最初に、一人で機器の判断を抱えない
江戸川区の防災マニュアルは、医療的ケアのある人に向けて、医療機関や医療機器メーカーの連絡先を用意すること、薬や食事などの備えと災害時の対応について主治医に相談することを案内しています。停電時には電源を確保するという項目もあります。具体的な機器のつなぎ方や設定を、このページで一律に示すことはできません。使っている機器について、関係する医療者やメーカーに確認するための準備から始めます。
家にある機器を紙に書く場合、機器名だけの一覧と、確認したい問いを分けておく方法があります。「停電時に確認する手順を教えてほしい」「予備電源について誰と相談したらよいか分からない」といった問いを先に記します。使用時間や電力の見積もりは、家庭の推測を確定値として書かないようにします。機器の説明書や現在の指示を参照し、実際に確認した相手と日付を添える欄を作ると、後の相談で説明をたどれます。
江戸川区の支援で確認できること
「えどがわ医療的ケア児ガイド」には、在宅人工呼吸器使用者自家発電装置等給付事業と、在宅人工呼吸器使用者災害時個別支援計画が掲載されています。計画については、本人と家族、関係者が情報を共有し、電力の確保や避難の体制などに備える説明があります。医療機器を使うすべての家庭が同じ給付対象になると判断せず、対象や申請に必要な確認を窓口で尋ねてください。
ガイドでは、これらの防災項目の問い合わせ先として、障害者福祉課医療給付係の電話03-5662-1414と、住んでいる地域の健康サポートセンターを案内しています。連絡の際は「人工呼吸器を使用しています」「電源が必要な機器について停電時の相談をしたいです」など、現在の状況と相談目的を最初に伝える方法があります。自分の家庭で使える制度や計画が何かは、窓口から確認を受けて整理しましょう。
電源の話と、移動の話を別の欄にする
相談用紙を左右に分け、左を「自宅で電気が止まったときの確認」、右を「移動が必要な場合の確認」にする方法があります。左には医療者やメーカーへ聞く問い、右には避難の体制を関係者と相談する問いを書きます。どちらも、ここで保護者が独自の手順を完成させるためではありません。何を確認できていて、何がまだ決まっていないかを見えるようにするためです。
「近くの施設に行けば確実に機器の電源を使えるだろう」という見込みだけで予定を組まないようにしましょう。受け入れ先や電源、移動方法について、家庭ごとの状況を踏まえた確認が必要です。普段の通園先や療育先が開いていることと、災害時の支援が確約されていることも別に考えます。施設から説明を受けた場合は、いつ、どのような条件についての回答なのかを記して、個別の計画を相談する際に持参します。
一日の流れを使って相談を具体的にする
家庭での時間だけでなく、通園や通院など外にいる時間もあるなら、通常の一日を書いてみます。午前は家にいる、午後は通所している、といった予定で構いません。その横に「この場面で停電したら、誰に確認するか」「家族が別の場所にいる場合、連絡をどうつなぐか」を質問として置きます。空欄を埋めることを急がず、次の相談先を決める表として使う方法です。
祖父母や送迎を担当する人がいる家庭では、関わる人が機器の対応をそれぞれ違って理解していないかも相談できます。家族向けの説明を自作する前に、医療者から確認済みの説明をどのように共有するか尋ねましょう。練習をする場合も、機器を止めたり接続を変えたりする方法を保護者だけで試すのではなく、安全に確認できる方法を専門家へ相談してください。このページの図は、相談の順序を表したもので、操作手順ではありません。
連絡先は役割が分かる形で持つ
連絡先の欄には、名前や電話番号だけでなく「何を相談する相手か」を添える方法があります。主治医への質問、機器メーカーへの確認、区の制度の相談など、役割を区別すると、電話先で相談内容を説明しやすくなります。緊急時の連絡方法は、日常の問い合わせ番号の一覧だけで決めず、子どもの状況に応じた説明を医療者や関係機関から受けておきましょう。
