ポイントのまとめ
誰が読めるか、いつまで保存されるか、削除してもらえるかは、アプリの画面だけでは判断せず、利用している事業所に「閲覧する人の範囲・保存期間・削除の方法」を聞いて、答えを書面か画面で受け取ってください。
確認の前に、これまで書いた内容を一覧にします。何を書いたか分からないまま「誰が読めますか」と聞くと、答えも曖昧になります。診断名、通院先、きょうだいや家族の状況、家庭内の出来事などを、書いた日と画面ごとに並べてください。
表:アプリに書いた内容の棚卸し
| 書いた内容 | 書いた日・画面 | 種類のメモ | 確認した相手と日付 |
|---|---|---|---|
| 診断名・検査の結果 | __月__日/__画面 | 障害や病歴に関する内容 | __ |
| 通院・服薬の予定 | __月__日/__画面 | 病歴に関する内容 | __ |
| 家庭の事情(家族構成・転居・仕事など) | __月__日/__画面 | 事業所に区分を確認 | __ |
| 送迎・連絡先 | __月__日/__画面 | 連絡先の情報 | __ |
| 写真・書類の添付 | __月__日/__画面 | 添付した資料の種類 | __ |
国の個人情報保護法は、「要配慮個人情報」を、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴などが含まれる個人情報と定めています。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、その説明の中に「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の個人情報保護委員会規則で定める心身の機能の障害があること」を挙げています。診断名を書いた場合は、この説明に当たるかも含めて事業所に確認します。
法第20条第2項は、個人情報取扱事業者が、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで要配慮個人情報を取得してはならないと定めています。どの情報がこの条文の対象に当たるか、「家庭の事情」がどの区分に入るかは、公式資料では一律に示されていません。事業所に「この項目は要配慮個人情報として扱っていますか」と聞いてください。
出典:[2]、[3]。法第2条第3項、法第20条第2項、ガイドライン通則編11頁。
「職員が読む」と一言で説明されても、担当の先生だけなのか、事務の職員や管理者まで含むのかで意味が変わります。次の表の役割ごとに、読める・読めないを聞いてください。
表:誰が読めるかの確認表
| 役割 | 聞くこと | 答えの控え |
|---|---|---|
| 担当の職員 | 自分の子どもの書き込みを、どの画面で読んでいるか | __ |
| 管理者・ほかの職員 | 担当以外の職員も読めるか、読めるのはどの項目か | __ |
| ほかの保護者 | ほかのご家庭の画面に、自分の子どもの情報が出ることはあるか | __ |
| アプリの運営会社 | 運営会社が保存しているか、運営会社の担当者が読むことはあるか | __ |
| 園・学校・相談支援事業所など | 情報を渡す前に、保護者の同意を取る決まりがあるか | __ |
職員について、国の運営基準は、指定児童発達支援事業所の従業者と管理者は、正当な理由がなく、その業務上知り得た障害児またはその家族の秘密を漏らしてはならないと定めています。また、指定障害児入所施設等、指定障害福祉サービス事業者等その他の福祉サービスを提供する者等に対して、障害児またはその家族に関する情報を提供する際は、あらかじめ文書により同意を得ておかなければならないとも定めています。園や相談支援事業所がこれに当たるかは、事業所に確認してください。放課後等デイサービスなど、児童発達支援以外のサービスで同じ決まりが当てはまるかは、事業所に確認してください。
個人情報保護法は、事業者が従業者に個人データを取り扱わせるときは、必要かつ適切な監督を行わなければならないと定めています。さらに、個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならないとも定めています。児童発達支援ガイドラインは、事業所等は通所するこどもやその家族の個人情報を適切に取り扱わなければならないと書いています。
