ポイントのまとめ
国の要領では診断名や手帳は必須要件ではなく、足立区の児童発達支援の対象にも「療育の必要性が認められる児童」が書かれています。ただし、足立区が診断書をどう扱うかは公式ページで確かめられなかったので、申請前に区の各援護係へ確認してください。
児童福祉法は、障害児を「身体に障害のある児童、知的障害のある児童、精神に障害のある児童(発達障害者支援法(平成十六年法律第百六十七号)第二条第二項に規定する発達障害児を含む。)」などと定めています(第4条第2項)。受給者証を受けたい保護者は、市町村に申請します(第21条の5の6第1項)。通所給付決定は、保護者の居住地の市町村が行うものとされています(第21条の5の5)。足立区にお住まいなら、申請先は足立区です。 出典:[8]。
国の「通所給付決定事務等について」(令和8年3月)は、通所給付決定を行うに際し、医学的診断名又は障害者手帳を有することは必須要件ではなく、療育を受けなければ福祉を損なうおそれのある児童を含むものとすると書いています(1頁)。さらに、障害の有無を確かめるときは年齢等を考慮し、必ずしも診断名を有しなくても、障害が想定され支援の必要性が認められればよいものとすると書いています(2頁)。 出典:[7]。
足立区の「児童発達支援」のページには、対象として「身体に障がいのある児童、知的に障がいのある児童または精神に障がいのある児童(発達障がい児を含む)、療育の必要性が認められる児童」と書かれています。診断名を条件にする文は、このページにはありません。 出典:[1]。
表:公式に書いてあることと、書いていないこと
| 確認先 | 書いてあること | 今回確認できなかったこと |
|---|---|---|
| 国の要領(1頁・2頁) | 診断名・手帳は必須要件ではない。診断名がなくても、障害が想定され支援の必要性が認められればよい | 足立区が実際にどの書類を求めるか |
| 足立区「児童発達支援」 | 対象に「療育の必要性が認められる児童」が含まれる | 「療育の必要性」を誰がどう判断するか |
| 足立区「幼児発達支援室ひよこ」 | 利用には通所受給者証が必要 | 診断書の要否 |
「書いていない」ことは、「不要」とも「必要」とも読めません。診断書を出すべきかどうかは、保護者が決めて動く前に、区へ聞いて確かめます。出典:[7]、[1]、[3]。
国の要領は、児童発達支援の対象者を「療育の観点から集団療育及び個別療育を行う必要があると認められる主に未就学の障害児」と書いています(3頁)。例として、市町村等が行う乳幼児健診等で療育の必要性があると認められた児童が挙げられています(3頁)。診断名の有無ではなく、療育の必要性が認められるかどうかが書かれています。 出典:[7]。
足立区の児童発達支援は、未就学児に対して、日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練、その他必要な支援を行うと書かれています。費用は世帯の課税状況に応じて自己負担額があり、問い合わせ先は各事業所または障がい援護課各援護係です。 出典:[1]。
通所給付決定は、保護者から申請された種類の障害児通所支援の利用について、公費(障害児通所給付費等)で助成することの要否を判断するものと説明されています(要領1頁)。結論を出すのは区ですので、「診断がないが使えるか」は、お子さんの様子を伝えたうえで区に聞くのが確実です。 出典:[7]。
診断名の有無より先に、「どの場面で、何に困っているか」を話せるようにしておきます。メモの作り方は後の節にまとめました。
国の要領は、支給申請書に添付する書類として、負担上限月額の算定のために必要な事項に関する書類、すでに通所給付決定を受けている場合の通所受給者証、そして「必要に応じて、医師の診断書」を挙げています(7頁)。 出典:[7]。
「必要に応じて」の意味として、要領は、例えば障害者手帳や特別児童扶養手当等を受給していることを証明する書類、市町村保健センターや児童相談所、保健所等やこどもの発達相談窓口からの意見など、障害児の障害の状態や特性等を確認できる書類や情報が全くない場合が考えられると書いています(7頁)。 出典:[7]。
