ヘルプカードは、必要な支援を伝えるもの
港区は、ヘルプカードを、災害時や日常生活で困ったときに周囲の配慮や手助けをお願いしやすくするカードとして案内しています。緊急連絡先や必要な支援内容などを記入できるという説明があります。また、希望する配布対象者には、カードを入れる専用のホルダーを配布するとされています。カードの役割を、診断書や行政サービスの利用決定の代わりだと考えないようにしましょう。
区の配布対象は、義足や人工関節を使用する人、内部障害や難病の人、妊娠初期の人など、救助や配慮を必要とする人と案内されています。診断名の一覧だけで自分や子どもの扱いを推測するより、必要な配慮の内容を区の窓口へ伝えて確認できます。カードを持つと特定の支援が確実に受けられる、外出先で全ての希望がかなう、といった約束をこのページが示すものではありません。
マークとカードで、伝える役割を分ける
東京都のヘルプマークは、外見からは分からなくても援助や配慮を必要とする人が、その必要性を周囲へ知らせるためのものです。一方、カードには具体的な支援内容などを書けます。「気付いてもらいたいこと」と「実際にお願いしたいこと」を分けて考えると、家庭で整理しやすくなります。この記事の図は、カードの情報を相談する流れを描いたもので、公式マークの複製ではありません。
都の案内では、ヘルプマークは本人または家族や支援者などの代理人の口頭の申し出により、一人一つまで配布すると説明しています。都内で直接受け取る場合の場所や条件、受け取りが難しい場合の問い合わせ方法は、最新の都の案内で確認してください。港区のヘルプカードの配布窓口と、都のヘルプマークの配布場所を同じものとしてまとめず、それぞれの説明を読みましょう。
最初に書くのは、診断名より困る場面
家庭の下書きには、「電車が止まったとき」「人の多い場所で案内を聞くとき」など、実際に心配な場面を一つ選んで書く方法があります。その横に、大人が気付いてほしい様子と、お願いしたい行動を分けます。たとえば「説明を一度にたくさん受けると答えることが難しい」という様子に対し、「短く一つずつ伝えてほしい」という希望を置く方法です。これは全ての子に共通する特性ではなく、家庭で内容を考える例です。
本人の普段の反応を確かめずに、他の人のカードの文章をそのまま写さないようにします。同じ診断名でも必要な配慮が同じとは限りません。「この子は何も分かりません」と広くまとめるより、どの説明や場面で困り、何をしてもらうと本人が受け取りやすいかを、園や支援先へ相談できます。カードに書く言葉を、本人の能力を決めつける紹介文にしないことが大切です。
短いお願いを、本人に合う言葉で考える
文章を短くするための下書きとして、「困っていること」「してほしいこと」「連絡が必要なとき」の欄を分ける方法があります。最初から全部の生活歴を書くのではなく、外出先で役立つ内容を選びます。書き切れない場合は、何を優先するかを支援先や家族と相談しましょう。文字の量を減らせば確実に理解されるという意味ではなく、必要な相手に伝える内容を整理するための提案です。
本人が話せるときは本人の説明を尊重し、カードを大人が先に見せることだけを習慣にしない方法も考えられます。本人にとって、持つことや見せることが負担になっていないかを確認してください。言葉で答えることが難しい場合も、日頃の伝え方を踏まえて、どのように本人の意向を確かめるか関係者と相談できます。カードの利用を、本人が診断名を公に説明する義務に置き換えないようにしましょう。
個人情報は、どこまで誰に見せるか考える
緊急連絡先を書けることと、住所や通園先などを外から常に読めるようにすることは別です。家庭では、どの情報をカードに入れ、誰に必要なときに見せるかを相談できます。情報を増やすほどよいという考え方にせず、利用する場面と本人の希望を踏まえて選びます。保護者だけで判断に迷う場合は、カードの窓口や支援先へ尋ねてください。
ホルダーを付ける場合も、かばんから落ちないか、本人が扱いやすいかといった実物の確認ができます。付ける場所を全国一律の決まりとしてこの記事から指定することはしません。子どもの持ち物は使い方が変わることがあるので、家族が代わっても現在の入れ方と必要な情報が分かるようにします。写真を公開して「こう書きました」と紹介する場合に、個人情報が写らないかも別の確認になります。