紙で持つ情報と、スマートフォン内に保存する情報をどう分けるかも、家族で考える項目にできます。個人情報を含むので、公開の共有フォルダや誰でも見られる場所へ置く必要はありません。関係者に必要な範囲を確認して共有します。保護者が連絡できない場面に備えたいときは、その希望を個別の計画を相談する場で伝え、誰がどの情報を持つかを話し合います。子どもの情報が多いほど安心と考えて、無制限に配る表にはしないようにしましょう。
買う前に、支援制度と機器の条件を確認する
予備電源の購入を急ぎたくなるかもしれませんが、価格や大きさだけで選ぶ前に、使用機器との関係や制度の条件を確かめる必要があります。区の給付事業の見出しがあることだけを根拠に、購入後に給付されると考えないようにします。申請の順序や必要な確認は、区の窓口に質問してください。製品の安全な使い方は製品の説明と専門家への確認に従い、この記事の図や一般的な家庭用家電の例で代用しません。
家族が用意する質問は、「すでに持っているものを伝えたい」「これから買う前に確かめたい」「計画の相談先を知りたい」の三つに分けられます。見積もりや機器の資料を持参する必要があるかも、事前に問い合わせると相談の準備を絞れます。全ての資料を最初から集め切るより、窓口に必要な資料を確認し、次に何をそろえるか決める進め方ができます。
話し合った後に残すのは、次に確かめること
一回の相談で電源、避難、連絡の全てが決まるとは限りません。相談が終わったら「確認できたこと」「専門家から回答を待っていること」「次に連絡する相手」の三つを残します。計画の内容が更新されたときに、古い紙を使っていないか確かめる欄も用意できます。変更した内容は関係する相手と共有する方法を相談し、保護者が全員に口頭で説明し続ける負担を減らす工夫を考えましょう。
心配を小さくするために、根拠のない「この電源で何時間でも大丈夫」という約束を作る必要はありません。分からない点を具体的な問いにして、子どもの状態と機器を知る人、地域の支援を案内する人に相談することが出発点です。区のガイドは、その相談先を探すための資料として使えます。手元の機器の対応については、個別に確認した説明と計画へ戻れるようにしておきましょう。
電話の前に作る、質問だけの小さなメモ
区の窓口へ連絡する前に、「現在使っている機器について停電時の相談をしたい」「個別支援計画はどこで相談できるか」「給付の対象と、購入前に確認することを知りたい」の三つを質問として並べる方法があります。病歴を全て説明する文章から始めなくても、最初に相談の目的を伝え、必要な情報を窓口から確認してもらえます。説明が別の担当へ引き継がれる場合は、担当の名前と次の連絡方法を聞いておきます。
医療機関へ持っていく質問は、区の制度への質問とは別にします。たとえば「災害時の薬や食事について、家庭で確認する点を教えてください」「機器の説明書のこの部分が分かりません」と、手元の資料に沿って尋ねられます。メーカーから回答を受けた場合も、その内容が自分の機器の型番や構成についてのものかを確認してください。質問が増えたときは、一つずつ次の確認先を付けます。分からない項目が残っていても、保護者の推測で操作手順や稼働時間を埋めず、回答を待つ欄として扱うことができます。
未確認の欄に、次の相手を書いておく
質問表の「未確認」は、備えが全くできていないという評価ではありません。たとえば、主治医の説明は受けたが区の計画の相談はまだ、機器の資料はあるが説明を聞いていない、という段階を区別する欄です。その横に次に聞く相手を置くと、家族が別々に同じ問い合わせを重ねる前に、どこまで進んだかを確認できます。
回答の言葉が資料によって違うと感じた場合は、保護者が都合のよい方を選んで操作を決めず、どの機器や条件についての説明かを関係者へ尋ねてください。相談の途中で出た希望と、確定した計画も分けて残します。家族が一人で全てを理解しなければならないという形にせず、分からない部分を共有して、確認の役割を関係者と話し合うための表として使えます。
家族の資料に製品名を写す際は、似た名前の別の機器と混同しないよう、説明書と本体の情報を見て確認します。機器を更新した後に古い資料だけを持参すると、相談の前提が違うことがあります。古い資料を現在の機器の説明として使わず、どの時点のものかを区別して、医療者やメーカーへ尋ねる際に確認してください。

