
個人情報保護委員会は、2023年6月に「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」を公表しています。この中では、利用者が個人情報を入力する際のリスクや注意点についても示されています。
特に注意したいのは、入力したプロンプト(指示文)がAIの機械学習に利用される可能性がある点です。初期設定のままでは、入力したテキストがAIの再学習に用いられ、別の利用者への回答として出力されるリスクがゼロではありません。
子どもの発達に関する記録は、プライバシーの中でも慎重な配慮が求められる情報です。「万が一外部に見られても個人が特定されない状態」にしてから入力することが鉄則です。
生成AIに相談文の下書きを頼むときは、以下の5つの情報を削除するか別の表現に置き換えてください。
| 入力前の原文(避ける例) | AIに入力する表現(安全な例) | 置き換えのポイント |
|---|---|---|
| 「〇〇保育園に通う太郎(5歳3か月)」 | 「都内在住の年中男児(5歳)」 | 園名や実名を伏せ、学年と大まかな年齢にする |
| 「〇〇療育センターの鈴木先生に相談した」 | 「療育先の児童発達支援管理責任者」 | 施設名や支援員の実名を伏せ、職種名にする |
| 「WISC-IVの言語理解〇〇、処理速度〇〇」 | 「言葉の理解に比べ作業の処理速度に差がある」 | 詳細な数値を伏せ、支援で考慮したい傾向にする |
| 「〇〇病院の小児科で診断書をもらった」 | 「医療機関の発達外来を受診した」 | 具体的な病院名を伏せ、受診した科の区分にする |
個人情報を伏せたうえで、生成AIを思考整理の道具として使うための指示文の例です。
【目的】療育の担当者へ、家庭での最近の困りごとを相談する連絡帳の下書きを作成してください。 【対象】5歳(年中)の男児 【相談したい事実】 ・園から帰宅後、靴をそろえることや着替えに強いこだわりがあり、思い通りにいかないとパニックになりやすい。 ・家では落ち着くまで見守るようにしているが、対応に迷っている。 【依頼事項】 ・家庭の現状が客観的に伝わる文章にしてください。 ・200〜300字程度で、先生への相談の言葉で結んでください。
状況の骨組みだけを入力することで、プライバシーを守りながら相談文を整えられます。
AIサービスを利用する際は、設定画面で「履歴を学習データとして利用させない設定(オプトアウト)」を確認しておくと安心です。
また、生成AIが出力した文章は「たたき台」に過ぎません。医学的な助言の正確性が保証されているわけではないため、必ず保護者自身の目で確かめてください。
実際の支援方針や関わり方は、AIの出力だけで判断せず、担当の児童発達支援管理責任者や主治医、相談支援専門員と直接対話して決めていくことが大切です。
のびのび発達ラボを運営する児童発達支援てらぴぁぽけっと早稲田教室(東京都新宿区・都電早稲田駅徒歩1分)では、受給者証の申請や利用料のしくみについても、見学・ご相談の際にご案内しています。手続きが不安な段階からお声がけいただけます。見学・ご相談は、診断の有無に関わらず承ります。