港区の窓口と、相談する前の準備
港区はカードの配布場所として、各地区総合支所の区民課保健福祉係を案内しています。制度に関する窓口は障害者福祉課障害者福祉係、電話03-3578-2383、ファックス03-3578-2678です。行く先の窓口や受け取り方を確認したい場合は、区の最新の案内を見て問い合わせてください。このページは特定の支所の所在地や窓口開設時間を一律に示していません。
相談するときは「子どもの外出中に、必要な手助けを伝える方法を知りたい」「ヘルプカードとホルダーについて確認したい」と目的を先に伝える方法があります。自分で書いた下書きがあれば、公式の記入方法や利用について尋ねられます。ただし、窓口が文章の医学的な内容まで判断するとは考えず、医療に関わる指示は担当する医療者へ確認してください。相談内容ごとに確認する相手を分けることが大切です。
外出の前後に見直すこと
外出前は、連絡先が現在のものか、必要な資料が入っているかを確認できます。保護者の電話番号が変わった、通う場所が変わったなどのときには、古い情報が残っていないか見直すきっかけになります。毎日長い説明を書き直すためのカードにする必要はありません。今の生活で必要な情報と、以前の情報を分けておくことを中心に考えましょう。
外出後に伝わりにくかった場面があれば、「どこで」「何を伝えようとしたか」「どの言葉が分かりにくかったか」を短く残せます。「カードが役に立たなかった」と全体を決めるより、次に誰と相談するとよいかを考える記録にします。カードだけに安全や支援の全てを任せるのではなく、普段の支援先との連絡や、本人への説明と組み合わせて使い方を相談してください。
カードへ写す前の文章を比べてみる
下書きでは、「何かあったら助けてください」という広いお願いを、実際に困る場面に沿って考えることができます。例として、「案内を一つずつ短く伝えてください」「保護者へ連絡するときは、この連絡先を確認してください」という形があります。これらは記入を一律に勧める文章ではありません。本人に必要なことを確認し、医療に関わる内容なら医療者へ、利用方法ならカードの窓口へ質問してください。
文章を家族と読み比べるときは、初めて見る人が何をすればよいか分かるか、本人の説明の機会を奪っていないか、今は必要のない情報が入っていないかを確かめる観点があります。分からない言葉を詰め込むより、誰に見せる予定なのかを先に決める方法です。生活の事情が変わって内容を直した際は、古い下書きと持ち歩くカードが混在していないかも確認できます。本人が持つものを使い続けるかどうかについても、成長や希望に合わせて関係者と話し合える余地を残しましょう。
見せる場面を、家族で話しておく
同じカードでも、本人が持つ場面、保護者が説明しながら示す場面などを分けて考えられます。大人が交代する日のために、どこに入っているか、現在の内容はどの紙かを家族で共有する方法があります。未確定の下書きが複数ある場合は、そのまま持ち歩くカードへ混ぜず、採用した情報を区別しておきましょう。
また、本人がカードを見せたくない様子を示したときは、その理由を決めつけずに聞くことができます。どこまで説明したいか、ほかの伝え方はあるかを、本人の普段の表し方を踏まえて相談します。家族の安心のために情報を増やすことと、本人がどう過ごしたいかを同じものとして扱わないことが大切です。必要な情報を選ぶ話し合いは、作った日だけで終わりにせず、生活の変化に応じて見直す機会を置けます。
本人が使う言葉をカードへ取り入れたい場合、短い言葉の意味を周囲の大人が同じように理解しているかを確かめる方法があります。家庭では分かる合図でも、初めて会う人には伝わりにくいかもしれません。本人の表し方を否定せず、その意味をどう添えるとよいか相談します。下書きの段階では複数の案があっても構いません。実際に持つ内容を決めた後に、古い案が同時に入っていないかを確認し、必要な情報を選ぶために使いましょう。

