ポイントのまとめ
先生も保護者も、繰り返す言葉を止める前に、まずこどもの思いや願いを受け止める側から始め、場面を記録して意味を確かめます。
国の児童発達支援ガイドラインには、「こどもが安心感と信頼感を持って活動できるよう、こどもの主体としての思いや願いを受け止めること」と書かれています(15頁)。また、動きや顔の向き、声の出し方といった細やかな変化や行動から、様々な形で発せられる思いや願いを丁寧にくみ取ることが重要とされています(9頁)。繰り返しが何を表しているかは、記録を持って先生と、新宿区のあいあい(03-6273-8701)に確認してください。
児童発達支援ガイドラインの本文で、「エコラリア」や言葉の繰り返しを名指しした記述は、このページを作る際に確認した範囲では見つかりませんでした。そのため、このページは繰り返しの理由を説明しません。ガイドラインが示す、こどもの発信の受け止め方と、言語・コミュニケーションの支援内容を、保護者が先生に聞くときの手がかりとして整理します。
| ガイドラインの記述 | 先生に聞くときの言い換え |
|---|---|
| こどもの主体としての思いや願いを受け止めること(15頁) | 「繰り返している場面で、本人の思いや願いはどう見えていますか」 |
| 動きや顔の向き、声の出し方といった細やかな変化や行動を踏まえ、思いや願いを丁寧にくみ取る(9頁) | 「言葉の前後の表情や体の動きを、事業所ではどう見ていますか」 |
| 言葉だけでなく、手話や表情、行動も含めた様々なコミュニケーション手段でこどもが発する(23頁) | 「繰り返し以外に、本人が使っている伝え方はありますか」 |
| 発話だけに限定されないコミュニケーション能力の向上(15頁) | 「話す以外の伝え方も、支援の目標に入っていますか」 |
| 具体的な事物や体験と言葉の意味を結びつけること等により、自発的な発声を促す(21頁) | 「言葉と体験を結びつける関わりは、事業所でどう行っていますか」 |
| 指差し、身振り、サイン等を用いて、環境の理解と意思の伝達ができるよう支援する(21頁) | 「指差しや身振りなどの手段を使う予定はありますか」 |
表の左の欄は、ガイドラインの記述の要約です。繰り返しに当てはまるかどうかは、お子さんの様子を見ている先生に確認してください。ガイドラインは、言語・コミュニケーションの支援内容に、言葉によるコミュニケーションだけでなく、表情や身振り、各種の機器等を用いて意思のやりとりが行えるようにする支援も示しています(21頁)。
出典:[2]。
人との関わりの領域では、「模倣行動の支援」として、遊び等を通じて人の動きを模倣することにより、社会性や対人関係の芽生えを支援すると書かれています(22頁)。ただし、これは人の動きの模倣についての記述です。聞いた言葉やせりふの繰り返しに当てはまるかどうかは、書かれていません。事業所の先生に確認してください。
出典:[2]。
意味を知りたいときは、先生や相談員に見せられる場面の記録を用意してください。いつ、どこで、何のあとに出るかを書きます。次の表を、メモ帳やスマートフォンに写して使ってください。1回ごとに書き、まとめて書かないようにします。
| 項目 | 書くこと | 記入のコツ |
|---|---|---|
| 日時 | 月日、曜日、時刻の目安 | 朝・夕などの目安を書きます |
| 場所・場面 | 家のどこか、外出先、療育先、園など | 誰がそばにいたかも書きます |
| 繰り返した言葉 | 聞こえたとおりの言葉、せりふ | 動画やテレビの題名がわかれば添えます |
| 直前にあったこと | 音、声かけ、予定の変更、待ち時間、動画の視聴など | 思い当たらなければ「不明」と書きます |
| 直後に起きたこと | 周りの反応、本人の動き、その後の遊びや落ち着き方 | こちらがどう返したかも書きます |
| 本人の様子 | 表情、声の大きさ、体の動き、視線 | うれしそう・困っているなど、見えたままを書きます |
| 回数の目安 | その場面で何回くらいか | 数えにくいときは「何度も」と書きます |
国のガイドラインは、こどもの意思が言葉以外の様々な形で表れることに留意するよう書いています(23頁)。言葉そのものだけでなく、表情や体の動きもメモに残し、事業所での様子と照らし合わせる材料にしてください。
出典:[2]。
1〜2週間という目安は、このページの提案であり、公式の決まりではありません。期間や記録の形は、先生の希望があればそちらに合わせてください。
