ポイントのまとめ
療育では、見通しをわかりやすくすること、具体的又は視覚的な手段で場面の理解を促すこと、時間や空間を本人に分かりやすく構造化すること、指差し・身振り・サイン等で意思の伝達を支援することなどを手がかりに、熱い物の場面の練習と目印を相談しましょう。具体的な練習の中身は、通っている事業所または中野区に確認してください。
熱い物に手を伸ばす場面は、台所、食卓、ストーブの近くなど、家庭ごとに違います。国のガイドラインに書かれている考え方を、相談の入口にします。ガイドラインの文には、職員や設置者・管理者が主語の書き方があります(例:48頁「職員は、衝動的に建物から出てしまうこども等もいる…」)。実際にどこまで取り組むかは、事業所の計画と合わせて確認してください。出典:[5]。
表:ガイドラインの言葉と、熱い物の場面で事業所に聞く質問の例
| ガイドラインの言葉(頁) | 熱い物の場面で聞く質問の例 |
|---|---|
| 予定等の見通しをわかりやすくする(24頁) | 食事の支度など、熱い物が出る時間を、本人に分かる形で前もって伝える方法を聞きたい |
| 具体的又は視覚的な手段を用いながら、活動や場面の理解を促す(24頁) | 熱い物の場面を、目で見て分かる形で伝える方法を、事業所ではどう考えるか |
| 時間や空間を本人に分かりやすく構造化する(19頁) | 台所や食卓の周りで、入ってよい場所と近づかない場所を本人に分かりやすくする工夫を聞きたい |
| 感覚の特性(感覚の過敏や鈍麻)を踏まえた環境調整(20頁) | 熱さや冷たさの感じ方に偏りがあるのか、事業所の見立てを聞きたい |
| 指差し、身振り、サイン等で意思の伝達ができるよう支援する(21頁) | 「あつい」「だめ」を言葉以外でも伝え合う方法を、家と事業所で同じにしたい |
| 周囲の状況に応じて安全に行動できるようにする(23頁・知的障害のあるこども) | お子さんにこの記述が当てはまるのか、事業所に確認したい |
この表の右側は、保護者が事業所に聞くための例です。公式の文章ではありません。左側の言葉は、国のガイドラインの本文にある表現です。出典:[5]。
ガイドライン24頁には、発達障害のあるこどもに対して、予定等の見通しをわかりやすくすることや、感覚の特性(感覚の過敏や鈍麻)に留意し、安心できる環境づくりが必要である、と書かれています。熱い物の場面なら、「今から温かい物を運ぶ」「テーブルに置いたら声をかける」など、次に起きることを本人に先に伝える方法を事業所に聞いてみましょう。どの方法が合うかは、お子さんの理解の様子によって違うため、事業所の見立てを聞いてください。出典:[5]。
同じ24頁には、具体的又は視覚的な手段を用いながら、活動や場面の理解を促すことや、人と関わる際の具体的な方法や手段を個々の特性に応じて身に付けることが必要である、とあります。「目印」という言葉で相談するなら、ここが近い部分です。目印を何で作るか、どこに置くか、誰がどの言葉で伝えるかは、このページで確認した範囲では決まりが書かれていません。事業所と一緒に決める項目として、家の様子を伝えながら相談してください。出典:[5]。
ガイドライン19頁には、障害の特性に配慮し、時間や空間を本人に分かりやすく構造化する、と書かれています。台所の入口、コンロの前、食卓の端など、家の中の場所ごとに「ここは近づく場所」「ここは大人と一緒の場所」と本人に分かる形にできるのかを、事業所に聞いてみましょう。家の間取りが分かる写真やメモを持っていきましょう。出典:[5]。
ガイドライン20頁には、感覚の特性(感覚の過敏や鈍麻)を踏まえ、感覚の偏りに対する環境調整等の支援を行う、とあります。お子さんが熱さを避けるのか、触ってしまうのかなど、家での様子を記録して事業所に伝えましょう。感覚の特性があるかどうかは、気づいた様子を伝えて、事業所に見立てを聞いてください。出典:[5]。
ガイドライン21頁には、言葉によるコミュニケーションだけでなく、表情や身振り、各種の機器等を用いて意思のやりとりが行えるようにする支援や、指差し、身振り、サイン等を用いて、環境の理解と意思の伝達ができるよう支援する、という内容があります。熱い物の場面では、本人が「触りたい」「見たい」を伝える方法と、大人が「待って」を伝える方法の両方を、事業所と相談しましょう。出典:[5]。
