難しいので、横になって受けることはできますか」 根拠=厚生労働省 よくある質問 Q6 |
| 前回のこと | 「前回はここまでできて、ここでつまずきました」と、できたところから伝える 根拠=同ガイドライン「本人をよく知る専門家や家族にサポートのコツを聞く」 |
ガイドラインは「正当な理由なく、保護者や支援者・介助者の同伴を診察・治療・調剤等の条件とすること」を、不当な差別的取扱いと考えられる例としてあげています。ただし、子どもの定期接種については、多くの区が別に「原則として保護者の同伴が必要」と案内しています(次の節で扱います)。二つは別の話です。
※ 合理的配慮は「負担が過重でないとき」という条件つきです。医療機関の規模や当日の体制によって、できることは変わります。断られたことがあっても、別の日・別の頼み方なら通ることがあります。
前もって知っておくと落ち着く子は多くいます。医療関係事業者向けガイドラインも、自閉スペクトラムの特性として「見通しが立つ時はきっちりしている」と書いています。準備は、その「見通し」をつくる作業です。
準備は、多ければよいというものではありません。前の日から何度も繰り返すと、その話題が出るだけで身構えるようになることがあります。
今回確認した範囲——予防接種法、同施行令、定期接種実施要領、厚生労働省のよくある質問、医療関係事業者向けガイドライン——のどこにも、「何日前から」「何回練習すればよい」といった目安は書かれていませんでした。書かれているのは「本人をよく知る専門家や家族にサポートのコツを聞く」という一文です。回数を決めてよいのは、その子を毎日見ている人だけです。
※ ここに挙げたのは、上の一次資料から読み取れる考え方を家庭の場面に置き換えたものです。医学的な効果を示すものではありません。
文京区は、定期予防接種の持ち物として次のものを案内しています。
これに加えて、苦手のある子の場合は手ぶらで行かないことが効きます。いつも使っているイヤーマフ、見通しの紙、終わったあとに渡すもの。ガイドラインが「感覚面の調整」「視覚的な伝え方」を例にあげているとおり、持ち込んだ道具を使ってよいかは、予約のときに聞いておけます。
予診票を待合で書き始めると、そこで足止めになります。国も予診の時間は軽く見ていません。定期接種実施要領は、集団接種の実施計画について「予防接種を受けることが適当でない者を確実に把握するため、特に十分な予診の時間を確保できるよう留意すること」と書いています。書ける欄を家で埋めておくと、待合にいる時間そのものが短くなります。
新宿区は、通知送付時期を過ぎて他の区市町村から転入した方、予診票を紛失した方、区からの通知時期より早めに接種を希望する方(対象年齢内に限る)について、電子申請、保健予防課、または保健センターへの問い合わせで予診票を郵送すると案内しています。当日になって気づくより、電話1本のほうが早く終わります。
文京区は、予防接種を受ける際は原則として保護者の同伴が必要とし、満12歳未満は同伴も同意も必要と表にして示しています。保護者が同伴できない場合について、同区は「保護者以外の同伴者は、普段からお子さんの健康状態をよく知っている方に限ります。委任状は予防接種の当日までに保護者本人が記載し、同伴者が医療機関に持参してください」と案内しています。
※ 持ち物・同伴・予診票の扱いは、区市町村ごとに案内が異なります。ここに挙げたのは新宿区と文京区の記載です。お住まいの区市町村の案内をご確認ください。
診察室で使える言葉は、実はとても少なくて足ります。これから何をするかといつ終わるか。この二つです。
医療関係事業者向けガイドラインは、「本人を無視して、支援者・介助者や付添者のみに話しかけること」を不当な差別的取扱いと考えられる例としてあげています。子ども本人に向けて、短く伝えてもらうことは、お願いというより本来のかたちです。
体を保持することそのものについて、この記事は良し悪しを言いません。それは医師の判断の範囲です。ただ、制度の側が何を書いているかだけは、はっきりしています。
「今日はここまでにします」と言ってよいということです。その日の途中で止めることは、制度の外にある行いではありません。
定期接種実施要領は、接種を受けた人と保護者に対して次のことを要請するよう定めています。
※ 体調の変化そのものについては、このページでは扱いません。接種した医療機関の医師にご相談ください(厚生労働省のよくある質問も「まずは接種した医療機関の医師にご相談ください」と案内しています)。
その日がどう終わったとしても、記録を残しておくと、次の日が変わります。残す先は二つあります。制度の記録と、家の記録です。
市町村は、妊娠の届出をした者に対して、母子健康手帳を交付しなければならない。
2 ……乳児又は幼児の健康診査又は保健指導を受けた当該乳児又は幼児の保護者についても、同様とする(=その都度、母子健康手帳に必要な事項の記載を受けなければならない)。
母子健康手帳の様式は母子保健法施行規則 第7条が定めており、そこに記載すべき事項として「予防接種の種類、接種時期、接種に当たつての注意等予防接種に関する情報」と「妊産婦の健康管理及び乳幼児の養育についての相談窓口に関する情報」が並んでいます。予防接種の情報も、相談先も、手帳の中にあることが省令で決まっているということです。
