ポイントのまとめ
当日に休んだときにキャンセル料を払う必要があるかどうかは、新宿区の公式ページからは言い切れません。利用料(利用者負担額)とは別の請求になるかどうかは、事業所の契約書と重要事項説明書の記載と、請求書の項目名で確認してください。
「キャンセル料」という言葉だけで考えると、何に対する請求かが分かりにくくなります。請求書にある項目を、次の四つに分けて見ていくと整理できます。
表:当日欠席のときの費目と確認事項
| 費目 | 公式資料で確かめられること | 家庭が確認すること |
|---|---|---|
| 利用者負担額(利用料) | 国の基準は、事業所が「提供した際は」保護者から通所利用者負担額の支払を受けると書いています。就学前の0歳から5歳は、区の手引で利用者負担が無料です。 | 欠席日が、利用した日として請求に入っていないか。 |
| 食費 | 区の食費助成は、当日欠席により発生した食費を対象外としています。 | 欠席日の食費が請求に載っていないか。載っている場合は誰の負担になるか。 |
| 日用品費・その他の費用 | 国の基準は、保護者に負担させることが適当と認められる費用に限り、事前の説明と同意を求めています。 | 欠席日に出る費用があるか。契約時の説明の書面に載っているか。 |
| キャンセル料と書かれた項目 | 国の基準の条文には、この名前の項目は出てきません。 | 契約書のどの条項か。金額はいくらか。何時までに連絡すれば対象にならないか。 |
表のうち「キャンセル料と書かれた項目」が実際に請求できる費用かどうかは、条文だけでは判断できません。事業所が書面で示した条項と、区の窓口での確認が必要です。
児童発達支援の運営基準は、厚生労働省令「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成二十四年厚生労働省令第十五号)にあります。以下は、e-Govの条文から、当日欠席の費用の確認に関わる部分を並べたものです。
表:運営基準の条文と、家庭が使う場面
| 条 | 条文が書いていること | 家庭が使う場面 |
|---|---|---|
| 第12条 | 利用の申込みを受けたとき、運営規程の概要など利用者の選択に資する重要事項を記した文書を交付して説明し、同意を得ます。 | 契約前に渡された文書に、当日欠席の扱いがあるかを見る。 |
| 第21条 | サービスを提供した際は、提供日、内容などを提供の都度記録し、保護者から提供したことについて確認を受けます。 | 確認を求められた日と、実際に通った日を照らす。 |
| 第22条 | 金銭の支払を求められるのは、使途が障害児の便益を向上させるもので、保護者に支払を求めることが適当なものに限ります。使途、額、理由は書面で明らかにして説明し、同意を得ます。 | 名目が分からない請求の理由を、書面で出してもらう。 |
| 第23条第1項 | サービスを提供した際は、保護者から通所利用者負担額の支払を受けます。 | 欠席日が利用者負担額の計算に入っているかを見る。 |
| 第23条第3項 | 1項・2項の支払のほかに、食事の提供に要する費用、日用品費、日常生活でも通常必要となる費用などを、保護者から受けることができます。 | 食費・日用品費・その他の項目名を、請求書で確認する。 |
| 第23条第5項 | 第1項から第3項までの費用の支払を受けたときは、領収証を交付します。 | 支払ごとに、領収証をもらう。 |
| 第23条第6項 | 第3項の費用のサービスは、あらかじめ内容と費用を説明し、同意を得ます。 | 同意した覚えがない費用は、説明の書面を見せてもらう。 |
第23条第3項の第一号(食事の提供に要する費用)は、条文の書き方では、児童発達支援センターである事業所に係るものに限られています。利用している事業所の種類と食費の根拠は、事業所に確認してください。
第22条第2項(使途・額・理由を書面で明らかにして同意を得る定め)は、第23条第1項から第3項までの支払には適用しないと書いています。そのため、キャンセル料という名前の費用が第22条と第23条のどちらに当たるのかは、条文を読むだけでは決められません。
条文にない項目だから請求できない、と家庭が決めつけることも、契約書に書いてあるから必ず払う、と決めつけることもしないでください。名目、根拠の条項、金額を、事業所から書面で受け取るところから始めます。
出典:[5]第12条、第21条、第22条、第23条。
利用料は、子どもの年齢と世帯の区分で変わります。まず自分の家庭がどの区分かを確かめます。
区の手引は、0歳から5歳の児童発達支援、居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪問支援の利用者負担は無料としています。
東京都の制度で、0~2歳の第1子も、令和7年9月利用分から利用者負担額が無償化されています。区のページは、無償化にあたり申請は不要と案内しています。
無料なのは利用者負担額です。食費、日用品費、キャンセル料と書かれた項目は、別の費目として請求書に載る場合があります。無料と案内されているのに請求が届いたときは、項目名を見て、どの費目かを事業所に聞きます。
区の手引は、負担能力に応じた負担上限月額よりも、サービスに係る費用の1割に相当する額の方が低い場合は、その1割を負担すると書いています。