アプリの運営会社が情報を預かる場合について、法第25条は、個人データの取扱いを委託する場合は、委託を受けた者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならないと定めています。法第27条第5項第1号は、利用目的の達成に必要な範囲内で取扱いの全部または一部を委託することに伴って個人データが提供される場合、提供を受ける者は第三者に当たらないとしています。ガイドライン通則編55頁は、委託先における委託された個人データの取扱状況を把握するためには、定期的に監査を行う等により、実施の程度を調査した上で、適切に評価することが望ましいとしています。事業所が運営会社に預ける仕組みか、それ以外の提供に当たるのかは、公式資料から判断できません。事業所に確認してください。
出典:[5]、[2]、[3]、[4]。運営基準第47条第1項・第3項、法第23条・第24条・第25条・第27条、ガイドライン通則編55頁、児童発達支援ガイドライン16頁。
「削除してください」と頼む前に、事業所がどの情報をどの目的で持っているかを確認します。事業所には、サービスの記録を作る決まりもあるためです。
運営基準第21条第1項は、指定児童発達支援を提供した際は、提供日、内容その他必要な事項を提供の都度記録しなければならないと定めています。連絡アプリの書き込みがこの記録にあたるか、別に記録を作っているかは、事業所に確認してください。苦情を受け付けた場合も、第50条第2項で、苦情の内容等を記録しなければならないとされています。
個人情報保護法の第22条は、利用する必要がなくなったときは、個人データを遅滞なく消去するよう努めなければならないと定めています。ガイドライン通則編52頁は、利用目的が達成され、その目的との関係では保有する合理的な理由が存在しなくなった場合などを、利用する必要がなくなったときの説明に挙げています。同じ頁には、法令の定めにより保存期間等が定められている場合は、この限りではないとも書かれています。
表:保存と削除の確認事項
| 確認すること | 聞き方の例 | 答えの控え |
|---|---|---|
| 保存する場所 | 書き込みは事業所の端末と運営会社のサーバーのどちらに残りますか | __ |
| 保存の期間 | 通所をやめたあと、書き込みはいつまで残りますか | __ |
| 削除の窓口と方法 | 削除を頼むときの連絡先と、受け付ける方法を教えてください | __ |
| 削除できない情報 | 記録として残す必要がある情報はどれですか。理由も教えてください | __ |
| 削除したことの連絡 | 削除したあと、書面かメッセージで知らせてもらえますか | __ |
消去までの日数や、通所をやめたあとの扱いは、公式資料に一律の決まりが見つかりません。事業所の説明を書面で受け取ってください。
出典:[5]、[2]、[3]。運営基準第21条第1項・第50条第2項、法第22条、ガイドライン通則編52頁。
個人情報保護法には、本人からの請求の仕組みがあります。保護者が子どもの代わりに請求する場合の扱いは、事業所に確認してください。ガイドライン通則編は、請求できる代理人として、未成年者または成年被後見人の法定代理人と、請求することについて本人が委任した代理人を挙げています。
表:請求の種類と根拠
| したいこと | 根拠の条文 | 条文の内容 |
|---|---|---|
| 書いた内容を見せてほしい | 法第33条第1項 | 保有個人データの開示を請求できる |
| 事実と違う内容を直してほしい | 法第34条第1項 | 内容が事実でないときに訂正、追加または削除を請求できる |
| 使うのをやめてほしい・消してほしい | 法第35条第1項・第5項 | 法第18条・第19条に違反して取り扱われているとき、法第20条に違反して取得されたとき、または利用する必要がなくなった場合などに請求できる |
開示の請求を受けた事業者は、開示しない旨の決定をしたとき、当該保有個人データが存在しないとき、または請求した方法による開示が困難であるときは、本人に対し、遅滞なくその旨を通知しなければならないと法第33条第3項に書かれています。法第38条は、開示の請求を受けたときに手数料を徴収することができると定めています。手数料がかかるかどうかも、先に聞いておきましょう。
