「送迎あり」は、制度の中では「送迎加算」という名前です
事業所の案内に書かれている「送迎あり」は、事業所が好意で車を出しているのではなく、国の報酬告示に「送迎加算」という項目があることの表れです。「児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準」(通所報酬告示)に、児童発達支援は第1の11、放課後等デイサービスは第3の9として送迎加算が置かれ、こども家庭庁の留意事項通知(令和8年4月改正後全文)が、その取扱いを次のように定めています。
留意事項通知の書き方(児童発達支援・送迎加算の取扱い)
「障害児に対して、その居宅等と指定児童発達支援事業所等との間の送迎を行った場合に算定する」。放課後等デイサービスの項は、この児童発達支援の項を準用する、と書かれています。つまり、送迎の基本の決まりは二つのサービスで同じです。
単位数は、こども家庭庁が示す「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」(令和8年度)に載っています。児童発達支援も放課後等デイサービスも、片道につき54単位(児童発達支援センターと、主として重症心身障害児を通わせる事業所を除く)で、重症心身障害児は+40単位、医療的ケア児は医療的ケアスコア16点以上で+80単位、それ以外で+40単位が上乗せされます。同一敷地内の送迎は100分の70になります。
| 決まり | 原文で確かめられたこと |
| どこからどこまで | 「居宅等と事業所等との間」。留意事項通知(五)は、居宅までの送迎のほか「利用者の利便性を考慮し、適切な方法で事業所の最寄駅や集合場所まで行ったもの」も算定してよいとし、ただし「事前に通所給付決定保護者の同意の上、特定の場所を定めておく必要がある」としています |
| 送迎の時間 | 支援の時間には入りません。留意事項通知は「サービス提供時間(送迎に係る時間は除くものとする)は30分以上である必要がある」と書き、令和6年度改定のQ&A(VOL.1 問2)も「送迎時間は支援の提供時間に含まれるか」に対して「含まれない」と答えています。延長支援の時間にも送迎時間は含まれません |
| 渋滞で遅れた日 | 同じQ&Aの問3は、「学校の授業が延長した場合や道路渋滞等により通常より送迎に時間を要するなど、事業所に起因しない事情」で支援が短くなった日の扱いまで定めています。送迎の遅れは、国の側でも起きるものとして織り込まれています |
| 付き添う職員 | 重症心身障害児は「運転手に加え」直接支援業務に従事する職員を、医療的ケア児は看護職員等を伴って送迎したときに上乗せの加算が付きます。運転手一人で運ぶことを前提にしていない区分が制度の中にある、ということです |
ここまでで分かるのは、「送迎あり」が事業所の裁量の外側で定義されていることです。どこまで迎えに来るか、何時に来るかは事業所ごとに違いますが、「居宅等と事業所の間」「特定の場所を保護者の同意で決めておく」という骨組みは共通です。見学のときに「送迎の範囲はどこまでですか」「集合場所を決める形はありますか」と聞くのは、この骨組みに沿った質問です。
※ 送迎の有無が公表項目であること、送迎込みの一日の時間の組み方を見学で聞くことについては、事業所の選び方の記事で書いています。この記事では繰り返しません。
児童発達支援と放課後等デイサービスで、違うところ
送迎加算の骨組みは同じですが、留意事項通知は放課後等デイサービスにだけ、一文を足しています。
放課後等デイサービスの送迎加算に足されている文
「放課後等デイサービスにおける送迎については、通所する際の道路等の安全性、就学児の年齢、能力及び公共交通機関がない等の地域の実情等を考慮して判断するものとする。このとき、自ら通所することが可能な就学児の自立能力の獲得を妨げないよう配慮することとする」。
つまり、就学後の送迎は「あるのが当たり前」ではなく、その子が自分で通える力を伸ばすこととの天秤で判断するものとして書かれています。未就学の児童発達支援には、この一文はありません。
放課後等デイサービスには「通所自立支援加算」があります
令和6年度の改定で、放課後等デイサービスに通所自立支援加算が新設されました。留意事項通知は「学校・居宅等と事業所間の移動について、障害児が自立して通所が可能となるよう職員が付き添って計画的に通所自立支援を行った場合に、算定開始より90日間を限度に算定する」と書いています。
- 対象=「公共交通機関の利用経験が乏しいことや、単独で移動する経験が乏しいことなどにより、単独での通所に不安がある場合など」。重症心身障害児は対象になりません
- 「あらかじめ障害児及び保護者の意向を確認し、保護者の同意を得た上で」行うこと
- Q&A VOL.1 問44=学校の目の前に事業所がある場合や徒歩数分の距離は対象外。ただし「居宅や学校から事業所への道のりの途中までを別途の手段で移動し、途中の地点から事業所に移動する場合」でも、固定された通所経路であれば、その地点からの支援で算定できる
- 問45=付き添う職員の乗車料金を保護者から徴収することはできない。本人の乗車料金は利用者側が負担
- 問46=自転車で通所する場合も算定できる。ただし「自転車の後部座席に乗せて送迎する場合など、支援の要素が乏しく送迎の要素の強い形態」は算定されない
送迎車に乗せるか、歩いて通う練習をするか。その中間の形が制度に用意されていることは、放課後等デイサービスを選ぶときに知っておくと役に立ちます。「送迎はないが、通所の練習に職員が付き添う」という事業所の説明は、この加算のことを指している可能性があります。
※ 放課後等デイサービスの対象・費用・利用の流れは放課後等デイサービス 完全ガイドを、児童発達支援の全体は児童発達支援 完全ガイドをご覧ください。
保育園や学校から、直接送ってもらえるのか
