公園や園で同じ遊びを続けていると、周りとの関わりが少ないことに不安を感じるかもしれません。相談では、遊んでいる人数だけでなく、本人が何を楽しみ、どんな場面を難しく感じているかを持ち寄る案があります。「一人遊びをやめる」だけを目標にせず、本人に必要な関わり方や環境を園と考えるための準備です。
こども家庭庁の児童発達支援ガイドラインは、仲間づくりと集団参加について、手順やルールを理解し、こどもの希望に応じて参加できるよう支えることを示しています。また、国立障害者リハビリテーションセンターの資料は、その子に合った集団への参加の仕方を工夫することを挙げています。一つの遊び方から診断や療育の種類を決めるのではなく、本人と場面の両方を確かめる話として扱います。
図は本記事の相談整理例です。子どもの発達を段階別に判定する表でも、次の段階へ必ず進ませる手順でもありません。本人の希望を確かめ、活動や人数などの条件を園と共有し、試した後に話し合うための図です。
家庭で集中している遊び、見に行きたがるもの、近くで大人に見ていてほしいときなどを、分かる範囲で先生へ伝える案があります。「友達に興味がない」とまとめる前に、本人が周りを見ていたか、誘われたときにどうしたか、特定の相手とは違う様子だったかを分けて聞いてみてください。見えている行動と、本人の気持ちについての推測を同じ欄にしないようにします。
本人に聞くときも、「どうして一緒に遊ばないの」と理由を説明させることだけを目標にせず、「今日は何が楽しかった」「見ていたい遊びはあった」など、その子が答えやすい話題から始める相談例があります。言葉だけでは確かめにくい場合にどう希望を聞くかは、先生や支援者と相談します。本人の反応を、大人が望む答えへ置き換えるための質問表にはしません。
国立特別支援教育総合研究所の発達障害教育推進センターは、集団に入れない場合に、何をすればよいか分からない、始まりと終わりの見通しが持てない、過敏性があるなどの要因を、さまざまな場面で観察して考えることを示しています。活動内容を視覚的に示すことや、小集団での活動なども支援の例として挙げています。
園へ聞く文の例は、「何人なら参加できるか」だけでなく、「何をする活動か、本人にどう伝えていますか」「終わりや順番は分かりやすくなっていますか」です。少人数であれば誰でも安心できるという意味ではありません。本人の様子を見ながら、人数、相手、場所、活動の内容のうち、どこを相談するとよいかを絞るための問いです。
| 分けて見ること | 先生へ尋ねる例 | 記録したいこと |
|---|---|---|
| 活動の内容 | 本人は何をするか分かっていますか | 説明した方法と、本人の様子 |
| 相手や人数 | 相手や人数で違いがありますか | 参加した条件と、見ていた条件 |
| 場所や音 | 落ち着いて過ごせる場所はありますか | 環境が変わったときの様子 |
| 始まりと終わり | 予定や順番をどう伝えていますか | 見通しの示し方と、困った場面 |
本人が希望する参加の仕方を考えるため、近くで見る、一緒に使う物を一つ選ぶ、活動の一部分に関わるなどの案を、園へ相談してみる方法があります。これらはこの記事が示す相談例であり、全員に同じ順序で行う療法ではありません。見ている時間をどう捉えるか、本人が参加したい合図をどう確かめるかを、先生と話し合う材料です。
たとえば架空の例で、遊びの輪から離れた場所で同じ道具を使っていた子が、友達の動きを見ていたとします。その場面を「参加していない」とだけ記録するか、何を見ていたかも共有するかで、次に尋ねたいことが変わります。観察した一場面から能力を評価するものではありません。本人がどのように関わろうとしているかを、先生や相談先へ確かめる例です。
国の児童発達支援ガイドラインは、温かく親しみやすく、くつろげる場や、不安な気持ちを落ち着かせる環境への配慮を示しています。集団へ入る工夫だけでなく、本人が落ち着ける場所をどのように確保しているかも、園に尋ねる話題になります。活動から少し離れて過ごす案がその子に合うかは、実際の様子を見ながら相談してください。
「休みたい」をどう知らせるか、離れたときに誰が本人の様子を確かめるか、また関わりたくなったときにどう伝えるかを、分けて相談する案があります。全員に一定の休み時間を決める提案でも、一人で放っておく提案でもありません。活動への参加と落ち着いて過ごすことの両方を、本人の生活として考えるための問いです。