国の資料は、負担上限月額が、ひと月に利用したサービス量にかかわらず、それ以上の負担は生じない額として設定されると書いています。
表:障害児の通所施設の負担上限月額
| 世帯の収入状況 | 負担上限月額 |
|---|---|
| 生活保護受給世帯 | 0円 |
| 市町村民税非課税世帯 | 0円 |
| 市町村民税課税世帯(所得割28万円未満)で通所施設を利用する場合 | 4,600円 |
| 上記以外 | 37,200円 |
所得を判断する世帯の範囲は、障害児の場合、保護者の属する住民基本台帳での世帯です。
区の手引には、区独自の負担軽減策として、区民税課税世帯の利用者負担率を10%から3%に軽減する案内があります。期限は令和9年3月末までと書かれています。対象になるかは、利用月と世帯の状況で変わるため、区に確認してください。
手引は「令和8年4月現在の利用者負担は以下のとおり」で、国の動向によっては変更があると書いています。数字は、確認した日時点のものです。
当日に休んだ日が利用料に入るか、入らないかは、公式資料では確かめられませんでした。月の請求額が、上限額に収まっているかどうかを、明細で見てください。
新宿区は、区独自の負担軽減策として、児童発達支援事業所が提供する食事に係る保護者実費負担分を無償化としています。
表:区の食費助成の内容
| 項目 | 公式ページの内容 |
|---|---|
| 対象サービス | 児童発達支援、医療型児童発達支援(経過措置期間は令和9年3月末まで) |
| 対象児童 | 上記のサービスを利用する0~5歳の児童 |
| 対象になる食事 | 事業所内で調理した給食、事業所が注文した配食サービスや仕出し弁当、事業所が購入・手作りしたおやつ |
| 対象外 | 元々無償としていた飲食物、イベントや行事で提供した飲食物、保護者がつくるなどして児童に持たせた弁当、当日欠席により発生した食費 |
| 区の負担上限額 | 1食あたり550円(税込)まで |
| 届出 | 届出書を事前に提出。遡りの申請はできず、届出書を提出した月の分から |
| 請求の期限 | 利用月の翌月20日までに、実績記録票の写しを添えて、請求書及び明細書を提出 |
「当日欠席により発生した食費」は、区の助成の対象外です。事業所が欠席日の食費を請求する場合、その金額が区の助成で賄われると考えてはいけません。
ただし、事業所が欠席日の食費を保護者に請求できるか、できないかは、このページからは確かめられません。契約書と重要事項説明書の記載を確認し、請求された場合は事業所に理由と根拠の書面を求めます。
区のページには、利用月の翌月20日までに、実績記録票の写しを添えて、請求書及び明細書を提出するよう書かれています。何のための書類か、誰が提出するのかは、このページには書かれていません。届出書の出し方と合わせて、区の障害者福祉課経理係(03-5273-4520)に確認してください。
実績記録票の備考欄には、食事を提供したことが分かる旨の記載が求められています。欠席日の記録がどう書かれているかは、事業所に見せてもらうと分かります。
請求まわりで保護者の手元に来る書類は、次のように条文で定められています。
表:請求の確認に使う書類
| 書類 | 根拠 | 見るところ |
|---|---|---|
| サービス提供の記録(利用日の確認) | 第21条 | 提供日、内容。保護者として確認した日が、実際に通った日と合っているか。 |
| 領収証 | 第23条第5項 | 支払った費用ごとに交付されているか。項目名と金額。 |
| 障害児通所給付費の額の通知 | 第25条第1項 | 法定代理受領により給付費の支給を受けたとき、その額が通知される。 |
| サービス提供証明書 | 第25条第2項 | 法定代理受領を行わない費用の支払を受けたとき、提供した内容と費用の額を記載して交付される。 |
請求書を受け取ったら、次の順で見ます。
表:家庭で残すメモ
| 日付 | 欠席の連絡 | 請求書の項目 | 金額 | 事業所の説明 |
|---|---|---|---|---|
| _月_日 | 連絡の時刻__/方法__/受けた人__ | 項目名__ | __円 | 根拠の条項__/書面の有無__ |
| _月_日 | 連絡の時刻__/方法__/受けた人__ | 項目名__ | __円 | 根拠の条項__/書面の有無__ |
欠席の連絡の時刻と方法は、あとで事業所と話すときの手がかりになります。電話なら通話した時刻、連絡帳やアプリなら画面を残してください。
出典:[5]第21条、第23条、第25条。
同じ月に、複数の事業所のサービスを使う家庭があります。上限額は月ごとに設定されるため、同じ月の利用を合わせて確認します。
運営基準の第24条は、同じ月に複数の事業所のサービスを受けた場合、保護者から依頼があったときは、事業者が利用者負担額の合計額を算定し、市町村に報告するとともに、保護者と他の事業所に通知すると書いています。
依頼が要件として書かれているため、複数の事業所を使っている家庭は、上限額の管理をお願いしたいことを事業所に伝えてください。どの事業所が行うのかは、事業所と区に確認します。
当日欠席の日が、どちらの事業所の月の請求に入っているかも、あわせて見ます。
出典:[5]第24条。
欠席の連絡の前後で、次の順に聞くと、請求が届いてから慌てずに済みます。
