なぜ人員だけ先に固められるのか
児童福祉法第21条の5の19第3項は、都道府県が条例を定めるにあたり、第1号(従業者及びその員数)については内閣府令で定める基準に「従い」定めるとしています。
「従うべき基準」です
都道府県は、国の基準と異なる内容を定められません。したがって
人員基準は全国共通です。省令を読めば足ります。
3層の関係は
指定基準の3層構造にまとめています。
※ただし、常勤・非常勤の扱いや資格の確認方法など、運用上の解釈は自治体の手引きで示されることがあります。最終的には所管自治体にご確認ください。
児童指導員又は保育士——配置数の計算
児童発達支援(省令第5条第1項第1号)と放課後等デイサービス(同第66条第1項第1号)は、同じ計算式です。
条文(要旨)
その
単位ごとに、その提供を行う
時間帯を通じて専ら当該支援の提供に当たる
児童指導員又は保育士の合計数が、次に定める数
以上イ 障害児の数が10までのもの …… 2以上ロ 障害児の数が10を超えるもの …… 2に、障害児の数が10を超えて5又はその端数を増すごとに1を加えて得た数以上
| 障害児の数 | 児童指導員又は保育士(合計) |
| 10人まで | 2以上 |
| 11〜15人 | 3以上 |
| 16〜20人 | 4以上 |
| 21〜25人 | 5以上 |
条文の読みどころが3つあります
①「単位ごと」——事業所ごとではありません。単位を分ければ、それぞれに必要です。
②「提供を行う時間帯を通じて」——一部の時間だけ満たしていても足りません。
③「専ら当該支援の提供に当たる」——ほかの業務と兼ねている人は数えられません。
「5人ごとに1人」ではなく
「5又はその端数を増すごとに1」である点も読み違えやすいところです。11人でも1人増えます。
児童発達支援管理責任者
省令 第5条第1項第2号/第66条第1項第2号
児童発達支援管理責任者 …… 1以上
児童発達支援・放課後等デイサービスとも1以上です。
省令は、児童発達支援管理責任者を「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第49条第1項に規定する児童発達支援管理責任者」と定義しています。要件は別の省令で定められているということです。
※児童発達支援管理責任者の資格要件(実務経験・研修)は、この省令ではなく別に定められています。要件と研修の受講状況は、所管自治体にご確認ください。
そのほか置く必要がある職種
省令第5条第2項は、行う支援の内容に応じて、次の職種を置かなければならないとしています。
| 場合 | 置く職種 |
| 日常生活を営むのに必要な機能訓練を行う場合 | 機能訓練担当職員(日常生活を営むのに必要な機能訓練を担当する職員) |
| 医療的ケアを行う場合 | 看護職員(保健師、助産師、看護師又は准看護師) |
ここでいう医療的ケアは、省令が「人工呼吸器による呼吸管理、喀痰吸引その他こども家庭庁長官が定める医療行為」を恒常的に受けることが不可欠である障害児に対して行うもの、と定義しています。
看護職員を置かなくてよい場合があります
同項のただし書きは、次のような場合に看護職員を置かないことができるとしています。
・医療機関等との連携により、看護職員を事業所に訪問させ、その看護職員が障害児に対して医療的ケアを行う場合ほかにも要件が定められています。該当を検討する場合は条文と自治体の手引きをご確認ください。
管理者——原則は専従、ただし兼務できる場合があります
省令 第7条
指定児童発達支援事業者は、
指定児童発達支援事業所ごとに専らその職務に従事する管理者を置かなければならない。
ただし、指定児童発達支援事業所の
管理上障害児の支援に支障がない場合は、当該事業所の
他の職務に従事させ、又は
当該事業所以外の事業所、施設等の職務に従事させることができる。
| 内容 |
| 原則 | 事業所ごとに専従の管理者を置く |
| 例外 | 支援に支障がない場合は、同じ事業所の他の職務、または他の事業所・施設の職務との兼務ができる |
「支障がない場合」の判断は、実際には所管自治体の運用によります。兼務を前提に計画する場合は、事前に確認しておいてください。
従たる事業所を置く場合の特例
省令 第8条
第1項 指定児童発達支援事業者は、主たる事業所と
一体的に管理運営を行う事業所(従たる事業所)を設置することができる。
第2項 従たる事業所を設置する場合においては、