あわせて予防接種法 第7条の2は、定期の予防接種等を受けた者に対して予防接種済証を交付し、又はその内容を記録した電磁的記録を提供しなければならないと定め、第9条の3は、市町村長等が記録を作成し、保存しなければならないと定めています。定期接種実施要領は、紙の予診票を使った場合など電磁的記録での保存が難しい場合について「少なくとも5年間は適正に管理・保存すること」としています。
制度の記録は「何を受けたか」を残します。けれど「どうやったら受けられたか」は、どこにも残りません。これは家で書くしかありません。
| 残しておくこと | 次に効いてくる理由 |
|---|---|
| 時間帯 何時に行って、何分待ったか | 次の予約のときに「この時間帯は空いていますか」と聞ける。待ち時間の長さは、その子にとっていちばん動かしやすい変数のひとつです |
| 待ち方 どこで待って、どう呼ばれたか | うまくいった待ち方は、次も同じ形で頼める。ガイドラインの合理的配慮の例(近くの場所で待つ・電話で呼び込む)に当てはまるなら、そのまま言葉にできます |
| 効いた言葉 どの言い方で動けたか | ガイドラインは対応の筆頭に「本人をよく知る専門家や家族にサポートのコツを聞く」を置いています。医療機関の側が聞くことになっているので、答えを用意しておけば早い |
| つまずいた場所 どこまで進んで、どこで止まったか | 「全部だめだった」ではなく「受付までは行けた」と分かる。次はそこから一段だけ足せばよくなります |
| 持ち物 何が役に立って、何が要らなかったか | 荷物が減ると、当日の手が空きます。手が空くと、子どもを見ていられます |
健診の場でも、予防接種の実施状況は聞かれます。こども家庭庁が示す1歳6か月児健康診査の問診票には、「5種混合(ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ・ヒブ)の予防接種(第1期初回3回)を済ませましたか」「麻しん・風しんの予防接種を済ませましたか」という設問が並び、健康診査票にも予防接種の記入欄があります。同じことを何度も説明しなくてよいように、1枚のメモにまとめておくと楽になります。
何度か試して、そのたびに途中で終わっている。そういうときにまず確かめるのは、気持ちの持ちようではなく期限です。いつまでなら、同じ条件でやり直せるのかが分かると、「今日でなくてもよい」と言えるようになります。
新宿区は、複数のワクチンについて同じ注意書きを繰り返し載せています。
上記の標準的接種間隔を守れなかった場合でも、(対象年齢)までに接種をすれば定期予防接種として扱われます。ただし、可能な限り上記の標準的接種間隔を守って接種してください。
つまり「標準的な時期」と「定期接種の対象年齢」は別のものです。対象年齢は予防接種法施行令 第3条の表で疾病ごとに定められています。主なものを抜き出すと次のとおりです。
| 疾病 | 施行令 第3条が定める予防接種の対象者 |
|---|---|
| ジフテリア/百日せき/急性灰白髄炎(ポリオ)/破傷風 | ジフテリア・破傷風=生後2月から生後90月に至るまでの間にある者、および11歳以上13歳未満の者 百日せき・急性灰白髄炎=生後2月から生後90月に至るまでの間にある者 |
| 麻しん/風しん | 生後12月から生後24月に至るまでの間にある者 および5歳以上7歳未満の者であって、小学校就学の始期に達する日の1年前の日から当該始期に達する日の前日までの間にあるもの |
| 結核(BCG) | 1歳に至るまでの間にある者 |
| B型肝炎 | 1歳に至るまでの間にある者 |
| 水痘 | 生後12月から生後36月に至るまでの間にある者 |
| 小児の肺炎球菌感染症 | 生後2月から生後60月に至るまでの間にある者 |
| 日本脳炎 | 生後6月から生後90月に至るまでの間にある者、および9歳以上13歳未満の者 |
| Hib感染症 | 生後2月から、生後90月までの間で厚生労働省令が定めるワクチンの種類ごとに定める月に至るまでの間にある者 |
| ロタウイルス感染症 | 生後6週に至った日の翌日から、生後32週に至る日の翌日までの間で、厚生労働省令が定めるワクチンの種類ごとに定める日までの間にある者 |
※ 表は施行令第3条の記載から主なものを抜いたものです。回数・間隔・使用するワクチンの種類は含めていません。実際の接種の判断は、予診票の記載と医師の判断によります。お住まいの区市町村の案内と、接種医にご確認ください。
予防接種法施行令 第3条第2項は、対象者であった間に「長期にわたり療養を必要とする疾病で厚生労働省令で定めるものにかかったことその他の厚生労働省令で定める特別の事情」があったために定期の予防接種を受けられなかったと認められる場合について、その特別の事情がなくなった日から起算して2年を経過する日までの間(厚生労働省令で定める疾病については、定める年齢に達するまでの間に限る)を、定期の予防接種の対象とする、と定めています。
