育ちの記録を、関係機関の支援へつなぐ制度
中央区の育ちのサポートカルテは、育ちに支援を必要とする子どもが、切れ目のない一貫した支援を受けるためのツールです。蓄積してきた育ちに関する情報や支援方法を関係機関が共有し、進級・進学などの節目にも支援を引き継ぐことを目的としています。家庭が自由にまとめる記録だけでなく、保護者からセンターへの申請と承認を経て作成する仕組みである点を押さえましょう。
公式ページは、集団で友達と一緒に過ごすことが難しい、発達のゆっくりさに寄り添った支援を希望する、これまでの集団生活でも個別支援が必要だった、通園・通学先が変わっても支援を続けてほしい、といった子どもの姿を挙げています。中央区に住む18歳未満であることも記載されています。説明に当てはまると思ったときは、家庭だけで利用の可否を決めず、どんな支援をつなぎたいのかをセンターへ相談してください。
保護者の申請から、承認後の作成へ進む
作成の流れは、保護者が子ども発達支援センターゆりのきへ申請し、センターで承認された後にカルテ作成が始まるという案内です。区の公式ページには作成申請書と記入例が公開されています。ファイルの様式をダウンロードしたことだけで登録や作成が完了するわけではありません。申請先と、これから共有したい機関を確認しながら準備する必要があります。
作成申請書には、申請者の住所、氏名、続柄、電話番号、児童の氏名と生年月日、在籍機関、関係機関などを記す欄があります。在籍機関には保育所、幼稚園、学校などを、関係機関には区と相談したうえで支援を受けている在籍機関以外の機関を記入する注記があります。思いつく相談先を全部並べるのではなく、どの機関と支援情報をつなぐのかを区と確かめて記入します。
共有への同意が申請書に含まれている
作成申請書には、区がカルテに記載された情報を、記入した在籍機関と関係機関と共有することへの同意が書かれています。共有する情報には要配慮個人情報も含むという説明です。単に連絡先を登録する用紙として読み流さず、共有の対象となる機関を確認してください。どの情報がどこへ渡るのか不安な場合は、署名する前にセンターへ質問することができます。
申請書の注記は、要配慮個人情報の例として健康診断等の検査結果や、心身の障害があることなどを示しています。発達や医療に関する内容を扱うため、情報の共有先と目的が分かることが大切です。ここで確認した同意文から、区内のすべての機関へ無制限に公開する制度だとは読み取れません。一方、共有範囲について家庭独自の条件を足せば認められるとも断定せず、疑問点を区に確認して進めましょう。
フェイスシートで経過と現在の情報を整理する
公式のフェイスシートは、児童の氏名や所属、住所、連絡先、家族構成、手帳の取得状況などを整理する構成です。作成開始日と最終更新日を記す欄があります。情報を蓄積する仕組みであるため、過去の経過と、今の所属や連絡先を混同しないようにすることが大切です。記入内容について保護者が了解したことを自署する欄も設けられています。各面に児童の氏名・所属などの欄があるため、複数ページを扱う際にも対象と更新時点を確かめられます。新旧のシートが混ざっていないかを確認してください。
続くページには、生い立ち、乳幼児健診、診療歴、療育歴、就学前の通園機関や教育歴などの欄があります。医療や療育については担当者や連絡先も記せるため、記録を読んだ人が必要な確認先を整理する材料になります。ただし、過去の月齢や診療の内容を記憶だけで確定し直す必要はありません。不明なことは資料を確認し、分からない点を分けて相談してください。カルテを作るために新しい診断名を付けるという意味ではありません。
機関ごとの支援シートを確認する
区は、幼稚園・保育所・認定こども園、小学校、中学校、高等学校等、関係機関等のための支援シートを分けて公開しています。フェイスシートが本人の経過や基本的な情報を整理するのに対して、各機関での支援を引き継ぐための様式も別に用意されていることが分かります。家庭だけで全機関の評価を書き直す資料だと受け取らず、担当と役割を確認しましょう。
進級や進学の相談では、次の場に続けてほしい配慮、現在の機関で確認している支援方法、まだ検討中のことを分けると、確認したい内容が具体的になります。これは面談準備の整理例であり、区が指定する新たな提出書類ではありません。家庭が見た姿と、園や学校が記録した支援を同じものにせず、作成した機関や時点が分かる資料をもとに話し合うことが大切です。