主たる事業所及び従たる事業所の従業者(児童発達支援管理責任者を除く)のうちそれぞれ1人以上は、常勤かつ専ら当該主たる事業所又は従たる事業所の職務に従事する者でなければならない。
児童発達支援管理責任者を「除く」と書かれています。つまり児発管については、この「それぞれ1人以上が常勤専従」の対象外です。
従たる事業所のしくみを使うかどうかで、必要な人員の考え方が変わります。計画の早い段階で検討しておく価値があります。
人員を計画するときの順番
- 単位の数と、1単位あたりの利用者数を決める——配置数は単位ごとに計算します。ここが出発点です。
- 提供時間帯を決める——「時間帯を通じて」満たす必要があります。シフトの組み方が効いてきます。
- 児童指導員又は保育士の数を計算する——10人まで2、以降5又はその端数ごとに1。
- 児発管を確保する——1以上。要件は別の省令によります。確保に時間がかかることが多い職種です。
- 行う支援に応じた職種を足す——機能訓練を行うなら機能訓練担当職員、医療的ケアを行うなら看護職員。
- 管理者の兼務可否を自治体に確認する——原則専従、支障がなければ兼務可。判断は運用によります。
※本記事は省令の条文を整理したものです。常勤換算の考え方、資格の確認方法、兼務の可否などの運用は自治体の手引きで示されます。必ず所管自治体にご確認ください。
出典
※上記の出典は2026年9月4日に閲覧して内容を確認しました。各団体の記載は更新される場合があります。最新の情報は各サイトでご確認ください。
よくあるご質問
人員基準は自治体によって違いますか?
違いません。児童福祉法第21条の5の19第3項第1号により、従業者及びその員数は「従うべき基準」とされ、都道府県は国の基準と異なる内容を定められません。全国共通です。ただし常勤換算の考え方など運用上の解釈は自治体の手引きによります。
児童指導員と保育士は何人必要ですか?
児童発達支援・放課後等デイサービスとも、単位ごとに、提供を行う時間帯を通じて専らその支援に当たる児童指導員又は保育士の合計数が、障害児10人まで2以上、10人を超えるときは2に、10を超えて5又はその端数を増すごとに1を加えた数以上です。11人でも1人増えます。
「単位ごと」とはどういう意味ですか?
配置数は事業所ごとではなく単位ごとに計算します。単位を分ければ、それぞれについて必要な人数を満たす必要があります。単位の設定の考え方は所管自治体にご確認ください。
管理者は他の職務と兼務できますか?
原則は事業所ごとに専らその職務に従事する管理者を置きます(省令第7条)。ただし管理上障害児の支援に支障がない場合は、同じ事業所の他の職務、または他の事業所・施設等の職務に従事させることができます。「支障がない場合」の判断は運用によるため、事前に自治体へご確認ください。
看護職員は必ず必要ですか?
必要なのは医療的ケアを行う場合です(省令第5条第2項)。ここでいう医療的ケアは「人工呼吸器による呼吸管理、喀痰吸引その他こども家庭庁長官が定める医療行為」を恒常的に受けることが不可欠である障害児に対して行うものです。また、医療機関等との連携により看護職員を訪問させて医療的ケアを行う場合など、置かないことができる場合もあります。
2か所目を「従たる事業所」にできますか?
省令第8条は、主たる事業所と一体的に管理運営を行う事業所を設置できるとしています。この場合、主たる事業所と従たる事業所の従業者(児童発達支援管理責任者を除く)のうちそれぞれ1人以上が常勤かつ専従である必要があります。
この記事について:本記事は、障害児通所支援の指定申請に関する全国共通の枠組みを、法律・政令・省令の条文にもとづいて整理したものです。指定の権限は都道府県知事等にあり、具体的な基準は都道府県・指定都市・中核市の条例で定められます。条例には国の基準を「参酌」して独自に定められる部分があり、申請の様式・添付書類・事前協議の要否・受付時期は自治体ごとに異なります。実際の手続きは、必ず所管の自治体の担当課にご確認ください。制度は改正されます。本記事の確認日をご確認のうえ、最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
この記事について
指定申請の道しるべは、東京都新宿区で児童発達支援事業所を運営する株式会社士心が、法令の条文を出典として明記しながらまとめている情報です。自社が指定申請の実務に向き合う中で調べたことを、同じ立場の方に開いています。
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