ガイドラインは、児童発達支援計画で「いつ」「どこで」「誰が」「どのように」「どのくらい」支援するかが常に明確になっていることが必要と書いています(35頁)。繰り返しへの対応も、先生と保護者で同じ内容を確認できる形にしておくと、家庭と事業所で同じ内容を確かめやすくなるかもしれません。これはこのページの考え方で、公式の決まりではありません。
出典:[2]。
| 聞くこと | メモ欄の例 |
|---|---|
| 事業所での繰り返しは、どの場面で見られますか | 場面__/頻度__ |
| 家庭のメモと、事業所での様子は合っていますか | 合う点__/違う点__ |
| 先生は、繰り返しをどう受け止めていますか | 先生の見立て__ |
| 繰り返しが出たとき、事業所ではどう応じていますか | 応じ方__ |
| 家庭でも同じ応じ方にそろえたほうがよい点はありますか | 家庭で行うこと__ |
| 応じ方を決めた理由は何ですか | 理由__ |
| 繰り返し以外に、本人が使っている伝え方は何ですか | 指差し・身振り・表情など__ |
| 個別支援計画の目標に、言語・コミュニケーションは入っていますか | 目標の文言__ |
| 様子を見直す時期はいつですか | 見直し予定__ |
| 専門職(言語聴覚士など)への相談が必要かどうか | 先生の意見__ |
表の最後の質問は、公式資料では確かめられません。事業所に確認してください。
児童発達支援管理責任者は、児童発達支援計画の内容について、その作成時、変更時にこどもと保護者に対して丁寧に説明を行う必要があると、ガイドラインに書かれています(50頁)。説明を受けるときに、メモの表を見せて質問しましょう。
出典:[2]。
また、こどもの状態や家庭状況等に変化があった場合には、6か月を待たずしてモニタリングを行う必要があると、ガイドラインに書かれています(36頁)。繰り返しが急に増えた、減った、別の言葉に変わったなどの変化があれば、次の面談を待たずに事業所へ伝えてください。
出典:[2]。
新宿区の子ども総合センター 児童発達支援センター(愛称あいあい)は、言葉や生活面、友だちとのかかわり方等、お子さんの発達へのご不安、ご心配について、専門スタッフが電話にて相談を受けつけていると案内しています。電話相談は【月~金】8:30~18:00、【土】8:30~17:00で、電話番号は03-6273-8701です。
電話での発達相談の内容によって、後日来所での相談・サービス利用相談等のご案内をするとされています。来所での相談は予約制です。サービス利用相談の内容として、発達検査の実施、福祉サービス利用のご案内、通所支援のご案内、関係機関の情報提供等が載っています。
出典:[1]。
電話では、記録のメモを手元に置き、次のように伝えてみてください。
案内される相談の種類や日程は、電話の担当者に確認してください。
| 電話の前 | 電話の最中 | 電話の後 |
|---|---|---|
| 記録のメモを見直す | 相談の担当者名と、案内された内容を書き留める | 案内の内容を療育の先生に伝える |
| 療育先の名前と通う頻度を確認する | 来所相談の予約日時と持ち物を聞く | 予約日をカレンダーに入れる |
| 聞きたいことを3つに絞る | メモの表を送れるか、持参するか聞く | 来所の前に、メモを追記する |
ガイドラインは、保育所等と併行利用している場合の併行利用先との連携として、こどもの状態や支援内容の共有(例:得意不得意やその背景、声掛けのタイミングやコミュニケーション手段の共有)を挙げています(29頁)。繰り返しが家庭、療育先、園で出る場面や、周りの人の返し方を、保護者が間に入って共有してもよいかどうか、先生に確認してください。共有する範囲は、保護者の意向を伝えて決めましょう。
出典:[2]。
あいあいは、保育所等訪問支援について、訪問支援員が保育所等を訪問し、お子さんへの専門的な支援や訪問先のスタッフの皆様に関わり方の工夫などの助言を行うと案内しています。利用できる条件や手続は、あいあいに確認してください。
出典:[1]。
| 場所 | 共有したいこと | 誰に伝えるか |
|---|---|---|
| 家庭 | 繰り返しが出る場面、直前・直後の出来事 | 療育の先生、発達相談の担当者 |
| 療育先 | 事業所での様子、応じ方、本人の伝え方 | 保護者 |
| 園など | 園での様子、先生の声かけ | 保護者、必要に応じて療育の先生 |
園への連絡の仕方や、園と療育先が直接やり取りしてよいかどうかは、公式資料から確かめられません。それぞれの施設に確認してください。