結論から書くと、制度は「居宅」だけに限っていません。令和6年度報酬改定の概要(障害児支援)は、送迎加算を「車両により居宅や学校等と事業所との間の送迎を行った場合に算定するもの」と説明しています。留意事項通知の「居宅等」の「等」に、学校が入っていることがここで分かります。
ただし、保育園・幼稚園の名前は、通知にも概要にも出てきません。児童発達支援の送迎で園から直接拾えるかどうかは、通知の(五)にある「事前に通所給付決定保護者の同意の上、特定の場所を定めておく」という枠の中で、事業所と園の双方が受けるかどうかで決まります。国が「園からの送迎は可」とも「不可」とも書いていない、というのが原文で確かめられる範囲です。
ガイドラインは「事前に調整しておく」ことを求めています
| ガイドライン | 送迎について書かれていること |
児童発達支援ガイドライン (令和6年7月) | 「設置者・管理者は、送迎時の対応について、事前に保護者と調整しておくことが必要である」。あわせて「事業所等内でのトラブルやこどもの病気・事故の際の連絡体制について、事前に保護者と調整し、その内容について職員間で周知徹底しておく必要がある」 |
放課後等デイサービスガイドライン (令和6年7月) | 「特に学校等の授業終了後の迎えに当たっては、他の事業所の車両の運行も想定されることから、事故等が発生しないよう細心の注意を払う必要がある。安全かつ確実にこどもの送迎を行うため、管理者や児童発達支援管理責任者は、送迎時の対応、トラブルや事故が発生した場合の連絡体制や対応マニュアル等について、学校等と事前に共有・調整し」職員に周知徹底する。学校との連携の項には「学校等の下校時刻の確認なども併せて行う必要がある」とあり、自己評価表の項目28は「学校との情報共有(年間計画・行事予定等の交換、こどもの下校時刻の確認等)、連絡調整(送迎時の対応、トラブル発生時の連絡)を適切に行っているか」です |
放課後等デイサービスについては、学校からの迎えがガイドラインの本文に前提として書かれていることが分かります。児童発達支援については、園からの迎えは「送迎時の対応を事前に保護者と調整する」の一部として扱われ、園側の受け入れが要ります。
- 事業所に聞く——「保育園(幼稚園)からの送迎はしていますか」「している場合、園に何を伝えておく必要がありますか」。園の名前を出して聞くと、その園の周辺に車を停められるか、時間が合うかまで具体的になります
- 園に聞く——「事業所の車が○時に迎えに来る形は受けられますか」「引き渡しは誰が、どこで行いますか」。園には園の引き渡しの決まりがあり、事業所の職員に子どもを渡すには園側の了解が要ります
- 三者で決めておく——迎えの時間、待ち合わせの場所、遅れたときの連絡先、休みの日の連絡。ガイドラインが「事前に調整しておく」と書いているのはこの部分です
- 書面で残す——通知は「特定の場所を定めておく」ことを求めています。口頭で決めたことは、契約時の書類か連絡帳に残してもらいます
※ 園と事業所を並行して使うこと自体の制度と手続きは、児童発達支援と保育園・幼稚園の併用の記事に書いています。
送迎車の安全——令和5年4月から、点呼とブザーが決まりになっています
送迎車での置き去りの事故を受けて、国は令和5年4月1日から、送迎車での所在確認と安全装置の装備を義務にしました。児童発達支援と放課後等デイサービスも対象です。根拠は、事業所が守るべき基準を定めた内閣府令(指定通所支援基準)第40条の3です。
指定通所支援基準 第40条の3(自動車を運行する場合の所在の確認)
第1項=事業者は、障害児の移動のために自動車を運行するときは、「障害児の乗車及び降車の際に、点呼その他の障害児の所在を確実に把握することができる方法により、障害児の所在を確認しなければならない」。
第2項=障害児の送迎を目的とした自動車を日常的に運行するときは、「当該自動車にブザーその他の車内の障害児の見落としを防止する装置を備え、これを用いて」降車の際の所在確認を行わなければならない。
この条文は放課後等デイサービスにも第71条で準用されています(第34条から第45条までを準用)。居宅訪問型児童発達支援と保育所等訪問支援は第1項のみ準用です。
第2項には除外があります。「運転者席及びこれと並列の座席並びにこれらより一つ後方に備えられた前向きの座席以外の座席を有しないもの」——つまり座席が2列以下の車は、ブザーの装備義務の対象外です。こども家庭庁の通知「障害児支援における安全管理について」(令和6年7月4日)も「事業所等の送迎車両(2列以下の自動車を除く。)については、置き去り防止を支援する安全装置の装備が義務化されている(児童発達支援事業所、児童発達支援センター、放課後等デイサービス事業所が対象)」と書いています。普通の乗用車1台で送迎している事業所には、点呼の義務はあってもブザーの義務はない、ということです。
| 決まり | 内容 |
| いつから | こども家庭庁「送迎用バスの安全対策」のページ=義務付けの府省令改正は令和5年4月1日施行。令和6年3月末日までの1年間が経過措置で、可能な限り令和5年6月末日までに装備するよう求めた。指定通所支援基準の附則にも「令和六年三月三十一日までの間、当該自動車にブザー等を備えないことができる。この場合において……ブザー等の設置に代わる措置を講じて障害児の所在の確認を行わなければならない」とある |
| 装置の基準 | 国土交通省策定のガイドラインに適合する装置を、こども家庭庁がリスト化して公表している |
| 守らないと | 「こどものバス送迎・安全徹底プラン」(令和4年10月12日)=「指導監査等において、各園側で適切な対応が行われているか確認」「義務違反は、業務停止命令等の対象事由」 |
| 手順の型 | 安全管理通知が示す手順=[事前準備]出席管理責任者が当日の出欠を確認し乗車名簿に反映し、運転手・同乗職員・管理者等と共有/[乗車時]同乗職員がこどもの顔を目視し、点呼等し、記録/[降車時]同乗職員が顔を目視し点呼等し記録、運転手は「車内の先頭から最後尾まで歩き、座席下や物かげなども含め一列ずつ車内全体を見回り」、安全装置が動作していることを確認/[降車後]乗車名簿と出欠を照合、車内清掃・点検者が最終確認 |