この文の読み方を整理します。
| 要領の言葉 | 家庭で確認すること |
|---|---|
| 手帳・手当の証明書類 | お子さんが手帳や特別児童扶養手当の証明書類を持っているか。持っていれば区に伝える |
| 保健センター・児童相談所・保健所・発達相談窓口の意見 | これまでに相談した窓口と日付を控える |
| それらが「全くない場合」 | 診断書を求められるか、別の確認方法になるかは区に確認する |
要領は、これらの書類や情報が全くない場合などを例に挙げているだけで、足立区がどの場合に診断書を求めるかは書いていません。診断書を取りに行く前に、区へ「診断書は必要ですか」と聞いてください。出典:[7]。
また、支給申請書の作成に当たっては、市町村の判断で「障害」という用語の不使用等の配慮をすることは差し支えないと書かれています(6頁)。申請書の言葉に抵抗がある場合は、窓口にその気持ちを伝えてみてください。 出典:[7]。
国の要領は、手帳を有しない又は手当等を受給していない場合、市町村は、当該児童が支援を必要とするか否かについて、市町村保健センター、児童相談所、保健所等に意見を求めることが望ましいものとすると書いています(2頁)。 出典:[7]。
児童相談所等の意見の聴取については、障害児が障害者手帳を有していない又は医療機関等の受診をしていない等の場合で、必要な場合として想定されているのは、市町村が行う通所支給要否決定の基礎資料となる心身の障害の状況の専門的意見を聴取する場面と書かれています(13頁)。続けて、乳幼児健診等と関連して市町村保健福祉センター又はかかりつけ医療機関で確認できる場合は、この限りでないとあります(13頁)。 出典:[7]。
つまり、国の要領は、医療機関を受診していない場合や手帳がない場合の想定を書いています。そのとき足立区が、どの窓口の意見を使い、保護者にどんな手間が生じるかは、区の公式ページでは確かめられませんでした。次の点を区に確認してください。
こども支援センターげんきの公式ページには、「乳幼児から18歳未満までの発達に関する悩みや心配事(発達障がい、発音などを含む)についての相談を行っています」とあり、電話は03-5681-0134(支援管理課発達支援係)です。 出典:[4]。
同じページには、ペアレント・メンター(発達障がい特性のある子どもを育てた経験をもつ相談員)による相談も載っています。開所日は火曜・木曜・金曜(祝日、年末年始はお休み)、午前9時30分から午後12時30分と午後1時30分から午後4時30分で、電話は03-3852-2932(足立区ペアレント・メンター事務局)です。 出典:[4]。
障がい援護課各援護係は、手帳の交付、補装具費・日常生活用具の給付、障害福祉サービスの利用等の相談窓口と書かれています。受給者証の申請の相談は、この窓口へ電話する形が考えられます。診断書の要否も同じ窓口に聞いてください。 出典:[2]。
表:目的ごとの窓口(公式ページの記載)
| 知りたいこと | 窓口 | 電話 |
|---|---|---|
| 発達の心配を相談したい | こども支援センターげんき 支援管理課発達支援係 | 03-5681-0134 |
| 同じ立場の保護者に聞きたい | 足立区ペアレント・メンター事務局 | 03-3852-2932 |
| 受給者証・手続・診断書の要否 | 障がい援護課各援護係(住所の地域で異なる) | 次の節の表 |
「発達相談をしたら受給者証の申請もできるのか」「相談の予約は必要か」といった細目は、公式ページから確かめられなかったため、電話で確認してください。出典:[4]。
足立区「幼児発達支援室ひよこ」のページには、「利用については、障がい福祉課各援護係が発行する通所受給者証が必要です」と書かれています。一方、「児童発達支援」のページや各援護係の一覧では、課名が「障がい援護課」と書かれています。課名の表記が公式ページによって違いますので、電話では「各援護係」と伝えるとよいでしょう。 出典:[3]、[1]。