新宿区は、サービス等利用計画・障害児支援利用計画の作成にあたって、利用する方の心身の状況、その置かれている環境、サービスの利用に関する意向その他の事情をお聞きすると案内しています。サービス利用開始後も一定期間ごとに計画の見直しをすること(モニタリング)が義務付けられていると書かれています。
出典:[3]。
相談の場では、「やめさせたい」と「意味を知りたい」のどちらの気持ちが強いかを、そのまま伝えてください。ガイドラインにも、保護者の気持ちを受け止め、こども本人と保護者との相互の信頼関係を基本に保護者の意思を尊重する姿勢が重要であると書かれています(26頁)。気持ちが揺れているときは、揺れていることも含めて伝えてください。
出典:[2]。
新宿区の「サービス等利用計画・障害児支援利用計画について」のページに、このページの内容の問い合わせ先として、新宿区基幹相談支援センター(電話03-5273-4302)が載っています。
出典:[3]。
ガイドラインは、家族支援として、家族の子育てに関する困りごとに対する相談援助、こどもの発達上のニーズについての気づきの促しとその後の支援が示されています(27頁)。あわせて、こどもの発達状況や特性の理解に向けた相談援助、講座、ペアレント・トレーニングの実施も挙げられています(27頁)。事業所がこれらを行っているかどうかは、事業所に確認してください。
出典:[2]。
家族がこどもの特性等を理解していくプロセスについて、ガイドラインは、それぞれの家族で異なることを理解することが重要と書いています(28頁)。一人で抱え込まず、ここに挙げた相談先を使ってください。
出典:[2]。
あいあいは、ペアレントメンターについて、心身の発達に遅れや心配のあるお子さんを育てた経験を持つ保護者が、同じような立場にある保護者の悩みを聴いたり、共感したり、一緒に考えたりする役割を担う人と説明しています。「あいあいおしゃべりROOM」(定例相談会)は費用が無料で、場所は子ども総合センター、お申込みはお電話であいあいまで、申込時間は【月~金】9:00~17:00までと案内されています。日程の調整をさせていただく場合があると書かれています。
出典:[1]。
新宿区役所の窓口時間は、午前8時30分から午後5時(火曜日は一部の窓口で午後7時まで)です。お休みは土曜日・日曜日・祝日・12月29日から1月3日です。電話受付時間についても、窓口受付時間と同様と注記されています。ただし、あいあいの発達相談の電話は、上で書いた月~金8:30~18:00、土8:30~17:00と案内されています。電話する窓口ごとに、受付時間を確かめてください。
次の点は、公式資料では確かめられませんでした。言い切らずに、区(あいあい)または事業所に確認してください。
やめさせる基準は、このページで確かめた公式資料には書かれていません。ガイドラインには、こどもの主体としての思いや願いを受け止めること、動きや顔の向き、声の出し方といった細やかな変化や行動から、様々な形で発せられる思いや願いを丁寧にくみ取ることが重要と書かれています。方針は、記録を持って療育の先生に確認してください。
新宿区のあいあいが、お子さんの発達へのご不安、ご心配について、専門スタッフが電話にて相談を受けつけています。電話番号は03-6273-8701で、月~金は8:30~18:00、土は8:30~17:00です。来所での相談は予約制です。
日時、場所、繰り返した言葉、直前にあったこと、直後に起きたこと、本人の様子を記録します。動画の題名がわかれば添えてください。記録の形は、先生の希望があればそちらに合わせます。
「やめさせるより意味を知りたい」という気持ちと、家庭の記録を一緒に伝えてください。ガイドラインには、児童発達支援計画の内容について、作成時、変更時にこどもと保護者に対して丁寧に説明を行う必要があると書かれています。説明を受けるときに質問しましょう。
ガイドラインは、併行利用先とのこどもの状態や支援内容の共有を挙げています。共有する範囲と方法は、保護者の意向を伝えて、療育の先生と園に確認してください。保育所等訪問支援の利用については、あいあいに確認してください。
窓口、電話、時間、制度の記述は、次の公式資料で確かめられます(確認日 2026-10-13)。
[1]:新宿区「子ども総合センター 児童発達支援センター 愛称あいあい」。
[2]:こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」(令和6年7月)9、15、21、22、23、26、27、28、29、35、36、50頁。
[3]:新宿区「サービス等利用計画・障害児支援利用計画について」。
[4]:新宿区「受付時間」。
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