事業者は、請求を受け付ける方法を定めることができ、その場合、本人は当該方法に従って請求を行わなければならないとされています(法第37条第1項)。同じ条の第4項は、手続を定めるに当たって、本人に過重な負担を課するものとならないよう配慮しなければならないと書いています。電話で伝えて終わりにせず、事業所の定めた請求先や様式を先に聞いてください。
ガイドライン通則編143頁には、保有個人データについて本人から求めがあった場合には、自主的に利用停止等または第三者提供の停止に応じる等、本人からの求めにより一層対応していくことが望ましいと書かれています。ただし、これは望ましい対応の説明です。応じてもらえるかは、事業所の返事を待ってください。
出典:[2]、[3]。法第33条・第34条・第35条・第37条・第38条、ガイドライン通則編143頁・145頁。
新宿区は、保有個人情報の開示・訂正・利用停止の請求方法を、公式ページで案内しています。そこに書かれているのは、「自己を本人とする保有個人情報」の開示請求、訂正請求、利用停止請求です。請求は、本人のほか、本人の法定代理人や任意代理人による請求もできると書かれています。このページの問い合わせ先は、総合政策部の区政情報課広報係(電話03-5273-4064)です。
このページには、事業所のアプリに書いた内容がこの請求の対象になるとは書かれていません。区が保有する情報の請求方法の案内として読んでください。事業所のアプリの情報が対象になるかは、区に確認してください。
療育の相談や申請の窓口は、新宿区の手引に次のとおり書かれています。身体・知的の障害者・障害児の方は、新宿区 障害者福祉課 支援係(区役所2階)、電話03-5273-4583と載っています。精神障害者・障害児の方は、各保健センターと障害者福祉課支援係と載っています(難病の方も、各保健センターと障害者福祉課支援係です)。お子さんに当てはまる窓口は、区に確認してください。また、区は、利用希望者は新宿区または特定相談支援事業所、障害児相談支援事業所に相談しますと案内しています。発達の不安や心配は、子ども総合センター児童発達支援センター「あいあい」が、専門スタッフによる電話相談を受けつけています(電話03-6273-8701、月~金8:30~18:00、土8:30~17:00)。
区役所の受付時間は、新宿区の「受付時間」ページに、窓口時間が午前8時30分から午後5時で、火曜日は一部の窓口で午後7時までと書かれています。電話受付時間についても窓口受付時間と同様と書かれています。休みは土曜日・日曜日・祝日・12月29日から1月3日です。電話をかける前に、希望する窓口が火曜日の延長の対象かを確認してください。
事業所へ苦情を伝えたい場合について、運営基準第50条第1項は、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講じなければならないと定めています。同条第3項は、事業者が、苦情に関して都道府県知事等が行う調査に協力するとともに、指導または助言を受けた場合は必要な改善を行わなければならないと定めています。この条文の「都道府県知事等」には、同じ条文の中で市町村長も含まれています。どの場合に新宿区が具体的に動くかは、公式ページに書かれていません。区に確認してください。
出典:[1]、[6]、[7]、[8]、[5]。手引39頁、運営基準第50条第1項・第3項。
電話や面談で、次のように切り出すと、確認したい点が伝わります。そのまま読んでも構いません。
面談の前に、聞くことを短くメモしておくと抜けを防げます。電話の相手が担当者でない場合は、担当者から折り返してもらう日時を聞いてください。
表:回答の記録
| 聞いた日 | 相手の役職・名前 | 聞いたこと | 答え | 書面・画面で見せてもらったか |
|---|---|---|---|---|
| _月_日 | __ | 誰が読めるか | __ | はい・いいえ |
| _月_日 | __ | 保存期間 | __ | はい・いいえ |
| _月_日 | __ | 削除の方法 | __ | はい・いいえ |
| _月_日 | __ | 運営会社の関与 | __ | はい・いいえ |
答えが曖昧なときは、「その説明は書面でもらえますか」と重ねて聞きます。個人情報保護法の第40条は、事業者は個人情報の取扱いに関する苦情の適切かつ迅速な処理に努めなければならないと定めています。回答が得られないときは、事業所の苦情の窓口に伝え、区にも相談先を確認してください。