ガイドライン50頁には、日頃からこどもの状況を保護者と伝え合い、こどもの発達の状況や発達上のニーズについて共通理解を持つことが重要である、とあります。また、気になること等について、連絡ノート等を通じて保護者と共有することが必要である、とも書かれています。家での様子を短いメモにして連絡ノートや面談に出すと、共通理解に近づきます。出典:[5]。
表:熱い物の場面を記録するメモ(書き方の例)
| 項目 | 書くこと | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 日時・場所 | いつ、家のどこで | 夕方の食事の支度/台所の入口 |
| 近くにあった物 | 何に手を伸ばしたか | 湯気の出ている鍋/食卓の上の汁物 |
| 直前の様子 | その前に本人は何をしていたか | 大人の動きを目で追っていた |
| 大人の対応 | 声かけ、制止、移動など | 名前を呼んで手を止め、離れた場所へ移った |
| 本人の反応 | 表情、声、その後の行動 | 手を引いた/もう一度近づいた |
| うまくいった場面 | 手を伸ばさなかった時の状況 | 大人と手をつないで見ていた |
| 相談したいこと | 事業所に聞きたい1つ | 見て分かる目印を作る方法 |
この表は、保護者が自分で使うための例です。公式の書式ではありません。うまくいった場面も書いて、事業所に見せましょう。全部の欄を埋められない場合は、分かる項目だけを書いて出してください。
中野区の公式ページには、障害児通所支援のサービスを利用する場合は、お住まいの地域を担当するすこやか福祉センターへご相談ください、とあります。保護者の方からお子さんの心配な点等を伺ったうえで、適切な支援方法を一緒に考えます、とも書かれています。熱い物に手を伸ばす場面は、この「心配な点」として伝えます。出典:[1]。
表:中野区の相談窓口(電話番号)
| 窓口 | 電話番号 |
|---|---|
| 中部すこやか福祉センター | 03-3367-7788 |
| 北部すこやか福祉センター | 03-3388-0240 |
| 南部すこやか福祉センター | 03-3380-5551 |
| 鷺宮すこやか福祉センター | 03-3336-7111 |
出典:[1]。どのセンターが担当かは、電話で確認してください。
公式ページには、未就学のお子さんは、すこやか福祉センター相談後、区立療育センターで療育相談を受けます、とあります。療育相談の結果をふまえて福祉サービス利用の必要性を判断します、との説明です。診断書、意見書、発達検査結果等の書類をお持ちの場合の扱いは、すこやか福祉センターに確認してください。出典:[1]。
公式ページには、小学校入学以降のお子さんはまず、すこやか福祉センターにご相談ください、とあります。この先の進め方は、電話で確認してください。出典:[1]。
すでに通所受給者証をお持ちで、事業所に通っている場合の、支給内容の変更や更新の手続は、このページでは公式に確かめられていません。区に確認してください。熱い物の相談は、まず事業所の担当者にも伝えましょう。事業所での説明については、ガイドライン50頁に、支援の内容、人員体制(資格等)、利用者負担、苦情解決の手順、緊急時の連絡体制等の重要事項については文書化の上、対面で説明する、と書かれています。出典:[5]。
出典:[1]。
表:申請受付窓口(すこやか障害者相談支援事業所)の電話番号
| 窓口 | 電話番号 |
|---|---|
| 中部すこやか障害者相談支援事業所 | 03-3367-7810 |
| 北部すこやか障害者相談支援事業所 | 03-5942-5800 |
| 南部すこやか障害者相談支援事業所 | 03-5340-7888 |
| 鷺宮すこやか障害者相談支援事業所 | 03-6265-5770 |
出典:[1]。
中野区の公式ページには、区立の療育センターのページが載っています。ここでは2つを取り上げ、ページに書かれている範囲を示します。熱い物の場面を扱うかどうかは書かれていないため、相談のときに聞いてください。
| 施設 | 公式ページに書かれていること |
|---|---|