子どもの側に伝えることも、通知に書かれています
安全管理通知は「大人が万全の対応をすることでこどもを絶対に見落とさないことが重要」としたうえで、「万が一車内に取り残された場合の危険性をこどもたちに伝えるとともに、緊急時には外部に助けを求めるための行動がとれるよう、こどもの発達に応じた支援を行うことも考えられる」と書き、支援の例として「クラクションを鳴らす訓練」「乗降口付近に、こどもの力でも簡単に押せ、エンジンを切った状態の時だけクラクションと連動して鳴らすことができるボタンを設置」を挙げています。
そして、そのすぐ後に「こどもたちが園生活を通じてのびのびと育つことを第一に考え、送迎車両に乗ることに不安を与えないよう十分留意する必要がある」と添えています。安全のための訓練が、車を怖がる理由にならないように——という配慮まで、通知に書かれています。
見学で、この節から聞けること
「送迎車は何列の車ですか」「ブザーは付いていますか」「乗るときと降りるときの点呼は誰がしますか」「同乗する職員はいますか」「座る席は決まっていますか」。安全管理通知は「送迎用バス内におけるこどもの席を指定しておくことは、所在確認をしやすくし、見落としを防止する効果が期待される」と書いています。席が決まっていることは、待つのが苦手な子にとっても見通しになります。
チャイルドシートとシートベルト——道路交通法の決まりと、事業所に聞くこと
送迎車に乗るのは、多くの場合6歳未満の子どもです。道路交通法は、幼児(6歳未満の者)を乗せるときの決まりを第71条の3に置いています。
道路交通法 第71条の3 第3項
「自動車の運転者は、幼児用補助装置(幼児を乗車させる際座席ベルトに代わる機能を果たさせるため座席に固定して用いる補助装置であつて、……幼児の発育の程度に応じた形状を有するものをいう。)を使用しない幼児を乗車させて自動車を運転してはならない。ただし、疾病のため幼児用補助装置を使用させることが療養上適当でない幼児を乗車させるとき、その他政令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない」。
「幼児」は同法 第14条第3項で「六歳未満の者をいう」と定義されています。
「やむを得ない理由」は道路交通法施行令 第26条の3の2 第3項に8つ列挙されています。子どもの送迎に関係しそうなものを抜き出すと、次のとおりです。
- 第1号=「その構造上幼児用補助装置を固定して用いることができない座席において幼児を乗車させるとき(当該座席以外の座席において当該幼児に幼児用補助装置を使用させることができる場合を除く。)」
- 第2号=座席の数以上の人を乗せるために、幼児の数だけの補助装置をすべて固定できない場合(乗車定員の範囲内に限る)
- 第3号=「負傷又は障害のため幼児用補助装置を使用させることが療養上又は健康保持上適当でない幼児を乗車させるとき」
- 第4号=「著しく肥満していることその他の身体の状態により適切に幼児用補助装置を使用させることができない幼児を乗車させるとき」
- 第6号=道路運送法の「一般旅客自動車運送事業の用に供される自動車」(路線バスやタクシー)の運転者が旅客である幼児を乗せるとき
- 第8号=応急の救護のため医療機関等へ緊急に搬送するとき
事業所の送迎車がどの例外に当たるか、当たらないかは、車両と運行の形によって違い、この記事では判断できません。書けるのは、6歳未満の子どもを乗せる自動車には幼児用補助装置の使用が原則として法律で求められていること、例外は政令に限定列挙されていること、までです。安全管理通知も、送迎中は「車内でのこども同士のトラブルやシートベルトの着用等、車内での安全への配慮が必要」と書いています。
だから、見学で聞くのはこれです
「チャイルドシート(ジュニアシート)は付いていますか。何歳まで使いますか」「うちの子の体格だとどれを使いますか」「座席ベルトを外してしまう子への対応はありますか」。事業所が答えられないことではありません。運営規程に「サービスの利用に当たっての留意事項」を定めることが基準で決まっており(指定通所支援基準 第37条)、乗車の決まりはそこに書かれているはずです。
車に乗るのを嫌がる・待つのが苦手——事業所に相談してよいことです
送迎の車に乗ること自体が、その子にとっては一日のうちでいちばん条件の重なる場面かもしれません。知らない大人が運転する、いつ来るか分からない、狭い、揺れる、ほかの子の声が近い、シートに固定される、着くまで降りられない。どれが中心にあるかは子どもによって違い、ぜんぶを一度に解決しようとせず、ひとつずつ聞いていくほうが、通る形が見つかります。
| 苦手になりやすい条件 | 事業所に相談できること |
| いつ来るか分からない | 迎えの時間の幅を教えてもらう。到着前に連絡をもらえるか。安全管理通知の手順では、乗車名簿と出欠が毎日突き合わされるので、「今日は乗る/乗らない」の連絡先を決めておくことは事業所の手順にも合っています |
| 席が毎回違う | 席を固定してもらう。通知が「席の指定」を所在確認の手段として挙げていることは前の節のとおりで、事業所の側にも理由のある頼みです |
| 固定されるのがいや | チャイルドシートの形・大きさを変えられるか。乗る前に家で同じ型の座面に座る練習ができるか。外すこと自体は法律の側で決まっているので、「外してほしい」ではなく「慣れる手順を一緒に考えてほしい」と頼む形になります |
| 乗る順番・降りる順番 | 最初に乗って最初に降りる(乗車時間を短くする)か、最後に乗る(待ち時間を短くする)か。ルートの都合で決まることですが、聞いてみる価値はあります |
| 車内の音・声 | 同乗する職員がいるか。座る位置を窓側・前寄りにできるか。持ち込んでよいもの(イヤーマフ、いつもの布など)があるか |