「特別の事情」の中身は厚生労働省令で定められており、この記事で当てはまるかどうかを判断することはできません。新宿区も「子どもの予防接種」のページに「長期療養が必要な疾病等により期間内に定期接種を受けられなかった場合」という項目を設けています。心当たりがあるときは、お住まいの区市町村の予防接種の担当課にお尋ねください。
予防接種法施行令 第5条は、市町村長等が定期の予防接種等を行う場合に「予防接種の種類、予防接種の対象者の範囲、予防接種を行う期日又は期間及び場所、予防接種を受けるに当たって注意すべき事項その他必要な事項を公告しなければならない」と定め、第6条は、公告に加えて対象者又はその保護者に対してあらかじめ周知しなければならないと定めています。知らせる側の義務が政令に書かれている以上、分からないことを尋ねるのは筋のとおった行いです。
苦手なのは注射だけではありません。口を開ける、のどを見られる、耳に器械を入れられる。これらも体を触られて、いつ終わるか分からないという点で、注射と同じ構造をしています。
見落とされがちですが、乳幼児健診は歯科と耳鼻科の診察を含んでいます。母子保健法施行規則 第2条が、健診で行う項目を法令として定めています。
| 健診 | 施行規則 第2条が定める項目(抜粋) |
|---|---|
| 1歳6か月児健診(全11項目) | 身体発育状況/栄養状態/脊柱及び胸郭の疾病及び異常の有無/皮膚の疾病の有無/歯及び口腔の疾病及び異常の有無/四肢運動障害の有無/精神発達の状況/言語障害の有無/予防接種の実施状況/育児上問題となる事項/その他の疾病及び異常の有無 |
| 3歳児健診(全13項目) | 上記に加えて眼の疾病及び異常の有無、耳、鼻及び咽頭の疾病及び異常の有無が入ります。こちらにも予防接種の実施状況が項目として置かれています |
こども家庭庁が示す3歳児健康診査票にも耳鼻咽喉科所見と歯科所見の欄があり、それぞれ診察日を書く形になっています。つまり3歳児健診は、その子にとって「はじめての歯科・耳鼻科の診察」になることがあるということです。
区市町村が行う健診は行政機関等の事務です。障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律 第7条第2項は、行政機関等について「必要かつ合理的な配慮をしなければならない」と定めています。健診の会場で待つのが難しいこと、診察のときに落ち着かないことは、申込みや問診の段階で伝えてよいことです。
※ 3歳児健診の耳鼻咽喉科所見の欄には「言語発達の遅れ 無・有」「構音障害 無・有」の項目も置かれています。ことばのことが気になっている場合、耳鼻咽喉科の診察はその確認も兼ねる場になります。
ここまで書いてきたことは、ほとんどすべて「前回どうだったか」を知っている人がいると、一段ずつ楽になります。それが、かかりつけ医を持つということの実際です。
厚生労働省のよくある質問は、次の三つの場面で相談を促しています。
いずれも「同じ医師に、続けて相談する」ことを前提にした書き方です。定期接種実施要領も、接種後に異常反応や体調の変化が生じた際の連絡先として接種医師の氏名及び接種医療機関の連絡先を確実に周知することを求めています。
| 積み上がるもの | 次の日にどう効くか |
|---|---|
| その子のやり方 | ガイドラインは対応の筆頭に「本人をよく知る専門家や家族にサポートのコツを聞く」を置いています。2回目以降は、聞かれる前に相手が知っている状態から始められます |
| 接種の履歴 | 母子健康手帳と予防接種済証で残りますが、同じ医療機関ならその先の見通しも一緒に相談できます |
| 段取りの前例 | 「前回は外で待って電話で呼んでもらった」という実績ができると、次はお願いではなく確認で済みます |
| 言いやすさ | 毎回はじめから説明しなくてよくなると、保護者の負担が減ります。これは子どもの当日の落ち着きにも返ってきます |
新宿区は、定期接種について「23区内であれば、他区の予防接種実施医療機関でも受けられます。希望する区にお問い合わせください」と案内しています。文京区も接種場所を「東京23区内の指定医療機関」としています。通いやすい場所、待ち方を相談しやすい場所を選ぶ余地は、制度の側にあります。
このページは、予防接種を勧めることも、止めることもしません。扱ったのは、受けると決めたときにどう受けるかという段取りだけです。受けるかどうか、いつ受けるか、その子の体調で今日受けてよいのかは、予診をした医師と、保護者が決めることです。
※ 医療機関の指定や区外での接種の扱いは区市町村ごとに異なります。ここに挙げたのは新宿区と文京区の記載です。
※上記の出典は2026年9月7日に閲覧して内容を確認しました。各団体の記載は更新される場合があります。最新の情報は各サイトでご確認ください。
のびのび発達ラボを運営する児童発達支援てらぴぁぽけっと早稲田教室(東京都新宿区・早稲田駅徒歩1分)には、言語聴覚士・公認心理師・精神保健福祉士・保育士など多職種の専門スタッフが在籍しています。見学・ご相談は、診断の有無に関わらず承ります。