「今日はみんなと遊べた」という連絡があれば、どの遊びに、どんな相手や環境で関わったかも聞く案があります。反対に、参加しなかった日も、何をして過ごし、どんな伝え方があったかを共有できます。「できた日」と「できなかった日」の二つだけで並べず、本人にとって参加しやすかった条件を考えるためです。
相談メモは、本人が話したこと、家庭で見たこと、園で見たこと、次に試すと相談したことを分けて書く方法があります。毎日長い文章を作るのではなく、面談で取り上げたい一場面を選ぶ案です。保護者と先生のどちらかが一方的に評価を付ける記録ではなく、本人の希望と必要な環境を考えるための共通材料にします。
「集団行動ができるように」という希望を、どんな活動にどう参加したいかという言葉へ少しずつ分ける案があります。たとえば、「友達と同じ遊びを楽しむ場面を増やしたい」「分からないときに先生へ知らせたい」「離れて過ごしたいときに伝えたい」などです。どの目標を選ぶかは、本人の様子と希望、園や支援者の見立てを話し合って確認します。
児童発達支援を利用している場合には、園で分かった条件を事業所の担当者へ伝え、支援計画の目標とどうつながるかを相談できます。国のガイドラインは、本人や保護者の意思を尊重して計画を作ること、支援の評価を計画の見直しにつなげることを示しています。園と療育が別々の目標を増やすのではなく、何を共有するかを相談するための材料にしてください。
次は架空の例です。公園では一人で同じ遊びを続ける子が、園では顔を知っている友達の近くに座っていたとします。「園ではできるのに、公園ではなぜ」と、どちらかの場面を基準にして本人を試すための情報にはしません。相手を知っているか、遊びの内容が分かるか、近くに大人がいるかなど、違う条件を先生と整理する材料にします。場面差から一つの原因を決める例でもありません。
この家庭が先生へ尋ねる文は、「園では友達の近くにいると聞きました。どんな遊びのときで、本人はどう関わっていますか。公園では一人で続ける遊びがあり、その時間も大事にしながら相談したいです」です。園で見られる行動をそのまま家庭でも行わせるという目標にせず、本人の生活でどんな経験ができているかを持ち寄ります。
別の架空例で、友達から誘われたときに本人がその場を離れたとします。「断った」「嫌がった」という結論だけで記録せず、その前にどんな説明があり、本人がどんな様子だったかを聞く案があります。誘った子にも事情があるため、保護者が直接どちらかへ決め付けた説明をする前に、園で把握していることを確認します。その上で、本人が次に関わりたくなったとき、どう知らせるかを先生と相談できます。
こうしたやりとりでは、本人が何を選んだかと、大人がどのような選択肢を示したかを分ける案があります。「参加するか、しないか」の二つだけで十分か、見る場所や関わり方について本人が選べることはあるかを相談します。国のガイドラインが挙げる、興味関心を広げ、本人が選択できるようにする配慮を、個別の活動でどう考えるかという話です。
相談の後で、大人同士が合意したことを本人へどう伝えるかも確認してください。先生と保護者だけで決めた目標を本人の希望として書かず、本人に伝えたこと、本人の反応、次に確かめることを分けます。本人が選ぶことを大切にしながら、必要な支援と安全を実際の場でどう整えるかは、園や支援者と継続して話し合う事項です。
一つの遊び方だけで診断や支援の種類は決められません。本人が楽しんでいること、困る場面、活動の条件を園や相談先へ伝え、必要な支援を考えるために使ってください。
国のガイドラインは、こどもの希望に応じた参加や、本人が選べるようにする配慮を示しています。一人遊びをなくすという一律の目標ではなく、どのような関わりを本人が望んでいるかを相談してください。
人数だけで決めず、活動の見通し、相手、場所、感覚の特性なども考えます。少人数や視覚的な説明は公的資料にある例ですが、その子に合う条件は園や支援者と個別に確かめます。
それぞれの場所での活動や条件を分けて聞き、同じ場面を見ているかを確かめる案があります。本人の希望と共有したいことを整理し、関係者へどの情報を伝えるか相談してください。
のびのび発達ラボを運営する児童発達支援てらぴぁぽけっと早稲田教室(東京都新宿区・都電早稲田駅徒歩1分)には、言語聴覚士・公認心理師・精神保健福祉士・保育士など多職種の専門スタッフが在籍しています。見学・ご相談は、診断の有無に関わらず承ります。