| 着いてからの待ち時間 | 送迎の順番によって、事業所に着いてから活動が始まるまで、あるいは活動が終わってから車が出るまでに待つ時間が生じます。その時間に何をして過ごすのか、誰が見ているのかを聞く。ガイドラインは「送迎の都合で発達支援の時間が阻害されることのないようタイムテーブルを設定しなければならない」としています |
これらは、ガイドラインが事業所に求めている「送迎時の対応について、事前に保護者と調整しておく」の中身そのものです。相談することは、事業所の仕事を増やすことではなく、事業所が最初からやることになっている調整に、材料を渡すことです。
家でできる、乗る前の小さな準備
- 見通しを一つ——「○○(職員の名前)の車が来る」「着いたら△△をする」を、絵か写真か言葉で、乗る前に一つだけ伝える。全部を説明しなくてよい
- 終わりの目印——「△△が見えたら着く」。降りる場所の目印を子どもと決めておくと、「いつ終わるか分からない」が一つ減る
- いつものもの——手に持てる小さいものを一つ。持ち込んでよいかは事業所に確認する
- 記録——乗れた日・乗れなかった日と、そのとき何が違ったか(時間、席、同乗者、前の活動)を短く残す。次の面談で事業所に渡せる材料になる
乗れない日が続いたときは、無理に乗せるより、いったん親が送る日を挟む選択も、事業所に相談できます。送迎加算は片道ごとに算定するものなので、「行きは親が送り、帰りは事業所の車」という形も制度上はあり得ます。受けられるかどうかは事業所の運行の都合によるので、これも聞いてみることです。
※ 感覚の受け取り方の違いや、外出そのものの組み立て方は、外出が不安なときに決めておけることの記事に書いています。
送迎のない事業所を選ぶとき——移動の組み立て方
送迎がないことは、事業所の質の低さを意味しません。児童福祉法 第6条の2の2は、児童発達支援を「施設に通わせ」て支援を行うものと定義しており、通わせる手段は法律に書かれていません。親子で通う事業所、駅から近い事業所、送迎を持たない代わりに支援の時間を長く取る事業所——それぞれの形があります。
| 移動の手段 | 確かめておくこと |
| 保護者が送る | 往復の時間を、送迎ではなく自分の一日の予定に組み込めるか。園のお迎えと事業所の開始時間のあいだに余裕があるか。「行きだけ」「帰りだけ」を事業所の送迎に頼める形があるかどうかも、この節の最初に聞くことです |
| 公共交通機関 | 電車・バスの時間帯、車両の選び方、途中で降りてよいことなど、外出の組み立ては別記事(外出)に書きました。放課後等デイサービスなら、職員が付き添って公共交通機関で通う練習をする通所自立支援加算が使える場合があります(前の節)。職員の乗車料金は保護者負担にはならず、本人の乗車料金は利用者側の負担です |
| 移動支援(区の事業) | 障害者総合支援法の地域生活支援事業として、区市町村が行う移動支援があります。対象・支給量・通所の送迎に使えるかどうかは区ごとに違い、未就学児が使えるかどうかも区で違います。東京23区の例は外出の記事の「移動支援と日中一時支援」の節に書いています |
| 訪問型 | 児童福祉法 第6条の2の2は、「児童発達支援又は放課後等デイサービスを受けるために外出することが著しく困難なもの」に対して居宅を訪問する「居宅訪問型児童発達支援」を置いています。対象は「重度の障害の状態その他これに準ずるものとして内閣府令で定める状態にある障害児」で、送迎が苦手という理由で選べるものではありませんが、通えないこと自体が制度の想定の外ではない、という意味で挙げておきます |
送迎の費用について、原文で確かめられること
送迎加算は事業所が国に請求する報酬で、利用者の負担は通所給付費の仕組みの中で計算されます(世帯の所得に応じた月額上限額があり、満3歳になって最初の4月1日から3年間は無償化の対象です)。それとは別に、事業所が保護者に金銭の支払いを求められる範囲は、指定通所支援基準 第22条が定めています。
指定通所支援基準 第22条
事業者が保護者に金銭の支払を求めることができるのは「当該金銭の使途が直接通所給付決定に係る障害児の便益を向上させるものであって、当該通所給付決定保護者に支払を求めることが適当であるものに限る」。求める際は「当該金銭の使途及び額並びに通所給付決定保護者に金銭の支払を求める理由について書面によって明らかにするとともに、通所給付決定保護者に対して説明を行い、同意を得なければならない」。
送迎に関して別に費用がかかるかどうかは事業所ごとに違いますが、かかるとすれば書面で使途・額・理由が示され、同意を求められるのが決まりです。運営規程には「通所給付決定保護者から受領する費用の種類及びその額」と「通常の事業の実施地域」を定めることになっており(第37条第5号・第6号)、事業所はその概要を見やすい場所に掲示するか、書面を備え付けて閲覧できるようにしなければなりません(第43条)。「送迎の範囲」と「費用」は、運営規程を見せてもらえば書いてあります。
見学のときに、送迎について聞くこと
ここまでの節から、聞くことを一覧にしました。すべてを聞く必要はなく、お子さんに関係のあるところだけで足ります。
- 範囲——「送迎の範囲(地域)はどこまでですか」「自宅以外の場所(園・学校・駅・集合場所)から乗れますか」
- 園・学校——「保育園(学校)から直接乗れますか。その場合、園(学校)と何を決めておけばよいですか」
- 時間——「迎えの時間の幅はどれくらいですか」「到着前に連絡はありますか」「渋滞で遅れたときはどう連絡が来ますか」
- 車——「何列の車ですか」「置き去り防止のブザーは付いていますか」「チャイルドシートは何歳までどの型を使いますか」
- 人——「運転手のほかに同乗する職員はいますか」「乗るとき・降りるときの点呼は誰がしますか」
- 席——「席は決まっていますか」「席や順番の希望は聞いてもらえますか」