各援護係の一覧には、「相談先はお住まいの地域によって異なります」と書かれ、受付時間は月曜日から金曜日の8時30分から17時までとされています。この一覧は「令和6年4月1日から」と題されたものです。電話の前に、最新の窓口と時間を区に確かめてください。 出典:[2]。
表:各援護係の所在地と電話(一覧の記載)
| 援護係 | 所在地 | 電話 |
|---|---|---|
| 中部援護第一係・第二係 | 中央本町1-17-1 区役所北館1階 | 第一係 03-3880-5881/第二係 03-3880-5882 |
| 千住援護係 | 千住仲町19-3 千住福祉課内 | 03-3888-3146 |
| 東部援護係 | 東綾瀬1-26-2 東部福祉課内 | 03-3605-7520 |
| 西部援護係 | 鹿浜8-27-15 西部福祉課内 | 03-3897-5034 |
| 北部援護係 | 竹の塚2-25-17 北部福祉課内 | 03-5831-5799 |
どの係が担当かは、町名ごとに決まっています。一覧の表でお住まいの町名を探し、見つからないときは区に確認してください。出典:[2]。
「障がい福祉サービス(日常生活サービス)」のページには、相談窓口/申請先として、身体障がい・知的障がい・難病のある方は障がい援護課各援護係へ、精神障がいのある方は中央本町地域・保健総合支援課および各保健センターへと書かれています。お子さんの場合にどちらになるか迷うときは、まず各援護係へ電話し、窓口を教えてもらってください。 出典:[5]。
また、足立区の児童発達支援のページには、収入がない方・非課税所得のみの方も住民税の申告をしましょうと書かれ、申告を行わないと各種制度・サービスの利用や申請ができない場合があるとあります。サービスの利用を希望する場合は、問い合わせ(各担当)へ事前に連絡するよう書かれています。 出典:[1]。
国の要領には、通所給付決定の流れが書かれています。足立区での日数や様式は公式ページに無かったため、順番だけを確認します。
| 順 | 国の要領の記載 | 家庭の準備 |
|---|---|---|
| 1 | 障害児の保護者が市町村に申請する(法第21条の5の6第1項) | 相談日、担当者名、持ち物を電話で聞いてメモする |
| 2 | 市町村が障害児または保護者と面接をし、心身の状況、置かれている環境などを調査する(要領2頁) | 日々の困りごとと、うまくいく関わりをメモしておく |
| 3 | 市町村が障害児支援利用計画案の提出を依頼する(要領2頁) | 区が計画案を求めるか、誰が作るかを区に聞く |
| 4 | 市町村が、勘案事項、意見、計画案を勘案して支給の要否を決める(要領2頁) | 結果の連絡方法と時期を区に聞く |
| 5 | (この資料では確認していない手順です) | 受給者証のあとの契約や開始の流れは、区または利用先に確認する |
足立区の「相談支援事業」のページでは、障害児相談支援の対象者を「障害児通所支援を申請した障がい児で、区が障害児支援利用計画案の提出を求めた方」と書いています。事業内容は、障害児通所支援の申請に係る支給決定前にサービス利用計画案を作成し、支給決定後にサービス事業者等との連絡調整等を行うこととされています。計画案の提出を求められるかどうかは、申請のときに区へ確認してください。 出典:[6]。
区の窓口へは、診断の有無にかかわらず、次の順で聞くと話がまとまります。
電話で伝える文の例です。そのまま読んで構いません。
「足立区の○○町に住んでいる、○歳の子の保護者です。ことばや集団での様子が心配で、療育を使えるか知りたいと思っています。まだ診断は受けていません。通所受給者証の申請は、診断書がなくてもできるのか、どんな書類が必要なのかを教えてください。」
診断を受けたあとなら、「診断を受けました。診断書を持っています。申請のときに提出するものか、見せるだけでよいかを教えてください」と伝えます。
表:電話のメモ表(コピーして使えます)
| 項目 | 記入欄 |
|---|---|