在籍先などが変わるときは変更様式を見る
区のページは、申請事項等変更届出書も公開しています。このPDFは二面あり、一面目に、承認されたカルテについて変更した事項と変更日を記す欄があります。二面目は、変更に伴う共有に係る同意欄です。新しくカルテを作成する在籍機関や関係機関について記入する欄が設けられているため、進学先が変わった場合などは、単に名前を書き替えるだけと考えず、共有の確認も含めて相談します。
変更届の二面目にも、在籍機関と関係機関を分ける注記があります。新しい学校や利用機関が決まったときは、何を変更し、どこへ支援情報をつなぐのかをセンターに伝え、必要な手順を確認してください。学校が変わればすべての情報が自動的に移る、という一括した説明はしていません。転居などで区や利用条件が変わる場合の扱いも、個別に区へ確認する必要があります。
写しが必要な場合は提供依頼書を確認する
提供依頼書は、カルテの写しの提供を依頼するための様式です。依頼者の住所、氏名、続柄、電話番号と、対象の児童の氏名を記す欄があります。交付対象はカルテの全部または一部から選び、一部の場合には提供を依頼する対象を記入する欄が設けられています。「写しがほしい」という希望を、どの部分が必要なのかに分けて相談できる構成です。
この用紙は、関係機関への共有同意を記す作成申請書とは目的が異なります。新しい相談へ資料を持参したい場合も、まず必要な部分と利用目的を整理し、写しの依頼や受け取りの手順をセンターに確認してください。今回確認した様式からは、交付までの所要日数や、どのような方法で受け取れるかまでは確定できません。急ぐ予定があるときは希望日を伝え、間に合うと自己判断せず担当に確かめましょう。
中止と再開にも別の届出書がある
公式ページには、中止・再開届出書も掲載されています。承認されたカルテの作成について、中止または再開を希望することを届ける様式です。作成の申請、申請事項の変更、写しの提供依頼とは、それぞれ目的が違います。今後の利用について迷いがある場合は、どの届けに当たるかを確かめるためにも、現在の状況と希望をセンターへ伝えて相談してください。
中止という言葉から、これまでの記録が直ちに消去される、既に関係機関が保管した資料まで自動的に回収される、といった扱いを推測しないようにしてください。今回の中止・再開届出書だけでは、保存や既に共有された情報の取り扱いまでは確認できません。情報の扱いが心配で手続きを考えている場合は、その心配も具体的に伝え、保存・共有・再開の扱いを区へ確認することが必要です。
コーディネーターの役割と手続きを混同しない
育ちのサポートシステムの公式説明では、福祉・保健・教育の知識や経験を持つ人材をコーディネーターとして配置し、相談支援、調整、連携体制づくりを推進するとしています。子ども発達支援センターが拠点となり、関係機関との連携を図る仕組みです。本人について複数の場で異なる困りごとがあるときには、どの機関と何を話し合いたいのかを整理して相談できます。
同じ公式ページには、保育園巡回相談や講演会の説明もありますが、カルテの承認を受ければ、すべての訪問や支援が自動で決まるという説明ではありません。カルテは情報や方法を引き継ぐツールであり、通所支援の支給決定や、各事業の利用条件と同じ手続きだと読み替えないでください。必要なサービスの相談は、それぞれの担当や案内に沿って確認することになります。
申請前の問いを、共有・変更・提供に分ける
最初の相談では、「どの機関と支援を引き継ぎたいか」「今どんな情報をまとめているか」「同意や共有について分からないこと」を伝える方法があります。既にカルテがある場合は、作成申請ではなく、在籍機関などの変更か、写しの提供か、中止・再開かを分けて尋ねましょう。用紙の名称と、家庭がしたいことを対応させると、相談の行き違いを減らせます。
公式ページの問い合わせ先は、子ども発達支援センターの事業調整担当、電話03-3545-9844です。所在地は明石町12-1と掲載されています。持参や提出の方法、必要な資料は最新の案内で確認してください。本人の経過を継続した支援へつなぐという目的を大切にしながら、誰とどの情報を共有するのかを保護者が理解できる形で進めることが、このカルテを利用する際の確認の中心になります。