| 中野区立療育センターアポロ園 | 療育相談として、相談を受け、アセスメントを行い対応方法の提案をします。児童発達支援では、運動・認知・言語・社会性・基本的習慣などお子さんの成長を促すための支援を行います。ご利用にあたっては、すこやか福祉センターにご相談ください。 |
| 中野区療育センターゆめなりあ | 療育相談として、相談を受け、アセスメントを行い対応方法の提案をします。個別療育では、心理士、言語聴覚士、作業療法士、理学療法士が発達段階に応じた専門的プログラムを実施します。ご利用にあたっては、すこやか福祉センターにご相談ください。 |
どの職種が担当するか、何回の相談になるかは、公式ページに書かれていません。すこやか福祉センターに確認してください。出典:[3]、[4]。
次の質問は、ガイドラインの記述をもとにした聞き方の例です。聞く順番は、上から順でなくて構いません。
| 聞くこと | ガイドラインの手がかり |
|---|---|
| 熱い物の場面を、事業所の計画のどこに入れるか | 児童発達支援計画の内容は、その作成時、変更時にこどもと保護者に対して丁寧に説明を行う必要がある(50頁) |
| 家の様子を、どの方法で事業所に伝えればよいか | 気になること等について、連絡ノート等を通じて保護者と共有する(50頁) |
| 家庭での関わり方を学ぶ機会があるか | ペアレント・トレーニング等を活用しながら(50頁)、相談援助、講座、ペアレント・トレーニングの実施(27頁) |
| 事業所で、見て分かる手がかりを使っているか | 具体的又は視覚的な手段を用いながら、活動や場面の理解を促す(24頁) |
| 事業所での練習と、家の場面のつながりをどう考えるか | 家庭や地域社会での生活に活かしていくために行われる(18頁) |
| 事業所でけがや事故が起きたとき、どう連絡が来るか | 病気・事故の際の連絡体制について、事前に保護者と調整する(50頁) |
| 事業所の安全の取組を、保護者はどこで知れるか | 安全計画に基づく取組の内容を周知する(48頁) |
出典:[5]。
ガイドライン48頁には、事業所内や屋外の環境の安全性についてチェックリストを用いて点検する、衝動的に建物から出てしまうこども等もいるため、こどもの特性を理解した上で、必要な安全の確保を行う、という記述もあります。これは事業所の安全管理についての記述です。このページで引いた範囲には、家庭の熱い物への対応は書かれていません。家庭の場面は、事業所に相談してください。出典:[5]。
「中野区に住んでいる○歳の子の保護者です。療育に通っています。家で熱い物に手を伸ばすことが続いていて、本人に分かる形で危険を伝える方法を相談したいです。どこに相談すればよいか教えてください。」
伝える内容は、お子さんの年齢、通っている先、家での様子の3つです。担当のセンターや、予約が要るかどうかは、電話で確認してください。出典:[1]。
「家で、湯気の出ている物に手を伸ばす場面があります。メモを作ったので見てもらえますか。事業所で、見て分かる手がかりや、場所の区切りの工夫をしているなら、家でも同じ形にしたいです。」
ガイドライン50頁の、日頃からこどもの状況を保護者と伝え合い、共通理解を持つ、という考え方に沿った伝え方です。出典:[5]。
目印や声かけを家族の間で揃えるための確認表です。ガイドライン27頁には、家族への支援として、こどもの発達状況や特性の理解に向けた相談援助、講座、ペアレント・トレーニングの実施が挙げられています。次の表で、家族と事業所で揃えたい点を整理してください。出典:[5]。
| 確認すること | 家族で決めるメモ | 事業所に確認すること |
|---|---|---|
| 伝える言葉 | 「あつい」「まって」など、全員が同じ言葉を使う | 事業所で使っている言葉と合わせてよいか |
| 伝える手段 | 声、身振り、指差し、見せる物のどれを使うか | お子さんに合う手段は何か |
| 近づかない場所 | 台所やストーブの周りなど、場所を決める | 場所の区切りを本人に分かりやすくする方法 |
| 記録の渡し方 | 連絡ノート、写真、口頭のどれか | 事業所が受け取りやすい方法 |
この表も、保護者が使うための例です。右側は、通っている事業所に聞いてください。
このページは療育の相談を整理するためのものです。実際にやけどなどのけがをした場合や、受診に迷う場合は、東京都の公式の相談窓口が案内されています。