| 電話した日・時間 | __月__日 __時 |
| 担当の窓口名・担当者名 | ________ |
| 診断書の要否の回答 | 必要・不要・状況による/理由____ |
| 持参する書類 | ________ |
| 面接の日時・場所 | __月__日 __時/場所____ |
| 次に連絡する人・期限 | ________ |
回答に「状況による」と言われたときは、「どんな場合に診断書が必要になりますか」と重ねて聞いて表に書いておきます。
診断書の有無にかかわらず、面接で伝えることは「お子さんの様子」です。国の要領でも、市町村は面接で心身の状況や置かれている環境などを調べるとされています。出典:[7]。
| 書くこと | 例(書き方の型) |
|---|---|
| 困っている場面 | 朝の支度、食事、遊び、園での集団活動など、場面ごとに一行で書く |
| 困りごとの頻度 | 週に何回か、いつごろから続いているか |
| うまくいく関わり | 落ち着けたとき、どんな声かけや環境だったか |
| これまでに相談した窓口 | 窓口名、相談した日、言われたこと(乳幼児健診、保育園・幼稚園、医療機関など) |
| 受けた検査・診断 | 受けた場合は、日付、医療機関名、渡された書類の名前 |
乳幼児健診等で療育の必要性があると認められた児童が、児童発達支援の対象者の例として挙げられています(要領3頁)。健診で言われたことは、日付と一緒に控えておきましょう。出典:[7]。
今回開いた公式資料では、次のことは確かめられませんでした。言い切らず、区の各援護係や利用先に確認してください。
国の要領は、申請書の添付書類に「必要に応じて、医師の診断書」を挙げ、障害児の状態や特性等を確認できる書類や情報が全くない場合などを例に書いています(7頁)。足立区がどんな場合に診断書を求めるかは公式ページで確かめられませんでした。申請前に各援護係へ確認してください。
国の要領は、通所給付決定で医学的診断名または障害者手帳を有することは必須要件ではないと書いています(1頁)。足立区の児童発達支援の対象にも「療育の必要性が認められる児童」が書かれています。お子さんの場合に使えるかどうかは、区に確認してください。
足立区の公式ページでは、こども支援センターげんきが、乳幼児から18歳未満までの発達に関する悩みや心配事についての相談を行っています。電話は03-5681-0134(支援管理課発達支援係)です。
足立区の公式ページには、通所受給者証を発行するのは各援護係と書かれています。各援護係は住所の地域で異なり、一覧に所在地と電話があります。担当や受付時間は、電話で最新の情報を確認してください。
国の要領は、市町村が保健センター、児童相談所、保健所等に意見を求めることが望ましいとしています(2頁)。足立区が実際にどう進めるかは公式ページで確かめられませんでした。区に確認してください。
制度の対象と数字、窓口は次の公式資料で確かめられます。確認日は2026-10-13です。
[1]:足立区「児童発達支援」。
[2]:足立区「障がい援護課各援護係の連絡先一覧(令和6年4月1日から)」。
[3]:足立区「幼児発達支援室ひよこ(障がい福祉センターあしすと通所事業)」。
[4]:足立区「こども支援センターげんき」。
[6]:足立区「相談支援事業」。
[7]:こども家庭庁「障害児通所給付費に係る通所給付決定事務等について」(令和8年3月)。引用した頁は1・2・3・6・7・13頁(資料の頁番号)。
[8]:e-Gov法令検索「児童福祉法」第4条第2項、第21条の5の5、第21条の5の6第1項。
グレーゾーンとは?——法令用語ではない言葉と、診断を要件にしていない三つの条文
掲載した公式資料の閲覧日・最終確認日:2026年10月13日。
のびのび発達ラボを運営する児童発達支援てらぴぁぽけっと早稲田教室(東京都新宿区・都電早稲田駅徒歩1分)では、受給者証の申請や利用料のしくみについても、見学・ご相談の際にご案内しています。手続きが不安な段階からお声がけいただけます。見学・ご相談は、診断の有無に関わらず承ります。