- 待ち時間——「着いてから活動までの待ち時間はありますか。その間は誰が見ていますか」
- 片道——「行きだけ・帰りだけの送迎はできますか」「乗れない日は親が送ってもよいですか」
- 費用——「送迎に関して別に費用はかかりますか。かかる場合、書面はありますか」
- 決まり——「送迎のことが書かれた運営規程か重要事項説明書を見せてください」
これらの質問に事業所が一つずつ答えられるのは、答えの根拠が通知・ガイドライン・基準に書かれているからです。答えられない事業所を責める必要はありませんが、「決まっていない」という答えが返ってきた項目は、契約の前にもう一度確かめる項目です。
この記事で書かないこと・確かめられなかったこと
- 特定の事業所の送迎の良し悪し——書きません。ここにあるのは、どの事業所にも共通して当てはまる決まりだけです。当社の送迎の有無も、この記事では書いていません
- 保育園・幼稚園からの送迎を国が認めているか——留意事項通知は「居宅等」「最寄駅や集合場所」「特定の場所」、改定の概要は「居宅や学校等」と書いており、園の名前は出てきません。園からの送迎は「特定の場所を保護者の同意で定める」枠の中で事業所と園が決めること、というところまでしか原文からは言えません
- 事業所の送迎車がチャイルドシートの例外に当たるか——施行令に例外が8つ列挙されていることまでは確かめましたが、個々の車両と運行の形がどれに当たるかは判断できません。事業所に聞いてください
- 送迎加算の額が利用者の負担にどう反映されるか——通所給付費の計算は受給者証の区分と月額上限額で決まり、この記事の範囲を超えます。区の窓口か事業所の重要事項説明書で確かめてください
- 送迎の時間中に行われる「支援」の中身——留意事項通知は送迎時間を支援の提供時間に含めないとしています。車内で何をするかは事業所ごとの運営で、国の決まりは確かめられませんでした
- 置き去り防止の安全装置の具体的な製品——こども家庭庁がリストを公表していることまでを書きました。製品名はこの記事では扱いません
確かめられなかったことは、推測で埋めていません。原文の出典は次の一覧にあり、いずれも公開されている文書ですので、ご自身で開いて確かめることができます。
出典
- こども家庭庁「児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」(改正後全文・令和8年4月〜)児童発達支援⑭送迎加算の取扱い=通所報酬告示第1の11の送迎加算は「障害児に対して、その居宅等と指定児童発達支援事業所等との間の送迎を行った場合に算定する」/(二)重症心身障害児は運転手に加え直接支援業務に従事する従業者を、医療的ケア児は運転手に加え看護職員(喀痰吸引等のみの場合は認定特定行為業務従事者を含む)を伴って送迎したときに加算/(三)医療的ケアスコア16点以上の中重度医療的ケア児は運転手に加え看護職員を伴い送迎する場合/(五)居宅までの送迎のほか「利用者の利便性を考慮し、適切な方法で事業所の最寄駅や集合場所まで行ったものについても、この加算を算定して差し支えない」が「事前に通所給付決定保護者の同意の上、特定の場所を定めておく必要がある」/(六)同一敷地内の他の事業所等との間の送迎は所定単位数の100分の70/放課後等デイサービス⑭=通所報酬告示第3の9の送迎加算は児童発達支援の⑭を準用。「放課後等デイサービスにおける送迎については、通所する際の道路等の安全性、就学児の年齢、能力及び公共交通機関がない等の地域の実情等を考慮して判断するものとする。このとき、自ら通所することが可能な就学児の自立能力の獲得を妨げないよう配慮することとする」/サービス提供時間=「個々の障害児に対するサービス提供時間(送迎に係る時間は除くものとする。)は30分以上である必要がある」/延長支援時間には送迎時間は含まれない/営業時間には送迎のみを実施する時間は含まれない/放課後等デイサービス⑫の10 通所自立支援加算=「学校・居宅等と事業所間の移動について、障害児が自立して通所が可能となるよう職員が付き添って計画的に通所自立支援を行った場合に、算定開始より90日間を限度に算定」。対象は「公共交通機関の利用経験が乏しいことや、単独で移動する経験が乏しいことなどにより、単独での通所に不安がある場合など」。重症心身障害児は対象外。「あらかじめ障害児及び保護者の意向を確認し、保護者の同意を得た上で」
- こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援関係)改定事項の概要」(令和6年4月1日)④送迎加算【見直し】〔児童発達支援、放課後等デイサービス〕=「医療的ケア児や重症心身障害児の送迎について、こどもの医療濃度等も踏まえた評価を行う」/改定後の単位数=障害児54単位/回、重症心身障害児+40単位/回、医療的ケア児(医療的ケアスコア16点以上)+80単位/回、医療的ケア児(その他)+40単位/回。児童発達支援センター・主として重症心身障害児を支援する事業所は重症心身障害児40単位、医療的ケア児16点以上80単位、その他40単位/「本加算は、車両により居宅や学校等と事業所との間の送迎を行った場合に算定するもの」/主な要件「車両により居宅や学校等と事業所との間の送迎を行うこと」/同一敷地内又は隣接する敷地内での送迎は加算も含めた全体の単位数の7割
- こども家庭庁・厚生労働省「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」(令和8年度障害福祉サービス等報酬改定)児童発達支援給付費の送迎加算=イ 障害児(児童発達支援センター又は主として重症心身障害児の場合を除く)片道につき54単位、注1 一定の条件を満たす場合+40単位、注2 一定の条件を満たす場合+80単位、注3 同一敷地内の場合×70/100/ロ 重症心身障害児又は医療的ケア児 片道につき40単位/ハ 医療的ケア児(16点以上)片道につき80単位/放課後等デイサービス給付費の送迎加算=イ 障害児(主として重症心身障害児の場合を除く)片道につき54単位、+40単位・+80単位・同一敷地内×70/100、ロ 40単位、ハ 80単位(児童発達支援と同じ構造)/令和8年度の算定構造でも送迎加算の単位数は令和6年度改定の値のまま
- こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関する Q&A VOL.1」(令和6年3月29日)問2(基本報酬)=「時間区分が創設されたことにより、送迎時間は支援の提供時間に含まれるか」→「含まれない」/問3=計画より実際の支援時間が短くなった場合、利用者の都合による場合は計画の時間区分で算定。「学校の授業が延長した場合や道路渋滞等により通常より送迎に時間を要するなど、事業所に起因しない事情による場合も同様とする」/問44(通所自立支援加算)=同一敷地内・学校の目の前・徒歩数分の距離は算定できない。「居宅や学校から事業所への道のりの途中までを別途の手段で移動し、途中の地点から事業所に移動する場合、それが日々変わるものでなく固定された通所経路である場合には、当該地点からの通所自立支援をもって本加算を算定し得る」/問45=「職員の乗車料金等について、保護者から徴収することはできない。なお、障害児本人の乗車料金については、利用者側が準備して利用者側が負担の上、支援に当たること」/問46=自転車で通所する場合も算定可能。「自転車の後部座席に乗せて送迎する場合など、支援の要素が乏しく送迎の要素の強い形態による場合には算定されない」
- 児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第15号)|e-Gov法令検索第40条の3(自動車を運行する場合の所在の確認)第1項=「障害児の乗車及び降車の際に、点呼その他の障害児の所在を確実に把握することができる方法により、障害児の所在を確認しなければならない」/第2項=「障害児の送迎を目的とした自動車(運転者席及びこれと並列の座席並びにこれらより一つ後方に備えられた前向きの座席以外の座席を有しないものその他利用の態様を勘案してこれと同程度に障害児の見落としのおそれが少ないと認められるものを除く。)を日常的に運行するときは、当該自動車にブザーその他の車内の障害児の見落としを防止する装置を備え、これを用いて前項に定める所在の確認(障害児の降車の際に限る。)を行わなければならない」/第71条(放課後等デイサービスへの準用)=第34条から第45条までを準用(第40条の3の両項を含む)/第71条の14(居宅訪問型児童発達支援)・第79条(保育所等訪問支援)は第40条の3第1項のみ準用/附則(令和4年改正)第3条=ブザー等を備えることに困難な事情があるときは令和6年3月31日までの間備えないことができ、その場合はブザー等の設置に代わる措置を講じて所在確認を行う/第22条=金銭の支払を求められるのは「使途が直接通所給付決定に係る障害児の便益を向上させるものであって、当該通所給付決定保護者に支払を求めることが適当であるものに限る」。使途・額・理由を書面で明らかにし、説明し、同意を得なければならない/第37条(運営規程)=第5号「指定児童発達支援の内容並びに通所給付決定保護者から受領する費用の種類及びその額」、第6号「通常の事業の実施地域」、第7号「サービスの利用に当たっての留意事項」/第43条(掲示)=運営規程の概要等を見やすい場所に掲示するか、書面を備え付けて自由に閲覧させることで掲示に代えられる
- 児童福祉法(昭和22年法律第164号)|e-Gov法令検索第6条の2の2=障害児通所支援は児童発達支援、放課後等デイサービス、居宅訪問型児童発達支援及び保育所等訪問支援/児童発達支援=障害児につき「児童発達支援センターその他の内閣府令で定める施設に通わせ」支援を行うもの(通わせる手段の定めはない)/放課後等デイサービス=就学している障害児につき「授業の終了後又は休業日に児童発達支援センターその他の内閣府令で定める施設に通わせ」支援を行うもの/居宅訪問型児童発達支援=「重度の障害の状態その他これに準ずるものとして内閣府令で定める状態にある障害児であつて、児童発達支援又は放課後等デイサービスを受けるために外出することが著しく困難なもの」の居宅を訪問して支援を行うもの
- こども家庭庁支援局長通知「障害児支援における安全管理について」(こ支障第169号・令和6年7月4日)場面ごとの注意事項「カ 送迎 ⅰ)送迎車への置き去り」=内閣官房・内閣府・文部科学省・厚生労働省連名の「こどものバス送迎・安全徹底マニュアル」が取りまとめられている/手順=[事前準備]出席管理責任者が当日の出欠を確認し乗車名簿に反映、運転手・同乗職員・管理者・主任職員・担当職員と共有/[乗車時]同乗職員がこどもの顔を目視し点呼等し乗車を確認し記録/[降車時]同乗職員が顔を目視し点呼等し記録、運転手は「車内の先頭から最後尾まで歩き、座席下や物かげなども含め一列ずつ車内全体を見回り、確認」、「置き去り防止を支援する安全装置が動作していることを確認」/[降車後]乗車名簿と出欠状況を照合、車内清掃・点検者が最終確認/「送迎用バス内におけるこどもの席を指定しておくことは、所在確認をしやすくし、見落としを防止する効果が期待される」/こどもへの支援の例=クラクションを鳴らす訓練、乗降口付近にエンジンを切った状態でクラクションと連動して鳴らせるボタンの設置。「送迎車両に乗ることに不安を与えないよう十分留意する必要がある」/「事業所等の送迎車両(2列以下の自動車を除く。)については、置き去り防止を支援する安全装置の装備が義務化されているため(児童発達支援事業所、児童発達支援センター、放課後等デイサービス事業所が対象)、ガイドラインに適合している製品かどうかに留意しつつ、装備を導入する」/ⅱ)車内の安全と車両事故=「送迎中は、車内でのこども同士のトラブルやシートベルトの着用等、車内での安全への配慮が必要」、交通事故発生時の対応を事前に計画、管理者は運転する職員の体調を把握