東京消防庁救急相談センターでは、相談医療チーム(医師、看護師、救急隊経験者等の職員)が、24時間・365日対応しています。電話は「#7119」(携帯電話、プッシュ回線)で、「03-3212-2323」からもつながります。出典:[6]。
東京都の子供の健康相談室(小児救急相談)では、子供の健康・救急に関する相談に、看護師や保健師等が応じています。電話番号は「#8000」(プッシュ回線の固定電話、携帯電話)と「03-5285-8898」(ダイヤル回線・IP電話等すべての電話)です。受付時間は、月曜日から金曜日まで(祝日・年末年始除く)が午後6時から翌朝8時まで、土曜日・日曜日・祝日・年末年始が午前8時から翌朝8時までです。電話相談のため、医師が診断をするものではない、とも書かれています。出典:[7]。
家で起きた事故を事業所にも伝えるときは、ガイドライン50頁の、病気・事故の際の連絡体制について事前に保護者と調整する、という考え方を手がかりに、連絡の方法を事業所と決めておきましょう。出典:[5]。
中野区の公式資料には、児童福祉法に基づく障害児通所支援事業の利用には通所受給者証が必要です、とあります。通所受給者証には、サービスの種類、支給量(利用可能な日数)、負担上限月額が記載されます。また、障害者手帳を持っていなくても、受給者証は発行できます、とも書かれています。出典:[2]。
費用については、令和元年10月1日より、就学前の子どもを支援するため児童発達支援等の利用者負担が無償化されました。食費等の実費で負担しているものは、引き続きお支払いいただきます。令和7年9月分より、児童発達支援事業等を利用する0歳から2歳までの利用者負担についても、中野区独自の助成制度で無償化します。お子さんがどれに当たるか、新しく申請が必要かなどは、区に確認してください。出典:[1]。
中野区の公式ページには、障害児通所支援のサービスを利用する場合は、お住まいの地域を担当するすこやか福祉センターへご相談ください、とあります。すでに通っている事業所がある場合は、事業所の担当者にも伝えましょう。出典:[1]。
国のガイドラインには、予定等の見通しをわかりやすくすること、具体的又は視覚的な手段を用いながら活動や場面の理解を促すこと、時間や空間を本人に分かりやすく構造化すること、指差し、身振り、サイン等で意思の伝達ができるよう支援することが書かれています。具体的な練習の中身は、事業所に確認してください。出典:[5]。
ガイドライン50頁には、気になること等について、連絡ノート等を通じて保護者と共有することが必要である、とあります。いつ、どこで、何に手を伸ばしたか、その後の様子を短くメモして伝えましょう。出典:[5]。
ガイドライン27頁には、家族への支援として、相談援助、講座、ペアレント・トレーニングの実施が挙げられています。通っている事業所でそれが行われているかは、事業所に確認してください。出典:[5]。
東京消防庁救急相談センターは「#7119」、東京都の子供の健康相談室は「#8000」と案内されています。電話番号と受付時間は、本文の「けがやけどが心配なときの相談先」に書いたとおりです。出典:[6]、[7]。
窓口、電話番号、制度の数字、ガイドラインの文は、次の公式資料で確かめられます。確認日2026-10-13。
[1]:中野区「児童福祉法に基づく障害児を対象としたサービス」。更新日2026年6月15日。
[2]:中野区「受給者証について」(PDF)。
[3]:中野区「中野区立療育センターアポロ園」。更新日2026年7月10日。
[4]:中野区「中野区療育センターゆめなりあ」。更新日2026年7月21日。
[5]:こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」(令和6年7月)。18、19、20、21、23、24、27、48、50頁。
[6]:東京消防庁「東京消防庁救急相談センター」。
[7]:東京都福祉局「子供の健康相談室(小児救急相談)」。更新日2026年6月19日。
掲載した公式資料の確認日:2026年10月13日。
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