病院でリハビリを受けている子どもについて、児童発達支援も使った方がよいのかと迷うことがあります。反対に、児童発達支援へ通い始めたあと、医療機関のリハビリを相談したい場合もあります。ここでは、ひとつのサービスの優劣を決めるのではなく、医療の相談と通所支援の利用相談を分けて考えます。
豊島区の「障害児通所支援の手引き」は、児童発達支援を障害児通所支援のひとつとして案内しています。一方、出典に挙げた医療機関のリハビリテーション科は、医師が診察し、必要に応じて理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が評価や訓練、指導を行うと説明しています。二つの公開情報は、それぞれが扱う支援を説明したものです。
この二つを読んだだけで、すべての医療機関のリハビリの条件や、個別の子どもが同じ時期に両方を使えるかまで決めることはできません。実際に受けている医療については主治医や受診先へ、児童発達支援については市区町村の窓口や相談支援へ、別々に確かめる部分があります。
出典に挙げた医療機関のリハビリテーション科は、先天的・後天的な疾患による障害に対して、評価を診断や治療方針に役立てること、成長発達に合わせた補装具の処方などを説明しています。この医療機関の一般外来は、院内の他科から紹介された患者を受け付けると案内されています。これはこの医療機関の受診条件で、どの病院でも同じ紹介経路という意味ではありません。
同センターでは、理学療法は動作や姿勢、作業療法は生活全般の問題、言語聴覚療法はことば・聞こえ・食べたり飲み込んだりする機能の難しさについて、評価や支援の内容を説明しています。同じ職種名があることだけで、児童発達支援の事業所と同じ評価、同じ回数、同じ治療が受けられるとは考えないようにします。
受診中の子どもの場合は、主治医に今回どのような評価や治療を受けているのか、ほかの支援へ何を伝えるとよいかを尋ねる形で相談できます。これから受診先を探す場合は、その医療機関が案内する対象、紹介の経路、予約方法を確かめます。病院名だけで受入れを判断せず、その診療科の現在の案内を読むことが出発点です。
豊島区の手引きは、児童発達支援について、日常生活の基本的な動作、知識や技能の習得、集団生活への適応のための支援などを説明しています。対象は、療育の観点から集団または個別の支援が必要と認められる未就学児として案内されています。病院の検査を予約する手続とは異なり、区でサービスの必要性を確認し、利用する内容を決める手続があります。
同じ手引きには、児童発達支援センターで肢体不自由のある子どもに治療を行うことも記載されています。そのため、「児童発達支援には医療に関係する内容が一切ない」と二分するのも正確ではありません。この記事の比較は、病院のリハビリと障害児通所支援の手続を区別するためのものです。個々の施設が扱う内容は、その施設の説明で確かめます。
豊島区の手引きでは、利用相談、事業所への連絡や見学、申請の準備、区職員との面談、支給決定と受給者証の交付、事業所との契約という流れが示されています。病院でリハビリの説明を受けたことや、通いたい事業所を見つけたことだけで、区の利用決定が済んだと扱わないことが大切です。
豊島区の手引きでは、通所受給者証は、利用回数や負担上限月額などの給付内容を個別に明らかにしたものと説明されています。通所支援を利用する際に事業所へ提示する書類です。病院の診察券や医療保険の資格を確かめる書類と、同じものとして使い回す説明にはなっていません。
また、障害児通所支援では障害児支援利用計画を作成し、相談支援事業所へ依頼する方法と保護者が作成するセルフプランを案内しています。医療のリハビリに通っている場合も、通所支援の計画で何を相談するかは別に整理します。医療での説明を計画へどう伝えるか、どの情報を共有するかは、主治医と相談支援側へ確認する内容になります。
利用回数も、医療の予約回数をそのまま通所支援の日数へ置き換える話ではありません。豊島区の手引きは、子ども・保護者の状況や生活環境、利用意向などを踏まえて利用日数を決めるとしています。ほかの市区町村に住む方は、お住まいの窓口の手続を確かめてください。
「同じ時期に利用する」という言葉には、病院と通所支援の両方へ継続して通いたい、同じ週に利用したい、同じ日の利用を考えているなど、異なる希望が含まれます。どの意味で相談しているかを分けると、相手が確認すべき内容もはっきりします。このページでは、どの場合も必ず併用できるという約束はしません。