- こども家庭庁「送迎用バスの安全対策」「保育所、幼稚園、認定こども園及び特別支援学校幼稚部におけるバス送迎に当たっての安全管理の徹底に関する関係府省会議」で緊急対策をとりまとめ/安全装置について国土交通省策定のガイドラインに適合する装置のリストを作成し公表/こどものバス送迎・安全徹底マニュアル、毎日使えるチェックシート、送迎業務モデル例、研修動画を掲載/「送迎用バスに対する安全装置の装備を義務付ける関係府省令等の改正が、令和5年4月1日に施行されており、令和6年3月末日までの1年間を経過措置の期間として設定しているものの、可能な限り令和5年6月末日までに安全装置を装備するよう求めています」
- 内閣官房・内閣府・文部科学省・厚生労働省「こどものバス送迎・安全徹底プラン〜バス送迎に当たっての安全管理の徹底に関する緊急対策〜」(令和4年10月12日)緊急対策①安全装置の義務付け=「誰が運転・乗車するかにかかわらず、バスの乗車・降車時に幼児等の所在の確認が確実に行われるようにするため、府省令等の改正により、幼児等の所在確認と安全装置の装備を義務付ける」/義務付けの内容=①降車時等に点呼等により幼児等の所在を確認、②送迎用バスへの安全装置の装備/スケジュール=令和4年11月パブリックコメント、12月公布、令和5年4月施行、②は施行から1年間の経過措置/法的効果=「指導監査等において、各園側で適切な対応が行われているか確認」「義務違反は、業務停止命令等の対象事由。当該命令違反は、罰則の対象事由となり得る」/児童発達支援・放課後等デイサービスは緊急点検の対象ではないが安全装置の義務化の対象とする、と記載
- こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」(令和6年7月)「発達支援の時間は十分に確保されなければならず、送迎の都合で発達支援の時間が阻害されることのないようタイムテーブルを設定しなければならない」/「設置者・管理者は、運営基準により、送迎や事業所外での活動のために自動車を運行する場合は、こどもの乗降時の際に点呼を行うなど、こどもの所在を確実に把握することができる方法により所在を確認するとともに、自動車にブザー等の安全装置を装備することが求められている」/「設置者・管理者は、送迎時の対応について、事前に保護者と調整しておくことが必要である。また、事業所等内でのトラブルやこどもの病気・事故の際の連絡体制について、事前に保護者と調整し、その内容について職員間で周知徹底しておく必要がある」/「送迎の車内を含め、密室化した場所を極力作らないよう、常に周囲の目が届く範囲で支援を実施できるようにする必要がある」/支援プログラムの記載項目⑥「送迎実施の有無」
- こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン」(令和6年7月)「特に学校等の授業終了後の迎えに当たっては、他の事業所の車両の運行も想定されることから、事故等が発生しないよう細心の注意を払う必要がある。安全かつ確実にこどもの送迎を行うため、管理者や児童発達支援管理責任者は、送迎時の対応、トラブルや事故が発生した場合の連絡体制や対応マニュアル等について、学校等と事前に共有・調整し、送迎を担当する職員を含め事業所内で周知徹底しておくことが必要である」/学校との連携=「学校等の年間計画や行事予定等の交換を行うとともに、学校等の下校時刻の確認なども併せて行う必要がある」/「設置者・管理者は、送迎時の対応について、事前に保護者と調整しておくことが必要である」/自己評価表 項目28=「学校との情報共有(年間計画・行事予定等の交換、こどもの下校時刻の確認等)、連絡調整(送迎時の対応、トラブル発生時の連絡)を適切に行っているか」/「発達支援の時間は十分に確保されなければならず、送迎の都合で発達支援の時間が阻害されることのないようタイムテーブルを設定しなければならない」(児童発達支援ガイドラインと同文)
- 道路交通法(昭和35年法律第105号)|e-Gov法令検索第14条第3項=「児童(六歳以上十三歳未満の者をいう。以下同じ。)若しくは幼児(六歳未満の者をいう。以下同じ。)」/第71条の3第3項=「自動車の運転者は、幼児用補助装置(幼児を乗車させる際座席ベルトに代わる機能を果たさせるため座席に固定して用いる補助装置であつて、道路運送車両法第三章及びこれに基づく命令の規定に適合し、かつ、幼児の発育の程度に応じた形状を有するものをいう。)を使用しない幼児を乗車させて自動車を運転してはならない。ただし、疾病のため幼児用補助装置を使用させることが療養上適当でない幼児を乗車させるとき、その他政令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない」/第71条の3第2項=運転者席以外の乗車装置に座席ベルトを装着しない者を乗せて運転してはならない。ただし幼児(適切に座席ベルトを装着させるに足りる座高を有するものを除く)を乗せるとき等はこの限りでない
- 道路交通法施行令(昭和35年政令第270号)|e-Gov法令検索第26条の3の2第3項(幼児用補助装置に係る義務の免除)=8号を列挙。第1号 構造上幼児用補助装置を固定して用いることができない座席(他の座席で使用できる場合を除く)/第2号 座席の数以上の者を乗せるため補助装置をすべて固定できない場合(乗車人員の制限を超えない場合に限る)/第3号「負傷又は障害のため幼児用補助装置を使用させることが療養上又は健康保持上適当でない幼児を乗車させるとき」/第4号「著しく肥満していることその他の身体の状態により適切に幼児用補助装置を使用させることができない幼児」/第5号 運転者以外の者が授乳その他の日常生活上の世話を行っている幼児/第6号「道路運送法第三条第一号に掲げる一般旅客自動車運送事業の用に供される自動車の運転者が当該事業に係る旅客である幼児を乗車させるとき」/第7号 道路運送法第78条第2号又は第3号に該当して人の運送の用に供される自動車(特定の者の需要に応じて運送の用に供されるものを除く)/第8号 応急の救護のため医療機関等へ緊急に搬送する幼児
