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指定申請の全体像——誰が、何に対して、いつまで

最終更新:2026年9月4日
指定申請の実務に入る前に、制度の骨格を押さえておくと迷いが減ります。

誰が指定するのか。何に対して指定されるのか。いつまで有効か。この3つは児童福祉法にはっきり書かれています。

とくに放課後等デイサービスは、児童発達支援と扱いが違います。ここを知らずに計画を立てると、あとで詰まります。

指定するのは都道府県知事です

児童福祉法第21条の5の3第1項は、給付の対象となる事業者を「都道府県知事が指定する障害児通所支援事業を行う者」と定めています。

内容
権限者都道府県知事。ただし指定都市・中核市では市が権限を持つ場合があります
市町村の役割指定は行いません。市町村は保護者への支給決定(通所受給者証の交付)を行います
2つの手続きは別のものです
事業者の指定=都道府県知事(等)
保護者の支給決定=市町村

混同しやすいところです。事業者が申請するのは前者です。

まず事業所の所在地を所管するのがどこかを確かめてください。

🔴 指定は「種類ごと・事業所ごと」に受けます

児童福祉法 第21条の5の15 第1項
第21条の5の3第1項の指定は、内閣府令で定めるところにより、障害児通所支援事業を行う者の申請により障害児通所支援の種類及び障害児通所支援事業を行う事業所ごとに行う。

つまり——

障害児通所支援は4種類あります(法第6条の2の2第1項)——児童発達支援/放課後等デイサービス/居宅訪問型児童発達支援/保育所等訪問支援。多機能型として複数を行う場合も、指定は種類ごとです。

🔴 放課後等デイサービスは「量を定めて」指定されます

ここが、児童発達支援といちばん違うところです。

児童福祉法 第21条の5の15 第2項
放課後等デイサービスその他の内閣府令で定める障害児通所支援(以下「特定障害児通所支援」という。)に係る第21条の5の3第1項の指定は、当該特定障害児通所支援の量を定めてするものとする。
児童発達支援<b>放課後等デイサービス</b>
指定の単位種類ごと・事業所ごと種類ごと・事業所ごと
量の定め条文上の定めなし「量を定めて」指定される(特定障害児通所支援)
計画に効いてきます
指定そのものに「量」が書き込まれるということです。

あとで規模を大きくしたい場合は、指定の変更を申請することになります(法第21条の5の20第1項)。

「まず小さく始めて、あとから増やす」という計画を立てるなら、その変更が現実的に通るのかを、事前に所管自治体に確認しておくほうが安全です。

なお同項は「その他の内閣府令で定める障害児通所支援」も特定障害児通所支援に含めています。どのサービスが該当するかは内閣府令で定まりますので、所管自治体にご確認ください。

指定は6年ごとの更新です

児童福祉法 第21条の5の16
第1項 第21条の5の3第1項の指定は、六年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。

第2項 更新の申請があつた場合において、指定の有効期間の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の指定は、その処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。

第3項 更新がされたときは、その指定の有効期間は、従前の有効期間の満了の日の翌日から起算する。
内容
有効期間6年
更新しないと期間の経過によって効力を失います
審査が間に合わないとき申請さえしていれば、処分があるまで従前の指定が有効です
更新後の起算従前の満了日の翌日から。申請が遅れても6年が後ろにずれるわけではありません

第4項により、更新にも第21条の5の15(申請と欠格事由)の規定が準用されます。更新のときも、欠格事由に該当していないかが見られます。

🔴 変更・休止・廃止の届出——10日以内のものがあります

児童福祉法 第21条の5の20 第3項
指定障害児通所支援事業者は、当該指定に係る障害児通所支援事業所の名称及び所在地その他内閣府令で定める事項に変更があつたとき、又は休止した当該指定通所支援の事業を再開したときは、内閣府令で定めるところにより、十日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
場面手続き期限
特定障害児通所支援の量を増やしたい指定の変更を申請できる(第21条の5の20第1項)——
名称・所在地などの変更都道府県知事に届出10日以内
休止した事業の再開都道府県知事に届出10日以内
廃止・休止のときは、利用者への義務があります
児童福祉法 第21条の5の19 第4項

事業の廃止又は休止の届出をしたときは、当該届出の日前1月以内に当該指定通所支援を受けていた者であつて、廃止・休止の日以後も引き続き相当する支援の提供を希望する者に対し、必要な障害児通所支援が継続的に提供されるよう、他の指定障害児通所支援事業者その他関係者との連絡調整その他の便宜の提供を行わなければならない。

