入学前に通級の案内を受けたときの確認
就学時健康診断や入学前の面談で、通級や教育相談の案内を受けた場合には、その案内が何を目的としているかを担当者へ確認します。健診の開催月、面談や検査の内容は自治体の案内で確かめてください。このページでは、全国の健診で同じ検査や提案が行われると説明するものではありません。案内の名称、次に連絡する窓口、申込みの期限を控えておきましょう。[T]
通級の制度を紹介されたことと、実際の利用が決まることは分けて考えます。文部科学省の資料は、一人一人の状況や本人・保護者の思いを踏まえた支援を重視しています。何が心配か、どのような学校生活を希望するかを相談で伝えてください。「通常の学級に入れないということか」など、案内から分からない点はそのまま質問し、個別の状況に即した説明を受けましょう。[G]
通級指導教室(通級)の基本概念と通常学級との関係
通級による指導は、通常の学級に在籍している児童生徒が、大部分の授業をその学級で受けながら、一部、障害に応じた特別の指導を受ける仕組みです。特別の教育課程として、在籍する学級の授業に加えるか、一部に替える形で行います。通常の学級で過ごす時間を、全員一律に決めるものではありません。実際の時間割は学校へ確認します。[T]
小学校・中学校等の通級による指導では、特別の指導に係る授業時数は年間35〜280単位時間が標準です。学習障害(LD)・注意欠陥多動性障害(ADHD)のある児童生徒については年間10〜280単位時間が標準とされています。これは年間の単位時間であり、60分単位の時間数や、毎週同じ回数を保証する数字ではありません。高等学校の修得単位の基準とも区別します。本人に必要な内容や授業時間、実施日を学校に確認してください。[T]
特別支援学級と通級指導教室の根本的な違い
特別支援学級と通級による指導は、在籍する学級と教育課程の扱いを分けて確認します。文部科学省の制度説明では、通級は通常の学級に在籍する児童生徒を対象としています。特別支援学級に在籍しながら同じ通級の制度を利用するという説明にはしません。どのような学びの場が本人に合うか、必要な支援や教育内容とともに学校・教育委員会へ相談します。[T]
通級の特別の指導は、障害による学習上・生活上の困難の改善・克服を目的とします。単なる教科の遅れを補うための補習とは異なります。通常の学級の授業の一部に替える場合もあるため、「全教科の全授業を確実に同じ時間割で受け、その後にだけ通級を受ける」とは限りません。教科の学習との関係、指導中に受けられない授業への対応、在籍学級との連携を具体的に確認しましょう。[T]
自校通級・他校通級・巡回指導の3つの実施体制
文部科学省のQ&Aは、実施形態として自校通級、他校通級、巡回指導を示しています。自校通級は本人が在籍する学校で指導を受ける形です。どの形なら負担が最も少ないかを一律に決めず、本人の状態や学校の環境、指導内容、移動を含めて相談してください。希望する学校で実施しているか、どこへ問い合わせるかは学校や教育委員会に確認します。[Q]
他校通級は他の学校へ通って指導を受ける形です。巡回指導は担当教師が本人のいる学校へ赴く、又は複数校を巡回して指導を行う形です。週1回などの共通の頻度をここで示すものではありません。他校通級を検討する場合には、曜日や時刻、移動と付き添い、学校間の連絡方法を尋ねます。巡回指導の場合も、実施日と在籍学級との調整方法を個別に確認してください。[Q]
教育委員会が実施する就学相談(教育相談)の流れ
利用を検討するときは、学校や教育委員会の相談窓口へ、案内を受けた内容と希望を伝えます。面談の時期、必要書類、見学の可否、決定までの流れは地域の案内で確かめてください。全国一律に11月から1月に面談が行われるという説明はできません。本人の様子を共有する資料がある場合も、何をどのように提出すればよいかを相談先へ尋ねます。[T]
文部科学省のQ8では、通級による指導の対象とすることが適当かの判断は、基本的には在籍校の校長が行うと説明しています。障害の状態だけでなく、実施する学校や通学時間等も総合的に考慮し、教育委員会やその委員会等と十分に連携することが重要とされています。保護者は本人や家庭の希望、園での様子、心配な点を伝え、判断の根拠や今後の相談方法について説明を受けてください。[J]
就学相談の面談で確認しておきたい具体的質問事項
面談前には、分かっていることと質問したいことを分けてまとめられます。本人が楽しんでいること、得意な方法、困っている場面、家庭と園で違う点などを、具体的な出来事として伝えます。検査結果だけで話を終えず、学校でどのように過ごせるとよいかも相談しましょう。すべての資料がそろわない段階でも、まず必要な準備を窓口へ確認できます。[T]
質問の例は、指導の目的と内容、年間の単位時間と実際の時間割、教室の場所、移動・付き添い、在籍学級の授業との関係、保護者への連絡方法です。指導内容をどのように見直すか、利用が必要なくなった場合に誰が判断するかも尋ねます。数字の基準だけで利用日を決めず、本人に必要な指導と学校での実施方法を一緒に確認してください。[T]
子ども本人への説明を学校と相談する
本人への説明の仕方は、学校とも相談します。文部科学省の教師向けガイドは、本人や保護者の思いや願いに耳を傾け、その子どもに合った目標や方法を考えることを重視しています。本人が何を心配しているか、何を知りたいかも聞き、年齢や理解に合わせた説明を考えましょう。本人の気持ちを、保護者だけで推測して決めないことも確認したい点です。[G]
実際にどこへ行き、誰と何をするのかについて、学校から受けた説明を基に伝えます。見学を希望する場合は、可能か、本人が参加できるかを学校へ尋ねてください。「秘密の教室」「確実に楽しくなる」といった約束ではなく、本人が困っていることにどのような指導を行うのかを説明します。伝え方で気になる点や、本人の反応があれば、担当者へ相談しましょう。[G]
入学後の個別の指導計画と通常学級担任との連携
文部科学省の資料は、個別の教育支援計画や個別の指導計画の作成・引継ぎと、在籍学級の担任と通級担当の連携を重視しています。どのような目標があり、何を指導し、どのように見直すかを学校へ尋ねます。家庭や園で作成された支援の資料を渡したい場合には、目的、共有する範囲、本人・保護者の了解の確認方法も相談してください。[T]
在籍学級と通級の担当が、本人の様子や指導内容をどの方法で共有するかを確認します。家庭から伝えることがあるときは誰へ連絡するか、面談や記録の方法も尋ねてください。学期ごとの会議などを全国共通の必須運用として示すのではなく、その学校での方法を確認します。本人が過ごしにくい場面や、役立った工夫があれば、具体的に伝えて見直しにつなげましょう。[T]
長い目で子どもの自信を育むための保護者の視点
入学前後の相談では、いまの困りごとと、これから確認することを分けて考えます。通級を利用するかどうかだけで本人の将来を決めつけず、必要な指導や配慮について説明を受けましょう。本人や家庭の気持ちが変わることも含め、継続して相談する窓口と連絡方法を確かめます。周りの子どもとの比較だけでなく、本人が学校でどのように参加しているかも共有してください。[G]
教師向けガイドは、子どもの困難と得意な面を理解し、本人に合った目標や教材を工夫することを示しています。特定の指導を受ければ確実に自信が守られる、数年で通級を終えられると約束するものではありません。支援の内容が本人の状況に合っているか、目標や指導をどう見直すかを学校と話し合いましょう。進学時の記録や引継ぎについても、その扱いを個別に説明してもらいます。[G]