相談の準備としては、いま通っている先、受けている説明、予定している受診や通所の日、今回困っている生活の場面を分けて整理する方法があります。提出が一律に義務付けられた書式という意味ではありません。医療側の方針と通所側の支援目標について、同じ子どもの話としてつなげて相談するための整理です。
| 相談すること | まず確かめる相手 |
|---|---|
| 医療機関で受ける診察・評価・治療の内容 | 主治医、受診先のリハビリテーション科など |
| 通所支援の必要性、申請と支給内容 | お住まいの市区町村の担当窓口 |
| 通所支援の利用計画と希望の整理 | 障害児相談支援事業所など |
| 実際の活動、利用可能な日時、契約の説明 | 利用を考える通所支援事業所 |
| 同じ時期に利用する場合の個別条件 | 主治医と、区の窓口・相談支援の両方 |
医療機関でのリハビリの費用や医療保険の扱いは、受診先が実施する診療について確かめます。「医療機関だからすべて保険診療」「子どもだからすべて無料」という説明を、このページではしていません。子どもの医療証や公費負担の利用も、対象となる診療や制度の条件をそれぞれ確認してください。
豊島区の手引きでは、通所支援の利用者負担と、医療費や食費等の実費で負担するものを分けて説明しています。利用者負担の無償化の案内を読んでも、すべての医療費や食費まで同じ扱いになるとは読み替えません。どの費用の説明なのかを確かめ、分からない項目は区の窓口と利用先へ分けて聞きましょう。
豊島区の手引きでは、最初の相談先は障害福祉課児童・障害児支援グループ(03-4566-2451)です。通所支援の利用手続を相談するときは、医療機関へ通っていることや、通所支援も考えていることを分けて伝えます。通所支援の窓口が、医療機関の診察や検査を代わりに決定するという意味ではありません。
ほかの自治体では窓口名や申請の流れが異なるため、豊島区の案内をそのまま全国の手続として使わないでください。受診先と居住地の窓口が異なる場合も、診療についての確認先と通所支援についての確認先を分けておきます。二つの説明がつながらないときは、どの部分が分からないのかを示して、情報の共有方法も含めて相談します。
医療機関と通所支援先の説明で、似た言葉が違う意味に聞こえることがあります。家庭のメモには「どの場所で、どの行動が難しく、どんな助けがあるとできたか」を具体的に残す方法があります。「落ち着きがない」と一言にまとめるよりも、食事や着替え、遊びのどの場面を相談したいのかが伝わりやすくなります。
支援先どうしで情報を共有したい場合は、家庭の希望を伝え、どの資料を誰へ渡すかを担当者と相談します。医療機関の説明がそのまま区の利用決定になると考えず、次に必要な相談や書類が残っているかを一つずつ確認します。家庭の負担も含めて予定を伝えることで、続けられる支援の組み合わせを考える材料にできます。
支援の名前だけで予定を埋める前に、通園や通学、通院、移動、休む時間を一枚に並べてみる方法があります。家庭で負担に感じている移動や、子どもが疲れやすい時間帯も、担当者へ伝える材料になります。利用の条件は制度の担当へ確かめながら、生活の中で何を助けたいのかを、医療と通所支援の双方へ具体的に相談してください。
個別の診療・支援の条件を確認する必要があります。主治医と、市区町村の受給者証の窓口・相談支援側へ、どのような時期や日程で利用したいかを具体的に相談してください。このページだけで併用の可否を決めることはできません。
職種名だけで同じ内容とは判断できません。医療側は診察や評価、治療の説明を、通所支援側は支援内容と利用計画の説明をそれぞれ確認します。子どもの生活の困りごとと、各支援で扱う目標を分けて相談しましょう。
通所受給者証は障害児通所支援の給付内容を明らかにする書類です。病院の受診条件や予約方法は、医療機関の案内で別に確認してください。出典に挙げた医療機関の一般外来にも院内紹介など固有の受診条件が載っています。
区の手引きは、障害福祉課児童・障害児支援グループ(03-4566-2451)を最初の相談先として案内しています。医療の受診状況と、通所支援で相談したいことを分けて伝えてください。
のびのび発達ラボを運営する児童発達支援てらぴぁぽけっと早稲田教室(東京都新宿区・都電早稲田駅徒歩1分)には、言語聴覚士・公認心理師・精神保健福祉士・保育士など多職種の専門スタッフが在籍しています。見学・ご相談は、診断の有無に関わらず承ります。