「行わなければならない」——義務です。やめるときの段取りも、法律に書かれています。

事業者に課されている責務

指定を受けると、法律上の責務が生じます。第21条の5の18が3項にわたって定めています。

内容
第1項障害児が自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、障害児及びその保護者の意思をできる限り尊重するとともに、行政機関、教育機関その他の関係機関との緊密な連携を図りつつ、障害児の意向・適性・障害の特性その他の事情に応じ、常に障害児及びその保護者の立場に立つて効果的に行うよう努めなければならない
第2項提供する障害児通所支援の質の評価を行うことその他の措置により、質の向上に努めなければならない
第3項障害児の人格を尊重するとともに、この法律又はこの法律に基づく命令を遵守し、障害児及びその保護者のため忠実にその職務を遂行しなければならない

第3項だけ「しなければならない」(努力義務ではない)と書かれている点に注意してください。

全体の順番

  1. 所管自治体を確かめる——都道府県か、指定都市・中核市か。
  2. 事前相談・事前協議——多くの自治体が設けています。物件を決める前に行くのが安全です。
  3. 基準を確認する——省令(従うべき基準)と、所管自治体の条例(参酌すべき基準の部分)。→指定基準の3層構造
  4. 欠格事由に該当しないか確認する——法人・役員について。→指定を受けられない場合
  5. 人員・設備を整える——サービスの種類ごとに基準が違います。
  6. 申請——様式・添付書類・受付時期は自治体の要綱・手引きによります。法令には書かれていません。

※申請の様式、添付書類、事前協議の要否、受付時期、審査に要する期間は、すべて所管自治体によって異なります。必ず所管の担当課にご確認ください。

出典

※上記の出典は2026年9月4日に閲覧して内容を確認しました。各団体の記載は更新される場合があります。最新の情報は各サイトでご確認ください。

よくあるご質問

指定は誰が行うのですか?
都道府県知事です(児童福祉法第21条の5の3第1項)。ただし指定都市・中核市では市が権限を持つ場合があります。なお保護者への支給決定(通所受給者証の交付)は市町村で、これとは別の手続きです。
児童発達支援と放課後等デイサービス、両方やる場合は指定も2つですか?
はい。第21条の5の15第1項は、指定を「障害児通所支援の種類及び事業所ごとに行う」と定めています。種類が違えば、別の指定になります。
放課後等デイサービスは何が違うのですか?
同条第2項により、放課後等デイサービスは「特定障害児通所支援」として「量を定めて」指定されます。指定そのものに量が書き込まれるため、あとで増やすには指定の変更申請(第21条の5の20第1項)が必要です。
指定に期限はありますか?
6年です(第21条の5の16第1項)。更新を受けなければ期間の経過によって効力を失います。ただし期限までに申請していれば、処分があるまで従前の指定が有効です(第2項)。更新後の期間は従前の満了日の翌日から起算されます(第3項)。
事業所の名前を変えたら、いつまでに届け出ますか?
10日以内です。第21条の5の20第3項は、事業所の名称及び所在地その他内閣府令で定める事項に変更があったとき、または休止した事業を再開したときは、10日以内に都道府県知事に届け出なければならないと定めています。
事業をやめるときは、届出だけでいいですか?
届出だけでは足りません。第21条の5の19第4項は、廃止・休止の届出をしたときは、届出の日前1月以内に利用していた者で継続を希望する者に対し、他の事業者その他関係者との連絡調整その他の便宜の提供を行わなければならないと定めています。義務です。
この記事について:本記事は、障害児通所支援の指定申請に関する全国共通の枠組みを、法律・政令・省令の条文にもとづいて整理したものです。指定の権限は都道府県知事等にあり、具体的な基準は都道府県・指定都市・中核市の条例で定められます。条例には国の基準を「参酌」して独自に定められる部分があり、申請の様式・添付書類・事前協議の要否・受付時期は自治体ごとに異なります。実際の手続きは、必ず所管の自治体の担当課にご確認ください。制度は改正されます。本記事の確認日をご確認のうえ、最新の情報は各公式サイトでご確認ください。

この記事について

指定申請の道しるべは、東京都新宿区で児童発達支援事業所を運営する株式会社士心が、法令の条文を出典として明記しながらまとめている情報です。自社が指定申請の実務に向き合う中で調べたことを、同じ立場の方に開いています。

記載の誤りにお気づきの場合や、お尋ねになりたいことがあれば、お気軽にご連絡ください。