答えが口頭だけの場合は、「確認のため、メールか連絡帳に書いていただけますか」と頼んでください。
欠席の連絡:「本日、体調不良のため、お休みします。当日の欠席について、費用が出る場合は、項目と金額を教えてください。」
契約の確認:「契約書と重要事項説明書の、当日欠席の扱いの部分を、見せていただけますか。」
請求への質問:「今月の請求書の、この項目は、何の費用ですか。根拠の条項と、金額の内訳を、書面でいただけますか。」
食費の質問:「欠席した日の食費が請求に入っていますか。区の食費助成は当日欠席の食費を対象外としていますが、どのように扱われますか。」
利用者負担額は無料でも、食費は別の費目です。欠席日の食費が請求に入っていないかを、まず見ます。
区の食費助成の届出書を出しているかも、確認します。届出書は遡りの申請ができず、提出した月の分からです。
運営基準には、放課後等デイサービスにも、通所利用者負担額の受領の条文(第70条)があります。第1項で、サービスを提供した際は、通所利用者負担額の支払を受けると書いています。
同じ条の第3項は、日常生活においても通常必要となるもので、保護者に負担させることが適当と認められる費用の支払を受けられるとしています。第5項は、その費用のサービスは、あらかじめ内容と費用を説明し、同意を得るとしています。
そのため、請求書の項目名と、事前の説明の書面を、照らして確認します。
連絡が間に合わなかった場合の扱いは、新宿区の公式ページでは確かめられませんでした。契約書の記載と、事業所の説明を書面で確認してください。
そのうえで、納得できない部分は、次の窓口を使います。
出典:[5]第70条。
運営基準の第50条は、事業所に、保護者や家族からの苦情に迅速かつ適切に対応するための、苦情を受け付ける窓口の設置などの措置を求めています。まず事業所の苦情の窓口に、項目と金額、聞きたいことを伝えます。
区の窓口は、公式ページに載っている範囲で使い分けます。
表:新宿区の窓口
| 相談の内容 | 窓口 | 電話 |
|---|---|---|
| 利用料の無償化・利用者負担の軽減 | 新宿区障害者福祉課 支援係 | 03-5273-4302/03-5273-4583 |
| 食費の無償化(食費助成) | 新宿区 福祉部障害者福祉課経理係 | 03-5273-4520 |
区の窓口時間は、午前8時30分から午後5時です。お休みは、土曜日・日曜日・祝日・12月29日から1月3日です。火曜日は、一部の窓口で午後7時までと案内されています。
当日欠席の費用の相談が、どの窓口の担当かは、公式ページには書かれていません。最初に、「療育の当日欠席の費用について相談したい。どの窓口ですか」と電話で聞いてください。
区の窓口がどこまで対応できるかは、公式ページに書かれている範囲しか分かりません。対応の範囲は、窓口で確認してください。
電話で伝える例:「新宿区在住の保護者です。児童発達支援の事業所から、当日欠席のときの費用について請求がありました。子どもの年齢は_歳、利用しているのは__です。請求の項目名と金額は、これです。どこに相談すればよいですか。」
新宿区の公式ページには、必ず払う、必ず払わない、のどちらも書かれていません。契約書と重要事項説明書の記載と、請求書の項目名を、事業所に確認してください。(出典:[5]第12条、第23条)
区の手引で無料とされているのは、0歳から5歳の児童発達支援等の利用者負担です。食費、日用品費、キャンセル料と書かれた項目は別の費目です。請求があった場合は、項目名と根拠を事業所に確認してください。(出典:[3]44頁、[5]第23条)
出ません。区の食費助成は、当日欠席により発生した食費を対象外としています。事業所が欠席日の食費を請求できるかは、事業所に確認してください。(出典:[1])
項目名、金額、根拠の条項を、書面で事業所に聞いてください。運営基準の第22条第2項は、金銭の使途及び額、支払を求める理由を書面で明らかにする定めです。第23条第5項は、領収証の交付を定めています。(出典:[5]第22条、第23条)
国の資料は、負担上限月額を、ひと月に利用したサービス量にかかわらず、それ以上の負担は生じない額と書いています。請求書の利用者負担額の欄を、世帯の区分の上限額と比べ、疑問は事業所と区に確認してください。(出典:[4])
制度の対象と数字、条文は次の公式資料で確かめられます。
[1]:新宿区「食費の無償化について」。最終更新日2025年4月1日。確認日2026-10-13。
[2]:新宿区「障害児通所支援に係る利用者負担の軽減について」。最終更新日2025年9月1日。確認日2026-10-13。
[3]:新宿区「障害者福祉の手引(令和8年版)」第6章。43頁・44頁。確認日2026-10-13。
[4]:こども家庭庁「利用者負担の仕組み」。確認日2026-10-13。
[5]:e-Gov法令検索「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成二十四年厚生労働省令第十五号)。第12条、第21条、第22条、第23条、第24条、第25条、第50条、第70条。確認日2026-10-13。
[6]:新宿区「受付時間」。確認日2026-10-13。
掲載した公式資料の閲覧日・最終確認日:2026年10月13日。
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