すでに書いた内容の確認と並行して、これから書く内容も見直します。個人情報保護法は、個人情報を取り扱うに当たって、事業者が利用の目的をできる限り特定しなければならないと定めています(法第17条第1項)。また、個人情報を取得した場合は、あらかじめ利用目的を公表している場合を除き、速やかに、その利用目的を本人に通知または公表しなければならないとされています(法第21条第1項)。
事業所に、アプリの利用目的を文書で見せてもらうよう頼みます。利用目的の範囲で必要な情報だけを書くと決めておく方法を、事業所に相談してみましょう。診断の詳細や家庭の事情は、目的に照らして今書く必要があるかを考えます。迷う内容は、アプリに書くか面談で口頭で伝えるかを、事業所に相談してください。
また、法第32条は、保有個人データに関して、事業者の氏名または名称および住所、利用目的、請求に応じる手続などを、本人の知り得る状態に置かなければならないと定めています。事業所の「個人情報の取扱い」の案内や、アプリの利用規約に載っているかを聞いてみてください。
出典:[2]。法第17条第1項、法第21条第1項、法第32条第1項。
新宿区の公式ページには、アプリごとの閲覧範囲は書かれていません。担当職員、管理者、ほかの職員、運営会社、ほかの保護者について、利用している事業所に確認してください。職員については、運営基準第47条第1項が、従業者と管理者は正当な理由がなく業務上知り得た障害児またはその家族の秘密を漏らしてはならないと定めています。
事業所に、保存する場所、期間、削除の窓口と方法を聞き、書面か画面で受け取ります。法第22条は、利用する必要がなくなったときは遅滞なく消去するよう努めなければならないと定めています。ガイドライン通則編52頁には、法令の定めにより保存期間等が定められている場合はこの限りではないとあります。消去までの日数は、事業所に確認してください。
法第33条第1項は開示の請求、第34条第1項は内容が事実でないときの訂正等の請求を定めています。第37条第1項により、事業者が請求の受付方法を定めた場合は、本人はその方法に従って請求を行わなければならないとされています。請求先や様式を、事業所に先に聞いてください。
運営基準第47条第3項は、指定障害児入所施設等、指定障害福祉サービス事業者等その他の福祉サービスを提供する者等に対して、障害児またはその家族に関する情報を提供する際は、あらかじめ文書により同意を得ておかなければならないと定めています。これは指定児童発達支援について書かれた条文です。園や相談支援事業所がこれに当たるかは、事業所に確認してください。放課後等デイサービスなど、ほかのサービスの扱いは、事業所に確認してください。
手引には、身体・知的の障害者・障害児の方の窓口として新宿区 障害者福祉課 支援係(電話03-5273-4583)が載っています。お子さんに当てはまる窓口は、区に確認してください。区が事業所のアプリの情報の取扱いについて何をするかは、公式ページに書かれていません。電話をして、アプリの件を相談してよいかを区に確認してください。窓口時間は午前8時30分から午後5時で、火曜日は一部の窓口で午後7時までです。
条文・数字・窓口は次の公式資料で確かめられます。確認日2026-10-13。
[1]:新宿区「保有個人情報の開示・訂正・利用停止の請求方法」。
[2]:e-Gov法令検索「個人情報の保護に関する法律」。第2条第3項、第17条、第20条、第21条、第22条、第23条、第24条、第25条、第27条、第32条、第33条、第34条、第35条、第37条、第38条、第40条。
[3]:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」。11頁、52頁、55頁、143頁、145頁。
[4]:こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」。16頁。
[5]:e-Gov法令検索「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準」。第21条、第47条、第50条。
[6]:新宿区「障害者福祉の手引」。39頁。
[7]:新宿区「子ども総合センター 児童発達支援センター 愛称あいあい」。
[8]:新宿区「受付時間」。
連絡帳に何を書くか——園・事業所との毎日のやりとりで、伝わる書き方と頼み方
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