※上記の出典は2026年9月8日に閲覧して内容を確認しました。各団体の記載は更新される場合があります。最新の情報は各サイトでご確認ください。
よくあるご質問
「送迎あり」と書いてあれば、家まで来てもらえるのですか。
送迎加算の決まりは「居宅等と事業所の間」で、家までの送迎が基本です。ただし、事業所には「通常の事業の実施地域」が運営規程で決まっており(指定通所支援基準 第37条第6号)、その外側は対象にならないことがあります。留意事項通知は、居宅のほか「事業所の最寄駅や集合場所」まで送迎した場合も、事前に保護者の同意のうえ特定の場所を定めておけば算定してよい、としています。「実施地域はどこまでですか」「自宅以外の場所から乗れますか」の二つを、見学のときに聞いてください。
保育園から直接、事業所の車に乗せてもらえますか。
国の通知には園の名前は出てきませんが、「居宅や学校等」「特定の場所」という書き方で、家以外からの送迎は認められています。園から乗れるかどうかは、事業所がその園まで行けるかと、園が事業所の職員に子どもを引き渡す形を受けるかの両方で決まります。児童発達支援ガイドラインは「送迎時の対応について、事前に保護者と調整しておく」ことを事業所に求めていますので、事業所と園の両方に聞き、時間・場所・連絡先を三者で決めて書面に残すのが確実です。
送迎車での置き去りが心配です。何が決まっているのですか。
指定通所支援基準 第40条の3で、乗車と降車のときに点呼などで所在を確認すること(第1項)と、送迎車を日常的に運行するときはブザーなどの見落とし防止装置を備えて降車時の確認に使うこと(第2項)が義務になっています。令和5年4月1日施行で、放課後等デイサービスにも準用されています。ただし座席が2列以下の車は装置の義務の対象外です。こども家庭庁の安全管理通知は、乗車名簿と出欠の照合、顔を見ての点呼、運転手が車内を一列ずつ見回ること、席を決めておくことまで手順として示しています。見学で「何列の車ですか」「ブザーは付いていますか」「点呼は誰がしますか」と聞いてください。
送迎車でもチャイルドシートは必要ですか。
道路交通法 第71条の3第3項は、6歳未満の幼児を乗せて運転するときに幼児用補助装置の使用を求めています。例外は施行令 第26条の3の2第3項に8つ列挙されており、路線バスやタクシー(一般旅客自動車運送事業)、構造上固定できない座席、障害のため療養上適当でない場合などです。事業所の送迎車がどれに当たるかは車両と運行の形で違い、この記事では判断できません。「チャイルドシートは何歳までどの型を使いますか」と事業所に聞くのが確実です。
子どもが車に乗るのを嫌がります。事業所に頼めることはありますか。
あります。児童発達支援ガイドラインは、送迎時の対応を事前に保護者と調整することを事業所に求めています。席を固定する、乗る順番・降りる順番を変える、到着前に連絡をもらう、同乗する職員がいるか確かめる、持ち込んでよいものを決める、着いてからの待ち時間の過ごし方を聞く——どれも相談してよいことです。乗れない日が続くときは、いったん親が送る日を挟む形も相談できます。乗れた日・乗れなかった日の違いを短く記録しておくと、面談で渡せる材料になります。
送迎の時間も、支援の時間に入るのですか。
入りません。留意事項通知は「サービス提供時間(送迎に係る時間は除くものとする)は30分以上」と書き、令和6年度のQ&A VOL.1 問2も「送迎時間は支援の提供時間に含まれない」と答えています。延長支援の時間にも送迎時間は含まれません。また、ガイドラインは「送迎の都合で発達支援の時間が阻害されることのないようタイムテーブルを設定しなければならない」としています。送迎込みの一日の時間の組み方を見学で聞くと、話が具体的になります。
送迎に別料金はかかりますか。
事業所ごとに違います。決まっているのは、事業所が保護者に金銭の支払いを求められる範囲(指定通所支援基準 第22条)で、使途が直接お子さんの便益を向上させるものに限られ、使途・額・理由を書面で示して説明し、同意を得なければならないことです。運営規程には受領する費用の種類と額を定めることになっており、事業所はその概要を掲示するか書面で閲覧できるようにしなければなりません。「送迎に関して別に費用はかかりますか。書面はありますか」と聞いてください。
放課後等デイサービスで、送迎ではなく自分で通う練習はできますか。
令和6年度に新設された通所自立支援加算がそれに当たります。学校・居宅等と事業所の間の移動に職員が付き添い、自分で通えるように支援するもので、算定開始から90日間が限度です。対象は公共交通機関や単独での移動の経験が乏しく、単独での通所に不安がある子で、保護者の同意が要ります。徒歩数分の距離は対象外ですが、途中の地点からでも固定された経路であれば算定できます。付き添う職員の乗車料金は保護者の負担になりません。受けているかどうかは事業所によりますので、「通所の練習に職員が付き添う形はありますか」と聞いてみてください。
この記事について:本記事は、子育て・発達に関する一般的な情報の提供を目的としています。内容は学会・職能団体・国の機関が公開している情報にもとづいてまとめていますが、お子さまの発達には個人差があり、すべてのお子さまに当てはまるものではありません。診断や治療に関する判断は、医師などの専門機関にご相談ください。
お子さまのこと、専門スタッフに相談してみませんか
のびのび発達ラボを運営する児童発達支援てらぴぁぽけっと早稲田教室(東京都新宿区・早稲田駅徒歩1分)には、言語聴覚士・公認心理師・精神保健福祉士・保育士など多職種の専門スタッフが在籍しています。見学・ご相談は、診断の有無に関わらず承ります。